【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

政治家から支部への寄付の所得税控除の問題点に国会議員にぶくパー券「20万円超」から「10万円超」のやらない方がマシの偽りの改革で自公お茶を濁す方針

2024年05月29日 20時38分35秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]当選者1人の都知事選の公営掲示板ポスターが48枠=東京・北区で、同区は都議補選(当選者1人)もあるので、左側の紙をはがすと都議補選ポスター枠になるのかもしれない。東京一極集中は立候補者数にも及んでいる。

 全法案が当初会期内にも成立する公算が高まりました。

【衆・政治改革特別委理事懇談会 きょう令和6年2024年5月29日(水)】
 「213衆法13・14・15.16号及び208衆法48号」の修正協議。自公は、パー券の政治資金収支報告書の匿名を20万円から10万円に引き下げたり、政策活動費の不十分な透明性でお茶を濁そうとしています。やらない方がましです。

 菅家一郎議員による支部への寄付は、700万円の裏金で、200万円の税金を得る行為ですが、仮に700万円を同居親族の秘書給料(氏名・人数非公開)にしていたら、源泉所得・社会保険料控除後に、500万円を受け取れます。この、200万円と500万円を足した700万円を翌年寄付すると、永久に繰り返すことでき、資本主義循環を破壊する内乱行為です。これがいかないことだととっさに気づけない、723人の教育と選挙で歳費をもらう国会議員の存在は、明治維新の敗北といえそうです。このため、寄付金の所得控除の特例や起訴議員の政党交付金減額などの、維新や国民の案をつまみ食いすることで、自公は「会期内成立」のなんちゃって改革を演出しようとしています。

【参・憲法審査会】
 自由討議は3回目で、各党とも「参議院の緊急集会」という「合憲」のものをアピールし、改憲の必要がないとの流れが参ではできています。

【参・本会議】
 登壇物の「GIGO設立条約」(213条約1号)が審議入りしました。
 「令和4年度予備費使用総調書」が承諾されました。
 「食料・農業・農村基本法を改正する法律」(213閣法26号衆議院修正)が可決し、成立しました。

【参・地方創生及びデジタル社会の形成に関する特別委】
 「デジタル社会形成基本法改正案」(213閣法40号)を可決すべきだと決めました。
参・資源エネルギー・持続可能な社会に関する調査会参・議院運営委員会も開かれました。

【衆・国土交通委】
 「住宅セーフティーネット法改正案」(213閣法52号参議院先議)を可決すべきだと決めました。
【衆・経済産業委】
 「消費生活用製品安全法等の改正案」(213閣法36号)を全会一致で可決すべきだと決めました。
【衆・農林水産委】
 「漁業法など改正案」(213閣法49号)が審議入りしました。
【衆・厚生労働委】
 「ハンセン病患者の家族に対する補償金の支給法の5年延長法案」(213衆法 号)が起草されました。
【衆・文部科学委】
 「障害のある児童及び生徒のためのバリアフリー法改正案」(213衆法 号)を田野瀬太道委員長が起草しました。
【衆・法務委】
 一般質疑。
以上です。

【独占動画】岡田克也立憲幹事長が臨時記者会見、梅谷守議員に関する臨時常任幹事会を説明

2024年05月29日 17時56分00秒 | 岡田克也、旅の途中


https://youtube.com/watch?v=5487gNjr7FM

食料・農業・農村基本法案で舟山康江「人口減のせいだとする条項を削除」通らずに、あす成立へ、立憲は「基本法だから国民のみなさんに読んで分かりやすく」

2024年05月28日 20時18分37秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
 今月上旬からの太陽の「フレア」で天候・農業機械GPS・送配電・体調などへの悪影響が懸念されています。来年はより活発となり、平成5年冷害以来の収穫減となるかもしれません。食料・農業・農村基本法はあすの本会議で改正が決まるはこび。

【衆議院・政治改革特別委員会の理事懇談会 きょう令和6年2024年5月28日(火)】
 理事懇の場が、修正協議会場となり、「213衆法13・14・15・16号及び208衆法48号」の自公などの協議案があすにもまとまりそうです。

