となりまちの宿屋

<コメントは次回の日記でレスします。なので、どんどん書き込んでくださいね~。>

ブログ久々に更新。

2008-10-13 00:37:45 | Weblog
小説ばっか投下してもアレなんでたまにはブログ書きます。



最近絵描いてねーなー、と思います。いやまぁ、描いても残念な気持ちになるからあれなんだけどもw


小説もいくつか投下したし、それの続きでも書こうかな、とか思ったり思わなかったり。

てかこっち書きはじめるとミクシイの存在を忘れそうで怖いわw

なのはSS⑧

2008-10-13 00:20:16 | 小説
―鳴海市街―

「ふぅ・・・。」

マックで起きた大爆発事件の記憶置換を終えたティアナは小さくため息をついた。
とりあえず、魔術師の存在がこの世界の大衆に知れるわけにはいかない為、目撃者の記憶をガス爆発の偽記憶と置換したのだ。

「なんか私がフェイトさんに呼ばれたのって、事後処理のためのような気がするわ・・・。
 クロスミラージュ、フェイトさんに仕込んだ発信機の位置は?」
『North forest.』
「北の森・・・か。なら目撃者もいないだろうし、私の仕事も減るわね。でも一応向かいましょうか。あの人たちのことだから、何するか分かったものじゃないしね。発信機の座標特定だけ常備お願いね。」
『OK,sir.』

ティアナは歩き出す。自分が信じ、憧れ、付いて来た一人の上司。あの人はいつだって
他人の為に動いていた。エリオの時も、キャロの時も、自分の時だってそうだった。
今回だって・・・。ティアナはそう、信じていた。

「付いていく人・・・間違ったのかしらね?ねぇ、クロスミラージュ。」
『I don`t know.』
「あら、そう。つれないわね。」
『Sorry.』
「ふふっ。」


―遠見市郊外―

「んっ・・・んんっ・・・!」

フェイトは喉に詰まったハンバーガーを飲み込もうと必死にもがく。しかし、飲み込む為の飲料水類を持っていなかったため、窮地に陥っていた。

「んっ・・・んん・・・」

このままでは本当に呼吸ができなくなる。
<フェイト・テスタロッサ・ハラオウン提督、ハンバーガーを喉に詰まらせ窒息死>
の新聞記事が頭を過る。まずい。それだけはまずい。
そう思った時、ある日、管理局の自室のTVで見たある芸人のネタを想い出す。
あれならもしくは。どちらにせよこのままでは窒息する。フェイトは最終手段に出た。

「ん・・・ん・・・んーーっ!」

掛け声とともに自分の左胸を右手で強く叩く。

「んーーーっ!んーーーーっ!」

何度も叩く。・・・命を賭けた死闘。何度も、何度も叩く。

「んーーーーーーっ!・・・ん・・・んーーーーっ!」

フェイトは痛みを堪えながら叩く。今、自分は痛いし苦しい。
しかし、ここで今自分が敗北したら、リンディは、クロノは、
エリオやキャロは、そして、なのはやはやてはどんな顔をするだろう。
悲しい顔をするだろうか。沈痛な表情をするのだろうか。

想像したくなかった。

考えたくも無かった。

(あの人たちには笑っていて欲しい。)

「んーーーーっ!」

「ん・・・んーーーっ!」

「んっ・・・」

痛い。それでも、叩く。

「んーーーっ!!」


「んーーーーっ!んーー・・・げほっ、げほっ、げほっっ!」

この長く苦しい死闘に勝利したのはフェイトだった。きっとフェイトの胸の辺りは赤くなっているだろう。それほど、強く、強く叩いたのだ。

待っていてくれている人がいる。

フェイトは、まだ、死ねなかった。

「けほっ・・・けほっ・・・。」
『Are you all light?sir.』
「う・・・うん、ごめんね。心配かけたよね。」
『It`s my work.』(それが仕事ですから)
「でも、もし私が窒息してたらバルディッシュは・・・」
『Please stop jorking.』(冗談を言うのはやめて下さい)
「・・・ごめん。」
『・・・』

長年共にあったデバイス、いや、一番の『家族』に諫められる。

「・・・。」
『Forever.』
「え?」
『・・・Forever,I`m with you.』(永遠に、私はあなたと共にあります)
「・・・ありがとう、バルディッシュ。」

一番の『家族』の、口下手な斧の、純粋な想い。

フェイトの目には、涙が溜まっていた。

なのはSS⑦

2008-10-13 00:19:38 | 小説
―鳴海市街―

―鳴海市上空―

「ふう・・・。」『Take a rest? My master.』

広範囲のエリアサーチを長時間続けるなのはを気遣って、レイジングハートは休憩の提案をした。このままではロストロギアを見つける前になのはが参ってしまう。

「・・・そうだね。良く考えたら、はやてちゃんの尾行のために朝早くから準備してたし、何も食べてないんだよね。とりあえず、フェイトちゃんに一度連絡取ってみる。」
『All right,』

なのははエリアサーチを一旦中断し、フェイトへ念話を送る。

「フェイトちゃん、今大丈夫?」
『ふぁふぉふぁ?ふぃふぁふぃふはふふぃぁふぃふぉふぃふふぇふぁふぉ!』
「え、ちょ、何?フェイトちゃん?」
『ふぉうふふ?』
「フェイトちゃん?何か咥えてるのかな?念話だから普通にしゃべれると思うけど?」
『ふぁ!』

フェイトは、念話なので口を使わないことに気づき、急いで訂正する。

『今、シグナム達を見つけて追っかけてるんだけど、どうする?』
「見つかったの!?」
『うん、見つかったには見つかったんだけど・・・ちょっといろいろあって追いかけるのが遅れちゃって・・・。見失いそうなんだ。』
「えっ!?フェイトちゃん今どこなの?」
『鳴海市の空。』
「いや、そうじゃなくて。」
『あ、もうここ遠見市かも。』
「ああ、もう!そこから何が見える?」
『空には一陣の風と、一片の雲があるばかりだった。』
「一度君の頭をブレイカーしようか?」
『遠見市エリアB-7-49座標ポイント49,82』
「(分かるんならさっさと言えよポンコツが)じゃあ今から私も向かうから、とりあえず見失わないようにお願い!」
『イエス、ユア ハイネス。』

