サガ スカーレット グレイスは2016年12月15日にPS Vitaで発売されたRPG。
リメイクやスマホを除くシリーズ最新作としては2002年に発売されたシリーズ随一の異端児『アンリミテッド:サガ』より実に14年ぶりとなる。調べてみると、“あの”アンサガが売り上げ50万本を越えているとか、時代が時代とは言え、ある種の悲劇に他ならないと感じる。
尖鋭されたシステムがサガシリーズの売りであるが、今作『サガ スカーレット グレイス』もまたRPGのセオリーを覆しにかかっている。
システムの解説および感想の前にクリア時間、期間は
【クリアタイム:35時間ほど/プレイ時間記録無しのため雑駁】
【プレイ期間:2016年12月15日~2016年12月29日】
本当はもう少しプレイ時間が長引くハズだったが、予想外(これぞロマンシング)な出来事が起き、早まった。これも感想に含め後ほど述べる。
○街もダンジョンも要らない? フリーワールドシステム
サガと言えばフリーシナリオ。プレイヤーの数だけ物語があるというシステムが特徴だが、今回はプレイヤーの選択によって世界が形作られていく。どこそこに洞窟がある、という噂話を信じれば洞窟がフィールドにポップアップされたり、展開次第で街が壊滅するなど、フィールド上にギミックが多数用意されている。いずれにせよ、様々な分岐によってイベントが変化し、加わる仲間や戦う敵が人それぞれの選択によって様変わりしていく。他のプレイヤーの感想などを見ると同じ主人公なのに全く違う展開や、見たことのない仲間がいたりして驚く。地味に見えながら膨大なイベントが幾重にも張り巡らせてある。
さて、街やダンジョンは最低限の(本当に最低限だ)機能しかなく、街は武器防具をバージョンアップする鍛冶屋が、ダンジョンに至ってはマップが存在しないことはもちろん、バトルが1戦ないし3戦、難易度の変化くらいである。色々なシステムを拡張するのではなく、制限されたリソースから、制作者はプレイヤーに何をさせたいのかを絞り出すかのようなゲームの作り方だ。外連見が無いと言えば無いのだが、どこか職人気質を思わせる仕事ぶりを感じさせる。
●敵の行動を読み、味方の行動を采配する“タイムラインバトル”
『サガ スカーレット グレイス』プレイ時間の半分以上を占めるであろうバトル。何をするにしても(鍛冶屋の利用、イベント進行、仲間の体力(LP)回復まで!)バトルがつきまとう本作。新しい技や魔法を覚える“閃き”や使い込むことで精度が上がる“ランクアップ”。様々な効果が秘められた“陣形”など従来のシリーズの特徴を盛り込みつつ、バトルシーンにおいては新たに“タイムライン”を導入。
敵味方入り乱れて行動順が決まっており、開示された敵の行動を見てこちらの行動を決めていく。敵味方ともにBPと呼ばれる数値を使って行動を割り振るのだが、戦闘開幕時は少なく、基本的には1ターンごとに増えていく仕様のため、初めから強い技を連発することは出来ない。戦いが続く中で徐々に死闘を余儀なくされるシステムとなっている。
タイムラインを征する者がバトルを征する。それが本作攻略のカギとなる。
○を味方、●を敵とすると
○●○○●●●○○
例えば味方5人、敵4体でこういう並びだとする。
みんなで集中して最初の●を倒すと
○ ○○●●●○○
となる、すると……
☆☆☆●●●○○
となり、☆の味方でランダムだが●に一斉攻撃が加えられる。
これを“連撃”と呼ぶ。
さらにBPコストも次ターンのみだが大幅カット、魔法の詠唱ターンも短くなるという特典がある。意識的に狙っていきたい。
さてその後の展開をもう少し見せると
☆☆☆●●●○○
ここから、☆たちの連撃が3つある●の真ん中に入り、撃破したとする。
☆☆☆● ●○○
となる。
大方予測できるよう、今年流行りのPPAPを彷彿とさせる動きがまたもや発動し
☆☆☆★★○○
となる。
敵のHPも参考に何をどうすれば良いのか、最善の一手を考えることが必要になってくる。○●を使ったからではないが、将棋や囲碁(よりは簡単だが)、オセロなどの“読み”の力が多少要求される。あるいは同カテゴリで言えば、往年の落ちものパズルでいう“連鎖”が近いかもしれない。
さて、上記のような不足の事態を回避するにはどうすれば良いのか。
テクニックの一つに“バンプ”というものがある。
特定の技に付与された効果だが、攻撃を与えた相手のタイムラインを後ろにずらすことが出来る。
○●○○●●●○○
例えば一番最初の仲間が一番最後に行動する敵にバンプ技を使う。
○●○○●●○●○
となる。
先ほどの展開を踏襲すれば
○ ○○●●○●○
となり
☆☆☆●●○●○
これならどの敵に連撃を与え倒したとしても、敵の連撃は発生しない、しないどころか
☆☆☆●●○ ○
となれば
☆☆☆●●☆☆
からの、後衛☆☆二人連撃で、
☆☆☆● ☆☆
となる可能性もあるということなのだ。
さらに突っ込んで言うと、バンプの他に、敵の特定の技に反応して割り込み攻撃を行う“インタラプト”、攻撃を身代わりで受ける“プロテクト”、攻撃を受け返す“カウンター”といった技も多数存在する。
“インタラプト”に反応して“インタラプト”するという高度な技もあり、戦況の全てを考えるのは困難だが、それが醍醐味である。
このバトルをさらに面白くしているのが、バトル開始時の“Ready”“GO!!”という演出である。演出というか、まぁ平たく言えば戦闘開始の読み込み時間なのだが、行動が多くなると読み込みが長くなる。通常時は各キャラがアップになり、ピン……ピン……ピンという効果音が3回ほどなって“GO”なのだが、何か予想しない事態ことが起きると、5回ほど効果音がなる。それだけ戦闘の読み込みが長くなるということは、例えば新たな技を閃く、といった良い面もあれば、敵の使ったインタラプトからの仲間死亡、からの敵連撃発動……ということもあり得る。盤石の体制で臨んだターンで5連ピンが来たら特に要注意。「嘘だ?! 何でだよ!」からの「マジだ……やってもうた……」になること請け合いだ。ローディング時間をドキドキ感に転じさせた、ゲーム作りが“上手い”と思えるポイントだと思う。
☆ウルピナの物語
私が最初に選んだ(選ばされた?)のはレオナルドだったのだが、界隈の情報で、レオナルドの物語は最も自由度が高く、サガフロで言うところのリュート編と聞きトラウマが蘇ったので一旦中断し、ウルピナの物語を始めた。特典のアイスソード、一回しか使えないのに……まぁいいか。
ウルピナは帝国4将軍の一つ、剣将軍ユラニウス家の長女。
帝国再興を目指し、アスワカンへ向かう父マクシミアスに、長兄であるアントニウスと共に本拠地であるシルミウムの防備を任される。
