東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

サナエトンボの羽化と桜🌸

2024年04月16日 | トンボ
この週末は朝から青空となり気温も上昇して最高の花見日和。

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
例年通り満開の桜を持つ河川でサナエトンボの羽化観察を楽しんだ。

アオサナエ ♂(羽化)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
例年ならダビドサナエとホンサナエが羽化最期。しかし、既にアオサナエが羽化のシーズンに入っていた。桜の開花が遅れた事により、満開の桜をバックにしたアオサナエの羽化は前例になく嬉しい記録。

ホンサナエ ♂(羽化)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
トンボの研究者であり歩くトンボDNAことTさんが発見された個体を撮影。桜バックはばっちり。
しかし、川面が写らない場所だったのが残念。イメージ通りにはいかないところも広角撮影の醍醐味。

翌日はトンボ業界の巨匠、池田さんがゲスト。

巨匠:小島ちゃん、どうだいホンサナエ。
自分:昨日、やっと2オスですよ。
巨匠:らしいね。アオサナエが始まってると聞いたよ。
自分:流石、情報通ですね。ムカシトンボはどうですか?
巨匠:今年は何だか少ない感じだよ。
自分:ここも今のところ例年以下なので今日はダメかも知れません。
などなどとトンボ談話を楽しんでいると、上陸したヤゴを発見。
池田さん、ホンサナエ、ホンサナエ!
羽化のタイミングを知っているセキレイの仲間に捕食されないよう、見張りながら撮影開始。

ホンサナエ ♂(羽化)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

ホンサナエの羽化を撮影する池田さん

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
あ!池田さん、ウェーダーの腰のベルトが無いと、
浸水が早くなり溺れる危険が高まるので次回からは絶対に着けて下さいね。

ホンサナエ ♂(羽化)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
裂開からの写真をズラリ並べても見苦しいだけなので、ホンサナエらしい色合いになった時を一枚。
別のポイントを見に行くも何故か皆無...池田さんはムカシトンボの羽化に行くとの事で別れ、自分は上流のポイントを見に行った。しかし羽化殻すらない!本当ならそこかしこで羽化している時期なのにいったいどうした?そろそろ羽化の終了時刻を迎えるかという時だ。最後にもう一度、最初のポイントをチェック。すると...

アオサナエ ♀(羽化)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

アオサナエ ♀(開翅)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
邪魔者がいなくなったところを見計らい、しめしめと羽化しているパターンもあるので、時間を置いてのチェックは欠かせない。池田さんに桜バックのアオサナエの羽化も撮らせてあげたかった...

撮影日:4月13日、14日

ホソミオツネントンボの産卵と青空

2024年04月10日 | トンボ
ホソミオツネントンボ(連結産卵)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
フトイの新芽に2ペアが産卵集中モードのところ広角レンズで近寄り撮影していた。
すると、右側からオスが飛来したと思えば、警護中のオスに掴み掛かる面白い場面の記録に成功。

ホソミオツネントンボ(連結産卵)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
メスを横取りする為なのか、ただのチョッカイ的な嫌がらせなのか?
他のトンボでも似たような場面を観察しているけれどメスの横取りに成功した例を見た事がない。

ホソミオツネントンボ(越冬明けから秋までの魅力に迫る)に画像を追加。

オツネントンボ(連結産卵)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
前回とは別のポイントに入ると、岸辺に生えたエノコログサに産卵しているペアが数組見られた。
まだまだオツネントンボも産卵シーズン真っ盛り。両種とも水辺に生える植物に産卵している風景。
大事なのはトンボと植物の関わり合い。フィールドに吹く春風が心地よく感じられた。

撮影日:4月7日

フェンスで集団

2024年04月09日 | カメムシ
日曜日もサナエトンボの羽化に期待して河川に訪れたが羽化日和にも関わらず皆無!?
4月に入ってからの状況では今までにないパターン。毎年自然は同じじゃない。
そんな事を思いながら歩道沿いに並んでいたガードフェンスに目を向けるとカメムシの集団を発見。

ヒメジュウジナガカメムシの集団

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
フェンスの周りに生えていたのは好物のガガイモではなくギシギシとカラスノエンドウ。
この付近で越冬していたのかも知れない。一般的にカメムシは臭いイヤな匂いを出すし、
植物や果実をダメにする嫌われ者だけれど、カメムシがつくという事は栄養素が豊富な証。

撮影日:4月7日

4月上旬の池で

2024年04月08日 | トンボ
この土曜日はサナエトンボの羽化に期待して都下の河川に訪れたが、羽化、羽化殻ともに見つからず。
そろそろアジアイトトンボが出ていると思い一気に沿岸部の池へワープ。

アジアイトトンボ ♂(未成熟)

静止している植物も構図に含めたく縦位置に。春から秋にも見られ年多世代。
冬場に水が無い田んぼでも夏になると沢山見られるのは何故なのか?いつか調べたい。複眼が白濁していたので羽化から日が浅い個体だった。既に午後を過ぎていたけれど花冷えの条件なので、
まだ羽化中の個体が見られるかも知れないと思い捜索。すると...


アジアイトトンボ ♂(羽化)

羽化時の体色は全体的に半透明で翅脈が目立ち、腹部がストローのように透けて見えるのがイトトンボの羽化時の見どころ。トンボの下にある黒い物体が羽化殻。捜索時に羽化殻も豊富に見られていたので、この春は池に隣接した草はらで豊富な様子に期待できそうだ。その頃に再び訪れたい。

全てNikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

撮影日:4月6日

ヤゴって面白い 3

2024年04月05日 | ヤゴ
シオカラトンボとシオヤトンボのヤゴを図鑑で見ても違いが分かりにくいので実際に並べて比較した。

シオカラトンボ(終齢幼虫)

シオカラトンボの生息環境(冬水田んぼ)

明るく開けた場所にある水が確保された水深の浅い池、田んぼ、河川の水溜り、ビオトープ等に生息。
管理が行き届いた水辺でこの体型のヤゴが採れたらシオカラトンボかオオシオカラトンボの可能性大。

シオヤトンボ(終齢幼虫)

シオヤトンボの生息環境(谷戸の湿地)

水はけが悪く通年乾燥しない、ぬかるんだ湿田、湿地等、シオカラトンボよりも限られた水辺に生息。ここは赤土を含んだ湿地の為、体色が赤茶色の個体が多く見られた。生息環境によりヤゴの体色には違いがあるので色での区別は適さないが今回は違いが明確に出た例。掲載した環境写真は実際に両種のヤゴの採集場所。背棘の有無で区別するのが確実だが肉眼での確認は難しく棘を分かりやすく撮影するには、今のところ自分の機材では無理なのでまたの機会にしたい。

シオヤトンボ(上)シオカラトンボ(下)

ご閲覧くださる方が見て楽しめるようにライブ感ある配置にして動かないでいる瞬間を一発撮り。
一例として参考にしていただければ幸いです。