なのはは、フェイトからの情報をレイジングハートに入力した。

「遠見市エリアB・・・7-49・・・座標・・・49,82・・・っと。」
『searching…』
「このポイントだと・・・遠見市街じゃない、よね?」
『search completed. Yes,my master. The forest.』
「すると、ロストロギアは郊外にあるって言う事かな。とりあえず、休憩は後だね!行くよ、レイジングハート!」『All right.Sonic move 』

―遠見市郊外―

「ここら辺でいいか・・・。」

シグナムは遠見市郊外の森林の上空で停止した。そして振り返る。

「ヴィータ!」
「!」

背後をほぼ同速で追いかけていたヴィータも、シグナムと少し距離を開け停止する。

「確かにヴィータ、お前の言うとおりだ!私はお前のフルーリーを食べた!しかし、それが何だ!また私が新しいのを買ってやる!何ならハーゲンダッツでもいいぞ!」
「シグナム・・・わかってねぇ・・・わかってねぇですシグナムさん!あんたは・・・あんたはあたしのアイスを食べた!つまりそれは侮辱だ!世界中のアイスに対する宣戦布告だ!」
「待て!なぜそうなる!?」
「それは・・・あたしがアイス界の神だからだ!」
「は・・・?いや、待て?は?」
「あたしは新世界の神になる!アイゼン!」『Jawohl. Raketenform.』

ヴィータの鉄槌、グラーフアイゼンのハンマーヘッドの片方が推進剤噴射口に、その反対側がスパイクに変形する。強襲用形態・ラケーテンフォルム。物理破壊力による攻撃専用の形態だ。この形態時は射撃魔法も範囲攻撃もできなくなる。が、元々レヴァンティンのパンツ赤・・・パンツァーガイストには生半可な魔法攻撃は通じない。それを見越しての形態変化だった。

「ラケーテン・・・」

グラーフアイゼンが噴射口から推進剤を吹き出しながら回転していく。その回転は瞬く間に速度を上げていき、その姿は世界陸上のあの声を上げてハンマーを投げる人達を沸々とさせる。

「ヴィータめ・・・本気か・・・。」

そこへかなり遅れて追いかけていたフェイトが追いついた。

「ふぁふぇ?ふぁらふぁふぁへ?(あれ?仲間割れ?)」
「テスタロッサ!?ちょ、お前何咥えてんの?お前、それ買ったんだよな?なぁ?」
「ふぉりふぁふぇふ、ふぁるふぃっふゅ、ふぁふぁふふぉふぉーふ!」
『Please eat it,and say sir.』(食ってからしゃべれよ、サー)
「むぐ!むぐっ・・・むぐっ!」

フェイトはとりあえず口に入っているハンバーガーを食べ始めた。

「・・・ハンマー!」

そんなことはお構いなしに回転を続けていたヴィータは、その回転の遠心力で相当に速度を上げ、シグナムへと一直線に襲い掛かる・・・!

「くっ・・・レヴァンティン!」『Panzerschild』

これをパンツァーガイストで受け止めきれないと考えたシグナムは、目の前へと魔法陣を展開し、盾を作る。しかしこの魔法はあくまで防御の基本形。まだヴィータの襲撃を受け止めるには不十分だ。

「・・・フルドライブ!」

防御よりも回避を優先するクロスレンジを戦闘スタイルとするシグナムには、防護魔法の適正は薄い。しかし、基本の型であるパンツァーシルト。これは基本形であるがゆえに魔力の上乗せで防御力は格段に上がる。

「そんなもので・・・っ!アイゼンが・・・止められるかぁぁぁ!」

襲い来る鋼の鉄槌。それに対抗するは、鋼の盾。

「むぐっ・・・ん、んんーーーーーーっ!」

そして喉を詰まらせる心優しき金の閃光。

今、その想いが交錯する。

なのはSS⑥

2008-10-13 00:19:02 | 小説
―鳴海市街―

「ふぅ。」『barrier jacket released.』

フェイトはバリアジャケットを解き、地上へと降り立った。今回は、うまく人目にはつかなかったようだ。

「とりあえず・・・お腹減ったな。バルディッシュ、ここら辺に飲食店は?」
『Search mode,wait…』
「シグナムたちどこにいるんだろう?空にいないってことは、もうロストロギアのある場所にいるのかな?」
『Search completed.Go straight,and on the right Mcdonald.』
「マックかぁ・・・。ていうか私50円しかないんだよね。50円ハンバーガーとか無かったっけ?」
『Nothing,sir.』

飲食店は見つけたものの、所持金がほとんどないことに気付いたフェイトはマックを諦めようとした。その時だった。

ドゴォォォォォン!!

100mほど離れた場所から、爆発音がしたのだ。

「バルディッシュ!あそこは?」
『Mcdonald』
「よし!誰が起こしたか知らないけど、騒ぎに乗じてハンバーガーくらい盗めるよね!?」
『Yes,sir.・・・sir!?』

フェイトは走り出した。三食のご飯のためにはもう犯罪などと言ってられない。死活問題なのだ。今食べられなかったら次いつ食べられるか知れたものではない。

―マック前―

「ヴィータ!デバイスをしまえ!ここではまずい!」

マックの前では、爆発を起こした張本人、ヴィータとシグナムが各々のデバイスを手に持ち、対峙していた。店本体は入り口が吹っ飛んでいた。

「シグナムぅぅ!あんたはやっちゃいけねえっことをやっちまった!おめえは俺を怒らせた!」
「いや、待て、落ち着けヴィータ!それサイ○人変身フラグだから!やばいから!
大体あの程度、また買えばいいだろう!」
「あの程度?フルーリーか・・・フルーリーのことかああああああああああ!」