【参議院農林水産委員会 同日】
 重要広範議案「食料・農業・農村基本法改正案」(213閣法26号衆議院修正)は自公維教の衆議院修正通りに可決すべきだと決まりました。
 まず、総理入り質疑では、野村哲郎元農相が「総理のご決意を」質問しました。
 この後、舟山康江さんが修正案を提出しました。国会には「一時不再議の原則」があり明文化されていませんが、その原則を前提とした国会法の条文が存在します。共同会派「立憲・社民」は衆で所得向上などの修正案を出して否決されています。そのため、立憲・社民は修正案を出せませんが、舟山さん主導で、立憲・国民・教育・社民の修正案ということで原則を突破したようです。修正案は、農業の担い手の減少を人口動態による人口減少のせいにしている条文を削除するのが柱だったようです。

 採決では、自民、公明、寺田静委員らの賛成多数で可決しました。
 審議の中では、立憲の横沢高徳さんが「基本法だから、国民のみなさんに読んで分かりやすいのが基本だ」と語りました。事実上「普通の言葉が伝わる政治」(2回農相をつとめた羽田孜さんの言葉)の再実現を求めたかっこう。

 今後の農政は、基本法にもとづく基本計画の作成と、所得アップの法制化の検討に移ります。また、第27回参院選の自民党公認全国比例で、JA全中事務局職員の現職から、「ホクレン」の職員に候補が変わります。北海道の農林議員からは与野党問わずけん制されそうなことを書きますが、「ホクレン」は北海道最大の資本主義企業だと悪い文脈でいう人もいます。今回の審議で、資材高は北海道から九州までの全品目共有のようですが、農業者所得には濃淡があるように感じました。ホクレンの企業スピリッツが農政の触媒になるでしょうか。

【衆・本会議】
 「温対法改正案」(213閣法42号)と「海洋再生エネルギーの発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律の改正法案」(213閣法53号)が賛成多数で可決し、参議院に送られました。

【衆・総務委】
 有事の事態で国の指示権を定めた「地方自治法改正案」(213閣法31号)。自公維教が既に提出した「施行後に、各府省庁に国会への事後報告を求めて、それを基に今後個別法の改定も検討する」という趣旨の修正案で可決しました。

【衆・拉致問題特別委】参考人質疑。
●衆の議院運営委員会と、法務・消費者特別・原子力調査特別の委員会の理事懇会も開かれました。

●参・財政金融委で「動産担保融資法案」(213閣法57号)が審議入りしました。
●参・国土交通委で「建設業法改正案」(213閣法51号)が審議入り。
●参・法務委で「育成就労の入管法改正2法案」(213閣法58号政府原案・59号衆議院修正)について、小泉龍司大臣と米山隆一衆議院議員から趣旨説明されました。さっそく6時間の質疑。委員派遣のてはずも議決しました。
●参・内閣・厚生労働連合審査会 「子ども子育て支援法改正案」(213閣法22号衆議院修正)
●参・総務委 一般質疑のみ。
●参・経済産業委 「産業競争力強化法案」(213閣法23号)の参考人質疑。筆者は「月刊誌の論壇」の崩壊で、他分野の参考人が全然知らない人だとの感想を続けていますが、きょうの参考人に、フェイスブックで友人の友人が出ていました。どのような論陣を張っている人かは分かりません。諸外国にも「論壇」はないから、それでもいいのかなと思います。

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Ⓒ2024年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。

【その他の選挙】会期内来月20日告示の都知事選に無所属蓮舫さんが現職小池ゆり子さんと激突、都議補選改選1の8つは都民ファ対自民か、7月7日(日)投票が政局に影響確実に

2024年05月27日 20時44分35秒 | その他の選挙
[写真]初代の都知事だった、安井誠一郎さん(1962年没)の胸像、今月、東京・上野公園で、高さ(長さ)1・8メートル超の自撮り棒(セルカ棒)を使って宮崎信行撮影。

 現職の任期満了に伴う、東京都の知事選挙は、

 来月20日(木)告示され、7月7日(日)投票されます。

 また、都議の補選が定数1で8つ(江東、品川、中野、北、板橋、足立、八王子、府中)行われ、来月28日(金)告示され、7月7日(日)投票され、おおむね、自民党と都民ファーストの会の一騎打ちの構図となりそうです。