シルミウム周囲を警邏するウルピナと、ウルピナの執事的役割を担うモンド、さらに数人の兵が一緒だ。基本的には主人公とパートナーの掛け合いを中心にイベントや物語が展開される。世間知らずで突っ走りがちなウルピナとそれを諌めるモンドという構図だが、モンドもモンドでズレた部分があり、ボケ&ボケが展開されたりもする、見た目以上に面白いコンビである。
さて、周辺を練り歩くとシルミウムの北西はアスワカンのあるグラディオン州に接するキャスリン砦の付近に突如大穴が。レオナルド編を先にやっていたので既に事態に感づいたのだが、調査に向かうと案の定、大蛇が穴から出現する。
かつて帝国を苦しめた“大地の蛇”とウルピナ編ではモンドが解説してくれる。
大地の蛇を辛くも撃退(序盤は手数も限られているのでバトルは文字通り殺し合いの展開に)すると、今度はキャスリン砦に異変が起きる。
早速キャスリン砦に向かってみると、そこでは黒ずくめの防具で身を包んだ謎の集団が砦を襲撃していた。何とか退けることに成功。一旦シルミウムに引き返そうとするウルピナ達。すると今度はシルミウムに黒い旗が上がるのが見える。キャスリン砦を襲った黒ずくめの集団はシルミウムも陥落させていた。兄のアントニウスも行方不明となり、事態を父に伝えるため、アスワカンを目指すことに。
これがウルピナの物語のプロローグ。
アスワカンへの旅、父との再会。何者かに連れ去られる兄アントニウスの奪還。大地の蛇を利用する冥魔サウノックの使徒との対決といった流れが第一章と呼べる位置づけになっている。その後、レオナルド編の中心となる『緋の欠片』や『不死鳥』といった物語に分岐していくようだ。
私は兄アントニウスを助けないルートを選んでしまった。どちらにせよ助からないパターンだなと判断したのだが、トロフィーから察するに生存ルートもあったようだ。
さらに『緋の欠片』の物語では各地に散らばる欠片を集めきり、アスワカンに到着。
父から託された母の形見である『アイベックスの指輪』(緋の欠片のありかを探知するキーアイテムでもある)もまた『緋の欠片』であり、このエピソードの先導役である女性サーシャ(レオナルド編でもおなじみ)に破壊するよう言われる。ラスボス強化のトリガーになっているような気がしたため、破壊を拒むとサーシャが正体を現し(道中でもそんな雰囲気だったが)巨大な虫の化け物となって襲ってくる。撃破したが結局サーシャが何者だったねか、何が狙いだったのかは不明のまま。レオナルド編で判明するのかもしれない。
続くエピソードは『不死鳥』編。ユシタニア州にて弱った不死鳥と戦いこれを撃破。手にした不死鳥の羽を使い、各州での不死鳥の軌跡を辿る旅。
この物語では、強敵ヴァッハ神との対決が道中に存在する。
不死鳥の軌跡を追う中でアスワカンの中央星神殿に到着。
そこで、なし崩し的に(本当になし崩し的だ)ラスボスとのバトルに突入していく。
攻略サイトによるとさらに『シグフレイ』編と呼ばれるエピソードも存在するようだ。
基本的には他の主人公もやっていないと物語の全貌はわからない。
いや、やってもわからないのかもしれないが。
ここからは強敵ヴァッハ神戦とラスボスの対決、私の戦い方とエンディング結果まで語ろうと思う。ネタバレ全開なので注意されたい。
☆ ヴァッハ神戦
不死鳥エピソードの道中はヤクサルト州にて対決となる。
ヤクサルト州はレオナルドの出身地であり、十二星神の祠巡りイベントが中心となる地。祠巡りイベントでもヴァッハ神と戦えるが、こちらは数ターンでヴァッハ神が帰るようだ。
戦闘開始、専用のBGMからそれまでとは全く次元の異なる戦いがひしひしと感じられる。
パーティー構成は
ウルピナ(二刀流)、ティシサック(槍)、ベアトリス(棍棒)、オグニアナ(斧)、エリセド(杖/木行術)。HPは300~400くらい。
対する敵構成は、火の神像×5体。
あれっ? ヴァッハ神は? と思うかもしれないが、これがこの戦いの強烈な罠で、火の神像を一体でも倒した次ターンにおいて降臨めされる仕様になっている。最大5対5というバトルシステムの虚をついた特殊戦闘である。
当然、初戦においては敵数を減らすことを考えるのだが、この戦い方だとヴァッハ神唯一にして最大の攻撃、1ターン溜めクリムゾンフレア(この恐ろしさは後に再確認できる)に加え、残った火の神像も順番に1ターン溜めフラッシュファイアをぶっ放してくる。全体に150~200という、これまた看過できない攻撃となっている。
当然、火の神像をしとめきれずフラッシュファイア&フラッシュファイア&クリムゾンフレアという「もうどうとでもしてくれ!」な展開になり、あえなく全滅。
続く再挑戦では私もそれなりに戦法を考える。
まずはオグニアナの次元断と、ティシサックのスウィングで火の神像×5のHPを均一に削り取る。次元断の即死効果がここにきて仇となる事態も考えられるが、その時はその時。といって同時に5体倒そうにも、敵のブラスター(単体180くらい?)が割と痛いため、適度に減らしたら早々に次の作戦に移行する。
1体撃破しヴァッハ神を降臨させた後は、火の神像の片付けに入る。フラッシュファイア詠唱している奴から優先的に撃破。神像が残っているうちに連撃も狙っていく。オグニアナの高速ナブラとエリセドの召雷、ウルピナの二刀烈風剣がダメージソースだが、後者2人はダメージが分散し、敵の連撃も誘発しかねないので控えた。ただし構成によって、神像は魔法が弱点のため、一掃するチャンスともなりうる。特に連撃にエリセドが入っていれば1ターン溜め召雷もある。
フラッシュファイア対策はこれで完封だが、ヴァッハ神の1ターン溜めクリムゾンフレアは700ダメージとかいう、演出も含め「そりゃ~死ぬわ」な攻撃。2ターンに1人は確実に死ぬというRPGのバトルでも稀に見ぬ死闘。スタンや回し打ちフルボッコ戦法もあるにはあったのだが、この時点では(これ重要)現実的とは思えず、「勝ち筋が見いだせない」(サガスカを遊んでいる時に私がしきりにつぶやいていたという独り言)ため、プロテクトに賭けた。ヴァッハ神1人になってからはダメージレースの競り合い。が単純な殺し合いではなく、“仲間のために散る”のもサガスカでは重要な戦法。オグニアナの高速ナブラ、エリセドの召雷、ウルピナの二刀烈風剣が優先順。まずはベアトリスがブロック、さらにウルピナはソードガードでプロテクト役にもなれる万能型。残るティシサックは戦場をかき乱す遊撃役。槍はタイムラインを縦横無尽に飛び跳ねる特性技を持つ。誰かが死んだ(無論ティシサック自身も候補だ)際に連撃が発動できるよう調整する。
自分はこの戦法で勝利した。