どうやらヴィータのフルーリーをシグナムが食べてしまったようだ。それがヴィータの
サイ○人の血(?)を目覚めさせるきっかけとなってしまったのだ。

「これは・・・シグナム・・・とヴィータ?」

走ってきたフェイトは意外すぎるところに二人がいたことに驚いた。
しかし今はこの二人にかまっている暇は無い。

「・・・!おお、テスタロッサ!助けに・・・テスタロッサ!?」
「バルディッシュ!」『Sonic form.』

フェイトはソニックフォームになるや否や、閃光となってマックの中に飛び込んだ。

「え?テスタロッサ、あんた何しにきたんだぁぁぁぁぁぁ!?」
「アイゼン!」『Explosion!』

ヴィータの鉄槌、グラーフアイゼンがシグナムを襲う。
しかしシグナムも自身のデバイス、レヴァンティンを縦に構え、迎撃する。

「レヴァンティン!」『Panzergeist.』

パンツァーガイスト――パンツ赤いっす!の異名を持つこの防護魔法は装身式のバリアであり、魔力攻撃に対する圧倒的防御を誇る。が、その半面、物理攻撃に対しては並程度しかないため、ヴィータの鉄槌は受け止めきれない。

「貫け!アイゼン!」『Jawohl!』
「くっ・・・!」

受け止めきれないと悟ったシグナムは防護魔法を纏ったままわざと吹き飛ばされた。

「ヴィータ!落ち着け!」
「ユフィはゼロに殺された!ゼロは道を間違えた! 」
「ああ、ダメだあれ・・・。とりあえず場所を変えるか。レヴァンティン!『Panzergeist.』
いや、もうそれいいから。場所を変えるぞ!」『Jawohl.』

シグナムは人のいない山のほうへと飛んでいった。ヴィータもそれを追う。

「アイゼン!」『Pferde.』

高速移動魔法により、ヴィータも姿を消す。その時、フェイトも店から出てきた。
口に大量のハンバーガーを咥え、手には袋につめられた大量のポテトを持っていた。
二人が飛び去ったのを見て、本来の目的を思い出したようだ。

「ふぁるふぃっしゅ!」(口に咥えているためしゃべれない)『Yes,sir.Sonic move.』

フェイトも大量の荷物を持ちながら、閃光となり空の彼方へと消えていった。

なのはSS⑤

2008-10-13 00:06:26 | 小説
―鳴海市街―

「なぁ、シグナム。」

半分ほどコーラの入った紙カップを手に持ち、ヴィータが質問した。
シグナムも月見バーガーを手に持ちながら応答する。

「どうした?ヴィータ。」
「なんであたしらマックにいんだ?」
「それはシャマルから詳しいレリックの場所の連絡が来ないからだろう。」

シグナムは言い終えると、月見バーガーを頬張った。ヴィータもコーラをストローで飲む。

「なぁ、シグナム。」

ヴィータは紙カップをテーブルに置くとチキンフィレオを手に持った。
シグナムもポテトをついばみながら応答する。

「どうした?ヴィータ。」
「すごい言いにくいんだがな・・・。」

ヴィータはチキンフィレオを頬張った後、言った。

「シャマル、あたしらに場所報告するの忘れてるよな。」
「ああ、そうだろうな。あ、すいません定員さん。チキンマックナゲット5個入りひとつ下さい。」
「あの・・・注文はレジでお願いします。」


―鳴海市上空―

「レイジングハート。見つかった?」『Sorry,my master. Please wait.』

上空に空を飛ぶ影がひとつ。高町なのは・28歳。独身。
ロストロギアはエリアサーチにもなかなか引っかからず、捜索も難航していた。
そこにひとつの念話が入る。
『なのは、見つかった?』
「あ、フェイトちゃん?こっちはまだ見つからないの。なんだが、地上じゃなく地下にある雰囲気なんだけど、地下だとエリアサーチよりもリィンちゃんの広域スキャンじゃないと厳しいかなぁ~・・・。」
『こっちもヴォルケンリッター探してるんだけど、空は飛んで無いのかな、空にはいないみたい。』
「う~ん、地下となるとプログラム共捕まえて吐かせるか、尾行するかしかないね~・・・。」
『とりあえず、私はジャケット解いて地上探すね。』
「分かった。私はとりあえずもう少しエリアサーチ続けるよ。」
『うん、じゃあまた。』

念話を切ると、なのはは小さなため息をついた。

「はぁ。」『What’s up?』
「ん、ちょっとお腹空いたけど、大丈夫。早く見つけよう、レイジングハート!」
『Yes,my master.』


―水族館外―

「んーっ!」

はやては外に出るや否や、大きく伸びをした。

「なんだか日光がまぶしいですね~。」
「そやね~。中結構暗かったからなぁ。」

そんな会話をしながら歩いていると、道の真ん中で立っているティアナを見つけた。
どうやら例の記憶置換はここで行われたらしい。魔力の残滓が残っていた。

「あれ、ティアナさんですよね?」
「あ、ホンマや。ちょうどええ、なんか聞けるかも知れん。
 ティアナ~!」

はやての呼び声に気づいたティアナは偶然出会ったような驚きを見せて振り返った。

「はやてさん、エリオ!お久しぶりです!」
「なんや~、こっち来てたなら連絡くらい入れてくれても良かったのに。私とエリオが戻ってきてるのは知っとったやろ?」
「え、ええ、まぁ、はい。すみません、仕事が忙しかったもので会えるとは思っていなかったですから・・・。」
「そうか~。ところで、記憶置換魔法の許可を申請したってさっきヴァイス君から聞いたんやけど、その魔法の発動場所・・・ここやね。何があったん?話してくれへん?」
「えっと、あの・・・なのはさんとフェイトさんがここでデバイスのセットアップをしてしまって・・・その目撃者の記憶置換を行いました。」
「ここは魔法という概念があらへんからな、確かにティアナの行動は正しいけど・・・。」

