やまかブログ

小説・漫画・ゲームなどインドア系趣味感想ブログ。
傍らにある統合失調症について真面目に語ることも。

【ゲーム】サガ スカーレット グレイス(PS Vita) クリア後感想 &強ボス戦い方

2016年12月31日 11時04分49秒 | ゲーム
 サガ スカーレット グレイスは2016年12月15日にPS Vitaで発売されたRPG。
 リメイクやスマホを除くシリーズ最新作としては2002年に発売されたシリーズ随一の異端児『アンリミテッド:サガ』より実に14年ぶりとなる。調べてみると、“あの”アンサガが売り上げ50万本を越えているとか、時代が時代とは言え、ある種の悲劇に他ならないと感じる。
 尖鋭されたシステムがサガシリーズの売りであるが、今作『サガ スカーレット グレイス』もまたRPGのセオリーを覆しにかかっている。

 システムの解説および感想の前にクリア時間、期間は
 【クリアタイム:35時間ほど/プレイ時間記録無しのため雑駁】
 【プレイ期間:2016年12月15日~2016年12月29日】
 本当はもう少しプレイ時間が長引くハズだったが、予想外(これぞロマンシング)な出来事が起き、早まった。これも感想に含め後ほど述べる。


 ○街もダンジョンも要らない? フリーワールドシステム

 サガと言えばフリーシナリオ。プレイヤーの数だけ物語があるというシステムが特徴だが、今回はプレイヤーの選択によって世界が形作られていく。どこそこに洞窟がある、という噂話を信じれば洞窟がフィールドにポップアップされたり、展開次第で街が壊滅するなど、フィールド上にギミックが多数用意されている。いずれにせよ、様々な分岐によってイベントが変化し、加わる仲間や戦う敵が人それぞれの選択によって様変わりしていく。他のプレイヤーの感想などを見ると同じ主人公なのに全く違う展開や、見たことのない仲間がいたりして驚く。地味に見えながら膨大なイベントが幾重にも張り巡らせてある。
 さて、街やダンジョンは最低限の(本当に最低限だ)機能しかなく、街は武器防具をバージョンアップする鍛冶屋が、ダンジョンに至ってはマップが存在しないことはもちろん、バトルが1戦ないし3戦、難易度の変化くらいである。色々なシステムを拡張するのではなく、制限されたリソースから、制作者はプレイヤーに何をさせたいのかを絞り出すかのようなゲームの作り方だ。外連見が無いと言えば無いのだが、どこか職人気質を思わせる仕事ぶりを感じさせる。


 ●敵の行動を読み、味方の行動を采配する“タイムラインバトル”

 『サガ スカーレット グレイス』プレイ時間の半分以上を占めるであろうバトル。何をするにしても(鍛冶屋の利用、イベント進行、仲間の体力(LP)回復まで!)バトルがつきまとう本作。新しい技や魔法を覚える“閃き”や使い込むことで精度が上がる“ランクアップ”。様々な効果が秘められた“陣形”など従来のシリーズの特徴を盛り込みつつ、バトルシーンにおいては新たに“タイムライン”を導入。
 敵味方入り乱れて行動順が決まっており、開示された敵の行動を見てこちらの行動を決めていく。敵味方ともにBPと呼ばれる数値を使って行動を割り振るのだが、戦闘開幕時は少なく、基本的には1ターンごとに増えていく仕様のため、初めから強い技を連発することは出来ない。戦いが続く中で徐々に死闘を余儀なくされるシステムとなっている。

 タイムラインを征する者がバトルを征する。それが本作攻略のカギとなる。
 ○を味方、●を敵とすると

 ○●○○●●●○○
 例えば味方5人、敵4体でこういう並びだとする。
 みんなで集中して最初の●を倒すと
 ○ ○○●●●○○
 となる、すると……
 ☆☆☆●●●○○
 となり、☆の味方でランダムだが●に一斉攻撃が加えられる。
 これを“連撃”と呼ぶ。
 さらにBPコストも次ターンのみだが大幅カット、魔法の詠唱ターンも短くなるという特典がある。意識的に狙っていきたい。

 さてその後の展開をもう少し見せると
 ☆☆☆●●●○○
 ここから、☆たちの連撃が3つある●の真ん中に入り、撃破したとする。
 ☆☆☆● ●○○
 となる。
 大方予測できるよう、今年流行りのPPAPを彷彿とさせる動きがまたもや発動し
 ☆☆☆★★○○
 となる。

 敵のHPも参考に何をどうすれば良いのか、最善の一手を考えることが必要になってくる。○●を使ったからではないが、将棋や囲碁(よりは簡単だが)、オセロなどの“読み”の力が多少要求される。あるいは同カテゴリで言えば、往年の落ちものパズルでいう“連鎖”が近いかもしれない。

 さて、上記のような不足の事態を回避するにはどうすれば良いのか。
 テクニックの一つに“バンプ”というものがある。
 特定の技に付与された効果だが、攻撃を与えた相手のタイムラインを後ろにずらすことが出来る。

 ○●○○●●●○○
 例えば一番最初の仲間が一番最後に行動する敵にバンプ技を使う。
 ○●○○●●○●○
 となる。
 先ほどの展開を踏襲すれば
 ○ ○○●●○●○
 となり
 ☆☆☆●●○●○
 これならどの敵に連撃を与え倒したとしても、敵の連撃は発生しない、しないどころか
 ☆☆☆●●○ ○
 となれば
 ☆☆☆●●☆☆
 からの、後衛☆☆二人連撃で、
 ☆☆☆● ☆☆
 となる可能性もあるということなのだ。

 さらに突っ込んで言うと、バンプの他に、敵の特定の技に反応して割り込み攻撃を行う“インタラプト”、攻撃を身代わりで受ける“プロテクト”、攻撃を受け返す“カウンター”といった技も多数存在する。
 “インタラプト”に反応して“インタラプト”するという高度な技もあり、戦況の全てを考えるのは困難だが、それが醍醐味である。

 このバトルをさらに面白くしているのが、バトル開始時の“Ready”“GO!!”という演出である。演出というか、まぁ平たく言えば戦闘開始の読み込み時間なのだが、行動が多くなると読み込みが長くなる。通常時は各キャラがアップになり、ピン……ピン……ピンという効果音が3回ほどなって“GO”なのだが、何か予想しない事態ことが起きると、5回ほど効果音がなる。それだけ戦闘の読み込みが長くなるということは、例えば新たな技を閃く、といった良い面もあれば、敵の使ったインタラプトからの仲間死亡、からの敵連撃発動……ということもあり得る。盤石の体制で臨んだターンで5連ピンが来たら特に要注意。「嘘だ?! 何でだよ!」からの「マジだ……やってもうた……」になること請け合いだ。ローディング時間をドキドキ感に転じさせた、ゲーム作りが“上手い”と思えるポイントだと思う。


 ☆ウルピナの物語

 私が最初に選んだ(選ばされた?)のはレオナルドだったのだが、界隈の情報で、レオナルドの物語は最も自由度が高く、サガフロで言うところのリュート編と聞きトラウマが蘇ったので一旦中断し、ウルピナの物語を始めた。特典のアイスソード、一回しか使えないのに……まぁいいか。

 ウルピナは帝国4将軍の一つ、剣将軍ユラニウス家の長女。
 帝国再興を目指し、アスワカンへ向かう父マクシミアスに、長兄であるアントニウスと共に本拠地であるシルミウムの防備を任される。
 シルミウム周囲を警邏するウルピナと、ウルピナの執事的役割を担うモンド、さらに数人の兵が一緒だ。基本的には主人公とパートナーの掛け合いを中心にイベントや物語が展開される。世間知らずで突っ走りがちなウルピナとそれを諌めるモンドという構図だが、モンドもモンドでズレた部分があり、ボケ&ボケが展開されたりもする、見た目以上に面白いコンビである。

 さて、周辺を練り歩くとシルミウムの北西はアスワカンのあるグラディオン州に接するキャスリン砦の付近に突如大穴が。レオナルド編を先にやっていたので既に事態に感づいたのだが、調査に向かうと案の定、大蛇が穴から出現する。
 かつて帝国を苦しめた“大地の蛇”とウルピナ編ではモンドが解説してくれる。
 大地の蛇を辛くも撃退(序盤は手数も限られているのでバトルは文字通り殺し合いの展開に)すると、今度はキャスリン砦に異変が起きる。
 早速キャスリン砦に向かってみると、そこでは黒ずくめの防具で身を包んだ謎の集団が砦を襲撃していた。何とか退けることに成功。一旦シルミウムに引き返そうとするウルピナ達。すると今度はシルミウムに黒い旗が上がるのが見える。キャスリン砦を襲った黒ずくめの集団はシルミウムも陥落させていた。兄のアントニウスも行方不明となり、事態を父に伝えるため、アスワカンを目指すことに。

 これがウルピナの物語のプロローグ。
 アスワカンへの旅、父との再会。何者かに連れ去られる兄アントニウスの奪還。大地の蛇を利用する冥魔サウノックの使徒との対決といった流れが第一章と呼べる位置づけになっている。その後、レオナルド編の中心となる『緋の欠片』や『不死鳥』といった物語に分岐していくようだ。
 私は兄アントニウスを助けないルートを選んでしまった。どちらにせよ助からないパターンだなと判断したのだが、トロフィーから察するに生存ルートもあったようだ。
 さらに『緋の欠片』の物語では各地に散らばる欠片を集めきり、アスワカンに到着。
 父から託された母の形見である『アイベックスの指輪』(緋の欠片のありかを探知するキーアイテムでもある)もまた『緋の欠片』であり、このエピソードの先導役である女性サーシャ(レオナルド編でもおなじみ)に破壊するよう言われる。ラスボス強化のトリガーになっているような気がしたため、破壊を拒むとサーシャが正体を現し(道中でもそんな雰囲気だったが)巨大な虫の化け物となって襲ってくる。撃破したが結局サーシャが何者だったねか、何が狙いだったのかは不明のまま。レオナルド編で判明するのかもしれない。
 続くエピソードは『不死鳥』編。ユシタニア州にて弱った不死鳥と戦いこれを撃破。手にした不死鳥の羽を使い、各州での不死鳥の軌跡を辿る旅。
 この物語では、強敵ヴァッハ神との対決が道中に存在する。
 不死鳥の軌跡を追う中でアスワカンの中央星神殿に到着。
 そこで、なし崩し的に(本当になし崩し的だ)ラスボスとのバトルに突入していく。

 攻略サイトによるとさらに『シグフレイ』編と呼ばれるエピソードも存在するようだ。

 基本的には他の主人公もやっていないと物語の全貌はわからない。
 いや、やってもわからないのかもしれないが。

 ここからは強敵ヴァッハ神戦とラスボスの対決、私の戦い方とエンディング結果まで語ろうと思う。ネタバレ全開なので注意されたい。



 ☆ ヴァッハ神戦

 不死鳥エピソードの道中はヤクサルト州にて対決となる。
 ヤクサルト州はレオナルドの出身地であり、十二星神の祠巡りイベントが中心となる地。祠巡りイベントでもヴァッハ神と戦えるが、こちらは数ターンでヴァッハ神が帰るようだ。

 戦闘開始、専用のBGMからそれまでとは全く次元の異なる戦いがひしひしと感じられる。
 パーティー構成は
  ウルピナ(二刀流)、ティシサック(槍)、ベアトリス(棍棒)、オグニアナ(斧)、エリセド(杖/木行術)。HPは300~400くらい。
 対する敵構成は、火の神像×5体。
 あれっ? ヴァッハ神は? と思うかもしれないが、これがこの戦いの強烈な罠で、火の神像を一体でも倒した次ターンにおいて降臨めされる仕様になっている。最大5対5というバトルシステムの虚をついた特殊戦闘である。
 当然、初戦においては敵数を減らすことを考えるのだが、この戦い方だとヴァッハ神唯一にして最大の攻撃、1ターン溜めクリムゾンフレア(この恐ろしさは後に再確認できる)に加え、残った火の神像も順番に1ターン溜めフラッシュファイアをぶっ放してくる。全体に150~200という、これまた看過できない攻撃となっている。
 当然、火の神像をしとめきれずフラッシュファイア&フラッシュファイア&クリムゾンフレアという「もうどうとでもしてくれ!」な展開になり、あえなく全滅。

 続く再挑戦では私もそれなりに戦法を考える。
 まずはオグニアナの次元断と、ティシサックのスウィングで火の神像×5のHPを均一に削り取る。次元断の即死効果がここにきて仇となる事態も考えられるが、その時はその時。といって同時に5体倒そうにも、敵のブラスター(単体180くらい?)が割と痛いため、適度に減らしたら早々に次の作戦に移行する。
 1体撃破しヴァッハ神を降臨させた後は、火の神像の片付けに入る。フラッシュファイア詠唱している奴から優先的に撃破。神像が残っているうちに連撃も狙っていく。オグニアナの高速ナブラとエリセドの召雷、ウルピナの二刀烈風剣がダメージソースだが、後者2人はダメージが分散し、敵の連撃も誘発しかねないので控えた。ただし構成によって、神像は魔法が弱点のため、一掃するチャンスともなりうる。特に連撃にエリセドが入っていれば1ターン溜め召雷もある。
 フラッシュファイア対策はこれで完封だが、ヴァッハ神の1ターン溜めクリムゾンフレアは700ダメージとかいう、演出も含め「そりゃ~死ぬわ」な攻撃。2ターンに1人は確実に死ぬというRPGのバトルでも稀に見ぬ死闘。スタンや回し打ちフルボッコ戦法もあるにはあったのだが、この時点では(これ重要)現実的とは思えず、「勝ち筋が見いだせない」(サガスカを遊んでいる時に私がしきりにつぶやいていたという独り言)ため、プロテクトに賭けた。ヴァッハ神1人になってからはダメージレースの競り合い。が単純な殺し合いではなく、“仲間のために散る”のもサガスカでは重要な戦法。オグニアナの高速ナブラ、エリセドの召雷、ウルピナの二刀烈風剣が優先順。まずはベアトリスがブロック、さらにウルピナはソードガードでプロテクト役にもなれる万能型。残るティシサックは戦場をかき乱す遊撃役。槍はタイムラインを縦横無尽に飛び跳ねる特性技を持つ。誰かが死んだ(無論ティシサック自身も候補だ)際に連撃が発動できるよう調整する。

 自分はこの戦法で勝利した。
 他の人のプレイ動画(ペルソナ5は動画配信禁止でシナリオ主体のRPGは完全同意だが、サガスカは特に他の人のプレイも見たくなるゲームだ)を見ると、ヴァッハ神に空気投げしていて、「ぷっ。こういうタイプのボスにスタンは効かねーだろ」と思っていたのだが、あっさりスタンが決まっていて驚いた記憶がある。このショックが後の戦いに最大の効果を生み出すこととなった。配信者様(曲を聴くため今も見てます)には感謝いたしております。


 続いてラスボス戦。


 ★ ファイアブリンガー

 ラスボスはやっぱりこの方、パッケージになっているファイアブリンガー。
 ここはどこ? あなたは誰? 状態のまま戦闘に突入する。

 まずは自軍のステータス。
 ウルピナ HP529 長剣LV26 武器:太陽銀の剣、織月三日月
 ティシサック HP695 槍LV26 ロール:自由行動(失礼剣+足払い)/初期行動順アップ
 ベアトリス HP614 棍棒LV26 武器:金属バット
 オグニアナ HP525 斧LV27 武器:デストロイヤー
 エリセド HP462 杖LV17、木行術LV21  ロール:術強化(ハードファイア+茨の呪縛+超重力)/術力アップ

 以下は2軍メンバーだが、最終戦にして、いぶし銀の働きを見せた者も存在する。
 レオナルド HP657 大剣LV23 武器:タタラ一番 ロール:力自慢(ヴァンダライズ+ヒートビート)
 ヤマト HP630 大剣LV21
 ネエ HP579 斧LV18
 オーヴィル HP516 格闘LV23
 イレーネ HP660 長剣LV23