他の人のプレイ動画(ペルソナ5は動画配信禁止でシナリオ主体のRPGは完全同意だが、サガスカは特に他の人のプレイも見たくなるゲームだ)を見ると、ヴァッハ神に空気投げしていて、「ぷっ。こういうタイプのボスにスタンは効かねーだろ」と思っていたのだが、あっさりスタンが決まっていて驚いた記憶がある。このショックが後の戦いに最大の効果を生み出すこととなった。配信者様(曲を聴くため今も見てます)には感謝いたしております。
続いてラスボス戦。
★ ファイアブリンガー
ラスボスはやっぱりこの方、パッケージになっているファイアブリンガー。
ここはどこ? あなたは誰? 状態のまま戦闘に突入する。
まずは自軍のステータス。
ウルピナ HP529 長剣LV26 武器:太陽銀の剣、織月三日月
ティシサック HP695 槍LV26 ロール:自由行動(失礼剣+足払い)/初期行動順アップ
ベアトリス HP614 棍棒LV26 武器:金属バット
オグニアナ HP525 斧LV27 武器:デストロイヤー
エリセド HP462 杖LV17、木行術LV21 ロール:術強化(ハードファイア+茨の呪縛+超重力)/術力アップ
以下は2軍メンバーだが、最終戦にして、いぶし銀の働きを見せた者も存在する。
レオナルド HP657 大剣LV23 武器:タタラ一番 ロール:力自慢(ヴァンダライズ+ヒートビート)
ヤマト HP630 大剣LV21
ネエ HP579 斧LV18
オーヴィル HP516 格闘LV23
イレーネ HP660 長剣LV23
HPや技能レベルに加え、各種武器や勝利に寄与したロールで特に偶然見つけたものを記載。いずれも取得が比較的容易く、効果も良いのが特徴。防具は鍛冶レベル11相当。
2軍に関しては主にスタメンのLP回復用に運用していたため装備は貧弱なのだが、こうして見るとHPは引けを取らない。EasyバトルでもHPの伸び率は変わらず、あくまで体力依存なのだろう。
さて、ファイアブリンガー初戦だが、これ以上にないくらいボロボロに負けた。
辛勝も辛勝、ティシサック以外スタメン完全死亡の中、勝ち進んだ2回戦もフルボッコにされ、「俺、なんかアンタに悪いことした?」ってくらい殺られまくる。とりあえずリサーチプレイに徹しようとしたところ、レオナルドとヤマトが2回戦においてカウンター祭りを開催し始めたため「このまま行ける?」と思ったが二刀烈風剣であえなく撃沈。
続いて、戯れに行ったリサーチプレイが思わず好を相し、「勝ち筋が見いだせない」まま勝ってしまった、攻略法としては外法に近いが、記念も含め記しておく。
あらためて、ファイアブリンガー 1回戦。
ウルピナ、ティシサック、ベアトリス、オーヴィル、エリセド。
陣形をフリーファイトにして行動順を限りなく上げ、スタンはめする戦法。
バトル開幕時は
○○○●○○
ティシサック、オーヴィル、ウルピナがファイアブリンガーに先行する理想的な形。
ティシサックの足払い、オーヴィルの空気投げでスタン狙い。BPが溜まればウルピナの天地二段も投入。
ファイアブリンガーは恩寵を技として使ってくる腐れ外道。全体150~200&高確率スタンの「シャムスの陰影」なんて陣形次第で何も出来ず終わっちゃう。先手がとれるならともかく、「ディーマージュの陰影」なんて全体200弱ダメージに混乱付与だからね。
ということでスタン&スタン&スタン。
一回全滅したものの、再挑戦で撃破。言い忘れてたが、ファイアブリンガーは倒してももう一回復活する仕様。こんな奴ほっといてみんなどっか飲みに行こうよって言いたくなる。黙って襲ってくる、人様の技でドヤる、倒したと思ったら復活する。裏切りとかじゃなく単純にウゼーから星神に追放された説もあるな、これは。
スタン戦法の外はプロテクトで攻撃役をまとめ、連撃調整という手堅い勝ち筋もあるが、ディーマージュの混乱であえなく崩れる不安が残る。BPが上がりきると全体300ダメージの「マリガンの陰影」を連発する。これは威力は高いが異常付与はないため、HPが高ければ何とか張り合えそうだ。いかに先手をとり、ディーマージュを乗り切るかが肝になると思う。スタンに頼りすぎず、少し織り交ぜるくらいがちょうど良い戦い方なのかもしれない。また、戦闘が進む内にファイアブリンガーの行動順が後退していく傾向が見られた。後に確認した情報(制作者のインタビュー記事なので確定だが)によると、ダメージを与え続けているとそうなるようだ。
続く2回戦。
次のファイアブリンガーは剣技主体&サーバントで自己の影を召還してくる。影を倒しきっても“ぼくは陰キャじゃない”とばかりに呼び出してくるらしい。相変わらず嫌な奴なのだが、今回は初戦のような素早さは無い(剣を持ったくらいで失速するんだね)。
リサーチ目的だったため、相変わらずスタン&スタン。
初戦よりはスタンが決まる印象。必死にサーバントするファイアブリンガーだが次第に諦めて攻撃してくるようになる。ラインが通じないみたいな哀れさだ。
初対戦の時、相性が良さそうと思えたレオナルドをベアトリスと交代。2軍のため装備がイマイチ心もとないが、彼には彼にしか出来ない役割もあり、LP温存の意味も込めている。
スタン&スタンだけでは脳が無い。
新たな戦法を模索しようとしたところ、ブリさん(!)は強撃で怒ってくれることが判明。「おぉ、お前にも感情があったのか」というよりは「ちょっと自分の思い通りにならなければすぐキレる」ゆとり陰キャ説の地盤を強固なものにしていく。怒り+不動剣とかいう引きこもり要素も発露しつつ、レオナルドのかすみ青眼でお仕置きタイム。こんな戦いが出来るならレオナルドの武器をもう一段引き上げておくべきだったか、が、タタラ一番というネーミングもなにやら仕置きに相応しいとも思えた。
そんなこんなで奇跡の完封勝利(相変わらず一度復活する仕様だったが)。
運命の最終戦へーー。
3回戦は宙に浮く岩に乗ったファイアブリンガーとレーヴァンテインだかいう剣2本と対決BGMも最終戦(と思いたい)に相応しいゴージャス感&フュージョン要素も入っていて自分好み。
とりあえずスタンは置いて、オーヴィルをオグニアナと交代。
開幕でファイアブリンガーがクリムゾンフレアを詠唱。3ターン溜めに入る。ヴァッハ神様は1ターンだったのに3ターンもかかるのか、ショボいのう。所詮借りパク技野郎の実力はこんなものか、と思いつつ、あらためてヴァッハ神様を畏怖する。
お供の剣はリザーブ技使いだが、音速剣が決まり(突反応は無いんだろうか)、しかも意外にHPが低いため簡単に潰せる。こちらの連撃要員のために存在してくれるかのようだ。連撃がファイアブリンガーに入ると、こいつも今までに比べHPが低い? クリムゾンフレア発動前に倒しきる。当然復活してくるが、攻撃↓、防御↓、速さ↓のデバフ効果は継続。ダメージを与え続け行動順も低いのでフルボッコ。
倒した!