ここで、今まで黙っていたエリオが口を開いた。

「なのはさんとフェイトさんはどうしてここでセットアップを?急いでいたんですか?」
「それは、ロ・・・あ!」
「「ロ?」」

ロストロギア、と言おうとして急いで口を塞ぐ。ここ、第79管理外世界で存在しているロストロギアは、はやての探しているロストロギアを含め、公式には発見されていない。ティアナが仕事で来ている以上、公式で発見されたロストロギアの捜索はありえない。

「ロ・・・そう!ロイ・マス○ング!マス○ング大佐見にいかなきゃって行っちゃったんですよ!」
「それはまた・・・。とりあえずこの世界の人やないって伝えといてやってくれへんか?」
「なのはさんとフェイトさんって、そんなに疲れ溜まってたんですね・・・。」
「そうやな・・・。この前も少しおかしかったけど、上に掛け合ってあの二人に少し休暇あげるように言ってみるわ。」
「そうしてあげてくださいっ!それでは私は仕事がありますのでっ!失礼します!」

そう言うとティアナは駆け去ってしまった。それをはやてとエリオは見送った。
ティアナが見えなくなった後、エリオが口を開く。

「何があったんでしょうね。」
「分からんなぁ・・・。ただ、またなんかあの二人が企んでて、それにティアナが振り回されてるってことは分かるわ。」
「ロ・・・何なんでしょうね。」
「ロ・・・、ロイ○・アーヴィング!」
「その人に関わりあるの、フェイトさんの中の人ですから。」
「あ、フェイトちゃん自身じゃないんかぁ。」
「分かってて言ってますよね?」
「あはは・・・バレた?」

二人はなのはとフェイトの奇行について、いろいろ論じたが、そんな大事でも無いだろうという考えがあり、結論には至らなかった。

なのはSS④

2008-10-12 23:57:34 | 小説
―水族館前―
「はぁ・・・それで?どうやって探すんですか?この世界にあるといっても、この世界だって結構広いですよ?」

ギリギリの28歳ペアについていくのがいい加減疲れてきたのか、ティアナはぼやくように呟いた。しかし、そんなことなど聞いていない二人は水族館を出るや否や走り出した。(館内は走ってはいけませんという常識はあったようだ)

「レイジングハート!」『Yes,my muster.』
「バルディッシュ!」『Yes.sir.』
「なのはさん、フェイトさん!ここでは人目が」
「「セ~ット・・・アップ!」」

二人を眩いばかりの光が包み、数秒の後、バリアジャケットを着た二人の魔導士が光の内部から現れた。なのはの手には愛杖・レイジングハート・エクセリオン。フェイトの手には閃光の戦斧の異名を持つバルディッシュ・アサルト。

「レイジングハート!エリアサーチ!」『All right.Area search.』
「バルディッシュ!付近にこの世界以外の物質の反応は?」『Nothing,sir.』
「フェイトちゃん!私はエリアサーチで大体の場所を掴むから
そっちはザコプログラムズをお願い!」
「分かった!見つけたらその場でぶっ飛ばせばいいかな?」
「いや、後をつけて場所を確認した後、DELETEだね。」
「了解。なのは、気をつけてね。ブラスターを使うな、とは言わないけどなのははすぐ無理するから・・・。」
「フェイトちゃんだって、ライオットは体に負担かかるでしょう?条件は同じだよ。ブラスターもライオットも最終手段。ギリギリまで使っちゃダメだからね?」
「分かってる。じゃあ、また!バルディッシュ?」『Flash move.』

閃光が走ったかと思うと、フェイトは空の彼方へと消えていった。
これを、呆れと驚きの顔でティアナは見ていた。

「あれ?ティアナ?どうしたの?先、行ってるよ?」『Flash move.』

また一筋の閃光が走り、なのはも空の彼方へと消えていった。

「・・・はぁ・・・。」
ティアナは大きなため息をひとつついた。そして管理局連絡用の簡易的なストレージデバイスを取り出す。

「えー・・・こちらティアナ・ランスター提督補佐官です。第97管理外世界においての広域の記憶置換魔法の使用許可をお願いします。ええ、はい、実は・・・」

―水族館内部―

「はぁ~っ!ショー楽しかったなぁ!イルカってあんなことまでできるねんな~。」
「そうですねぇ!教える人がいいんでしょう、きっと。」
「あははっ。なのはちゃんがイルカに教えたらブレイカーくらい撃てるようになったりしてな!」
「ちょっとそれは・・・本当にありそうで怖いですね・・・。」

そんな楽しそうなやり取りをしている二人に、一本の電話が鳴る。
『一万年と二千年前からあ~い~し~て~る~♪』
「あれ?また電話や。」
「あれ?着メロ、ってかリィンさんの歌違いますね。」
「ああ、これな、電話かけてくる人によって違うんよ。アクエ○オンはヴァイス君やなー。
 ・・・はい、もしもし?」
『あ、はやてさん?あのですね、そっちの世界で今どういう事件が起きてるんですか?』
「・・・え?事件?・・・何も起きとらんと思うけど?」
『あれ?ティアナも提督補佐の仕事があるって言ってそっちの世界に行ったと思うんですけど、何か事件じゃないのかな・・・。会ってませんか?』
「ティアナ?会うとらんなー。エリオ、ティアナに会うた?」

エリオは首を横に振った。会ってないと言うことだ。

「やっぱり会うとらんよー。本当にこっちにきたん?」
『ええ、間違いないと思います。聞いた話なんですけど、そちらの世界からティアナの記憶置換の許可申請がきたとか。』
「んー・・・でも私とエリオもこっちの世界におるけど、緊急任務はきてへんなぁ・・・。あとこっちにいる魔導士は、なのはちゃんとフェイトちゃんくらいやなぁ。」
『そうですか。まぁはやてさんに連絡がいっていないのであれば、大した事件では無いんでしょう。あ、デート中失礼いたしました。引き続きエリオと楽しんでください。では。』
「え、ちょ、デートって」
プツッ ツーッツーッツー