 HPや技能レベルに加え、各種武器や勝利に寄与したロールで特に偶然見つけたものを記載。いずれも取得が比較的容易く、効果も良いのが特徴。防具は鍛冶レベル11相当。
 2軍に関しては主にスタメンのLP回復用に運用していたため装備は貧弱なのだが、こうして見るとHPは引けを取らない。EasyバトルでもHPの伸び率は変わらず、あくまで体力依存なのだろう。


 さて、ファイアブリンガー初戦だが、これ以上にないくらいボロボロに負けた。
 辛勝も辛勝、ティシサック以外スタメン完全死亡の中、勝ち進んだ2回戦もフルボッコにされ、「俺、なんかアンタに悪いことした?」ってくらい殺られまくる。とりあえずリサーチプレイに徹しようとしたところ、レオナルドとヤマトが2回戦においてカウンター祭りを開催し始めたため「このまま行ける?」と思ったが二刀烈風剣であえなく撃沈。

 続いて、戯れに行ったリサーチプレイが思わず好を相し、「勝ち筋が見いだせない」まま勝ってしまった、攻略法としては外法に近いが、記念も含め記しておく。


 あらためて、ファイアブリンガー 1回戦。
 ウルピナ、ティシサック、ベアトリス、オーヴィル、エリセド。
 陣形をフリーファイトにして行動順を限りなく上げ、スタンはめする戦法。
 バトル開幕時は
 ○○○●○○
 ティシサック、オーヴィル、ウルピナがファイアブリンガーに先行する理想的な形。
 ティシサックの足払い、オーヴィルの空気投げでスタン狙い。BPが溜まればウルピナの天地二段も投入。
 ファイアブリンガーは恩寵を技として使ってくる腐れ外道。全体150~200&高確率スタンの「シャムスの陰影」なんて陣形次第で何も出来ず終わっちゃう。先手がとれるならともかく、「ディーマージュの陰影」なんて全体200弱ダメージに混乱付与だからね。
 ということでスタン&スタン&スタン。
 一回全滅したものの、再挑戦で撃破。言い忘れてたが、ファイアブリンガーは倒してももう一回復活する仕様。こんな奴ほっといてみんなどっか飲みに行こうよって言いたくなる。黙って襲ってくる、人様の技でドヤる、倒したと思ったら復活する。裏切りとかじゃなく単純にウゼーから星神に追放された説もあるな、これは。

 スタン戦法の外はプロテクトで攻撃役をまとめ、連撃調整という手堅い勝ち筋もあるが、ディーマージュの混乱であえなく崩れる不安が残る。BPが上がりきると全体300ダメージの「マリガンの陰影」を連発する。これは威力は高いが異常付与はないため、HPが高ければ何とか張り合えそうだ。いかに先手をとり、ディーマージュを乗り切るかが肝になると思う。スタンに頼りすぎず、少し織り交ぜるくらいがちょうど良い戦い方なのかもしれない。また、戦闘が進む内にファイアブリンガーの行動順が後退していく傾向が見られた。後に確認した情報(制作者のインタビュー記事なので確定だが)によると、ダメージを与え続けているとそうなるようだ。

 続く2回戦。
 次のファイアブリンガーは剣技主体&サーバントで自己の影を召還してくる。影を倒しきっても“ぼくは陰キャじゃない”とばかりに呼び出してくるらしい。相変わらず嫌な奴なのだが、今回は初戦のような素早さは無い(剣を持ったくらいで失速するんだね)。
 リサーチ目的だったため、相変わらずスタン&スタン。
 初戦よりはスタンが決まる印象。必死にサーバントするファイアブリンガーだが次第に諦めて攻撃してくるようになる。ラインが通じないみたいな哀れさだ。
 初対戦の時、相性が良さそうと思えたレオナルドをベアトリスと交代。2軍のため装備がイマイチ心もとないが、彼には彼にしか出来ない役割もあり、LP温存の意味も込めている。
 スタン&スタンだけでは脳が無い。
 新たな戦法を模索しようとしたところ、ブリさん(!)は強撃で怒ってくれることが判明。「おぉ、お前にも感情があったのか」というよりは「ちょっと自分の思い通りにならなければすぐキレる」ゆとり陰キャ説の地盤を強固なものにしていく。怒り+不動剣とかいう引きこもり要素も発露しつつ、レオナルドのかすみ青眼でお仕置きタイム。こんな戦いが出来るならレオナルドの武器をもう一段引き上げておくべきだったか、が、タタラ一番というネーミングもなにやら仕置きに相応しいとも思えた。

 そんなこんなで奇跡の完封勝利(相変わらず一度復活する仕様だったが)。

 運命の最終戦へーー。


 3回戦は宙に浮く岩に乗ったファイアブリンガーとレーヴァンテインだかいう剣2本と対決BGMも最終戦(と思いたい)に相応しいゴージャス感&フュージョン要素も入っていて自分好み。
 とりあえずスタンは置いて、オーヴィルをオグニアナと交代。
 開幕でファイアブリンガーがクリムゾンフレアを詠唱。3ターン溜めに入る。ヴァッハ神様は1ターンだったのに3ターンもかかるのか、ショボいのう。所詮借りパク技野郎の実力はこんなものか、と思いつつ、あらためてヴァッハ神様を畏怖する。
 お供の剣はリザーブ技使いだが、音速剣が決まり(突反応は無いんだろうか)、しかも意外にHPが低いため簡単に潰せる。こちらの連撃要員のために存在してくれるかのようだ。連撃がファイアブリンガーに入ると、こいつも今までに比べHPが低い? クリムゾンフレア発動前に倒しきる。当然復活してくるが、攻撃↓、防御↓、速さ↓のデバフ効果は継続。ダメージを与え続け行動順も低いのでフルボッコ。
 倒した!
 と思いきやまたまた復活。
 が、完全にパターンに入り、もはやイジメに近い(今までの諸行を考えれば当然の報いよ)形で勝利をおさめる。
 こんなことなら最後はベアトリスのスウィングアーティストで決めれば良かったと少し後悔。誰かが動画でやってくれるよね。


 初めこそ全く勝ち筋が見いだせない、サガらしいラストバトルだと思ったが、先に進むにつれ楽になった印象。シナリオの進め方によりラスボスの強化もあるので、その影響かとは思うのだが、1回戦、2回戦で両者疲弊した中での戦いという演出なのかもしれない。


 そして物語は感動のエンディングに。


 とか言いながら割とあっさり目なエンディング。
 ウルピナが「念願のスカーレット グレイスを手に入れたぞ!」と喜びつつ、「大丈夫。これは誰の影響でもない、私自身の意志」とぜんぜん信用できない言葉を放ちつつ、ユラニウス2世(を産んだのかウルピナ自身がなったのか判然としておらずすみません)が帝国を再興しつつ、周辺との戦乱は絶えませんでしたよ、というエンド。
 やはり兄を助けなかったのと緋の欠片を壊さなかったのが影響したのか。
 兄謀殺はウルピナが将軍継承のためには必然だったのだが……。


 以降はスタッフロールと共に、良く使っていた仲間の戦闘参加回数、技とキャラクターのその後が簡単に述べられていく。
 私の使用感も含めて、簡単にまとめる。

 ベアトリス
 初期メンバーの中で唯一スタメンに残存した(もちろんウルピナ除く)。
 棍棒使いは地味ながら堅実な働きが見込まれるタイプ。ブロックを基本としつつ、ヒートビートで攻撃上げ、骨砕きで攻撃下げ、打タラプトで低確率ながらマヒ効果を期待できる。斬タラプトである狂い咲きの「久しぶりに……キレちまったよ……」や武器固有のスウィングアーティストは生真面目な奴がはっちゃけると凄いという個性を出してくれた。
 その後も兵として活躍。戦場でバットを持って練り歩く女がいると語り継がれたことであろう。

 ティシサック
 中盤参戦ながら、オリジナリティ溢れる髪型、素早くタフさもあるという厳しい環境で育ってきたことを伺わせる高ステータス、自身を“わし”と呼ぶ強烈さに惹かれスタメン入り。エセ動物愛護家には一生たどり着けない生死観を持っているのもいいね。
 いまいち運用のわからない槍の有用性を教えてくれた人でもある。
 別れの餞別にゲイボルグを持たせたかったが、材料が手に入らず断念。
 新たな獲物を求めて(彼女にとってファイアブリンガーも一匹の獲物に過ぎない。やはり無類のカッコ良さを持つ)旅立った。彼女なら一人でも獲物をしとめてゲイボルグにしてくれることだろう。

 オグニアナ
 グルモンの王位継承者でありながら、それを嫌い、世界が見たいと言ってついて来た、物語的には準レギュラーと言ってもいいキャラ。
 レオナルドで仲間にしたバルマンテの斧がミス連発だったことを考えると、彼女の技は素晴らしい。ステータスとロールによるものと後々気づいたが、中盤、特にヴァッハ神戦でなくてならない存在であった。
 この人はウルピナのもとにとどまったんだっけ。忘れてしまった。キャラ的に故郷には帰らなそうだが……ビジュアル的に小柳ルミ子を彷彿とさせるものがあった。

 エリセド
 ウルピナの兄アントニウスの婚約者である、魔将軍の娘。
 召雷という壊れ性能魔法でウルピナと共に数多の敵を葬り去って来たが、暴発して敵の連撃を招くこともあったお茶目な(いい迷惑だ)人であった。新たな魔法の覚え方はややクセがあるので、いろいろ試して学習すると良い。
 魔将軍の家に戻ったが、晩年はちょっとおかしなことになってしまったようだ。ウルピナが婚約者を謀殺した事実に気づいてしまったのだろうか。

 ヤマト
 初期メンバーでベアトリスと共に盾役を勤めて来たが、ティシサックやレオナルドの台頭により2軍に追いやられた。行動力が無いためいつも端っこにいる印象。ロールだけで敵を引きつけてくれるので、何をするでもなく死んでいく肉壁。不遇の扱いを受けながらも最後までウルピナの下、戦い、戦死したらしい。ヤマトらしい最期である。合唱。

 レオナルド
 主人公らしい性能の高さながら、ヤクサルトに行けば仲間になってくれる気の優しい兄ちゃん。あれだけの激戦をくぐり抜けながら地元に戻って農家を続けるという剛胆というか器がデカ過ぎというか。
 地元の領主の娘と結婚したらしいが、それはまた別のお話。

 ネエ
 ユラニウス家が統治しているであろう、ルーグ村の姉ちゃん。本名なのかそっちの意味かは誰もが勘ぐるところ。百合キャラめいた仲間のなり方だが、意外にステータスが高い。オグニアナの下位互換として用いていたが、その後を見ると、ウルピナの下、ふつうに兵隊として働いていたり、実は影武者説が流布されていたりと、ここに至って謎の個性を見せつけてくれるキャラクターでもある。そうなると本名がネエであることも疑わしく、深入りすると消される可能性もあるので、ここらで止めておこう。

 オーヴィル
 2軍の中でも意外な活躍を見せてくれた殊勲賞モノの鳥人(とりじん)。
 村に入る旅にひとり鳥人間コンテストを開催しては墜落しモンスターに襲われる迷惑キャラで“あ~、もう死んどけよ”と酷いことを毎度思わせてくれたのだが、ラストバトルのスタン祭りでまさに第三の男として参戦し、決勝戦までつないでくれた。実はティシサックと同じ、初期行動順アップのロール持ちと今更確認。北のティシサック、南のオーヴィルとして(図らずも)語り継がれる伝説として構成出来たのは我ながら良いプレイであった。その後はイカロスよろしく鳥人(とりじん)としての活動に励んでいたそうだが、周囲には“あ~、もう死んどけよ”と思われていたようで飛行文化は発達しなかったことになっている。新たな世界を発見し再び伝説を作り上げる可能性があっただけに、私のような君は最初から出来る男だと思っていたよ的な理解者に恵まれなかったことが悔やまれる。

 ネッサ
 初期メンバーらしいのだが全く使っていない印象しかなく何故ランキングしたのか謎。
 ソロンやツィゴールもそうだが、システム上、初期メンバーは十二神将(キャラのその後は戦闘参加率上位12名で選抜される)に入りやすい。いずれも軍に残って活躍しましたみたいな話なのだが、彼女だけは何故かウルピナの下を離れ、帝国と対立するエルワカン側へ寝返った。戦闘回数が少ないとそうなるのか? エルワカンでは火山を爆発させ国力を削いでおいたので勝ち筋が見いだせないことは承知しているハズなのだが。

 モンド
 ウルピナのパートナー。ツッコミ兼ボケ役。
 槍を持たせてもあまり使えないので外してしまったが、北方では氷の壁を砕くため冥魔にされてしまうというトンデモ展開が用意されている。帰還時には悪魔の力でも手に入れたのか、軒並み適正武器レベルが上昇しているのだが、同時期に北方の勇、ティシサックが専用トロフィーを引っ提げての電撃加入するためヤッパリ使われない不遇の人。
 まじめ一辺倒と思いきや丁半賭博で名を馳せた過去があったり、ツチノコを追い求めていたり、大事なものが蜂蜜だったりとかなりの変人であった。
 その後は豹変したウルピナにドン引きしたのか引退を表明。
 各地敵情視察という名目を(一応は)持ちながら、今一度ツチノコを探し求めているのであろう。


 ウルピナ
 今回の主人公。
 線の細そうな見た目に似合わず、数少ない二刀流を体得するというチート振り。物語の展開もわかりやすく、まさに初心者向けのキャラ。
 長剣はリザーブ解除や属性技、バンプなど有用な技が揃っている。火力不足の面はあるのだが、二刀流はその弱点を補う以上の異常な性能。陣形と組み合わせたランク2の二刀十字斬はコスト1で300~400は削れる。二刀烈風剣はさらに倍々。
 物語では兄アントニウスを謀殺し、スカーレット グレイス奪取の際に邪魔になりそうなサーシャの正体を看破しこれも抹殺。帝国再建の邪魔となりそうなエルワカンを火山爆発であらかじめ国力を削ぐことに成功。ダム決壊させ盾将軍イレーヌに責務を負わし、将軍職を降ろす、魔将軍エリセドにアントニウス謀殺の流言を吹聴させ神経衰弱へ陥らせた。
 可愛い顔をして恐ろしい野望を胸の内に抱き、着々と実行していくキャラクターであった。


 現在は周回引継でタリア編を進めている。
 引継要素の恩恵が今のところ少なく、若干序盤の立ち上がりが億劫なのだが、4人揃っている(?!)画面も見たいしなぁーというところであります。


 久々の長々としたブログ記事、ご精読ありがとうございます。
 それでは皆さん、良いお年を!

【漫画】ゴールデンカムイ(9) (野田 サトル/集英社)

2016年11月20日 11時07分06秒 | 漫画
 マンガ大賞2016 大賞、このマンガがすごい! 2016 オトコ編 2位 と輝かしい記録(作者本人は『このマンガがすごい!』 でダンジョン飯に負けたのが気に入らないと言っていたのが印象的だが)にも関わらず、累計 270万部と帯に書かれているのを見て、あれっ? 少なくない? と思いました。思いましたので思い出したようにブログに感想を書く。何ヶ月ぶり?