と思いきやまたまた復活。
が、完全にパターンに入り、もはやイジメに近い(今までの諸行を考えれば当然の報いよ)形で勝利をおさめる。
こんなことなら最後はベアトリスのスウィングアーティストで決めれば良かったと少し後悔。誰かが動画でやってくれるよね。
初めこそ全く勝ち筋が見いだせない、サガらしいラストバトルだと思ったが、先に進むにつれ楽になった印象。シナリオの進め方によりラスボスの強化もあるので、その影響かとは思うのだが、1回戦、2回戦で両者疲弊した中での戦いという演出なのかもしれない。
そして物語は感動のエンディングに。
とか言いながら割とあっさり目なエンディング。
ウルピナが「念願のスカーレット グレイスを手に入れたぞ!」と喜びつつ、「大丈夫。これは誰の影響でもない、私自身の意志」とぜんぜん信用できない言葉を放ちつつ、ユラニウス2世(を産んだのかウルピナ自身がなったのか判然としておらずすみません)が帝国を再興しつつ、周辺との戦乱は絶えませんでしたよ、というエンド。
やはり兄を助けなかったのと緋の欠片を壊さなかったのが影響したのか。
兄謀殺はウルピナが将軍継承のためには必然だったのだが……。
以降はスタッフロールと共に、良く使っていた仲間の戦闘参加回数、技とキャラクターのその後が簡単に述べられていく。
私の使用感も含めて、簡単にまとめる。
ベアトリス
初期メンバーの中で唯一スタメンに残存した(もちろんウルピナ除く)。
棍棒使いは地味ながら堅実な働きが見込まれるタイプ。ブロックを基本としつつ、ヒートビートで攻撃上げ、骨砕きで攻撃下げ、打タラプトで低確率ながらマヒ効果を期待できる。斬タラプトである狂い咲きの「久しぶりに……キレちまったよ……」や武器固有のスウィングアーティストは生真面目な奴がはっちゃけると凄いという個性を出してくれた。
その後も兵として活躍。戦場でバットを持って練り歩く女がいると語り継がれたことであろう。
ティシサック
中盤参戦ながら、オリジナリティ溢れる髪型、素早くタフさもあるという厳しい環境で育ってきたことを伺わせる高ステータス、自身を“わし”と呼ぶ強烈さに惹かれスタメン入り。エセ動物愛護家には一生たどり着けない生死観を持っているのもいいね。
いまいち運用のわからない槍の有用性を教えてくれた人でもある。
別れの餞別にゲイボルグを持たせたかったが、材料が手に入らず断念。
新たな獲物を求めて(彼女にとってファイアブリンガーも一匹の獲物に過ぎない。やはり無類のカッコ良さを持つ)旅立った。彼女なら一人でも獲物をしとめてゲイボルグにしてくれることだろう。
オグニアナ
グルモンの王位継承者でありながら、それを嫌い、世界が見たいと言ってついて来た、物語的には準レギュラーと言ってもいいキャラ。
レオナルドで仲間にしたバルマンテの斧がミス連発だったことを考えると、彼女の技は素晴らしい。ステータスとロールによるものと後々気づいたが、中盤、特にヴァッハ神戦でなくてならない存在であった。
この人はウルピナのもとにとどまったんだっけ。忘れてしまった。キャラ的に故郷には帰らなそうだが……ビジュアル的に小柳ルミ子を彷彿とさせるものがあった。
エリセド
ウルピナの兄アントニウスの婚約者である、魔将軍の娘。
召雷という壊れ性能魔法でウルピナと共に数多の敵を葬り去って来たが、暴発して敵の連撃を招くこともあったお茶目な(いい迷惑だ)人であった。新たな魔法の覚え方はややクセがあるので、いろいろ試して学習すると良い。
魔将軍の家に戻ったが、晩年はちょっとおかしなことになってしまったようだ。ウルピナが婚約者を謀殺した事実に気づいてしまったのだろうか。
ヤマト
初期メンバーでベアトリスと共に盾役を勤めて来たが、ティシサックやレオナルドの台頭により2軍に追いやられた。行動力が無いためいつも端っこにいる印象。ロールだけで敵を引きつけてくれるので、何をするでもなく死んでいく肉壁。不遇の扱いを受けながらも最後までウルピナの下、戦い、戦死したらしい。ヤマトらしい最期である。合唱。
レオナルド
主人公らしい性能の高さながら、ヤクサルトに行けば仲間になってくれる気の優しい兄ちゃん。あれだけの激戦をくぐり抜けながら地元に戻って農家を続けるという剛胆というか器がデカ過ぎというか。
地元の領主の娘と結婚したらしいが、それはまた別のお話。
ネエ
ユラニウス家が統治しているであろう、ルーグ村の姉ちゃん。本名なのかそっちの意味かは誰もが勘ぐるところ。百合キャラめいた仲間のなり方だが、意外にステータスが高い。オグニアナの下位互換として用いていたが、その後を見ると、ウルピナの下、ふつうに兵隊として働いていたり、実は影武者説が流布されていたりと、ここに至って謎の個性を見せつけてくれるキャラクターでもある。そうなると本名がネエであることも疑わしく、深入りすると消される可能性もあるので、ここらで止めておこう。
オーヴィル
2軍の中でも意外な活躍を見せてくれた殊勲賞モノの鳥人(とりじん)。
村に入る旅にひとり鳥人間コンテストを開催しては墜落しモンスターに襲われる迷惑キャラで“あ~、もう死んどけよ”と酷いことを毎度思わせてくれたのだが、ラストバトルのスタン祭りでまさに第三の男として参戦し、決勝戦までつないでくれた。実はティシサックと同じ、初期行動順アップのロール持ちと今更確認。北のティシサック、南のオーヴィルとして(図らずも)語り継がれる伝説として構成出来たのは我ながら良いプレイであった。その後はイカロスよろしく鳥人(とりじん)としての活動に励んでいたそうだが、周囲には“あ~、もう死んどけよ”と思われていたようで飛行文化は発達しなかったことになっている。新たな世界を発見し再び伝説を作り上げる可能性があっただけに、私のような君は最初から出来る男だと思っていたよ的な理解者に恵まれなかったことが悔やまれる。
ネッサ
初期メンバーらしいのだが全く使っていない印象しかなく何故ランキングしたのか謎。
ソロンやツィゴールもそうだが、システム上、初期メンバーは十二神将(キャラのその後は戦闘参加率上位12名で選抜される)に入りやすい。いずれも軍に残って活躍しましたみたいな話なのだが、彼女だけは何故かウルピナの下を離れ、帝国と対立するエルワカン側へ寝返った。戦闘回数が少ないとそうなるのか? エルワカンでは火山を爆発させ国力を削いでおいたので勝ち筋が見いだせないことは承知しているハズなのだが。
モンド
ウルピナのパートナー。ツッコミ兼ボケ役。
槍を持たせてもあまり使えないので外してしまったが、北方では氷の壁を砕くため冥魔にされてしまうというトンデモ展開が用意されている。帰還時には悪魔の力でも手に入れたのか、軒並み適正武器レベルが上昇しているのだが、同時期に北方の勇、ティシサックが専用トロフィーを引っ提げての電撃加入するためヤッパリ使われない不遇の人。
まじめ一辺倒と思いきや丁半賭博で名を馳せた過去があったり、ツチノコを追い求めていたり、大事なものが蜂蜜だったりとかなりの変人であった。
その後は豹変したウルピナにドン引きしたのか引退を表明。
各地敵情視察という名目を(一応は)持ちながら、今一度ツチノコを探し求めているのであろう。
ウルピナ
今回の主人公。
線の細そうな見た目に似合わず、数少ない二刀流を体得するというチート振り。物語の展開もわかりやすく、まさに初心者向けのキャラ。
長剣はリザーブ解除や属性技、バンプなど有用な技が揃っている。火力不足の面はあるのだが、二刀流はその弱点を補う以上の異常な性能。陣形と組み合わせたランク2の二刀十字斬はコスト1で300~400は削れる。二刀烈風剣はさらに倍々。
物語では兄アントニウスを謀殺し、スカーレット グレイス奪取の際に邪魔になりそうなサーシャの正体を看破しこれも抹殺。帝国再建の邪魔となりそうなエルワカンを火山爆発であらかじめ国力を削ぐことに成功。ダム決壊させ盾将軍イレーヌに責務を負わし、将軍職を降ろす、魔将軍エリセドにアントニウス謀殺の流言を吹聴させ神経衰弱へ陥らせた。
可愛い顔をして恐ろしい野望を胸の内に抱き、着々と実行していくキャラクターであった。
現在は周回引継でタリア編を進めている。
引継要素の恩恵が今のところ少なく、若干序盤の立ち上がりが億劫なのだが、4人揃っている(?!)画面も見たいしなぁーというところであります。
久々の長々としたブログ記事、ご精読ありがとうございます。
それでは皆さん、良いお年を!