はやては携帯電話(リィン)をゆっくりと閉じた。

「はやてさん?どうしたんですか?」
「エリオ・・・私らのこと、何でヴァイス君知ってるんやろな?」
「・・・え?」

もしかしたら、結構バレてるのかも知れない。そう思ったはやてとエリオは急に恥ずかしくなってしまったのだった。

なのはSS③

2008-10-12 23:31:00 | 小説
―水族館・イルカのショー―

「うわぁ、結構人いっぱいやねぇ・・・。」

はやて達がきたのは開演10分前。もうその時間には座れる場所がほとんど無いくらい人で埋まっていた。

「これは座れませんね・・・。仕方ないので立って見ましょうか。」
「そうやね~・・・。ん?」
『この思いはやさしいきしめ~ん!』
「あー、私の携帯や。ちょっと待ってなー。」
「あれ?この声・・・この歌歌ってるのリィンさん?」
「そやね~。」

答えながらはやては自分のバッグを開けた。

「リィンを変身魔法でケータイにしてみましたっ!」

得意顔で、はやては自分の携帯、いや、リィンフォースⅡをエリオへと見せた。
リィンは、変身魔法により完全な一般的携帯へと姿を変えていた。ちゃんとカメラ機能まであるようだ。

「結構多機能でな~・・・実はGPSが・・・」
「解説はあとでいいですから、電話でしょう?出てあげて下さい。」
「あ、ああ、そやね。」


(なんだかはやてさんに電話がきたみたいです。ここ、騒がしくて声はよく聞き取れませんが・・・。)
『ルルルルル、ルルルルル』
(って、かけてるのなのはさんですかっ!)
(ん?ああ、これ違うよ~。ユーノ君にかけてるの。)
(ユーノさん?これまた何で・・・)
(ほら、人ごみで見えにくいけど、はやてのあたり。フェレットがいるでしょう。)
(え?・・・あ、あれですか!)
(ユーノ君、ずっとつけてたみたい。私もさっき気づいたんだけど。やっぱり彼の盗撮技術はすごい・・・ああ、もしもし、ユーノ君?)
(何してるんだろうあの淫獣も・・・。仕事しましょうよ皆さん・・・。)
 

「もしもし・・・あ、シャマル?どした?」
『あのですね、はやてちゃんが探してたあのロストロギア、場所特定できたんですよ!』
「えっ!ホンマか!?」
『はい。今リィンちゃんに座標送りますね。どうやらそこの世界にあるみたいなんです。』
「じゃあ今から探・・・あ、今ダメや!デート中やし・・・。」
『そうですか~。でもその世界の人々はロストロギアの存在を知らないみたいですし、大丈夫だと思いますよ。』
「そやね~。じゃあ明日探しに行くな~。」
『分かりました。とりあえずシグナムとヴィータちゃんには先行していってもらってるから、安心してね。』
「おお、ありがとうな~。じゃとりあえずそういうことで。また連絡するな~。」

プツッ

「なにかあったんですか?」
「あ、いや、私が探してたロストロギアが見つかったんよー。」
「え!?じゃあ今すぐ取りに向かわないと!」
「あ、違うんよ、これ任務とかじゃ無くてな、私の個人的な捜索なんよ。」
「個人的な?」

エリオは不思議そうな顔をした。それを見たはやてはなにかいいことを内緒にしているような、そんな笑みを見せた。

「内緒やっ♪楽しみにしててなっ。」
「言ってくれたら僕も手伝うのに。」
「ダメやっ!それじゃ意味あらへんっ。エリオをあっ、と言わせたいんやから!」

そんなはやて達のやり取りを一部始終聞いていた淫獣が一匹。もちろんどうやってかは知らないが電話の内容も聞き取っていた。

(うんうん、あ、うん、そうなんだ、うん、わかった。ありがとうユーノ君。じゃあまたねっ。)
(ユーノさんはなんて?)
(なんだが、はやてちゃんロストロギアを個人的に探してるみたいで、それの発見報告がさっきの電話みたい。)
(ちょっ!なのは!そのロストロギアの場所は!?淫獣何か言って無かった!?)
(フェイトさん!?どうしたんですか?そんなに慌てて。)
(場所は、とりあえずここの近くみたい。座標はあの携帯、ってかリィンちゃんに送信されたみたいだね。ユーノ君もデータのハッキングはプロテクトかかってて無理だったって言ってたから、正確な位置は分からないけど。)
(あの携帯、リィンさんだったんですか・・・。)
(よしっ!二人とも!そのロストロギアを探そう!急がないと、きっとあのゲボ子とおっぱい魔人も動いてるはず!)
(ちょっと!フェイトさん、落ち着きましょう。まずそのロストロギアが何なのか、フェイトさんは知ってるんですね?)
(うん。前ね、シグナムが『テスタロッサとはこれから年齢差が開くばかりで、少し寂しくなるな。』とか言いやがって、シメたときがあったのね。)
(あーシグナムさん、プログラムだから年取らないのか・・・。)
(そのときに、『主を若返らせるロストロギアを見つけるまでは死ねない』とか言ってて
 たぶんそれのことだと思う。)
(若返り!)
(そう、若返り!)
(なんだかなのはさんもテンション上がってきてますね・・・。)
(とりあえず、そういうことだから、なのは、ティアナ、行こう!)
(え?ちょっと、尾行はどうするんですか!?)
(それにしてもティアナ、尾行にノリノリである。・・・なの。)
(べ、別に私はノリノリじゃないですけど!)
(尾行ならユーノがしてるから大丈夫!それより若返りだよ!)
(なんか熱いなぁ・・・フェイトさん。はいはい、行きますよ。探しますよ。)
(じゃあ行こうか!)