 表紙からして脱獄王、白石全開! 作中屈指のイジられキャラの名に恥じず、表紙と背表紙で表情が異なる芸の細かさよ。カバーを外すとアシリパ(リは小さい“リ”)さんに成り代わってのファッション図解。

○第81話 隠滅

 江渡貝邸にて杉元と土方の接触。
 土方の言動でアシリパさんの重要性に感づく尾形の抜け目なさ。主要キャラに混じって隙あらば彼らを出し抜こうとするサブキャラという構図。キャラ作りの上手さ。
 緊張感がみなぎるやり取りの中、腹の音を鳴らし続けるアシリパさんに根負けする形で奇妙なお食事会が開催。最後の晩餐のパロディであの人はこの人の位置という。
 複製される刺青人皮の判別方法に贋作師の熊岸長庵という人物の名が挙がる。
 そして第七師団の強襲へ。

○第82話 二階堂

 江渡貝邸攻防戦。耳を削がれた二階堂、今度は土方に足を切られ……と段々少なくされていく。作者酷い。
 脱出に成功した杉元一味と土方一味。追っ手をまくため二班に別れる。杉元、アシリパさん、牛山、尾形と戦力的に申し分ないメンバー。
 江渡貝邸炎上とともに慟哭する二階堂。いつか、いわゆる“ジャイアントキリング”を果たしそうな“溜め”があるようにも思う。

○第83話 恋占い

 杉元一行のグルメパート。食・脳ミソの洗礼を浴び、ギャグらされる牛山とギャグらされようとしない尾形と。
 土方一行は永倉や白石と合流。熊岸を知る白石の過去話へ……。

○第84話 獄中

 白石スペシャル仕様の巻の意味が明かされる、脱獄王の名は伊達じゃない! 回!
 熊岸との出会い。春画(エロ絵)を描いてもらうも、残念な仕上がりなシスターの絵に結局は自家発電、どころか恋をして監獄遍歴をすることになる白石。伝説の始まり。
 牢の鍵の作成と隠し場所。舌の裏? 尻の穴? 果たして……。

○第85話 恋路いくとせ

 白石脱獄伝説。クソまみれショーシャンク。
 恋い焦がれるシスターと邂逅する白石。残念絵のまんまというか、若干ホラーテイストというか、のっぺらぼうはここにもおったんや! な回。
 そして話は土方と永倉の邂逅へ……。

○第86話 昔の話をしよう

 永倉と土方の邂逅。“あの頃に戻って”の昔話。ビジュアルで魅せる上手さ。
 杉元一行はアイヌの村へ。小熊の檻に入っているのは育ちきってミッチミチに檻に詰まった……?

○第87話 お行儀

 杉元、アシリパさんの足跡(そくせき)を追う谷垣、インカラマッ(ラは小さい“ラ”!)組。そこへアイヌの少年チカパシも合流。家族のふりが出来ると言いチカパシを受け入れようとするインカラ姉さん。インカラ姉さんのオッパイに触るため家族設定わ、練り上げるチカパシ少年。チン○は練り上げなくてよろしいからっ。
 一方、杉元はアイヌのしきたりに則るよう新参の牛山や尾形にドヤる。含みのあるアシリパさんはオソマをしに外へ……。
 尾形、男達がアイヌではないと疑い始める。抜け目ない格好良さ。

○第88話 耳長お化けがやってくる

 ドラえもんの“Yロウ”みたいなアイヌの道具の使い方で判別しようとする杉元。まずは牛山がノリボケをかまし、次に村長へ。ゴールデンカムイ伝統のギャグらされるワールドに引きずり込まれる村長。この時点で答えは出たも同然だが、ギャグらされない尾形が道具の“ただしい使い方”をレクチャー。
 正体割れする、アイヌのふりした脱獄ヤクザにぶち切れる杉元。ギャグとバイオレンスの振り幅の大きさもゴールデンカムイワールドの特徴。中途半端にブレる奴は酷い目に遭うのもこの世界のルール。

○第89話 沈黙のコタン

 不死身の杉元無双。殺り漏らしはスナイパー尾形が仕留める。期待のチ○ポ先生こと牛山はバックドロップした拍子に熊の檻を破砕。あんた何やってんの。乱戦必死。
 村で偽札作りをさせられていた熊岸、乱戦の中、毒矢が刺さり……。

○第90話 芸術家

 何はともあれ、○ンポ先生(そのために○を使ったのか)VS熊とかいう状況的にも物語的にもどうでもいい頂上決戦。
 偽村長もまた刺青人皮の一人であった。
 毒矢に倒れる熊岸。贋作師、剥製屋……表舞台に出られない芸術家は一連の作品に共通した“こだわり”を入れるという。観た者の人生を変えるような本物を作りたかったと事切れる熊岸。
 熊岸の願いを知らず叶えた形の白石は、土方との内通が杉元にバレることを恐れ、土方一行から離脱しようとするが……。


 カッコ良い白石(という矛盾)に始まり、いつもの白石という鞘におさまった巻。
 一巻一巻に面白さてんこ盛りの濃密空間が詰まっていて、このマンガがすごい! ……いや、本当にすごい! みたいな『このマンガがすごい!』にランキングされた作品から本当に凄かった作品を検証して再度評価するランキングが出来て欲しいぐらいだ。また、売上的にも今一つ物足りないというか、もっと売れて良いはずの、メジャーになれるポテンシャル(生命がやや希薄に扱われ、かつグロ趣味があるという欠点もあるが)をはらんでいるとも思う。遅かれ早かれアニメ化なり実写化され、いわゆる“バカに見つかる”状態(それが売れるってことだ)になるだろうが。どちらかというと実写化の方が絵的に映える気はする。天才子役を生み出したいオトナ達の思惑にも合致するであろうし。勘の良い監督や演出家がいないとギャグパートが察しな出来になる危険性もあるけどね。才無き私は映画化→映画のCMがこんな風にやるんだろうな~っていうビジョンも見えてしまっているけどね。

【映画】シン・ゴジラ 感想 (ネタバレ注意)

2016年08月14日 17時02分03秒 | 映画
 実に数年振りに映画館まで観に行って来ました。
 学生の頃はDVDを借りまくって古今東西の映画を見た覚えがありますが、それでも映画館に行くのは年に数回。会社に勤めるようになってからは「どうせ気がついたらDVD、BDになるし」という感じで、映画館に足を運ぶどころか、映画さえ滅多に見なくなっていました。
 今回、この『シン・ゴジラ』を見る気になったのは、仕事の都合上、とても映画館に行きやすくなった(交代勤務)ということも強く起因しますが、決め手はYou Tubeで見たトレーラーでした。ネット上ではマーケティング的に失敗とも書かれており、言われてみればなるほど、確かにその通りなのですが、私には惹かれるものがありました。
 トレーラーには、映画の予告にありがちなテロップやナレーターの煽り、派手な場面もあまりなく、役者の台詞さえ流さず、音楽(これ自体は凄く良いもの)が流れ、登場人物が何やら話しているだけという地味なものが中心。だけど、自分としてはこれが何とも良かった。役者の口の動きや表情、目で一体どんなシーンであるのか想像することが出来たし、何が起きるかわからない、監督や制作陣が何をやらかしたか(もしかしてトンでもない作品を作ったのではないか)、期待と不安が入り交じる言い知れないワクワク感を抱きました。そして、それを、まるで一大事件をその目で目撃してやろうという大仰な決意とともに私を映画館に向かわせたのです。

 映画は学生の時、それなりに見ました(このブログやブログの前身/By“かぶとのほらあな”に記載があるかな? わかりませんが)が、特撮映画にはあまり馴染みがありません。せいぜいテレビで見るぐらいで、子供の頃に平成ガメラ第一作目と、海外版ゴジラ(ジャン・レノ出演の、いわゆるゴジラで無くただの恐竜のヤツ)を映画館に行って観たぐらいです。
 でも、昭和後半生まれとしては、ゴジラといえば何となくテレビCMだけ見ていても、人間の味方あるいは利する存在として親しみやすいキャラクターである印象です。

 予告でそれと察せられはするのですが、今回のゴジラは……というところで、映画館で観た感想を書きたいと思います。問答無用のネタバレ満載。観てない人は観てから見ましょう。




 数年振りの映画館。
 客の少ない平日は月曜日の朝イチを狙い、上映9時50分の30分前には到着。
 夏休みだけあって、それでも子連れの家族や、小中学生がチラホラ散見されます。
 ポケモンやワンピースがやっていたので、そちら目当て何だろうなという感じ。昔懐かしい『ルドルフとイッパイアッテナ』もやっていました。
 チケットはレジ形式で幾つもあり、スムーズに支払いが済ませられます。昔行っていた映画館は2つぐらいしか窓口が無く、この時季は長蛇の列に並んだ記憶もあります。
 コミュ症としてはチケットを買うときに何て言ったら良いのか問題が並んでいる間チョット考えるものですが、先に買う人を見ると、「コレ」と机の下敷きを指差しています。アッ、そんな感じで良いのねと思いながらも自分はちゃんとタイトル言いました。いつも思うのは口にするのも恥ずかしいタイトルはどうするんだろうということです。自動券売機があったし、いざとなれば「コレ」で良いんでしょうが。ってことはあの人が観る映画は……?
 支払いも済ませチケットをもらい、グッズコーナーへ向かう。
 シン・ゴジラはキーホルダーやボールペン、劇中に登場する戦車のプラモデルなんかが売ってます。私は映画館に行ったら絶対パンフレット買うマンなんですが、何とシン・ゴジラのパンフレットは完売していました。噂には聞いていたけど、かなり売れているようです。いま思えば売り切れでなく「完売」だったのが気になり、もしやレアアイテムになるのかという思いもします。

 上映20分ぐらいに入場開始。
 人は少な目ですが、年齢の幅が様々。60代以上のおじさん連や夫婦。親子。小学生男子二人組や、若い女の子二人組など。そして仕事サボった風のおっさんサラリーマン……って俺か。
 9時50分上映までひたすら予告を見つつ、9時50分からも予告やCMを見させられ、本編開始は10時05分ぐらいでした。


 海底トンネルが破壊され水漏れ~からの海に怪しい影。
 怪獣という概念の無い世界観で、未確認巨大生物の存在を示唆する主人公。
 一笑に伏されるわけですが、海から巨大な尻尾が出現する映像がテレビに映されます。
 政治の中枢はドタバタ、早口気味のやり取りはリアルさを追求した表れ。誰が誰やら何を言っているか全てを把握するのは困難。流れだけつかみます。
 「上陸はありません」と総理が会見でドヤッてからの蒲田上陸。様式美です。

 ここに来て未確認巨大生物登場となるわけですが、これがまたキモいの何の。私は事前情報で知っていたのですが、足だけで歩行する第二形態ゴジラ(第一形態は海にいた時の模様)。形容しがたい嫌悪感を覚えます。特徴的なのは目。深海魚のラブカがモチーフだというのですが、おおよそ知性が感じられずコミニュケーション不能と一発で思わせてくれます。CG丸出しなのになぜか怖い。思うに、完璧に作りすぎる程、作り物めいて見えることの逆なのかなと。稚拙には見えるけど、それがかえって現実と虚構の境目があやふやになり、妙な迫真性を増しているように思えます。
 この第二形態ゴジラが単に移動するだけでもビル群や町並みが破壊されていく。マンションの一室で逃げる準備をしている名もない一家が吹き飛ばされるだけのシーン。カットだけ見るとシュールですが、第二形態ゴジラが頭部を乗せただけで、崩れていく様からの流れで見ると生々しくてショックです。

 エラ(?)から血塊のようなものをボタボタ流し、あからさまにヤバい雰囲気が出てます。
 第三形態ヘの進化。
 ここでゴジラはいったん海へ引き返します。

 主人公らが対策チームを作り上げていく中(いわゆる組織の鼻つまみ者で構成。濃いキャラ群がアニメチックでもある)、再度ゴジラ登場。いわゆるCMで見られる第四形態ゴジラになります。
 自衛隊が戦車やミサイル等で攻撃するも全く効果なし(攻撃に至るまでのプロセスも見所)。自衛隊リーダーが倒すだけが自衛隊の役割ではない、と一転、国民の避難に尽力するよう即座に方向転換を提示して見せる。政治家たちもその部下も有能振りを発揮し始め、熱くなるところです。
 そしてついに夜半における米国の力を借りての再対決。
 国の長は万が一も考え、逃げた方が良いと進言するのに対し、総理は都民を見捨てて逃げるわけにはいかない! といきまく。大局観が無いと言えばそれまでだけど、せめてかくあってほしいと思わせる良い場面です。

 そして米国軍の攻撃を受けてのゴジラの大反撃。
 初めて人間たちを敵と認識した瞬間。
 溜めて溜めてのゴジラの大爆発に、興奮仕切り。赤いほむらの放射熱線で東京を(文字通り)大炎上……させてからの、紫のビーム状になりビル群を切断破壊。そしてネットで“内閣総辞職ビーム”と呼ばれる、総理と内閣官僚の大半を乗せたヘリの破壊。
 「もう、もう止めてくれ……」エンタメでも久々に目の当たりにする絶望的光景が広がる。
 さらに攻撃を続ける米国軍に対しては背中から拡散的にビームを放ち、まさに歩く完全破壊兵器と化す。
 もはや地獄の様相を呈する東京にたたずむゴジラ。美しさと畏怖がない交ぜになったカットであります。

 そして、急遽、総理代理を勤めることになった生き残りの大臣。ゴジラに関する報告が長々と続けられ、終わった時には昼食に用意されたラーメンがすっかり伸びきっており、「総理ってタイヘンだな~」とボヤく。超大物かトンでもないボンクラか、どちらかしかないことがわかる。そしてちょっと情けない風に描かれた筈の元・総理さえ、ああいう見せ場を用意した以上、後者はまずないと察せられる。

 物語後半戦はやや荒唐無稽というか、エンタメ度が増す。
 例の国がいつも通り例の力を行使しようとする中、主人公らが選んだ策は、ゴジラの体内にあるエネルギー源(原始炉)に凝固剤を注入して止めちゃいましょうというもの。
 ゴジラを足止めするのに投入されるのは新幹線。そして「無人在来線爆弾」!
 話が一気にセコくなった気がしますが、日本らしくて良いじゃないか。高度経済成長を象徴する高層ビルを爆破しゴジラに降り注ぐ。
 君たちが空襲やらなんやらでムチャクチャにした、でも日本がふんばって築き上げてきたものこそがゴジラに通用するのだと見せつけてくれます。
 そして凝固剤を投入する放水車。
 パッと見はゴジラの歯の治療みたいで、なんだかチャチで地味な絵にプッと笑えたり、あるいは腰砕けになるでしょうか? でも私たちはかつてこんな光景を見ましたね。頼りなく見える放水車に一縷(いちる)の望みを賭けたはずでは?
 間抜けそうに見えてシリアスな最終決戦であります。

 最後も、凍結したゴジラという象徴をバックに一応は大団円を迎える。
 終わりかけの際にゴジラの尻尾がアップになり……意味深なカットで終了です。


 自分が思っていた以上に大迫力で面白く、特定の人たちが興奮しネットで絶賛するのがわかる作品でした。官僚たちのやり取りや細かい部分に気づきたいために何度か見直したくなる映画でもあります。でも、やはりこの迫力は映画館で見てこそ、というものがあるので、行って正解でした。数年振りに足を運んだ甲斐があった。

 作品を評するのに点数をつけるのはあまり本意でありませんが、自分の中では80~89点といったところです。このご時世に特撮でここまで完成された映画は80点以下ってことはない。じゃあ何で90点以上じゃないかというと、それ以上の点数に評価できるリテラシーあるいは資格を自分は持ち合わせていないという気がしました。

 そんなワケで、BD、DVD化をいまから楽しみにしております。


【漫画】伝説の勇者の婚活(1) (中村 尚儁/集英社)

2016年08月06日 12時10分16秒 | 漫画
 サッカー漫画でありながら、サッカーを主軸にした人間ドラマを描いた『1/11 じゅういちぶんのいち』 中村 尚儁(なかむら たかとし)先生の最新作。
 タイトルといい、名前といい、検索のし辛さが際だつ(けっこう売れる売れないのポイントになると思う)のだけど、今作のタイトルはラノベチックではあるものの、ある程度キャッチーではある。