 蓮舫氏(56歳)は、きょう、都知事選に出馬することを、立憲民主党本部ホールで記者会見して表明しました。

 現職の小池ゆり子氏(71歳)も近く出馬表明する見通し。
 無所属両氏の事実上の一騎打ちに近い構図となりますが、国政与党が小池さん、国政野党が蓮舫さんと認識されることは確実で、国政に大きく影響することが予想されます。

 また4年余り前から告発本が出ている小池さんの学歴詐称疑惑で、この4年間に税金を使った工作をしたのではないかとの追加の疑惑が出ており、失速することもありそうです。

 東京オリンピックで予算が年1兆円近く膨れており、他県出身と、東京生まれ東京育ちの蓮舫元行政刷新相にまつわる発信があるかもしれません。宗教法人明治神宮と三井不動産の再開発の是非も問われるかもしれません。

 予算膨張と再開発が争点になる可能性が高く、「自民党しぐさ」「前身を含めた立憲民主党しぐさ」の構図になるかもしれません。

 開催中の第213回通常国会は、6月23日(日)が当初会期末。
 自民党総裁選は9月20日(金)以降から国会議員投票になると考えられます。

 以上です。

参・政倫審で洗濯されたクリーン西田昌司「国債の償還財源は借換債だ」と60年償還ルール廃止で正論

2024年05月27日 20時18分33秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]およそ30年前の選挙制度改革で国会でも参考人として意見を述べた西平重喜教授(国立統計数理研究所名誉所員)=右、1994年1月、東京・西早稲田で。

 衆・政治改革特別委は、参考人質疑を経て、あすの理事懇から修正協議がスタート。

 西田昌司さんは、今から13年前の国会で、前原誠司外相の「オモニ献金」月5000円・年6万円を違法だとし、3・11直前に辞任に追い込む「お手柄」。ところが、西田さんは、京都自民党支持者からこっぴどく叱られたそうで、その後、政治資金規正法の質問は封じました。今国会で、安倍派裏金では自ら望んで政倫審に申し立て弁明しました。目に見えないお金の話の中で、西田さんの態度は、少なくとも嘘はついていないだろうと信頼できるものでした。洗濯されたクリーン西田は、同じ党の仲間である財務大臣に対して、60年償還ルールの廃止と「令和8年度以降の特例公債法案」は不要なのではないかと正論を主張しました。

【参議院決算委員会 きょう令和6年2024年5月27日(月)】
 「令和4年度決算承認案」は准総括質疑で、次回は総理・テレビ入りとなります。
 きょうは並んで「令和4年度予備費使用総調書」(衆議院先議)も財務大臣から趣旨説明され、審議し、採決しました。

 西田昌司さんは、裏金は語らず、国債を質問しました。西田さんは財務省の資料に「国債の償還財源は借換債だ」と明記しており、世代間格差については、国債保有層は利息を得られるのに対して、非保有層は税金・社会保険料で穴埋めさせられるから、貧富の格差が再生産されるという趣旨の記述があるとしつつ、国民が保有層と非保有層に分けられるものかと疑問を呈しました。

 西田さんは「資料の中で、望ましくない再分配という項目があるんです。これもまたすごいこと書いてるんですね。将来世代のうち、国債保有層は償還等を受けられる一方で、それ以外の国民は、社会保障関係費等の抑制や増税による税負担を被ることになりかねない、と書いてある。これいったい、この国債保有層って、誰のことなんですか」としました。財務省は「ご指摘の国債保有層ですが、この資料におきましては、直接的に市中に流通する国債を保有する個人や金融機関、海外投資家等の他、金融機関に信託財産などの一定資産を預けることなどを通じて間接的に国債を保有している方をあわせて国債保有層としています」などと、複数の局次長が答弁しました。

 禊が済んだ西田さんは「あなた」と常套句を持ち出し「分からないね。あなたの今の話を総合するとね、銀行に預金する人が国債保有層で、そうでない人は非保有層。そういう意味ですか」「預金持ってない人っているんですか」「あなたの話を聞いて納得している人をこれ誰もいないと思いますよ」と畳みかけました。