その頃はやては・・・

「あ~っ!イルカってホンマに頭ええんやね~っ!可愛い~っ♪」
「ホントですね・・・。わぁ!いまジャンプしましたよジャンプ!」

純粋にデートを楽しんでいた。

なのはSS②

2008-10-12 23:19:15 | Weblog
5月某日。あの有名な(?)<翠屋事件>から3日たった日。

「遅いな~、何かあったんやろか。」

ここ、鳴海臨海公園で人を待つ人物、そう、彼女こそが我らが八神はやてである。
28歳・独身。彼氏持ち。最近では、その身長の低さとある医者の力で5~6歳若く見えると専らの噂である。

「はやてさん!」
「あ~っ!もう、遅いよ~?」

そんなはやてを待たせる人物、そう、彼こそがエリオ・モンディアル、19歳。只今最有力の若手株である。八神はやてと交際中。年齢自体に差はあるものの、はやてが若く見えるのと、彼がプロジェクトFの生まれであり、元となった少年が既に10歳であったことから、見た目はそれほど違和感は無い。そういう設定である。

「すみません、キャロを巻くのに少し手間取ってしまって・・・。」
「あ~・・・それは分かるわ。私も二人を巻くのに時間かかることを踏んで1時間前に家出たからなぁ。」
「二人って?」
「あんたの義母さんと、その親友。」
「・・・ああ、ついにバレたんですね・・・。」
「まぁ、いつまでも隠しとくわけにもいかんしなぁ。・・・それよりっ!どこ行く?ここは私の地元やからいろいろと計画は練ってきたんやけど・・・。」

楽しそうにデートを始める二人。その後ろでは闇の魔物達が蠢いていた。

(はぁ、はぁ、やっと見つけた。)
(はやてちゃん、私のエリアサーチに直接構成上書きして逆にダミーにするなんてなかなかやるの。)
(なのは、私たちもう28なんだから“~なの。“というような語尾は控えたほうが・・・。)
(フェイトさん・・・私、提督補佐の仕事って聞いてこっちの世界にきたんですけど・・・。)
(ティアナ。これも立派な私の補佐の仕事だよ?何か文句があるのかな。)
(あ~・・・ヴァイスさんとのデート断ってまで来たのになぁ。)
(ティアナ、今なんて言った?デート?何、ヴァイスと付き合っているの?)
(そうですけど・・・?)
(へー、ふーん、へー。私の補佐しながらしっかりラブラブしてたんですか。そうですか。
・・・いけるね?バルディッシュ。『Yes,sir.』)
(え、ちょ!)
(フェイトちゃん抑えて!こんなところでライオットしたらはやてちゃんにばれちゃう!)
(なのは、止めないで。これは私とティアナの問題だから。)
(私もう帰りたい・・・。)
(あ、移動するみたい。フェイトちゃん、バルディッシュしまって!)

エリオとはやての後ろに蠢く闇の魔物達も二人の移動に合わせて尾行を開始する。ちなみにこの3人、ばれないように変装している。どのような変装かは皆さんの想像にお任せしよう。

「あんな~、そしたらなのはちゃんが怒って、ディバイン撃ってしもてな~。」
「へ~、その世界壊滅しちゃったんですか。」
「でもその世界の人はもう避難してたから人的被害は無かったし、まぁ仕方ないかな~と。」
「あははっ!確かに仕方ないですね!」


(レイジングハート?『Stand by ready.』)
(なのはさん!ダメ!抑えて!)
(そうだよっ!今出て行ったらそれこそ逃げられるよ!?)
(大丈夫。跡形も無く消すから。)
(いやいや!それ問題ですから!結界張ってないんですから!)
(あの時、私は思いました。私がなのはを止められればあんなことには・・・。)
(ちょ、過去形にしないで下さい!もう、何なのこの二人・・・。)


「確か・・・ここを右やったと思うんやけど・・・。」
「あ、ありましたよ!あれですよね?」

エリオが指を指す先には、最近できた水族館があった。二人はこの水族館を最初の目的地にしていたのだ。デートの王道である。

「お~、あった!よかったぁ・・・。」
「はやてさん、ここ地元ですよね?大丈夫ですか?」

エリオが冗談めかして言った。するとはやては顔を膨らませた。

「あ~っ、今私の事バカにしたな~!?最近できたから知らなかっただけやよ~っ!」
「あははっ!すみません。でも大丈夫ですよ。僕もいろいろと調べてきましたから。」
「えっ、そうなん!?助かるわぁ~。実は私も久しぶりで不安やったんよ~。」


(はやてってさ)
(うん?)
(私たちと同じ28歳だよね。)
(うん、そうだよ?)
(全然28歳に見えませんよね。)
(そうだね~。見た目、24、5くらい?エリオと並べても正直ちょっと上のお姉さんにしか見えないね・・・。)
(恐るべしシャマルパワー。バルディッシュ、私も電気治療とかで肌何とかならないかな?『・・・』そうかよ、無言かよこのヤロー。)
(あっ、中にはいるみたいですよ!私たちも行きましょう!)
(それにしてもティアナ、ノリノリである、なの。)
(なっ・・・私は別に・・・。ていうか無理して“~なの。”つけるのやめましょうよ。)
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」
(大人三枚。)
「はい?」
「フェイトさん!小声で言わなくてもいいんですよ?」
「あ、ああ、大人三枚下さい。」
「それにしてもフェイト、コソコソである。・・・なの。」
「何ですか、なのはさんハマっているんですかそれ。」
「大人三名で4500円になります。」
「え~っと、あ、やば、ティアナ!」
「はい?」

―水族館内部―

「わぁ~っ!私水族館って久しぶりなんよ~!中学時代にヴィータ達と来たっきりやからなぁ~!」
「そうなんですか。僕は初めてです。」
「あ~っ、向こうにはこういう施設、無いもんなぁ。じゃあ、この魚!知っとるか?」
「え~っと、イルカ・・・ですか?資料は見たことありますけど、本物は初めてです。」
「イルカってなぁ、私らと同じくらい頭いいねんて~。すごいよなぁ~。それに、厳密には魚やないらしいな~。」