 魔王退治を終えた勇者一行のその後、というところで舞台装置はRPGのテンプレ(まんまドラクエ3と考えていい)から発展させていく。城に凱旋した勇者ユーリが人々との対話や、パーティー内の戦士タッセンと僧侶ソーニャが婚約発表したのを見るにつけ、自分も、勇者という役目を終え、一人の人間として生きていくために、伴侶が欲しいと望む。

 生来、生真面目で空気が読めず、勇者としての役割が身についているため全く世間ずれしたコミュ症気味のユーリ。当然、婚活斡旋所で出会った女性にも愛想を尽かされ早々にふられてしまうのだが、その真摯さ故に、相手の心のどこかに爪痕を残す。
 後に勇者ということを知った相手が……という、まずはそんな展開なのだが、素性を隠し、勇者としてではなく、あくまで一人の人間として見てもらうユーリからの言葉が、さらに相手の心に刻まれた爪痕を深くする。

 ファンタジーに場を移しても人間ドラマを展開するのは作者の持ち味。
 バランスによっては「こういうのがいいんだろ?」と押し付けがましくなってしまうところ、過剰にならず、むしろ素朴でさえある味付け。こう描いたら売れるだろうというより、こう描きたいという気持ちがまず感じられるのが好印象。絵もそんなに上手いわけでもなく、飛び抜けたシナリオ作りが出来るかといえばそうでもない。しかしどこか安心して楽しめるものがあるのは、作者の人となりが作品ににじみ出ているから、ということなんだろうか。

 勇者として魔王を退治し、人々に平和を取り戻した主人公が、婚活というやや利己的なものからマクロな視点で、さらに人々に救いや気付きを与えていくことになる、という構造が面白い。
 まっ、結局のところ、勇者というステータスを失い落ち込むユーリに、自らの生命を賭けてユーリの良いところを引き出し示したツンツンキャラ、魔法使いのマホたんが第一候補と言えるんだけどね。今のところは。

 このマンガがスゴイ! 等々の賞レースに食い込めるとは到底思えないけれど、上へ上へ、もっと新しくもっと過激に、みたいな作品を求めがちな漫画読みには、時々こういった作品がすごく口当たりが良いように思える頃合いもあるのです。

 要はギラギラしたものに欠けるという弱点(スゲぇ漫画描いて世間を喰ってやるって気持ち)があるのだけど、だからこそ表紙イラストの“捻り”やカバー裏の謎のホラー要素が少し引っかかる。婚活を“MARRIAGE HUNTING”と英訳(ホントにそう言うの?)しているところとか。結婚は人生の墓場とでも言いたげなシニカルさが見て取れそうなんだよな。何だろうか、これは。

【ゲーム】ライフ イズ ストレンジ (PS4) 感想

2016年06月28日 21時46分14秒 | ゲーム
 『ライフ イズ ストレンジ』は、2016年 3月3日に発売されたアドベンチャー・ゲームです。
 PS3やX-BOX360・ONE、PCではダウンロード販売ですが、PS4ではパッケージ販売もされています。私はPS4と同時に購入。何故か手付かずのまま放置していました。もっと早くやっていればと思いもしますが、自身の選択眼は間違っていなかったと遅ればせながら再認識もしています。

 本作では、アメリカはオレゴン州の片田舎である「アルカディア・ベイ」の学校へ通うため、5年振りに帰郷した女生徒「マクシーン・コールフィールド」(通称“マックス”)を操作し、物語を進めていきます。
 ひょんなことから時間を巻き戻す力を得たマックスと共に、マックスが度々見る巨大な台風が街を襲うビジョンや、行方不明になった学校の生徒の謎を解き明かしていきます。
 また、「アルカディア・ベイ」にはマックスの親友であった「クロエ・プライス」とも劇的な再会を果たし、彼女と組んで行方不明者の捜索もしていきます。

 ゲームの流れ自体は総当たりのアドベンチャー風ではあるのですが、マックスの力を使い、選んだ選択によるリアクションや展開を見つつ、時を巻き戻し、よりプレイヤーが納得のいく答えを選び取っていきます。大きな分岐や展開の変更は無いのですが、いかに自分が考え判断を下したのか、そのプロセス自体が重要になります。

 フランスのゲーム制作会社『DONTNOD』がスクウェアエニックスと組んで作ったこのゲームはもともとは各月にエピソード配信形式で販売されていました。
 全5話からなる物語はこのような販売形式によるメリットか、物語の引きが強烈であり、エンディング直前に流れる楽曲のセンスの良さも相まって、1話1話が非常に心動かされるものに仕上がっています。ことに起承転結で言えば“転”の始まりにあたる3話終了時は、じわじわと予見される流れでありながら鮮烈な印象を残すものとなっています。目新しい展開ではないかもしれませんが、インタラクティブな娯楽であるゲームの特性によって“主人公=プレイヤーが選んだ結果”としてより重くのしかかるのだと思います。

 ゲームとしてはストーリー主導型。謎解き要素もそんなにありません。ステルスゲームの要素もあるのですが、時を巻き戻すことでいかようにも逃れることは出来、評価に左右されるようなこともありません。むしろシナリオが面白いだけに、後半に至ってはそういったゲームとしての遊び部分が煩わしくなるという困った現象も起きています。
 探索面に関してはこれまた古きクリック形式。しかし主人公マックスの何気ないつぶやきが調べるごとに聞くことが出来、キャラクターに感情移入し世界に入り込むことができています。アドベンチャーにおいてクリック形式に調べることを億劫でなくさせると言うのは制作者のセンスがかなり問われるのではないでしょうか。
 マックスのつぶやきと書きましたが、このゲームでは各キャラクターを担当する声優が非常に違和感なく当てはまっていました。ローカライズ担当の方が凄く良い仕事をしたのと、ゲーム自体の規模が幸いしたのかもしれませんが、Wikipediaを確認する限りでは売れている声優やまして芸能人を起用するでもなく、ここまで違和感なくキャラクターの声をマッチさせたのは特筆に値するのではと感じています。商業主義におもねらなければこのような完成度の高さになるのかもしれません。

 あの時、私にはあちらを選ぶ選択もあったんじゃないか。
 もし、時間を巻き戻せたら……? これがゲーム全体を貫くキーワードというかテーマにもなってある訳ですが、しばしばプレイヤーには苦しい選択が突きつけられます。また一発で正しい選択を迫られる場合もあります。いずれにせよこのゲームにゲームオーバーはなく、プレイヤー各々が選んだ道を受け止め歩まねばなりません。そもそも答えなんてない選択もあるため、であるからこそプレイヤーがその選択を決断した理由こそが重要なのです。たぶんその答えに正しいも間違いもグッドもバッドない。物語の終着点もそのようなことであると私は考えています。その証拠、と言うまでもなく当然と言えば当然ではあるのですが、オンライン上で他のプレイヤーが選択した割合がエピソード終了ごとにパーセンテージで結果を見ることが出来ます。答え無き選択に関しては完全に真っ二つになってしまっています。制作者の思う通りなのか、あるいはどちらかに偏らないというのは私たちの社会がまだまだ健全と言えるからなのか、ということに思いを馳せることもでしました。犬の命を助ける人が9割以上なのは笑ってしまうと同時に捨てたもんじゃないなとも思いましたが。

 本当に世界観や物語に埋没できるゲームで、クリア後はちょっとした喪失感が続いたりかなり影響を受けました。シナリオに関して言えば、私のやったゲームの中ではトップクラスであり、これを越えるものはちょっと出てきそうにないなとも思います。小説、漫画、映画、ゲームと色々な物語に触れてきて、いい加減ドランカー気味にもなってきてはいるのですが。

 ちゃんと調べたのではないですが、1万本ぐらいしか売れていないような記載を目にして何とも言えない気持ちではあります。少しでもプレイする人が増えて欲しい。そんな気持ちで、感想を書くことにしました。もしこれを読んだ人で未プレイの方は是非買ってやって見て欲しいと思います。

 次回はプレイした人に向けての感想を書きます。
 主に各エピソードで選んだ私の選択とその理由、及びキャラクターについての思いの長や楽曲について、より濃ゆく語る予定。エモキモ上等!

【ゲーム】サガ フロンティア(PSV) レッド編 感想

2016年05月19日 23時00分27秒 | ゲーム
 サガ フロンティアは1997年 7月11日、プレイステーションでスクウェアより発売されたRPG。
 7人の個性豊かな主人公が織りなすオムニバス的なストーリーとなっています。

 私が初めてプレイしたのは中学2年の時。発売日からひと月経った頃、父が会社の同僚から安く買い取ってきました。父はメカの主人公 T260Gを。私は何を思ったか、放蕩者のリュートを選びました……。リュート編はシナリオ開始ですぐにラスボスと戦えるという特徴があり、つまりキャラ特有のイベントが無きに等しいということでもあります。
 結局、リュート編はクリア出来ず、後に割と攻略に時間のかからないエミリア編をクリア。解体真書購入後は、アセルス編、レッド編をクリアした覚えがあります。

 今回はPS Vitaからダウンロード購入しプレイ。
 当初、PSアーカイブスは for PS3、for PSPと表記があり、Vitaでは出来ないかと思っていたのですが、調べたらプレイ出来るようなので買ってみました。
 いわゆるL2、R2ボタンがそれぞれ背面パッドの左右に対応しているようで、ゲーム開始時、名前を入力する画面でそれと気付かず、誤動作すると勘違いしました。
 サガフロと言えばR2と△で一時的に且つスムーズにセーブが出来るクイックセーブが便利でしたが、今回は背面パッドと△なので、多少コツが必要です。

 今回は、とりあえず全員クリアする目標があったので、まずは主人公らしい主人公。ひょんなことからヒーローにされてしまった青年、小此木 烈人(おこのぎ れっと)ことレッド編をプレイしました。簡単なシナリオ進行状況と感想を述べます。


 プレイ期間:2016年 5月17日~2016年 5月18日
 クリアタイム:12時間


 ブラッククロスなる犯罪者集団に家族を殺されてしまったレッド。
 ブラッククロス四天王の一人、シュウザーに戦いを挑みますが、改造人間であるシュウザーに為すすべもなく、レッドは瀕死の重傷を負わされます。そこへ、アルカールと名乗る謎のスーツを身にまとった男が救出に入り、シュウザーを退けます。また、今にも命が尽きようとしていたレッドを助けるため、緊急の処置として自身と同じスーツをレッドにまとわせます。スーツの力によりレッドは一命を取り留めますが、一方でレッドはヒーローとして生きることを余儀なくされます。

 理由がよくわからないまま場面は転換。
 レッドは父の知り合いであるホーク船長のもと、リージョンシップ・キグナス号の乗船員として働いています(リージョンとは惑星のようなもので、リージョンの周囲は混沌と呼ばれるモノが広がっています。各リージョン間は専用のシップで移動出来ます)。
 しばらくはキグナスが航行する先々でブラッククロスの情報を集め、時にブラッククロスの戦闘員と対峙するなどし、ゲームの基本を身に付けていきます。レッド編は初めの内は自由度が低いのですが、サガシリーズに慣れないプレイヤーには比較的わかりやすく進められますね。

 キグナス号乗っ取りの事件を経て、このままではブラッククロスを追うことは難しいと判断したレッドは、ホークに船を降りる意を伝えます。
 ここからシナリオは四天王との戦い、ブラッククロス本拠地での戦いへと突入していきます。まずはブラッククロスの情報を各地でかき集め、四天王の居場所を突き止めていく中でサブイベントをこなし、パーティーの増加や成長も進めていきます。

 レッドはキグナスの事件からみなどで、この世界の治安を維持する組織IRPOと知見が出来ています。シナリオにも関わり、レッド編しか仲間にならないキャラもいるためまずは彼らとの合流を目指します。
 マンハッタンでキグナス号乗っ取り事件をともに解決したヒューズ、シンロウで遺跡に向かった弟を探しているというドール、京で情報収集しているメカのラビット、シュライクでは生命科学研究所で何故かとらわれの身となっているモンスターのコットンを仲間に。メカとモンスターは成長のさせ方が若干クセがあるので、とりあえずは人間キャラをスタメンにしていきます。クーロンでブラッククロスの情報を収集する中で出会うアニーも加え、レッド、アニーが剣。ヒューズを格闘。ドールを術+銃で育てる方針。残り一枠は適宜変えていきます。

 まずはドールが所持している陰術の資質を取得。このゲームは各術の資質を得ることで、より上位の術を戦闘後に取得出来ます。陰術の資質取得の過程でIRPOの一員でもある妖魔のサイレンスを仲間に。妖魔もやはり育成が特殊なので二軍に常駐しがちです。
 次に秘術の資質集めへ。陰術より多くの手順を要しますが、ヒューズが仲間にいると一つ手間が省けます。道中、日本を元にしたリージョン・ワカツ出身のゲンや、元モデルで主人公の一人、エミリアを加えます。
 後は各地のダンジョンをまわり、お宝をゲット。地道に戦力を増強していきます。

 HP 500辺りでクーロンに潜むシュウザーと対決!
 まずはパーティーバトル、後、ヒーロー・アルカイザーに変身したレッドと一騎打ちになります。レッドはアルカイザーに変身することで能力値の底上げやヒーロー技が使えるなど、戦闘力増加が見込めるのですが、メカ以外の種族がパーティーにいると変身出来なかったり(一応、暗闇などの一部状態異常であればOKという条件もある)、戦闘後のパラメータ成長が出来なかったりとデメリットもあります。

 シュウザー撃破後は、京でメタルブラックと対決。
 敵、かつメカでありながら武人の心を介し、正々堂々とした勝負を望む、主人公のライバル的なポジションです。この時はヒューズが格闘の一人連携と言える隠し技『DSC』を取得していた為、彼の攻撃2発で撃沈。以降、ヒーローを差し置いて彼の無双状態が続きます。

 シンロウではベルヴァと対決。初戦で負けることで、アルカイザー変身状態のまま人間パーティーを組める特殊な状況におけますが、ヒューズがいるので苦もなく勝利ルートへ。他の四天王に比べるとややタフです。また、この道中で雷竜と戦い『竜鱗の剣』をゲット。最強クラスの剣で、レア物なんですが、こんなにアッサリ手に入るとは。

 さらにマンハッタンに飛んで、ミス・キャンベルことアラクネーとバトル。
 トリッキーなボスと思うのですが、ヒューズのDSCが猛威を振るいます。

 ワカツの剣客、ゲンさんのWPが70を越えたので、ワカツへ流星刀を回収に。
 キグナスで仲間にしていたメカのBJ&Kに交代。流星刀やパワースーツを装備させます。

 四天王を全て倒すことで、キグナス号のホーク船長から連絡が入り、敵船への潜入及びブラッククロス本拠地に突入できます。

 本拠地ではまずブラッククロスの首領と対決。苦もなく撃破。
 続いて四天王のシュウザー、ベルヴァ、アラクネーの実質三連戦。一連の戦いでかなり苦労させられました。WP、JP運用の手際の良さが求められます。
 なんとか切り抜けると、アルカイザーに材を得ることで進化を遂げたメタルブラックの最終形態、メタルアルカイザーと決戦! 姿は変われど武人の心は変わらず。こちらを回復してくれます。

 メタルアルカイザー戦で真アル・フェニックスを習得。閃きシステムでも随一の演出です。

 ラストボスは予想もしない(できない?)存在との対決が……。

 回復アイテムも拾い物ばかり。術もヒューズがデフォルトで覚えている自己回復の『克己』、BJ&Kの回復頼り、と見切り発車な戦いでしたが何とか勝利。無事エンディングです。

 シナリオとしては特撮モノのパロディで、特に大きく外すこともなく、セオリー通りで可もなく不可もない感じ。
 久しぶりにやった印象では、サブイベントが術の資質獲得中心で、フリーシナリオと呼ばれるほど数やバリエーションは無いなと思いました。
 閃きシステムに加え、連携システムが加わったことがサガフロの最大の特徴です。バトルに面白さを見いだす人向けかな、と。
 最終的には、敵ランクが高めの生命科学研究所でこもって強化していくことで色々な技を覚えたり、連携を練ったり、ドロップアイテム厳選したりという楽しみに時間を費やすことと思います。
 1プレイの時間が少な目なので、週末に一気にやれば終われるというのが、気楽にRPGをしたいという人に向いていると思いました。
 