リメイクやスマホを除くシリーズ最新作としては2002年に発売されたシリーズ随一の異端児『アンリミテッド:サガ』より実に14年ぶりとなる。調べてみると、“あの”アンサガが売り上げ50万本を越えているとか、時代が時代とは言え、ある種の悲劇に他ならないと感じる。
尖鋭されたシステムがサガシリーズの売りであるが、今作『サガ スカーレット グレイス』もまたRPGのセオリーを覆しにかかっている。
システムの解説および感想の前にクリア時間、期間は
【クリアタイム:35時間ほど/プレイ時間記録無しのため雑駁】
【プレイ期間:2016年12月15日~2016年12月29日】
本当はもう少しプレイ時間が長引くハズだったが、予想外(これぞロマンシング)な出来事が起き、早まった。これも感想に含め後ほど述べる。
○街もダンジョンも要らない? フリーワールドシステム
サガと言えばフリーシナリオ。プレイヤーの数だけ物語があるというシステムが特徴だが、今回はプレイヤーの選択によって世界が形作られていく。どこそこに洞窟がある、という噂話を信じれば洞窟がフィールドにポップアップされたり、展開次第で街が壊滅するなど、フィールド上にギミックが多数用意されている。いずれにせよ、様々な分岐によってイベントが変化し、加わる仲間や戦う敵が人それぞれの選択によって様変わりしていく。他のプレイヤーの感想などを見ると同じ主人公なのに全く違う展開や、見たことのない仲間がいたりして驚く。地味に見えながら膨大なイベントが幾重にも張り巡らせてある。
さて、街やダンジョンは最低限の(本当に最低限だ)機能しかなく、街は武器防具をバージョンアップする鍛冶屋が、ダンジョンに至ってはマップが存在しないことはもちろん、バトルが1戦ないし3戦、難易度の変化くらいである。色々なシステムを拡張するのではなく、制限されたリソースから、制作者はプレイヤーに何をさせたいのかを絞り出すかのようなゲームの作り方だ。外連見が無いと言えば無いのだが、どこか職人気質を思わせる仕事ぶりを感じさせる。
●敵の行動を読み、味方の行動を采配する“タイムラインバトル”
『サガ スカーレット グレイス』プレイ時間の半分以上を占めるであろうバトル。何をするにしても(鍛冶屋の利用、イベント進行、仲間の体力(LP)回復まで!)バトルがつきまとう本作。新しい技や魔法を覚える“閃き”や使い込むことで精度が上がる“ランクアップ”。様々な効果が秘められた“陣形”など従来のシリーズの特徴を盛り込みつつ、バトルシーンにおいては新たに“タイムライン”を導入。
敵味方入り乱れて行動順が決まっており、開示された敵の行動を見てこちらの行動を決めていく。敵味方ともにBPと呼ばれる数値を使って行動を割り振るのだが、戦闘開幕時は少なく、基本的には1ターンごとに増えていく仕様のため、初めから強い技を連発することは出来ない。戦いが続く中で徐々に死闘を余儀なくされるシステムとなっている。
タイムラインを征する者がバトルを征する。それが本作攻略のカギとなる。
○を味方、●を敵とすると
○●○○●●●○○
例えば味方5人、敵4体でこういう並びだとする。
みんなで集中して最初の●を倒すと
○ ○○●●●○○
となる、すると……
☆☆☆●●●○○
となり、☆の味方でランダムだが●に一斉攻撃が加えられる。
これを“連撃”と呼ぶ。
さらにBPコストも次ターンのみだが大幅カット、魔法の詠唱ターンも短くなるという特典がある。意識的に狙っていきたい。
さてその後の展開をもう少し見せると
☆☆☆●●●○○
ここから、☆たちの連撃が3つある●の真ん中に入り、撃破したとする。
☆☆☆● ●○○
となる。
大方予測できるよう、今年流行りのPPAPを彷彿とさせる動きがまたもや発動し
☆☆☆★★○○
となる。
敵のHPも参考に何をどうすれば良いのか、最善の一手を考えることが必要になってくる。○●を使ったからではないが、将棋や囲碁(よりは簡単だが)、オセロなどの“読み”の力が多少要求される。あるいは同カテゴリで言えば、往年の落ちものパズルでいう“連鎖”が近いかもしれない。
さて、上記のような不足の事態を回避するにはどうすれば良いのか。
テクニックの一つに“バンプ”というものがある。
特定の技に付与された効果だが、攻撃を与えた相手のタイムラインを後ろにずらすことが出来る。
○●○○●●●○○
例えば一番最初の仲間が一番最後に行動する敵にバンプ技を使う。
○●○○●●○●○
となる。
先ほどの展開を踏襲すれば
○ ○○●●○●○
となり
☆☆☆●●○●○
これならどの敵に連撃を与え倒したとしても、敵の連撃は発生しない、しないどころか
☆☆☆●●○ ○
となれば
☆☆☆●●☆☆
からの、後衛☆☆二人連撃で、
☆☆☆● ☆☆
となる可能性もあるということなのだ。
さらに突っ込んで言うと、バンプの他に、敵の特定の技に反応して割り込み攻撃を行う“インタラプト”、攻撃を身代わりで受ける“プロテクト”、攻撃を受け返す“カウンター”といった技も多数存在する。
“インタラプト”に反応して“インタラプト”するという高度な技もあり、戦況の全てを考えるのは困難だが、それが醍醐味である。
このバトルをさらに面白くしているのが、バトル開始時の“Ready”“GO!!”という演出である。演出というか、まぁ平たく言えば戦闘開始の読み込み時間なのだが、行動が多くなると読み込みが長くなる。通常時は各キャラがアップになり、ピン……ピン……ピンという効果音が3回ほどなって“GO”なのだが、何か予想しない事態ことが起きると、5回ほど効果音がなる。それだけ戦闘の読み込みが長くなるということは、例えば新たな技を閃く、といった良い面もあれば、敵の使ったインタラプトからの仲間死亡、からの敵連撃発動……ということもあり得る。盤石の体制で臨んだターンで5連ピンが来たら特に要注意。「嘘だ?! 何でだよ!」からの「マジだ……やってもうた……」になること請け合いだ。ローディング時間をドキドキ感に転じさせた、ゲーム作りが“上手い”と思えるポイントだと思う。
☆ウルピナの物語
私が最初に選んだ(選ばされた?)のはレオナルドだったのだが、界隈の情報で、レオナルドの物語は最も自由度が高く、サガフロで言うところのリュート編と聞きトラウマが蘇ったので一旦中断し、ウルピナの物語を始めた。特典のアイスソード、一回しか使えないのに……まぁいいか。
ウルピナは帝国4将軍の一つ、剣将軍ユラニウス家の長女。
帝国再興を目指し、アスワカンへ向かう父マクシミアスに、長兄であるアントニウスと共に本拠地であるシルミウムの防備を任される。