もうなんか勝手にしてくださいといわんばかりにデートを楽しむ二人。その後ろで闇の魔物達は揉めていた。

(フェイトさん!何でお金もって無いんですか!?)
(いや~ティアナ、助かったよ。財布開けたら50円しか無くてさ。そういや今月ピンチだったんだ。)
(フェイトちゃん、提督って給料少ないの?私すぐやめちゃったから提督のお給料良くわかんないんだよね。)
(いや~、結構もらえるんだけどさ、ほら。食費とか、水道代とか車検とか・・・あと必要経費。)
(何ですか!?必要経費って何ですか!?)
(あ~・・・ほら、最近アイマスとアクエリアンエイジやってるから・・・。)
(フェイトちゃん、最近いいカード持ってると思ったら、そんなにつぎ込んでたんだ~!)
(もうなのはには負けないよ?)
(仕事しろよお前ら・・・。)


その頃、はやては一枚のポスターを見つけて騒いでいた。

「あ、ほら!エリオ見て!さっきのイルカのショーがあるねんて!見に行こう!」
「へぇ~っ。ショーなんてあるんですか。」
「そうやよ~。イルカは頭ええんやからっ!・・・あ、もうショーまで時間あらへん!
はよいかな!」
「はやてさんっ、行きますからっ、そんなに引っ張らないで・・・。」


(あ、ショー見に行くみたいですよ!?)
(あ、フェイトちゃん“伊勢あかり”持ってるんだ!私の“ソニア・ホノリウス”と交換しない?)
(あ~、あかりダブってるからなのはにあげるよ。)
(え、いいの!?ありがと~!私この絵師さん好きなんだよね~。)
(・・・何してるんですか?二人とも。)
(何って、交換。あ、ティアナもほしいのある?)
(ありません。てかどんだけ持ってるんですかフェイトさん・・・。)
(いや~、給料の半分はつぎ込んだからね~。)
(はぁ・・・私はついていく人を間違ったんだろうか・・・。とにかく!カードしまってください!追いかけますよ!)
(それにしてもティアナ、やる気満々である。・・・なの。)




なのはSS

2008-10-12 23:09:30 | 小説
新暦83年。あの有名な<ジェイル・スカリエッティ事件(JS事件)>からおよそ8年が経過した。
旧機動六課の面々も、各々の道で順調な成果を上げていた。


「二人とも遅いな~・・・。」

ここ、鳴海臨海公園で人を待つ人物、彼女が旧機動六課の隊長、八神はやてである。
この物語の主人公である彼女は、28歳・独身。彼氏持ち。最近では、提督になる日も近いであろうと専らの噂になっている。

「はやてちゃん!」
「はやて!」
「あ、なのはちゃん、フェイトちゃん!二人とも遅いよ~?」

時空管理局の中でもかなり上の立場であるはやてを待たせる人物達。
それが、もうすぐ20年の長い付き合いとなる大親友、高町なのはとフェイト・テスタロッサ・ハラオウンである。この二人は、先の<闇の書事件>で知り合いとなり、ジェイル・スカリエッティ事件でも機動六課の主戦力として、はやてとともに戦場を駆けた。
その後、なのはは戦技指導教官として数々の名魔導士を育て上げ、一度提督になるも
“私に提督は向いてないの。火力がないの、提督は。“(高町なのは著『火力と私』)
という有名な台詞を残し、すぐに提督を返上、戦技指導官へと復帰した。
フェイトは、<JS事件>後、執務官として数年を過ごし、提督昇格試験へ望んだ。(なのはと同等程度の戦果を上げていると思うのだが、なぜかフェイトへは提督昇格の推薦が来なかった。)提督昇格試験は3度失敗し、
“私には、提督は向いていないんだと思いました。”(フェイト・T・H著『苦難、私と試験』)
4度目の試験で初めて合格し、そのときはハラオウン家で盛大にお祝いしたという。(なのは、はやては欠席だった。)

「それにしても久しぶりやね~。もう2年は会うてないんとちゃうかな?」
「そうかな・・・?私となのはは結構会」
「そうだねっ!よく考えたら二人とも2年は会ってないよね。」
「え?だってなのは、私たちは毎月」
「はやてちゃん、最近は何してるの?」
「私は・・・あ、立ち話もなんだしどこか落ち着けるとこ行かへん?」
「そうだね、じゃあ私の家行かない?ちょうど今日はお客さん少ないだろうし。」
「翠屋かぁ、ええね!いこか!」
「ちょ、あれ?二人とも、私無視なのかな?かな?」


喫茶・翠屋。管理局の白い悪魔・高町なのはの実家である。戦闘民族高町家といえば、
かのべ○ータ星を滅ぼしたフリー○一味と互角に渡り合ったという噂があるが、それはまた別の話。あくまでこの物語ははやてが主役であり、ドラ○ンボールを巡っての戦いの歴史は繰り返させません。

カランカラーン

「たっだいまぁ~!」
「おお、なのはか。お帰り。」

翠屋は、今日は兄・恭也が一人で切り盛りしているようだった。平日で客が少ないからなのだろう。

「おじゃましますぅ~。」
「おじゃまします。」
「ああ二人とも、いらっしゃい。今日はあれが目当てかな?」

先に言っておくが、いかがわしい意味ではない。

「や~ですよぅ、お兄さん。私たちも若くないんですから。」
「そうですよ。私もはやても、もう体力が続きませんよ。」

決して、いかがわしい意味ではない。決して。

「それに、私彼氏いるしなぁ・・・。」

ボソッと言ったはやての一言。しかしこの場にいる誰もが聞き逃しはしなかった。

「はやてちゃん・・・今の、本当?」
「あ、え、えとな、なのはちゃん、その」
「はやて、嘘は良くないよ?今なら私たち、元の仲の良かった関係に戻れると思うんだ。」
(今は前だけ~見ればいい 信じることを 信じればいい~♪)
「ちょ、フェイトちゃん?今でも私ら仲ええよ?ええよな?」
「はやて・・・俺以外にそんな・・・」
「あんたこそ、忍さんはええのか?そんなんでええのか?」
「レイジングハート。」『All,light.My master』
「バルディッシュ。」『Yes,sir.』