【ゲーム】スターオーシャン5 - integrity and Faithlessness - (PS4) プレイ日記05

2016年04月22日 18時22分40秒 | ゲーム
 銀河連邦に所属するエマーソンとアンヌにリリアを託し、自分らの星に帰還するフィデル達。
 エマーソンが艦長を務めるチャールズ・ディ・ゴール号は、リリアの身柄を狙うクロノスの艦長アーロンに接触される。エマーソンの機転とアンヌの技術で何とかその場をやり過ごすも、チャールズ・ディ・ゴール号はクロノスによって破壊されてしまう。また、リリアの身柄も、クロノスが仕掛けた転送マーカーにより、結局は奪い去られてしまった。
 一方、中央レスリアに戻ったフィデル達は、ヴィクトルにエマーソン達のことを報告。
 ヴィクトルによると、敵対する隣国トレクールを国境線から追い払う作戦が始まるとのこと。フィデルの父、ダリル率いる本隊は正面から、ヴィクトルらが属する支隊は西ダカーフ坑道を通り、後方から突く手はず。フィデルらはヴィクトルの隊に参加、協力することとなった。


 ◇ 西ダカーフ坑道

 洞窟内は掘削ポイントが多数あるので、あらかじめスキルレベルを上げておく。
 出口付近で、そうは見えないがボスと対決。

 VS リビングアーマー:ゴモラ
   リビングアーマー:ソドム

 初見ではボスと気づかず、やたら固い敵だと思ってしまった。ありがちなネーミングの鎧を身にまとった巨大な敵。まずはどちらか重点的にダメージを与え頭数を減らすようにしたい。


 ◇ トレクール砂丘

 近くにある、北東のイースト・トレクールに向かう。
 手前で兵士たちが駐屯しているので、準備が出来次第、突撃する。


 ◇ イースト・トレクール

 街に入ると、レスリア兵とトレクール兵が争っている。各所を歩き回りトレクール兵を蹴散らしていこう。エマーソンとアンヌも合流。詳しい話は後に
 広場に向かうと、トレクールの指揮官デル・スールが姿を現す。スターオーシャン3のアルベルを彷彿とさせる風貌(後に重要なポイントになる……といえるか)。某麦藁の一味はさん刀流の戦闘員に声が似ている。
 まずは小手調べ。挟み撃ちにされる前に撤退していくトレクール軍。

 宿屋にて。
 エマーソンとアンヌから、リリアが攫われてしまったことを聞くフィデル達。怒りにかられ、拳を振り上げるも、殴って解決するものではないと自制するフィデル。ミキはまだまだ怒り浸透のようだが……。冷静なフィオーレ女史はアンヌにクロノスの研究所で手に入れた“アレ”のことを指摘。アンヌが端末を操作し入手したデータのこと。
 データには別の機関とやり取りしていた痕跡。クロノスの技術基盤は紋章科学によるもので、銀河連邦より発達しているとアンヌは言う。呪印術を利用し、クロノスの紋章術のエネルギー波を感知できないか。フィオーレに協力を頼み、更なるデータ解析を試みることに。解析には一晩かかるということで、はやる気持ちを落ち着けて、まずは休息をとる。
 夜、誰かが宿を出て行った音を聞きつけ、目を覚ますフィデル。再度寝ようとすると、気になって眠れないとかのたまうぞ。小心か?
 広場でエマーソンとアンヌが話している。しばらく話に聞き耳をたてることも出来るぞ。二人に近づくと、改めてフィデルに謝罪をしてくれる。
 また、エマーソンのもとに通信が入り、あと3日でフェイクリードの宙域に入ると。
 
 翌朝、データ解析を終えたアンヌから、トレクール領内の、アイソック川のほとりに通信の痕跡があると聞かされる。一行は、トレクール砂丘の探索に向かう。


 ◇ トレクール砂丘

 マップ南西のいかにも何かありげな地点にて。
 アンヌが、未知のエネルギー波を感知する。
 早速怪しい場所を発見すると、アンヌが解析に入る。
 クロノスの襲撃を受け、アンヌが解析を終えるまで、彼女を防衛する戦い。
 おそらく本作屈指の難所と思われる。紙装甲で無防備状態のアンヌが倒されるとゲームオーバーだ。クロノス兵はまだしも、クロノスアーマーの強烈な攻撃であっという間に蒸発させられてしまう。防御系のロールをアンヌにつけ、多少レベル上げも敢行。LV 47、48で挑み、クロノスアーマーが出現したら速攻で倒すようにする。回復にも気を配り、クロノスアーマー2体撃破、3体目が出た辺りで、入り口を開くことができる。


 ◇ クロノス中央紋章研究所

 奥へ進むと、研究用ポッドが立ち並び、その中には各地で暴れる呪印生物が。クロノスが生み出していたということか。また、リリアに似た少女が入ったポッドも……嫌な予感がするな。
 またもや先へ進む扉を開くために、アンヌに解除を任せる間、フィデルらは押し寄せるクロノス兵の対処を。部屋に入らせないようにすれば、ここはクリアし易い。
 更に奥へ進むと、リリアを発見。危なげなく救出に成功!
 転送装置で1階にショートカットし、研究所を後にする。


 ◇ トレクール砂丘

 外へ出てもまだ危険が去ったわけでなく、フィールドにはクロノス兵が配置される。
 リリアの呪印を“消刻”することで対処できるかもしれない、と提案するフィオーレ。サンテロールまで行く必要があるそうだが。
 そのことを聞いたリリアが「私たちにこんな力は要らない」の気になる台詞をつぶやく。

 とりあえずはイースト・トレクールまで逃げ込むフィデルらであった。


 プレイタイム:14時間


 次回はサンテロールでリリアの刻印を消刻へ……。
 その前にもう一波乱あるようで。

【ゲーム】スターオーシャン5 - integrity and Faithlessness - (PS4) プレイ日記04

2016年04月18日 18時02分06秒 | ゲーム
 対トレクール国との戦線出撃、フィオーレとの合流、ランドックの新旧呪印研究所におけるリリアの呪印解明、そして中央レスリアでのトレクール兵との戦い。
 激動の展開を経て、エマーソンとアンヌの正体や、彼らと敵対しリリアを追う勢力“クロノス”など、様々な事柄が明るみに出始めた。フィデル達にとってはわからないことだらけだが、先のクロノスの戦いにおいてリリアをかばい負傷したミキを救助するため、一行はエマーソンとアンヌの“船”に転送される……。


 ◇ チャールズ・ディ・ゴール号

 フィデルらが収容された先は見たこともない機械が配置された“船”(宇宙船)の中であった。説明は後回しで、ミキをベッドに乗せ、シックベイと呼ばれる治療室へ運ばれる。迅速に対応したおかげで、ミキの容態は間もなく安定する。
 ここはヴェスティール大陸の外? それともアダマール大陸? と訊ねるフィオーレ。
 まずは、そのどちらでもないとだけ答えるアンヌ。エマーソンのもとへ向かうと、「ようこそチャールズ・ディ・ゴール号へ」とエマーソンに歓待される。エマーソンはこの船の船長ってわけね。
 フィデルらには理解しえぬテクノロジーで、トレクール地方の砂漠地帯から、リリアが言うエイヒッド山脈の雪山が見える地点をサーチ。
 ミキを任せ、フィデルらは発見されたポイントへ転送してもらう。


 ◇ トレクール砂丘

 砂漠地帯が広がる広大なマップだが、行けるのは右側エリアに制限されている。
 また、船との「通信機」で好きな場所へ行き来できるようで、私はやりませんでしたが、クエスト回収などされたい方は“今のうちに”やっておきましょう。
 フィールドを歩き回っていると、アンヌが、何もない空間に触れられるなど、違和感を感じたら教えてほしいと。マップをよく見ると、いかにも何かありそうな箇所がある。目掛けて行ってみると、確かに目には見えないが何かがあるような場所を発見する。
 透明艤装されているという研究施設、その地下への入り口をアンヌが解除。中へ乗り込む。


 ◇ 謎の研究施設

 中へ入ると、リリアが、自分はここにいたと言う。
 フィオーレは、サンテロールの研究施設と内装などが酷似していることを指摘。あちらの施設も何か由縁があるか。
 アンヌとエマーソンは、ここでクロノスが呪印術を研究していたのでは? とひそひそ話。だから聞こえてるって。
 奥へ進むと、子供の遊具などが置いてある部屋へ。
 「お姉ちゃん……」とつぶやくリリア。
 アンヌは端末にアクセスし、データを拾得……しようとした時、護衛らしい機械が出現する。

 VS センチネル、クラブガンナー×2
 まずはクラブガンナー2体を蹴散らすべく、フィデルのイセリアル・ブラストをぶちかます。センチネルを撃破。お前ボスじゃないんかい! クラブガンナーもフツーに撃破。

 護衛を一掃し、悠々とデータ解析に着手するアンヌであったが、トラップが発動! サイレント・カウントダウンで自爆設定が起動される。エマーソンが通信機で船と連絡をとろうとするも、妨害波でつながらず。
 18分という割合、余裕のある時間で脱出。即爆破はしないクロノスの優しさよ。

 外へ脱出し、すぐさまチャールズ・ディ・ゴール号へ転送。
 研究施設は爆発。お宝回収していない方、ご愁傷様です。あっ鍵のかかった宝箱あったっけ? だったら私も……。


 ◇ チャールズ・ディ・ゴール号

 エマーソンが医務室へ向かいながら自分たちのことと現在の状況を説明。
 エマーソンとアンヌら、そしてこの船と乗員は『銀河連邦』に所属。リリアを狙う『クロノス』とは対立している。
 広大な宇宙に浮かぶ星、フィデルらがいる世界を『フェイクリード4号星』と呼んでおり、本来、不可侵である筈の中立域であるこの星に、クロノスは介入した。
 アンヌが「リリアは実験台……」ともらし、エマーソンにたしなめられる。

 シックベイに向かうと、ミキは回復している。
 エマーソンはリリアは自分たちが預かると言う。リリアもまた、ここに残ると。
 フィデル達はリリアを任せることにし、もといた星に帰してもらう……。


 制服に着替えたエマーソンとアンヌ。
 宇宙を巡航中、敵艦と接触する。艦隊戦の攻防イベント。魚雷2発被弾し、シールド低下するチャールズ・ディ・ゴール号。敵艦との性能差を悟ったエマーソンは抵抗を止め、交渉に持ち込む。クロノスはダリヴォロス艦長アーロンと通信。
 2番艦と3番艦は見逃してもらうよう話をつけるも、リリアと1号艦乗員の身柄は捕捉するとアーロン。エマーソンは一計を案じ、敵の言い分を受け入れたように見せかけ、自身たちを脱出ポッドに乗せ、近くの惑星に逃げ込むようにする。
 これらの緊急措置を『セルフ・デストラクト・シーケンス』と称し、役職付き3名の連判(エマーソン・C・ケニー大佐、ティファン・ドラクロア大尉、アンヌ・ペトリシアニ中尉/ここでエマーソンが例のケニーの系譜に連なることが判明)でもって行動開始される。

 リリアを操作し、脱出ポッドへ向かう。
 移動中、エマーソンがシャトルに自分たちを転送できないかとアンヌに提案する。シャトルの速度をセーブさせ、タイミングを計る……。理論上は可能だがとアンヌは顔をしかめる。失敗すれば3人は宇宙に投げ出されてしまう。
 ダリヴォロスのアーロンから通信が入る中、転送の準備を進めるアンヌ。
 脱出に成功し、3人を乗せたシャトルは、フィデルらがいるフェイクリード4号星へ。
 チャールズ・ディ・ゴール号は、まんまと騙されたアーロンにより消滅せられてしまう。

 無事、脱出した3人。アンヌはシャトルに透明艤装を施す。
 ドラクロアからの通信では、第5深宇宙基地へ応援を要請したとのこと。エマーソンはドラクロアに“G”(という略称で見ると何だかアレだが)を手配させる。新艦かな?
 ドラクロアが大事なことがある、と言おうとした際に通信は圏外になってしまう。
 これからどうするか、といったところで、リリアがどこかに転送されてしまう。クロノスがリリアの身に仕掛けていた転送マーカーによると判断、チェックを怠っていた不明を悔いるアンヌ。結局は元の木阿弥な結果となってしまったが……。


◇ 中央レスリア

 ヴィクトルにエマーソン達とリリアの事を話すフィデル一行。
 トレクール軍は、フィデルらがワープした後、光る筒を失い、大幅に戦力を低下、撃退することが出来たそうだ。現在はイースト・トレクール作戦が進行中であり、トレクールを国境線から追い払おうとしているという。
 レスリアは隊を二つに分け、ダリル率いる本隊は正面からトレクール軍に対峙し、ヴィクトルらが属する支隊は西ダカーフ坑道へ潜入、トレクール軍の後方へ回り込み、挟撃する形をとる。
 フィデルらはヴィクトルに協力するため、支隊に同行。
 ソルトビューの分かれ道を南西に行った西ダカーフ坑道を目指すことに。

 
 プレイタイム:9時間43分


 トレクール編までやる筈が、対クロノスの攻防でかなり分量を費やしてしまいました。
 前回予定していた更新分は次回に回します。
 トレクール軍の指揮官登場から、クロノス研究所潜入まで。

【ゲーム】スターオーシャン5 - integrity and Faithlessness - (PS4) プレイ日記03

2016年04月09日 18時32分52秒 | ゲーム
 フィデルの父ダリルの粋な計らいによってスタールに派遣されたヴィクトルとその部下たちと協力し、村を襲っていた盗賊団“エイタロン”を撃滅。オーバーテクノロジーである光を放つ筒(レーザー銃)の回収と、首領の生死の確認(滝から落下したので死亡は確定か)はならなかったが、勇躍、村へと凱旋するフィデル一行であった。


 ◇ スタール

 村人に戻り、エイタロンを壊滅したことを報告。喜びに沸き返る村人たち。
 テッドが、ダカーフ山道で助けた女の子が目を覚ましたと教えてくれる。
 フィデルの家。村の子供が着る装いに身を包んだ少女は、リリアと名乗る。
 記憶が定かでない様子のリリア。フィデルとミキは、リリアが男たちの行動を不思議な力で止めた際、彼女の額に浮かび上がった呪印の線から、フィオーレに聞けば素性がわかるのではないかと判断する。ヴィクトルに相談し、共に中央レスリアへ再度足を運ぶことになる。
 リリアが仲間に入るが、武器は装備出来ず、自分の判断で行動する模様。防具、アクセサリー、そしてロールの設定は可能。ロールの熟練度は上げられるので余ったものを割り振り、少しでも熟練度を上げる足しにする。


 ◇ 中央レスリア

 ダカーフ山道を通り、レスリアへ急行。
 掲示板でクエストの確認をし、城へ向かう。
 大隊長が城から出て来たところ、ヴィクトルがエイタロン壊滅を報告。
 大隊長の話では、なんと隣国トレクールに国境を突破されたらしい。エイタロン首領が持っていた光る筒が猛威を振るっている模様。フィオーレはダリルと共にソルトビューの前線にいるとのこと。早速、レスリアの西側の門から前線へ向かうことに。


 ◇ ソルトビュー

 到着するや、ヴィクトルがパーティーから外れ、戦線へ向かっていく。といってもちょっと歩いたところで、既にレスリア軍とトレクール軍の交戦は始まっているが。フィデルらもトレクール兵を蹴散らしながらフィオーレの姿を探すことに。にしてもリリアが戦場を走り回る姿は何とも言えないものがあるな……。
 トレクール兵と戦っているフィオーレを発見。リリアが再び謎パワーでトレクール兵らの動きを止め、戦線を離脱。