シルミウム周囲を警邏するウルピナと、ウルピナの執事的役割を担うモンド、さらに数人の兵が一緒だ。基本的には主人公とパートナーの掛け合いを中心にイベントや物語が展開される。世間知らずで突っ走りがちなウルピナとそれを諌めるモンドという構図だが、モンドもモンドでズレた部分があり、ボケ&ボケが展開されたりもする、見た目以上に面白いコンビである。
さて、周辺を練り歩くとシルミウムの北西はアスワカンのあるグラディオン州に接するキャスリン砦の付近に突如大穴が。レオナルド編を先にやっていたので既に事態に感づいたのだが、調査に向かうと案の定、大蛇が穴から出現する。
かつて帝国を苦しめた“大地の蛇”とウルピナ編ではモンドが解説してくれる。
大地の蛇を辛くも撃退(序盤は手数も限られているのでバトルは文字通り殺し合いの展開に)すると、今度はキャスリン砦に異変が起きる。
早速キャスリン砦に向かってみると、そこでは黒ずくめの防具で身を包んだ謎の集団が砦を襲撃していた。何とか退けることに成功。一旦シルミウムに引き返そうとするウルピナ達。すると今度はシルミウムに黒い旗が上がるのが見える。キャスリン砦を襲った黒ずくめの集団はシルミウムも陥落させていた。兄のアントニウスも行方不明となり、事態を父に伝えるため、アスワカンを目指すことに。
これがウルピナの物語のプロローグ。
アスワカンへの旅、父との再会。何者かに連れ去られる兄アントニウスの奪還。大地の蛇を利用する冥魔サウノックの使徒との対決といった流れが第一章と呼べる位置づけになっている。その後、レオナルド編の中心となる『緋の欠片』や『不死鳥』といった物語に分岐していくようだ。
私は兄アントニウスを助けないルートを選んでしまった。どちらにせよ助からないパターンだなと判断したのだが、トロフィーから察するに生存ルートもあったようだ。
さらに『緋の欠片』の物語では各地に散らばる欠片を集めきり、アスワカンに到着。
父から託された母の形見である『アイベックスの指輪』(緋の欠片のありかを探知するキーアイテムでもある)もまた『緋の欠片』であり、このエピソードの先導役である女性サーシャ(レオナルド編でもおなじみ)に破壊するよう言われる。ラスボス強化のトリガーになっているような気がしたため、破壊を拒むとサーシャが正体を現し(道中でもそんな雰囲気だったが)巨大な虫の化け物となって襲ってくる。撃破したが結局サーシャが何者だったねか、何が狙いだったのかは不明のまま。レオナルド編で判明するのかもしれない。
続くエピソードは『不死鳥』編。ユシタニア州にて弱った不死鳥と戦いこれを撃破。手にした不死鳥の羽を使い、各州での不死鳥の軌跡を辿る旅。
この物語では、強敵ヴァッハ神との対決が道中に存在する。
不死鳥の軌跡を追う中でアスワカンの中央星神殿に到着。
そこで、なし崩し的に(本当になし崩し的だ)ラスボスとのバトルに突入していく。
攻略サイトによるとさらに『シグフレイ』編と呼ばれるエピソードも存在するようだ。
基本的には他の主人公もやっていないと物語の全貌はわからない。
いや、やってもわからないのかもしれないが。
ここからは強敵ヴァッハ神戦とラスボスの対決、私の戦い方とエンディング結果まで語ろうと思う。ネタバレ全開なので注意されたい。
☆ ヴァッハ神戦
不死鳥エピソードの道中はヤクサルト州にて対決となる。
ヤクサルト州はレオナルドの出身地であり、十二星神の祠巡りイベントが中心となる地。祠巡りイベントでもヴァッハ神と戦えるが、こちらは数ターンでヴァッハ神が帰るようだ。
戦闘開始、専用のBGMからそれまでとは全く次元の異なる戦いがひしひしと感じられる。
パーティー構成は
ウルピナ(二刀流)、ティシサック(槍)、ベアトリス(棍棒)、オグニアナ(斧)、エリセド(杖/木行術)。HPは300~400くらい。
対する敵構成は、火の神像×5体。
あれっ? ヴァッハ神は? と思うかもしれないが、これがこの戦いの強烈な罠で、火の神像を一体でも倒した次ターンにおいて降臨めされる仕様になっている。最大5対5というバトルシステムの虚をついた特殊戦闘である。
当然、初戦においては敵数を減らすことを考えるのだが、この戦い方だとヴァッハ神唯一にして最大の攻撃、1ターン溜めクリムゾンフレア(この恐ろしさは後に再確認できる)に加え、残った火の神像も順番に1ターン溜めフラッシュファイアをぶっ放してくる。全体に150~200という、これまた看過できない攻撃となっている。
当然、火の神像をしとめきれずフラッシュファイア&フラッシュファイア&クリムゾンフレアという「もうどうとでもしてくれ!」な展開になり、あえなく全滅。
続く再挑戦では私もそれなりに戦法を考える。
まずはオグニアナの次元断と、ティシサックのスウィングで火の神像×5のHPを均一に削り取る。次元断の即死効果がここにきて仇となる事態も考えられるが、その時はその時。といって同時に5体倒そうにも、敵のブラスター(単体180くらい?)が割と痛いため、適度に減らしたら早々に次の作戦に移行する。
1体撃破しヴァッハ神を降臨させた後は、火の神像の片付けに入る。フラッシュファイア詠唱している奴から優先的に撃破。神像が残っているうちに連撃も狙っていく。オグニアナの高速ナブラとエリセドの召雷、ウルピナの二刀烈風剣がダメージソースだが、後者2人はダメージが分散し、敵の連撃も誘発しかねないので控えた。ただし構成によって、神像は魔法が弱点のため、一掃するチャンスともなりうる。特に連撃にエリセドが入っていれば1ターン溜め召雷もある。
フラッシュファイア対策はこれで完封だが、ヴァッハ神の1ターン溜めクリムゾンフレアは700ダメージとかいう、演出も含め「そりゃ~死ぬわ」な攻撃。2ターンに1人は確実に死ぬというRPGのバトルでも稀に見ぬ死闘。スタンや回し打ちフルボッコ戦法もあるにはあったのだが、この時点では(これ重要)現実的とは思えず、「勝ち筋が見いだせない」(サガスカを遊んでいる時に私がしきりにつぶやいていたという独り言)ため、プロテクトに賭けた。ヴァッハ神1人になってからはダメージレースの競り合い。が単純な殺し合いではなく、“仲間のために散る”のもサガスカでは重要な戦法。オグニアナの高速ナブラ、エリセドの召雷、ウルピナの二刀烈風剣が優先順。まずはベアトリスがブロック、さらにウルピナはソードガードでプロテクト役にもなれる万能型。残るティシサックは戦場をかき乱す遊撃役。槍はタイムラインを縦横無尽に飛び跳ねる特性技を持つ。誰かが死んだ(無論ティシサック自身も候補だ)際に連撃が発動できるよう調整する。
自分はこの戦法で勝利した。