 西田さんの問いに対して財務大臣は「国債が満期を迎えた場合、その償還金は国債を保有する一部の個人や金融機関、海外投資家等に支払う一方で、将来のいずれかの時点においては、増税や社会保障給付費の抑制等といった形でご負担いただくこともありうる」「現状におきましては国債の償還財源は借換債であるという点について、これはもう西田先生がこれまでもいろいろところでご指摘をされている通りでありまして」「償還財源として借換債ではなく国民の税金等を当てるような局面に至った場合には、このような現象が生じうると考えておりまして、現在の記述が誤りであるとは言えないのではないかと考えております」と答弁しました。

 予備費の審議はきょうだけで終わり、自公などの賛成多数で「承諾を与えるべきものだ」と決まりました。

 討論では立憲の徳永エリさんが「コロナ物価高予備費については合計で9・8兆円が計上されておりますが、国会の事前決議の例外である予備費の規模としては極めて異常で許容しがたいものがあります。また、結局その不用額は2・7兆円にのぼり、これに一般予備費と使用実績のないまま終わったウクライナ予備費の不用額を加えると約4・2兆円という常軌を逸した規模となります。これではやはり防衛財源となる決算剰余金を確保するために、意図的に不用額を増大させたのではないかとの疑念を抱かざるを得ません」と強く批判しました。

 令和4年度予備費に関してはさすがに維新も激しい政府批判に同調しました。梅村聡さん(第50回で大阪5区に衆転)は「政府は、令和2年度予算以降、憲政史上例のない多額の予備費を計上し続けてきましたが、4年度の予備費はさらに拡大し、合計で過去最大の約11・8兆円となりました。年度の支出の1割近くが自己承認で支出可能となるのは前代未聞の事態であり、例外としては課題と言わざるを得ません。一般会計のうちの予備費の割合で見ても、戦後最悪の有効求人倍率を記録した平成21年度の当初予算が1%強であったところ令和4年度は8%を超えて過去最大となりました。これらのデータは当初予算や補正予算で計上すべきものが莫大な予備費として計上されてきたことを示しており、この規模について速やかに検証がなされるべきです」としました。また、過去に熊本地震補正予算などで財務省が繰り返したテクニックである「予備費を使用しない見通しが立ったのであれば、それを補正予算の財源とすることもでき、実際に過去多くの会計年度において予備費は補正予算の財源とするために一定額が減額されています。予算の多くを国債の発行に頼る中、莫大な予備費を計上し、年度末に多額の剰余金を出すのは、見積もりが甘いと言えます」とし、予備費減額・メニュー増額の補正をするというテクニックすら弄しなかった与党・財務省をなじりました。

 国民民主党の竹詰仁さんも「新型コロナウイルス感染症及び原油価格物価高騰対策予備費として9・8兆円という巨額の予備費を計上したこと自体も、問題として指摘しなければならない」とし「会計検査院からも厳しい指摘が複数あり、賛成できるものではありません」と述べました。

【衆・政治改革特別委】
 「213衆法13・14・15・16・208衆法48号」の参考人質疑がありました。
 筆者が何度も思い出すように、1993年4月の火曜日、大学2年生の政治学部生の立場で、日本の社会統計学の父ともいえる西平重喜・教授から「5月に国会の参考人の予定があり、その日は休講せざるをえないので、それに承服できなければ、履修を登録しないでほしい」と言われました。西平さんは上智大学の所属で、早稲田大学では非常勤の立場でした。そして、5月の火曜日、「熱病」とも言われた政治改革ブームの中、参考人として国会で意見を述べる姿を「NHKニュース7」で見ました。高卒の両親のもと、6歳から英語塾に通い、中学受験をし、14・15歳でアメリカに留学した恵まれた教育歴を持つ私にとっては、まさに「三四郎」のような思い出です。

 当時は「選挙制度」という目に見えるものでしたが、今回は「政治資金」という目に見えないものなので、世論はあまり盛り上がりはしません。西平さんは100歳を超えた今もご健在で、「小石川で見た昭和16年の秋も、急に世論が変わったので、要注意」と長野の叔父と同じことを言われており、どの党派に風が吹こうと、世論の極端な変化は望ましくないと考えます。

 きょうの参考人質疑を経て、あすは理事懇のみとなります。これは修正協議を始めるという与野党の合意のようです。

●衆・厚生労働委の理事懇が開かれました。

 以上です。