 再会もつかの間、早速リリアをフィオーレに見てもらうが、フィオーレにもわからないという。フィオーレの所属するランドックの王立呪印研究所ならあるいは何かわかるかもしれないと。今、フィオーレに戦線を離れてもらっては困ると咎めるヴィクトルであったが、ダリルが近づき、フィオーレを研究所のあるサンテロールまで送るよう指示。少女の力が解明できれば、戦争を止める手だてになるかもしれないと。さすがレスリアの軍事顧問に抜擢されるだけあり、大局が見えているようだ。

 改めて、フィオーレにリリアの呪印を詳しく見てもらう。
 呪印というものはイレズミのように刻印されるが、子供には生着しないものであるらしい。かなり高度で、ランドックの呪印学でも理解の範疇を越えたものであり、呪印を発動せる際にのみ呪印が顕現するということも、不可思議な現象であるようだ。

 戦地を後に、一行はサンテロールへ向かうことに。


 ◇ ミードック

 サンテロールまでは長旅になるため、中継地であるミードックで休息をとることに。
 ウェルチのお願いも定期的に聞いて、パーティースキルを解放していこう。

 フィオーレの奢りで宿に泊まる。
 夜分、宿の者がフィデルらの部屋を訪問。宿の者という割に、扉の外では複数の足音がしたと怪しむフィデル。警戒し、窓から逃走。どうやらリリアと共にいた男たちが追いかけてきたようだ。急いでサンテロールに向かう山道に入っていく。


 ◇ 東エイヒッド山脈・西部

 道なりに進むと中腹あたりに何故かセーブポイント。あやしい……。
 するとリリアを追う男たちがワープしてくる。

 VS ?????
 正体不明の男たちとバトル。ダメージが通らないんですが……。
 すると、男たちを知るかのような口振りで男女が駆けつけ、加勢してくれる。いつかミードックで見た二人であるが。敵の男たちにダメージを通るようにしてくれ、これ幸いとばかりに一網打尽。
 戦闘後、男はエマーソン、女はアンヌと自己紹介。エマーソンは弓使いで、アンヌは格闘家。自分たちも先ほどの奴らに追われているため、同行させてほしいと申し出てくる。これで仲間は6人だが、同時にバトルに出場できるのは矛盾がなく、良い点。
 山道を行き、サンテロール目前で夜明け。
 結構、時間の流れを意識したゲームだ。


 ◇ サンテロール

 呪印の都と呼ばれる程、呪印研究が発達した街。町並みにも、それらしいオブジェが多い。Bgmがハリー・ポッターを思わせるような。
 ここにもクエストを受注する掲示板があるのでチェック。

 王立呪印研究所へ。
 認証系の扉があったりと、オーバーテクノロジー気味な装置がちらほら。エマーソンとアンヌも同様のことをひそひそ話。プレイヤーには聞こえているぞ!
 奥へ進むと少年がいる。ケイサスと名乗る少年は、この年齢で所長なのだという。研究所きっての天才でもある。テッド、フィデル、ミキの関係然り、過去作を彷彿とさせる部分がちらほらある。しかし、ケイサスとフィオーレの関係は……一部界隈で捗り(はかどり)そうな……。
 リリアの呪印について見てもらうが、ケイサスにもわからないらしい。
 旧呪印研究所で古代の文献を探ってみては、と薦められる。


 ◇ 東エイヒッド山脈・北部

 ◇ 旧ランドック呪印研究所

 山脈を通って研究所へ。
 フィオーレは普段ここで研究をしているそうな。
 資料室に入ると、リリアが頭を抱える。幸いすぐに治まり、自分の家がこんな感じだったと記憶を少し取り戻す。パパとママから、外から帰ったら砂を落としてきなさいと言われた記憶もあるという。トレクールに砂漠地帯があるそうだが、呪印研究所がトレクールにあるという話は聞いたことが無いそうだ。

 一行はヴィクトルに相談をすることにし、レスリアに足を向けることに。
 あっち行ったりこっち行ったり、なかなか忙しいぞ。


 ◇ 中央レスリア

 クエスト回収もこなしつつ、レスリアに到着……したはいいものの、城下町は何やら物々しい雰囲気に包まれている。城の前まで行き、番兵に特殊部隊第三小隊(そうだったのか)ヴィクトルとの面会を要請する。予想通り素気なく(すげなく)断られるが、フィオーレが自身の名前と、さらにダリルの名前、フィデルはダリルの息子であることまで明かす。父は関係ないと色めくフィデルであったが、時と場合により、利用できるものは名前も立場も利用するべきで、つまらないプライドに固執するのは子供の証拠、とフィオーレにたしなめられる。
 ヴィクトルが出てくる。ソルトビューが陥落し、トレクール軍が近づいていることを知らされる一行。ヴィクトルの招きで城内に入り、小隊長と面会。迎撃の準備を整えることに。

 夜半、トレクール兵たちの襲撃をしのぎきる。
 ある程度、兵を倒したところで、トレクール側の出口門へ向かうとイベント。
 口の悪い将校風の男が少女=リリアを引き渡すよう居丈高に要求してくる。光る筒で威嚇する兵たちに、エマーソンが同様の武器(レーザー銃)を取り出す。アンヌは条約に抵触すると諌める(いさめる)が……。
 クロノスという組織に所属している男、上空から飛来する巨大な空飛ぶ軍用艦を示し、警告を促す。無駄な抵抗は更なる被害を拡大すると判断したエマーソンは、リリアを渡すことを承諾。当然、敵の力量を察するべくもないフィデルやミキらは反対するが……。
 すると、リリアが例の力を発揮する際の叫び声を上げ始める。リリアの姿は消えていき……。


 ◇ エイヒッド山脈・ノースソーマ地方

 ゲーム開始より最も派手なイベントを終わり、フィデルと仲間たち、そしてリリアは雪山に転移している。これもリリアの力か。
 ここ、ノースソーマは1年のうち、半分は雪が積もる降雪地帯、とヴィクトル。
 ノースソーマは呪印発祥の地で、北には呪印聖殿があると補足するフィオーレ。いつか行くことになるかな。
 リリア、雪の被った山を見たことがあるという。
 雪山はトレクール地方から遠巻きに見えることが出来る。山脈はトレクールに繋がっているはずだが、ヴィクトルもフィオーレも道は知らないと。しかし、そこへ、エマーソンが道ならわかると切り出す。
 リリアを渡そうとしたエマーソンに不信感を抱き、糾弾するミキ。
 しかし、フィデルが相手方の男とのやり取りや、アンヌが口にした何らかのルールを破ってまでリリアを助けようとはしていた、と取りなす。この時、エマーソンが口にしたように状況は冷静に見えているようだ。リーダーの資質を表現していくのは良いね。
 端末を、取り出し、地図を見せるエマーソンとアンヌ。見知らぬ技術に驚嘆しながら、フィデルは先に進む。

 レスリア方面への道の分岐点で、ヴィクトルとはお別れ。
 更に先へ進むと、レスリアで対峙した男、パヴィヌとクロノス兵らが立ちはだかる。
 パヴィヌ、ワストニーと呼ばれる男と通信。フィデルらを迎撃させようとするが、連邦が介入し不可能だと。更に、連邦の兵が転移。形勢逆転だな、と笑みを浮かべるエマーソン。
 連邦兵と共闘!

 VS パヴィヌ、クロノス兵
 まずはクロノス兵を蹴散らす。パヴィヌはレーザー銃連発やらが結構痛い。
 パヴィヌのHPを半分ほど減らすとイベント。
 ミキがリリアをかばい被弾、負傷する。ショックを受けるリリアが、ミキを守る結界を張り続けているうちに、パヴィヌと戦闘続行。回復役のミキを欠くバトルはなかなかキツい。必殺技を使うなどして早々に決着をつけたい。

 パヴィヌ撃破のトロフィーをゲット。
 戦闘後、倒れたミキの容態を確認するアンヌ。外傷以外のダメージは不明だが、このままでは命に関わると。船に移すと言うエマーソンに最初は迷いを見せるアンヌであったが、人命を左右する事態を問われ、連邦法 第1条、未開惑星保護条約を破り、ミキを助ける決断を行う。

 一行は、エマーソンの言う船へ転移させられる。
 そこはフィデルたちが見たこともない光景が広がっていた……。


 プレイタイム:8時間00分ほど。

 いよいよ、スターオーシャンらしいSFな展開になってきた。
 次回はリリアの秘密が眠る? トレクール編を更新。
 戦闘条件が厳しくなり、ゲームオーバーも見込まれるようになっていきます。

【小説】佐渡の三人 (長嶋 有/講談社文庫) 感想

2016年04月07日 18時10分00秒 | 読書感想
 芥川賞作家でもある長嶋 有(ながしま ゆう)の作品を初めて読んだのは、2009年に講談社文庫で文庫化された『夕子ちゃんの近道』である。当時、大江 健三郎の作品を読み進めていたので、文庫の帯に書かれた「第1回 大江 健三郎賞 受賞」という言葉を見て、何やら縁のようなものを感じ、手に取る。パラパラとページをめくり、緩そうな、温かみのある文体に惹かれ、購入を決めた。そこから刊行されている作品を片っ端から読んでいく。
 長嶋先生の作品は、タイトルこそ頓狂なモノが目に付くが、内容はあまり派手さが無い。しかし文章や描き出される世界観は、私にとって凄く居心地が良い。日常系漫画を読んだあとの感覚に近い。作風は異なるが、あずま きよひこの『よつばと!』や、あるいはゲームの『MOTHER 2』(1でも3でもなく2)のような、“そういう系”だ。長嶋的言い回しで言えば。あくまで私にとっては、というところなので、鵜呑みにされると気まずい。

 『佐渡の三人』は2012年に単行本が、そして2015年12月に文庫化された。
 私は本好きに漏れず、最低でも週に一度は本屋を訪れ、新刊をチェックするタイプだ。ネットなどで発売日の情報を得ればと思う人もいるだろうが、本屋に行って思いもかけず、好きな作家の新刊を発見することは、宝物を見つけた感覚になり、これはこれで嬉しいものだ。ただし、運が悪ければ新刊を見落とすという甚大なデメリットもある。今回もそのパターンであったのだが、今回は偶然にも数ヶ月経った後にも関わらず見つけることが出来た。ちなみに単行本が出ていることは知っていたが、ふと見つけた時には、そろそろ文庫化になろうかという年数が経っていて、ジリジリとその時を待つ感じであった。

 さて、『佐渡の三人』。佐渡というちょっと厳めしい字面から、何故か私は時代小説なのかという勘違いをしてしまうのだが、どうだろう。
 物語の語り部である物書きの道子、ひきこもりの弟、そして二人の父が、親戚である“おばちゃん”の遺骨を、故郷の佐渡にある墓に埋葬しに行く(珍)道中を描く。骨壺をユニクロの袋に入れて持って行くという頓着の無さに、それを良しとしてしまう家族のヘンさを描き出していく。長嶋 有という人は、何故そこ? という着眼点と、ユーモアに富む掘り下げで、日常に潜んだアレコレを指摘し、展開してくれる。

 表題作の『佐渡の三人』を含む4つの作品が収録された連作短編集。
 いずれも納骨や戒名と言った、死にまつわるテーマが物語にあるのだが、順当な人生の終幕ということもあり、達観したとは言い過ぎだが、どこか間の抜けた、飄々とした空気感に軽さがあり、暗い雰囲気に陥らなくなっている。
 家族や親戚の間に流れるビミョーな距離感覚、仲が悪そうだったり、マウントの奪い合いに発展しそうな事を匂わせながらも、主人公の杞憂に終わったり、ハシゴを外されたりして、そういった状態を作者の優れたバランス感覚で切り出していると思う。嫌でもドラマチックな事態には発展しないところが、かえってリアルだ。

 淡々とした筆致が実は読みづらいという、読書メーターに見られた感想にちょっと虚を突かれた思い(何故なら、それこそがこの作者の良さと考えていた)もしたが、芥川賞作家の中では、かなり読みやすく取っ付きやすい部類である。にも関わらずあまり注目度や売れ行きは……もしやブルボン小林名義の、漫画やゲームに関する書籍の方が、と思うところもあり(勿論、こちらはこちらで面白い)、もうちょっと人気が出ても良いのではないでしょうか、とのお伺いを立てるような姿勢で、久々の本の感想であります。

【ゲーム】スターオーシャン5 - integrity and Faithlessness - (PS4) プレイ日記02

2016年04月05日 19時00分00秒 | ゲーム
 盗賊団『エイタロン』に襲われた自分たちの村を救うため、国に軍の要請に向かい出立したフィデルとミキ。
 道中、レスリア国の兵士であるヴィクトルと、国の招聘(しょうへい)を受けていた呪印術師フィオーレを同行者に加え、一行は中央レスリアを目指す。


 ◇ レスリア平原

 ミードックの街を出てレスリア平原へ。
 道々、ヴィクトルから現在、レスリア国が置かれている状況の説明を受ける。
 西に隣接するトレクール国(某パンク・ロックバンドのメンバーみたいな名前だ)と交戦状態にあるレスリア。敵国トレクールは最近、高度な呪印術を越える遠距離攻撃を可能とする強力な新兵器を用いだし、劣勢を強いられているという。東に隣接しているランドック王国とは友好関係にあるため(傍目には挟まれたら終わりに見えるな)、この度、敵の兵器の解明のため、フィオーレが派遣されたということである。

 レスリア平原は今までに比べかなり広いフィールド。採集や漁業など、パーティースキルを用いてアイテム回収できるポイントも多数点在。それらを回ってザコと戦っているだけでも結構な稼ぎになる。
 ここからは色々な場所に行けるようだが、探索もそこそこに、目的地である中央レスリアへ向かう。


 ◇ 中央レスリア

 武器や防具を新調しつつ、街の中心地へ向かう。
 ウェルチのイベントで説明のあった掲示板があり、クエストを受注できる。必要とされるアイテムを納入したり、指名手配のモンスターを狩るなど。人探しみたいなクエストもあり、請けるだけならタダだし、期限もないので積極的に受注していこう。報酬には、パーティースキルを解放するキーアイテムが貰えるものも。良く確認し、優先的にクリアしていきたい。

 街の中心の屋敷の前で、フィデルの父ダリルと会う。
 スタール村がエイタロンに襲われたこと、応援を頼みたいと話すが、トレクールと交戦中であるため兵力は割けないと断られてしまう。
 一方、ヴィクトルはダリルに、フィオーレを連れてきたことを報告。ダリルは早速フィオーレに前線まで同行を頼み、ヴィクトルには後方支援を命じる。
 ヴィクトルには謝られながらも、スタールに戻るならダカーフ山道を通れば近道と助言を受ける。意気消沈しながらも、エイタロンは待っていてくれないであろうし、フィデルとミキはダカーフ山道へ向かう。
 待っていてくれないと知りつつ、宿屋の前にホイッスルのマークが浮かんだゾーンがある。プライベート・アクションを起こすポイントのようで、仲間が散会し、各々の行動をとる。プライベート・アクションが起きる数は右下のクリスタルマークが目印。進行毎に限らず、コンプリートするには何度か連続してやる必要も? 時折起こる選択肢を選ぶ場面では選んだ答えにより仲間からの好感度が増減。エンディング等に影響するのは従来通りである。


 ◇ ダカーフ山道

 コウモリみたいな敵がなかなか強力。追い詰められたらケチケチせずに双破斬であばれた倒そう。熟練度も意識して上げていく。
 山道の中腹でエイタロンと遭遇。コウモリよりは弱いのでしばき倒そう。次々と援軍がやってくるが、こうなったら殲滅する勢いで大暴れ。ミキのHPは気にかけてあげよう。混戦状態だと、気づいたらお亡くなりになっていることがままある。
 しばらくすると、空から煙を吐く飛行物体(ありゃ宇宙船だよ)が墜落。貯蔵庫の方に墜落したと慌てふためくエイタロンたちは駆け足で去っていく。

 墜落した飛行物体のもとに駆けつける。
 何かがあるようだが透明で見えない(光学迷彩?)。見えない何かに触れ、確かに何かがあることを確認する二人。
 何か、が開き、中から子供が降りてくる。続けて妙な格好(宇宙服か)をした男らが。
 子供を渡すように高圧的な態度をとる男たち。なし崩し的に交戦する。
 ある程度ダメージを与えると、男たちは何かを操作(バリアか? 汚い奴らめ)。全くダメージが通らなくなる。それでもしばらく攻撃を加えると、子供がやにわに叫び声を上げる。男たちは時が止まったように動かなくなってしまう。気を失う子供をフィデルが抱きかかえ、この隙にスタールまで向かう。


 ◇ スタール

 村が見える地点まで近づくと、村から火が上がっているのが見える……遅かったか!
 村へ急いで向かうとテッドや村人が出迎えてくれる。おぉ……テッド、生きていたか……(ちっ)。村人らでエイタロンらは何とか撃退したが、負傷者も多数出ているとのこと。ひとまず子供を休ませるため、フィデルの家に向かい、翌朝、詳しいことを村長に報告することに。

 翌朝。ベッドで深い眠りにつく子供をミキに任せ、フィデルは村長の家に向かう。

 村長宅へ入ると……あれーっ、何とそこには兵を連れたヴィクトルの姿が。ダリルの命で“後方支援”に来たと種明かしみたいにドヤる。それならそうとハッキリ言えばいいのに。
 ヴィクトルらがエイタロンの本拠地を叩くと宣言。協力を申し出るフィデルを快諾するヴィクトル、準備が出来たらダカーフ山道側の門まで来るよう指示。

 ダカーフ山道の門に向かうと、ミキがヴィクトルと話している。ミキの同行は断るヴィクトルだが、フィデルの口利きでミキも同行できるように。そうは言っても、回復役は必須ですぜ旦那。
 ヴィクトルの部下二人も戦闘メンバーに参加し、いざエイタロン殲滅へ!