他の人のプレイ動画(ペルソナ5は動画配信禁止でシナリオ主体のRPGは完全同意だが、サガスカは特に他の人のプレイも見たくなるゲームだ)を見ると、ヴァッハ神に空気投げしていて、「ぷっ。こういうタイプのボスにスタンは効かねーだろ」と思っていたのだが、あっさりスタンが決まっていて驚いた記憶がある。このショックが後の戦いに最大の効果を生み出すこととなった。配信者様(曲を聴くため今も見てます)には感謝いたしております。
続いてラスボス戦。
★ ファイアブリンガー
ラスボスはやっぱりこの方、パッケージになっているファイアブリンガー。
ここはどこ? あなたは誰? 状態のまま戦闘に突入する。
まずは自軍のステータス。
ウルピナ HP529 長剣LV26 武器:太陽銀の剣、織月三日月
ティシサック HP695 槍LV26 ロール:自由行動(失礼剣+足払い)/初期行動順アップ
ベアトリス HP614 棍棒LV26 武器:金属バット
オグニアナ HP525 斧LV27 武器:デストロイヤー
エリセド HP462 杖LV17、木行術LV21 ロール:術強化(ハードファイア+茨の呪縛+超重力)/術力アップ
以下は2軍メンバーだが、最終戦にして、いぶし銀の働きを見せた者も存在する。
レオナルド HP657 大剣LV23 武器:タタラ一番 ロール:力自慢(ヴァンダライズ+ヒートビート)
ヤマト HP630 大剣LV21
ネエ HP579 斧LV18
オーヴィル HP516 格闘LV23
イレーネ HP660 長剣LV23
HPや技能レベルに加え、各種武器や勝利に寄与したロールで特に偶然見つけたものを記載。いずれも取得が比較的容易く、効果も良いのが特徴。防具は鍛冶レベル11相当。
2軍に関しては主にスタメンのLP回復用に運用していたため装備は貧弱なのだが、こうして見るとHPは引けを取らない。EasyバトルでもHPの伸び率は変わらず、あくまで体力依存なのだろう。
さて、ファイアブリンガー初戦だが、これ以上にないくらいボロボロに負けた。
辛勝も辛勝、ティシサック以外スタメン完全死亡の中、勝ち進んだ2回戦もフルボッコにされ、「俺、なんかアンタに悪いことした?」ってくらい殺られまくる。とりあえずリサーチプレイに徹しようとしたところ、レオナルドとヤマトが2回戦においてカウンター祭りを開催し始めたため「このまま行ける?」と思ったが二刀烈風剣であえなく撃沈。
続いて、戯れに行ったリサーチプレイが思わず好を相し、「勝ち筋が見いだせない」まま勝ってしまった、攻略法としては外法に近いが、記念も含め記しておく。
あらためて、ファイアブリンガー 1回戦。
ウルピナ、ティシサック、ベアトリス、オーヴィル、エリセド。
陣形をフリーファイトにして行動順を限りなく上げ、スタンはめする戦法。
バトル開幕時は
○○○●○○
ティシサック、オーヴィル、ウルピナがファイアブリンガーに先行する理想的な形。
ティシサックの足払い、オーヴィルの空気投げでスタン狙い。BPが溜まればウルピナの天地二段も投入。
ファイアブリンガーは恩寵を技として使ってくる腐れ外道。全体150~200&高確率スタンの「シャムスの陰影」なんて陣形次第で何も出来ず終わっちゃう。先手がとれるならともかく、「ディーマージュの陰影」なんて全体200弱ダメージに混乱付与だからね。
ということでスタン&スタン&スタン。
一回全滅したものの、再挑戦で撃破。言い忘れてたが、ファイアブリンガーは倒してももう一回復活する仕様。こんな奴ほっといてみんなどっか飲みに行こうよって言いたくなる。黙って襲ってくる、人様の技でドヤる、倒したと思ったら復活する。裏切りとかじゃなく単純にウゼーから星神に追放された説もあるな、これは。
スタン戦法の外はプロテクトで攻撃役をまとめ、連撃調整という手堅い勝ち筋もあるが、ディーマージュの混乱であえなく崩れる不安が残る。BPが上がりきると全体300ダメージの「マリガンの陰影」を連発する。これは威力は高いが異常付与はないため、HPが高ければ何とか張り合えそうだ。いかに先手をとり、ディーマージュを乗り切るかが肝になると思う。スタンに頼りすぎず、少し織り交ぜるくらいがちょうど良い戦い方なのかもしれない。また、戦闘が進む内にファイアブリンガーの行動順が後退していく傾向が見られた。後に確認した情報(制作者のインタビュー記事なので確定だが)によると、ダメージを与え続けているとそうなるようだ。
続く2回戦。
次のファイアブリンガーは剣技主体&サーバントで自己の影を召還してくる。影を倒しきっても“ぼくは陰キャじゃない”とばかりに呼び出してくるらしい。相変わらず嫌な奴なのだが、今回は初戦のような素早さは無い(剣を持ったくらいで失速するんだね)。
リサーチ目的だったため、相変わらずスタン&スタン。
初戦よりはスタンが決まる印象。必死にサーバントするファイアブリンガーだが次第に諦めて攻撃してくるようになる。ラインが通じないみたいな哀れさだ。
初対戦の時、相性が良さそうと思えたレオナルドをベアトリスと交代。2軍のため装備がイマイチ心もとないが、彼には彼にしか出来ない役割もあり、LP温存の意味も込めている。
スタン&スタンだけでは脳が無い。
新たな戦法を模索しようとしたところ、ブリさん(!)は強撃で怒ってくれることが判明。「おぉ、お前にも感情があったのか」というよりは「ちょっと自分の思い通りにならなければすぐキレる」ゆとり陰キャ説の地盤を強固なものにしていく。怒り+不動剣とかいう引きこもり要素も発露しつつ、レオナルドのかすみ青眼でお仕置きタイム。こんな戦いが出来るならレオナルドの武器をもう一段引き上げておくべきだったか、が、タタラ一番というネーミングもなにやら仕置きに相応しいとも思えた。
そんなこんなで奇跡の完封勝利(相変わらず一度復活する仕様だったが)。
運命の最終戦へーー。
3回戦は宙に浮く岩に乗ったファイアブリンガーとレーヴァンテインだかいう剣2本と対決BGMも最終戦(と思いたい)に相応しいゴージャス感&フュージョン要素も入っていて自分好み。
とりあえずスタンは置いて、オーヴィルをオグニアナと交代。
開幕でファイアブリンガーがクリムゾンフレアを詠唱。3ターン溜めに入る。ヴァッハ神様は1ターンだったのに3ターンもかかるのか、ショボいのう。所詮借りパク技野郎の実力はこんなものか、と思いつつ、あらためてヴァッハ神様を畏怖する。
お供の剣はリザーブ技使いだが、音速剣が決まり(突反応は無いんだろうか)、しかも意外にHPが低いため簡単に潰せる。こちらの連撃要員のために存在してくれるかのようだ。連撃がファイアブリンガーに入ると、こいつも今までに比べHPが低い? クリムゾンフレア発動前に倒しきる。当然復活してくるが、攻撃↓、防御↓、速さ↓のデバフ効果は継続。ダメージを与え続け行動順も低いのでフルボッコ。
倒した!