―ただいま、放送事故が発生いたしました。復旧まで、しばらくお待ちください。―

とりあえず、なのはたちを落ち着かせて、真ん中のテーブルへと腰掛けた。

「で、誰なんだい、はやて。その俺の敵と言うのは。」
「あんたは仕事せえよ・・・。何座っとんねん・・・。」
「お兄ちゃん、ちょっと仕事してて。これは私たちの問題だから。」
「そうですよ、お兄さん。」
「いや、でも、ほら、はやては俺の嫁」
「レイジングハート。」『StarLightBreaker』

―ただいま、放送事故が発生いたしました。復旧まで、しばらくお待ちください。―

「で、はやてちゃんの彼氏というのは誰なの?私たちの知ってる人?」
「・・・いや・・・まぁ・・・。」
「はやて。私たち親友だよね?」
「その親友の縁をついさっき切ろうとしたのはどこの誰やったかな?」
「「はやて(ちゃん)!」」
「いや・・・あの・・・。」

数秒、静寂が支配した。はやてが言い淀むのも無理はない。なにせ彼氏は二人も良く知っているあの人なのだから。その名前を聞いたら二人はきっと驚くだろう。特にフェイトにとっては人事ではない。だから3年もの間隠してきたのだ。

「あの・・・な?その・・・エ」
「「エ?」」
「その・・・。」
「まさか・・・エヴァ○ジェリン!?」
「いや、確かに魔法使いやけど、それこの世界の人やないし女やし。なのはちゃんマガジンの見過ぎや。」
「え・・・じゃあ、エヴァ○号機!?」
「何号機や!?てか人やないしもはや!フェイトちゃん私を何だと思てるん!?」
「じゃあ誰なの?」

なのはの一言により、はやてはもう逃げられない窮地へと追い込まれた。レイジングハートがSLBを撃ちたそうにこちらを見ている。

「エ・・・」
「「それはもう聞いた。」」
「エリ・・・」
「「エリ○ーデ!?」」
「なんでそんなマイナーなキャラの名前でハモれるん!?」
「だって・・・エリ・・・あ!」
「なのは、わかったの!?」
「え・・・でも・・・はやてちゃん、ちょっとそれは・・・。」
「誰なの?」

なのはが口を開く前に、はやてが口を開く。

「エ・・・エリオ・・・。」
「は?」
「やっぱり・・・。」

なのはとフェイトは、哀れみをはらんだ目ではやてを見た。

「だから言いたくなかったんや~!」
「・・・あれ?そうすると、フェイトちゃんが、はやてちゃんのお母さんになるの?」
「私はエリオの保護者だから、まぁ、厳密には違うけど世間的には・・・そうなるね。」

はやては顔を赤らめて下を向いてしまった。なのはとフェイトはとりあえずこの犯罪人から情報を引き出そうとオブラートに包みながら質問した。

「はやてちゃん。」
「なんや、なのはちゃん。」
「署には行ったの?」
「行っとらんわ!」
フェイトも、オブラートに包みながら質問をした。

「犯罪の意思はあったの?」
「ないわ!そもそも付き合い始めたの3年前や!」
「・・・はやて。」
「何や!」

ゆっくりと、諭すようにフェイトは言った。

「15歳は犯罪です。」
「もう嫌やぁ・・・。」

客のいない翠屋の明かりは、深夜の12時になるまで落ちる事は無かった。

Independence11

2008-10-10 15:17:48 | Weblog
「・・・アルス・アスレイ伍長です。よろしくお願いします。」
 美波の関節技から、辛うじて逃れたアルスは、解かれたと同時に自己紹介をした。
それをじとーっと美波が睨んでいる。
「な、何だ・・・ですか。」
アルスは荒くなりそうな言葉遣いを何とか正す。
「いーいえっ。よろしくね、ア、ル、ス、君っ!」
「おい、美波!」
祐耶は、毒づく美波をたしなめる。しかし、美波には逆効果だったようで、ふんっ、とそっぽを向いてしまった。
「・・・さて、そろそろいいかな?」
ずっと黙っていたストレイが口を開く。
「まずは・・・襲った理由を教えてもらおうか。こんな深い森であなた達以外に人がいるとしたら、それは恐らく我々しかいないだろう。つまり、我々が誰だか判っていて、襲った・・・、そうなるね。」
アルスは美波と無言の闘争を繰り広げているため、ため息をつきながらルリが話をする。
「・・・そうです。ちなみに、ある程度特徴は情報として渡されていたので、誰が誰なのかも目処が付いていました。」
ルリが話しているところに、祐耶が質問を挟む。
「何故、俺を狙わなかった?」
その質問に、今までむすっとした顔で無言だったアルスが答える。
「香本大尉には手を出すなって言われてたんですよ。この襲撃の発案者にね。」
それに対して、これまた無言だった美波が返す。
「私たちの実力を計るための襲撃よねぇ。それなのに、この中で戦闘力の一番高いと思われる祐耶を襲わないのはどういう理由なのかしらね?」
引っかかる言い方の質問に、アルスが噛み付く。
「アンタの方がオバサンだから強そうに見えたんじゃねえの?」
「なんですってぇ!?」
またアルスと美波の追いかけっこが始まる。
「・・・で、その発案者はどこにいるのかな?」
ストレイが冷静に聞く。
「独立軍の本部にいます。案内しますよ。もともと案内の役目も兼ねて来てますから。」
ルリも冷静に返答する。
「いでっ、いででででっ!こっこの、馬鹿力っ!いっ!?いでぇぇぇ!?」
「まったく!口の減らないっ、ガキね!」
そのやり取りを見て祐耶がため息をつく。
「おい、行くぞ。アホ共。」
「「誰がアホかぁ!?」」
その発言に、亜希はクスッと笑った。