 ◇ ダカーフ山道

 この時点でバトルに入ると、『リザーブラッシュ』が使えるように。小攻撃、大攻撃、ガードの、例の三竦み(さんすくみ)に勝ち続けるとゲージが上昇。溜まったゲージに応じキャラ固有の必殺技が発動! 威力も変動する。ただし、三竦みに負けると パリーン という割れ音とともにゲージがご破算してしまう。

 突入隊員のグンター、後方支援に呪印術師のハナに加え、山道の途中で、諜報・偵察隊員のダックスと合流。エイタロンのアジトを探り、隠された出入り口を見つけたという有能ダックスくんの先導で道を進む。はっきり言って深夜は暗闇に紛れ潜入するのだけど、テレビの設定か、このゲーム特有のものか、暗すぎて見えないことに。オプションで明るさ調整をつけてほしかった。
 隠し出入り口からアジトを強襲! 見張りらしきエイタロン兵を蹴散らすも、奥はもぬけのから。出入り口は我々が入ってきたところだけ、と豪語するダックスを信じ、辺りを捜索……隠し通路がさらにある。
 奥へ進むと、滝の前にエイタロン首領と手下たちがたむろしている。
 首領の手には、山道に不時着した何かから出て来た男たちと同じ武器(レーザー銃だ)が。

 VS エイタロン首領
 まずは取り巻きを蹴散らす。
 首領の武器がかなりの痛手。たゆまず攻撃を加える。リザーブラッシュも惜しげ無く使っていくぞ。結構なHPをゴリゴリ削り……撃破!
 武器とともに滝壺へ落下していく首領。
 首領の生死確認、以上に武器の回収が出来なかったことを惜しむヴィクトルであったが、これで村の平和は守られた! 一刻も早く村人とついでにテッドと村長を安心させるため、急いで村へと帰る一行であった。

 ここでストーリーの実績トロフィー『スタールの英雄』ゲット!
 ようやく1エピソードを終えたというところだ。

 プレイ時間:3時間20分。

 次回は、助けた子供の目覚めと、子供の呪印の謎を解明するための物語が展開。そして新たな仲間二人との出会いが……。


 

【ゲーム】スターオーシャン5 - integrity and Faithlessness - (PS4) プレイ日記01

2016年04月04日 18時00分00秒 | ゲーム
 スタート!

 まずは難易度設定。

 アクション要素に慣れない初心者向けに『EARTH』モード(☆)、
 標準難易度の『GALAXY』モード(☆☆)があります。☆の数が難易度を表し、セーブデータに表記されるようだ。より以上の難易度はクリア後に選べると思われます。
 シリーズは、取り敢えずやっているので、私は『GALAXY』モードでプレイ開始ッ。


 ◇ スタール村


 海を望む村の広場、主人公のフィデルと友人のテッドが剣術の訓練をしているところから物語が始まる。

 早速、バトルのチュートリアル。
 戦闘の基本は、○ボタンが小回りの効く小攻撃。×ボタンが威力は大きいが繰り出しに隙のある大攻撃。大攻撃の際はキャラクターが青いオーラを放つ。大攻撃に対し、□ボタンでガード、更にタイミング良くもう一度□ボタンを押すことでカウンター技を放つ。
 小攻撃 > 大攻撃 > ガード > 小攻撃 といった三竦み(さんすくみ)となっている。

 ○ボタン、×ボタンの長押しでそれぞれ、あらかじめ設定された技を放つことが出来る。間合いの遠近により、計4種を設定できる。初期技の『空破斬』は敵をダウンでき、なかなか重宝する。

 一通り手合わせを終えるとチュートリアル終了。

 フィデルは父から剣術の道場を継ぎ、5年経つ。腕前は相当なもののようだ。

 村を見回る中、幼なじみの少女、ミキ・ソーヴェスタを見つける。巷ではピンクマンボウと呼ばれ、確かに若干、間の抜けた顔のモデリング? 自分は耳飾りからビーバーを彷彿とさせられたが。
 ミキは村の外に人影が見える、と村の出入り口の門に近づく。
 遠巻きに見ると、確かに村の様子を観察するかのような人物が二人……。
 不穏なものを感じたフィデルは、村長に報告へ向かう。

 村長に、村の外で見かけた人影は周辺で悪行を尽くす盗賊団『エイタロン』だろうと指摘。5年前に、フィデルの父が国に招聘(しょうへい)されたのも、エイタロンに抵抗するためだった。
 エイタロンの名前を聞き、あからさまに狼狽する村長。頼りないなぁ……。
 夜に迎撃するため準備を行うフィデルたち。

 夜、迎撃の構えをとる村人たち。
 まずは最初の襲撃を耐え、その後、中央に応援を要請しようとテッドが提案。
 エイタロンが襲撃! バトルは敵に近づくとシームレスに開始される。
 途中でミキが参戦。回復を頼りにしながら、村中に侵入したエイタロンを撃滅していく。フレンドリーファイアーがあれば村人も巻き添えに殲滅しかねないフィデル。
 端っこに村長が「戦は怖い……戦は怖い……」と恐れおののいている。エイタロンに捕まったら取引材料にされかねないじゃん! さっさとどこかへ隠れてなよ! まぁ実際そうなったら見捨てる気まんまんですが。

 修羅の如く、切っては捨ていくと、夜明けが訪れ、エイタロンの残党は撤収していく。面貌を敵の返り血に染め、薄笑みを浮かべるフィデル……んなわけないぞ。

 改めて村長 アラゴの屋敷へ。
 エイタロンは必ずまた攻めてくる。国に援軍を求めるため出立するというフィデル。テッドは村の守りのためお留守番。
 国の側の出入り口に向かうと、途中でミキが姿を現し、同行すると言って聞かない。
 最初は拒否するフィデルだが、嘘泣きまでするミキに根負けし同行を許す。
 冷静に考えて回復魔法は重要だぞ。

 システム『ロール』の説明。
 キャラクター1人につき、4種類までロールを割り振れる。『アタッカー』や『ヒーラー』など。ロールはパーティー共有で、フィデルとミキが『ヒーラー』を同時にはつけられない。戦闘で熟練度を上げたり、戦闘後などに手に入るSPを使い、レベルを上げられる。一定のレベルになると新たなロールが派生していく。


 ◇ スタール沿岸道

 雑魚を蹴散らしながら先へ進む。所々に宝箱があるので回収すること。
 また、パーティースキルとして、SPを使い『採集』を覚えることも出来る。フィールドにある緑色のポイントで、草や果実などの材料アイテムを入手できる。後々、アイテムクリエイションの『料理』などで活用できるのはシリーズおなじみ。スキルレベルを上げることでより良い材料を入手できる。


 ◇ ミノーズ海岸

 道が二手に分かれるがたどり着く地点は同じ。
 宝箱を取り逃したくないよ~という人は後から回ってみよう。
 向かい側にたどり着く砂浜で見るからに巨大なモンスターが子分を連れ徘徊している。
 近づくと戦闘へ!

 VS ゲレル・ディアソダー
 道中に遭遇した雑魚モンスター、ゲレルの親玉版。
 戦闘に入ると、騎士らしき男が加勢してくれる。
 ゲレル・ディアソダーは見るからに強力そうな攻撃を繰り出してくるが、大きいゆえに、モーションがわかり易い。普段の雑魚戦では暴れ回るだけであまり使わないガード+カウンターを練習台代わりにしてみるのも良いかもしれない。

 撃破後、改めて互いに自己紹介を行う。
 騎士らしき男の名は“ヴィクトル・オークヴィル”。フィデルらが目指すレスリアの軍に所属しているという。フィデル・カミューズの名に反応するヴィクトル。軍でフィデルの父、ダリルにカミューズ流剣術を学んだとのこと。ダリルは今、レスリア王国の剣術指南兼軍事顧問を担当している。大出世に驚くふたり。渡りに舟とばかりにスタールの窮状を話し、国との繋ぎを頼むミキ。快諾するヴィクトルと共に、まずは海岸を先に行ったミードックの街で休息をとることに。


 ◇ ミードック

 隣国、ランドックの玄関口ともなる街。
 宿屋に直行しても良いけど、街を散策してみよう。
 アイテム補給などを行いつつ、情報収集。大した話はしないモブキャラ達であるが、街にいるウェルチなる人物が怪しげな研究に没頭しているという。
 シリーズではなじみのあるキャラ。
 早速、街にある民家の一つに入ると、イベント発生。
 これまたシリーズなじみのシステム、プライベート・アクションが開始される。
 PA:ウェルチのお願い 調合編
 調合に必要なアイテムを揃え、渡すとクエスト成功。
 パーティースキル『調合』が解放される。SPを使い、習得する必要有。

 一通り、街を見て回った後、宿屋で向かう。
 宿屋の前でどこかで見たような(パッケージに載ってるよ)女性とぶつかる。「失礼」と言って去っていく女性。何か盗られたのでは? と思うのはRPGをやり慣れた人の悪いクセ。追いかけようとしてもエリア制限で何故か移動できないので、ここは素直に宿屋に入ろう。
 宿代はヴィクトルが支払ってくれる。

 明朝、ミキに起こされ寝顔を茶化されるフィデル。よろしいな!
 ヴィクトルは街の西門で待っているという。
 早速、西門へーー向かおうとするが、宿を出たところ、子供からまたウェルチがおかしな研究を始めたというので、向かってみることにする。

 PA:ウェルチのお願い 料理編

 お手製ジュースを作ったというので飲まされるフィデル。嫌な予感しかしないよ。
 案の定、とんでもない一品でありました。
 ミキが助手2号に認定され、レモンジュースの材料を集めることに。
 取り揃えて行くと、パーティースキル『料理』が解放される。
 にしても一連のイベントは、ウェルチが声付きでベラベラ喋る割に、フィデルらは一言も喋らないのがちょっと違和感。

 西門の近くでミキがヴィクトルと、その隣に女性がいるのを発見。近づいていく。
 女性の名は“フィオーレ・ブルネリ”。ランドックの呪印術研究所から招聘されたという。ヴィクトルは彼女の案内でここまで立ち寄っていたということか。
 フィオーレも同行者として加わる。
 ……にしてもフィオーレ女史はトンでもない格好だ。冴えるカメラワークで美を解する紳士淑女から様々な角度で観賞されるであろう。巷にはスカートの中を覗いて止まぬ不届き者も散見されるようであるが、ゲームによってはトロフィー実績が解除されるという烙印もあり、各人注意されたし。なお、この作品は無い模様(実証したのか)。


 プレイ時間:1時間30分ほど。

 次回はレスリア国到着と、応援要請の成否、その顛末(てんまつ)までお送りする予定です。

【ゲーム】スターオーシャンについて

2016年04月03日 17時00分00秒 | ゲーム
 PlayStation4を導入し、『スターオーシャン5』も予約しなかったけれど、無事購入。
 プレイ日記を始める……前に、私のスターオーシャンシリーズとの関わりについて話しておこう。熱心なプレイヤーでは無いけれど、ある程度やってはいる人という前段をふまえてもらえると幸甚であります。また期せずして私自身の半生が見え隠れすることにもなっています。

 ◎ スターオーシャン (SFC)

 1996年7月19日発売。
 今から約20年前ということで、私が中学1年生の頃です。
 小学5年生から大ハマりした『魔法陣グルグル』から月刊少年ガンガンを買い始め、早くにこのゲームの情報はキャッチしていた記憶があります。
 前段として1995年に『ドラゴンクエスト6』を皆がプレイする中、その陰に隠れていた(当時は)『テイルズ オブ ファンタジア』を友人が買っており、ドラクエ6後に貸し借りすることで私たちの中で知られていることになりました。その『テイルズ』を手がけたスタッフが関わっているとハッキリ知ったのがいつかは不明ですが、当時からパクリに見えるけどパクリじゃない(テイルズのスタッフが作っている)という情報は持っていました。
 夏休みシーズンでの発売なので相当やり込んだ記憶があります。
 攻略本を買い漁って(ネット環境もないからね)、隠しキャラクターを仲間にするため2、3周したのを覚えています。その中の一人、ペリシーは性癖を揺るがしかねないものがありました。


 ◎ スターオーシャン セカンドストーリー (PS)

 1998年7月30日発売。
 プレステバブルぐらいの時期でしょうか。この頃は中堅のシリーズでも売り上げ50万本はカタいというような時代です。
 中学3年の夏ですが、ヘーキで遊んでました(どころか受験勉強をしながらFF8をやるという離れ技も用いた/もちろん受けた学校は全て合格。自己評価が低く勝機の薄い挑戦はしない、今も昔も意識低い系)。コンビニでゲームソフトを売り始めた頃で、値段は高くともいち早くプレイするため朝一で買いに行っていた。
 流しプレイで1周。大丈夫? ファミ通の攻略本で隠しキャラやダンジョンを制覇した思い出。ボイス集めに凝ったなぁ。ガンガンで漫画も連載、アニメ化されてもいます。愛と言う字は心が真ん中っ。


 ◎ スターオーシャン Till the End of Time (PS2)

 2003年2月27日発売。ナンバリングがついてませんが、第三作目。
 当時19歳で専門学校生の頃。最初に入った学科がキツ過ぎて(今の仕事よりもキツい)、学科の転科を決め、宙ぶらりんになっていた時期。人生でも明確な敗北と撤退であり、生前の父から失望の眼差しで見られていた不遇の季節である(2chの『のほほんダメ板』に入り浸っていた頃でもあり、このブログの底を探ると垣間見える)。ゲームの世界に逃避することを余儀なくされた、とは言い過ぎだが、そんなタイミングでこの作品をやっていたとは今思うと不思議だ。
 そういう訳で、時間が有り余っていたからか、あるいは前述した心境によるか、シリーズの中でも結構やり込んだ方である。最初は主人公を使っていたが、後半は特に隠しダンジョンにおいてネルと言うくノ一みたいなキャラを使ってました。短剣を回転させてぶん投げる技ばかり使っていた覚えがあります。MPがゼロになっても死亡扱いになるという珍しいゲームで、遠巻きに攻撃した方が安全、かつ強力ということだったように思います。
 ストーリーとしては前2作を台無しにするようなものでしたが、SF小説も良く読んでいた頃で、割とスンナリ受け入れられました。

 ◎ スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- (Xbox 360)

 2009年2月19日発売。
 確かこれをやるためにXbox 360を買ったと言っても過言ではなく、後にPS3でインターナショナル版が出た時は何だよとも思いましたが、『ラストレムナント』や『ロストオデッセイ』というゲームも出来たので良しとします。当時25歳。それなりに仕事が出来始め、余裕が出る時期でもあります。
 終盤までは行ったけれど、クリアはしていない筈。タイミングよくコマンド入力すると瞬時に敵の背後に回って攻撃出来るのが楽しかったですね。


 以上がプレイしてきたシリーズ作品とその雑感であります。
 リメイクや追加Ver、そしてゲームボーイカラーで出た、外伝作品は未プレイ。


 現在、5は8時間ほどやったところですが、カメラワークや、モブキャラの会話のどうでも良さや読み辛さと言った欠点が散見されるものの、今のところは日本製RPGらしい面白さのある作品であります。ボリュームは少な目のようですが、社会人としては必ずしもマイナスにはならないと思っています。

【ゲーム】いけにえと雪のセツナ(PSV) 感想

2016年04月02日 18時00分00秒 | ゲーム
 平成28年 2月18日~平成28年 3月26日。
 クリアタイム:18時間ほど。
 遺跡ダンジョン未クリア。ラスボスのみ撃破。

 2016年 2月18日、スクウェア・エニックスより発売されたRPG。
 スクウェア・エニックスが設立したRPG専門スタジオ『Tokyo RPG Factory』が開発。
 “あの頃のRPGを取り戻す”という号令の下、『クロノ・トリガー』など、正に私が少年の時、心躍らせプレイしたタイトルを引き合いに出すなどして期待感を高まらせていた(一方で気宇壮大な印象も否めなかった)。

 銀世界に広がるフィールドと、BGMは全編ピアノ曲という予算が無いことを逆手に取ったかのように、特徴的な世界観を打ち出している。

 以下、各項目にて感想を述べていく。


 ◎ シナリオ

 主人公は“仮面の一族”と呼ばれる、顔に仮面をつけ、各地を漂泊し傭兵家業を生業(なりわい)とする青年、エンド。
 ある人物から、“いけにえ”を殺すよう依頼を受けることから物語が始まる。
 世界に蔓延し、増加の一途を辿る魔物を鎮めるための“いけにえ”。何十年かおきに、魔力の高い者が選ばれ、護衛とともに最果ての地と呼ばれる場所まで旅をする。
 エンドが受けた依頼の標的、今回のいけにえであるセツナと出逢い、セツナの要請もあって、なし崩し的に護衛として共に旅をすることとなる。

 道中、仲間になるキャラクターのエピソードが主に各1つずつ語られ進行していく。
 中盤で、ある人物の過去が語られる以外はさして驚く展開もなく、比較的、淡々とした印象がある。プレイ時間が短いにも関わらず、クリアまで日にちがかかったのは、あまりストーリーに引き込まれる部分がなかったのも事実だ。少なくとも、『クロノ・トリガー』のように、ダイナミックでロマン溢れるものではない。ただし終盤の展開や結末は、このゲームの規模(プレイ時間含め)でないと出来ないところもあったように思う。


 ◎ システム

 バトルシステム自体は『クロノ・トリガー』のアクティブ・タイム・バトル Ver2を基にしたリアルタイムの戦闘が楽しめる。おなじみ連携技に加え、待機時や行動あるいは敵からのダメージで蓄積される“刹那ゲージ”を使った刹那システムは面白かった。タイミングよくボタンを押すことで通常攻撃のダメージが増えたり、被ダメージが軽減出来たりする。また、魔法(技)ごとに追加効果が異なるので、色々検証してみることで戦略性が広がるように思う。
 さらに魔法(技)には“昇華システム”が搭載されていて、装備した“法器”と呼ばれる魔法(技)を使うための装身具ごとに、稀に付与される効果で魔法(技)を、例えば『使用MP減』など戦いを有利にするようカスタマイズすることが可能だ。
 惜しむらくは、昇華システムの発動率が低めであまり積極的にしようとは思わない点と、そこまで吟味せずともクリアは可能ということ。


 ◎ グラフィック

 雪景色が続くので、どうしても単調になってしまいがちだが、それなりに美しくはあったと思う。キャラクターのモデリングもそれなりか。細かいことを言えば、足が纏足みたいに尖っているのが気になった。
 モンスターは、いわゆる色違いが多い。予算が少ないといえばそれまでだが、これはこれでモンスターの特徴を掴みやすいという面もあると思う。
 ダンジョンは、さすがに使い回しが多かったか。


 ◎ 音楽

 おそらく、このゲームに興味を持った人は、ゲーム自体のコンセプトと、公式サイトで流れるピアノ曲に惹かれた人も多いのではないか。儚い物語を思わせるメインテーマは強く印象に残る。さすがに全編ピアノ曲で通されるとメリハリが大きく感じられず、淡々としてしまうところもあった。メインテーマ、レアモンスター(すぐ逃げるフクロウの魔物)の戦闘曲が好きだな。


 ◎ キャラクター

 toi8氏が手がけるデザインはなかなか魅力的であるが、そこまで気に入ったキャラクターはいなかった。内面の掘り下げが足りなかったか。あるいは皆がよい子で真面目過ぎて面白みがないのかもしれない。FF10と似たようなキャラクター配置と思うのだけど、あちらは無知なキャラがいたり賑やかしがいたりで上手くできていたように思う。

 以下、各キャラクターの所見や使用状況について語ります。


 ○ エンド

 主人公。仮面の奥に眠る素顔は見えないの?
 どこから来てどこへ行く。素性が全く見えないキャラだが、プレイヤーの分身みたいな位置付けだから別に良いのか。選択肢によって切れ物にもアホにもなり、優しくもあり冷徹でもある。色々試したがると支離滅裂な人間像になる。
 戦闘では常にスタメン。外すこともできるが。打って良し、守って良しのオールラウンダー。

 ○ セツナ

 ヒロイン。良い子ちゃんだが、健気でもある。
 回復のエキスパート。物語上、必要不可欠な魔法も覚える。
 エンドの回復魔法で事足りるのでは、と思い始めた中盤以降は控えに回ってもらった。
 物語ラストの行動は……うーん。

 ○ クオン

 エンドより一足先に村に来て護衛を志願した謎多き女性。エンドの素性が知れないため、旅の始めは、エンドを敵視する。アンタも似たようなものでは? というかふらりと立ち寄った旅人二人に大事な“いけにえ”を任せる村の人たちやこの世界はちょっと心配だ。
 キャラクターの素早さが如実にモノを言うアクティブ・タイム・バトルで時魔法の使い手は絶対正義だ。中盤以降、セツナに入れ替わってスタメンを張る。護衛が前に出るのは正しいことじゃないか。

 ○ ヨミ

 かつて、いけにえの護衛の旅をした経験者。大剣使いのおっさん。誰かに似ている。
 脳筋系の魔法・技揃いだが、アイテムに格調効果を持たせる魔法は若干チートくさい(使ってないけど)。
 エンドとヨミの連携『ブロウビート』は序盤に使えるクセに終盤まで雑魚を一発で全滅させられるのでスタメンに。デバフ効果もあり、壊れ性能だ。

 ○ キール

 有り余る魔力ゆえに短命である“稀少種”と呼ばれる一族のちびっ子。
 火の魔法を得意とする。
 ドロップアイテム狙いに使った程度。

 ○ ジュリオン

 デザイン的にもキャラ的に見ても好きなキャラクター。メンヘラ系姫様。
 物語屈指のトラブルメーカーでもあるのだが、原因を知るとそこまで責められない。
 仲間になった直後は少し使ったが、雪の世界に氷の魔法が得意なキャラというのも荷が重かろう。代わりに、物理攻撃力はパーティーでも随一か。
 メンヘラの原因を除けば、至ってマトモなキャラである。悪く言えば隙がない。そういう人は何か弱点があってアタフタする様を物語中に見せなくては、と思う。


 ◎ 総評

 あの頃のRPGが取り戻せたかどうかはプレイヤー次第だが、そのニュアンスや雰囲気は、今の若いユーザー(どれだけの若い人がプレイしたかはわからないが)に伝わる作品であった。ソツなく完成されている作品ではあるが、ゲーム的な部分ではこの作品ならではというものがあまり感じられなかった。私が子供の頃に熱狂したゲーム程の楽しさ、驚きのようなものは少ない。年をとって、それなりの数のゲームをやってきたということもあるけど、クリエーターの個性が感じられなかった。スタートが模倣に陥りがちになりそうなコンセプトだとしても。
 低価格でシナリオのプレイ時間少な目というのは社会人にとってちょうど良いボリュームと思った。シナリオやゲームの面白さがあまり感じられず、食指が伸びなくて結果的にこのような長期間に渡るプレイになってしまったけれど。
 おそらく、期間内にキチンとソフトを作り上げられる(会社としては当たり前だけど、クリエーターとしてのこだわりが何故か薄いように捉えてしまう)チームなので、誰か一人個性的なクリエーターがゲスト的に参入すると、より良い作品を作っていけるのではないか。そんな風に思いました。手綱をちゃんと握る必要はあるんだろうけど……。
 次の作品にも注目したいと思います。

【ゲーム】いけにえと雪のセツナ(PSV) プレイ日記13(完) 輪廻の闇

2016年03月30日 18時04分47秒 | ゲーム
 いよいよ最終決戦へ!

 ◎ 輪廻の闇


 巨大な体を持つ輪廻の闇がいる空間。
 人間大の岩がひしめき合う中、一際異彩を放つ奇岩が4つ配置されている。
 輪廻の闇の力を分散させた結果であり、奇岩を破壊するか、あるいはいきなり輪廻の闇に挑むかが委ねられる。あらかじめ力を削いでおいた方が無難だろう。

 左から攻略していく。


 VS 紅蓮の翼 (HP 3432)

 巨鳥の魔物。戦闘前に、キールが昔、自分の里を襲った魔物だという。
 相反する火と氷のブレス攻撃を得意とする。

 VS 紺碧の鱗 (HP 3374)

 海竜の魔物。開幕一番、「大海嘯」を使い、全体に強力なダメージを与えてくる。
 しかし「スロウ」を使うと極端に手数が減る。

 VS 白亜の牙

 ジュリオンが取り込んだ血の魔物と同種だという。
 オーロランタイガーの同型で素早い行動と熾烈な単体攻撃がくせ者。
 4体の中では一番手強いか。「スロウ」も効かないため、防御を固めたい。

 VS 漆黒の甲 (HP 3432)

 巨亀の魔物。
 ヨミがかつて護衛を務めたナナセを背負い、吹雪の中、戦ったという。
 グラビガ、ファイガや猛毒を放ってくる。4体の中ではやはり一番堅い。
 魔法で対抗するのが良いか。まぁ物理でやれないこともない。


 巨岩の魔物を倒す毎に、輪廻の闇の肩に浮かぶビットが消滅していく。

 全て破壊し、挑もう!


 VS 輪廻の闇 (HP 6864)

 あまりHPが高く見えないが、常時リジェネ効果で171ほどHPが回復していくので注意。
 何気に「スロウ」が効く。そして私はクオンの「森羅万象」を主軸にして戦った。博打みたいな効果で何かあった時のためセットしておいたが、遂に登用する。シンギュラリティの効果をランダムに発動させる魔法。消費MPは大きいが、上手くハマればコスト以上の効果が得られる魔法だ。様々な恩恵を得ながら、攻撃の手は緩めない。どうせ最後なんだからアイテムも出し惜しみなしだ。が、一応、第二形態なんかも考えてはおく。
 「クロノバースト」(連携は使えないがATBゲージが瞬く間に溜まるチート効果)が発動! 一気呵成に攻撃を加え、一応は死に際の最後っ屁を警戒し全体ウォールをしておく。

 見事撃破!

 しかし、輪廻の闇は、過去へ逃げ去ってしまう。度重なる時の巻き戻しを経て学習をしたのだろうと。
 ここで、輪廻の闇の正体がクオンから語られる。
 かつて人間は誰しもが強力な魔力を有していた。王国はその栄華を誇っていたが次第に魔力は失われていった。魔力研究のため、王国にやってきた一人の青年が検体として自身を提供。しかし研究によって青年は姿を変容していった。その成れの果てが、輪廻の闇なのだという。愚かな人間が生み出したという例のパターンかっ。私としては諸悪の根源をあのテンバとかいう奴にしたいところだが。

 時の審判者が死んで、時を操る法石がなくなったいま、過去へ戻る手立ては潰えた……かに見えた。しかし、エンドとセツナの二人には、輪廻の闇が残した魔力の痕跡、光の輪が見えていた。クオンを筆頭に、皆の魔力で過去へと送り届けられるエンドとセツナ。たどり着いた先は……。


 ◇ モル島

 たどり着いた先はモルの港であった。
 早速、村に向かうとセツナの養父、ライシンが出迎えてくれる。
 どうやらセツナの母マナがいけにえの旅に出た直後の頃のようだ。
 村の中にセツナの姿は見当たらないが……。
 石碑で人影を見たというライシンの情報をもとに、名残雪の石碑へと向かう二人。


 ◇ 名残雪の石碑

 エンドがセツナに初めて会った場所。
 石碑の前には人間の形に戻った輪廻の闇が……。
 記憶が混濁するも、人への憎悪を忘れていない輪廻の闇=青年と一騎打ち。

 VS 青年

 悪罵とともに心の闇をぶつけて来ますが、仮面の一族に良心はないのか、微々たるダメージである。イベント戦かと思い放っておくと色々言ってくるが、最終的には自分を止めてほしいと言い、以降は台詞もなくなる。
 500ダメージほどで葬り去る!


 倒れた青年に近づき、抱きかかえるセツナ。セツナの中に同化していく輪廻の闇。
 謝るセツナ。全てはこうなることを承知の上であったのか。
 エンドに、自分を殺してほしいと頼むセツナ。

 剣を掲げるエンド。

 → 剣をふる。
 → 剣をふるわない。

 選択肢は二つ。
 あの日は冗談半分で剣をふる選択をしたんだっけ。
 私の選ぶ選択肢は……

 カメラが二人から空へパンしていく。
 二人を映さないように……。

 ありがとう。
 セツナが感謝の言葉を口にし、そして……。


 クオンの消滅を見届けるヨミ、キール、ジュリオン、フィデス。

 エンドとセツナの帰還を信じ、それぞれが居るべき場所へ帰る。
 ジュリオンは飛空挺に騎士団を乗せ、王家復興に乗り出す。
 キールは故郷へ戻る。
 ヨミはモルへ行き、ライシンに報告を。
 そしてフィデスは山で魔物に襲われているアマツを助け、用心棒として同行することに。

 雪の降る森を歩いていくエンド。
 丘陵に生える木のふもとに立ち止まり、再び歩き去るエンド。
 そして、エンドがいなくなったあと、彼を見守るように現れ、姿を消していく少女の姿があった。


 いけにえと雪のセツナ、これにて完結ッ。
 プレイ時間は15時間~20時間程度の小品ではありますが、プレイ時間に見合った切ない物語でありました。

 詳細な感想は後日、レビューとして上げようと思います。
 かなり遅々としたプレイ日記でありましたが、ここまで読んで下さり、ありがとうございました!