と思いきやまたまた復活。
が、完全にパターンに入り、もはやイジメに近い(今までの諸行を考えれば当然の報いよ)形で勝利をおさめる。
こんなことなら最後はベアトリスのスウィングアーティストで決めれば良かったと少し後悔。誰かが動画でやってくれるよね。
初めこそ全く勝ち筋が見いだせない、サガらしいラストバトルだと思ったが、先に進むにつれ楽になった印象。シナリオの進め方によりラスボスの強化もあるので、その影響かとは思うのだが、1回戦、2回戦で両者疲弊した中での戦いという演出なのかもしれない。
そして物語は感動のエンディングに。
とか言いながら割とあっさり目なエンディング。
ウルピナが「念願のスカーレット グレイスを手に入れたぞ!」と喜びつつ、「大丈夫。これは誰の影響でもない、私自身の意志」とぜんぜん信用できない言葉を放ちつつ、ユラニウス2世(を産んだのかウルピナ自身がなったのか判然としておらずすみません)が帝国を再興しつつ、周辺との戦乱は絶えませんでしたよ、というエンド。
やはり兄を助けなかったのと緋の欠片を壊さなかったのが影響したのか。
兄謀殺はウルピナが将軍継承のためには必然だったのだが……。
以降はスタッフロールと共に、良く使っていた仲間の戦闘参加回数、技とキャラクターのその後が簡単に述べられていく。
私の使用感も含めて、簡単にまとめる。
ベアトリス
初期メンバーの中で唯一スタメンに残存した(もちろんウルピナ除く)。
棍棒使いは地味ながら堅実な働きが見込まれるタイプ。ブロックを基本としつつ、ヒートビートで攻撃上げ、骨砕きで攻撃下げ、打タラプトで低確率ながらマヒ効果を期待できる。斬タラプトである狂い咲きの「久しぶりに……キレちまったよ……」や武器固有のスウィングアーティストは生真面目な奴がはっちゃけると凄いという個性を出してくれた。
その後も兵として活躍。戦場でバットを持って練り歩く女がいると語り継がれたことであろう。
ティシサック
中盤参戦ながら、オリジナリティ溢れる髪型、素早くタフさもあるという厳しい環境で育ってきたことを伺わせる高ステータス、自身を“わし”と呼ぶ強烈さに惹かれスタメン入り。エセ動物愛護家には一生たどり着けない生死観を持っているのもいいね。
いまいち運用のわからない槍の有用性を教えてくれた人でもある。
別れの餞別にゲイボルグを持たせたかったが、材料が手に入らず断念。
新たな獲物を求めて(彼女にとってファイアブリンガーも一匹の獲物に過ぎない。やはり無類のカッコ良さを持つ)旅立った。彼女なら一人でも獲物をしとめてゲイボルグにしてくれることだろう。
オグニアナ
グルモンの王位継承者でありながら、それを嫌い、世界が見たいと言ってついて来た、物語的には準レギュラーと言ってもいいキャラ。
レオナルドで仲間にしたバルマンテの斧がミス連発だったことを考えると、彼女の技は素晴らしい。ステータスとロールによるものと後々気づいたが、中盤、特にヴァッハ神戦でなくてならない存在であった。
この人はウルピナのもとにとどまったんだっけ。忘れてしまった。キャラ的に故郷には帰らなそうだが……ビジュアル的に小柳ルミ子を彷彿とさせるものがあった。
エリセド
ウルピナの兄アントニウスの婚約者である、魔将軍の娘。
召雷という壊れ性能魔法でウルピナと共に数多の敵を葬り去って来たが、暴発して敵の連撃を招くこともあったお茶目な(いい迷惑だ)人であった。新たな魔法の覚え方はややクセがあるので、いろいろ試して学習すると良い。
魔将軍の家に戻ったが、晩年はちょっとおかしなことになってしまったようだ。ウルピナが婚約者を謀殺した事実に気づいてしまったのだろうか。
ヤマト
初期メンバーでベアトリスと共に盾役を勤めて来たが、ティシサックやレオナルドの台頭により2軍に追いやられた。行動力が無いためいつも端っこにいる印象。ロールだけで敵を引きつけてくれるので、何をするでもなく死んでいく肉壁。不遇の扱いを受けながらも最後までウルピナの下、戦い、戦死したらしい。ヤマトらしい最期である。合唱。
レオナルド
主人公らしい性能の高さながら、ヤクサルトに行けば仲間になってくれる気の優しい兄ちゃん。あれだけの激戦をくぐり抜けながら地元に戻って農家を続けるという剛胆というか器がデカ過ぎというか。
地元の領主の娘と結婚したらしいが、それはまた別のお話。
ネエ
ユラニウス家が統治しているであろう、ルーグ村の姉ちゃん。本名なのかそっちの意味かは誰もが勘ぐるところ。百合キャラめいた仲間のなり方だが、意外にステータスが高い。オグニアナの下位互換として用いていたが、その後を見ると、ウルピナの下、ふつうに兵隊として働いていたり、実は影武者説が流布されていたりと、ここに至って謎の個性を見せつけてくれるキャラクターでもある。そうなると本名がネエであることも疑わしく、深入りすると消される可能性もあるので、ここらで止めておこう。
オーヴィル
2軍の中でも意外な活躍を見せてくれた殊勲賞モノの鳥人(とりじん)。
村に入る旅にひとり鳥人間コンテストを開催しては墜落しモンスターに襲われる迷惑キャラで“あ~、もう死んどけよ”と酷いことを毎度思わせてくれたのだが、ラストバトルのスタン祭りでまさに第三の男として参戦し、決勝戦までつないでくれた。実はティシサックと同じ、初期行動順アップのロール持ちと今更確認。北のティシサック、南のオーヴィルとして(図らずも)語り継がれる伝説として構成出来たのは我ながら良いプレイであった。その後はイカロスよろしく鳥人(とりじん)としての活動に励んでいたそうだが、周囲には“あ~、もう死んどけよ”と思われていたようで飛行文化は発達しなかったことになっている。新たな世界を発見し再び伝説を作り上げる可能性があっただけに、私のような君は最初から出来る男だと思っていたよ的な理解者に恵まれなかったことが悔やまれる。
ネッサ
初期メンバーらしいのだが全く使っていない印象しかなく何故ランキングしたのか謎。
ソロンやツィゴールもそうだが、システム上、初期メンバーは十二神将(キャラのその後は戦闘参加率上位12名で選抜される)に入りやすい。いずれも軍に残って活躍しましたみたいな話なのだが、彼女だけは何故かウルピナの下を離れ、帝国と対立するエルワカン側へ寝返った。戦闘回数が少ないとそうなるのか? エルワカンでは火山を爆発させ国力を削いでおいたので勝ち筋が見いだせないことは承知しているハズなのだが。
モンド
ウルピナのパートナー。ツッコミ兼ボケ役。
槍を持たせてもあまり使えないので外してしまったが、北方では氷の壁を砕くため冥魔にされてしまうというトンデモ展開が用意されている。帰還時には悪魔の力でも手に入れたのか、軒並み適正武器レベルが上昇しているのだが、同時期に北方の勇、ティシサックが専用トロフィーを引っ提げての電撃加入するためヤッパリ使われない不遇の人。
まじめ一辺倒と思いきや丁半賭博で名を馳せた過去があったり、ツチノコを追い求めていたり、大事なものが蜂蜜だったりとかなりの変人であった。
その後は豹変したウルピナにドン引きしたのか引退を表明。
各地敵情視察という名目を(一応は)持ちながら、今一度ツチノコを探し求めているのであろう。
ウルピナ
今回の主人公。
線の細そうな見た目に似合わず、数少ない二刀流を体得するというチート振り。物語の展開もわかりやすく、まさに初心者向けのキャラ。
長剣はリザーブ解除や属性技、バンプなど有用な技が揃っている。火力不足の面はあるのだが、二刀流はその弱点を補う以上の異常な性能。陣形と組み合わせたランク2の二刀十字斬はコスト1で300~400は削れる。二刀烈風剣はさらに倍々。
物語では兄アントニウスを謀殺し、スカーレット グレイス奪取の際に邪魔になりそうなサーシャの正体を看破しこれも抹殺。帝国再建の邪魔となりそうなエルワカンを火山爆発であらかじめ国力を削ぐことに成功。ダム決壊させ盾将軍イレーヌに責務を負わし、将軍職を降ろす、魔将軍エリセドにアントニウス謀殺の流言を吹聴させ神経衰弱へ陥らせた。
可愛い顔をして恐ろしい野望を胸の内に抱き、着々と実行していくキャラクターであった。
現在は周回引継でタリア編を進めている。
引継要素の恩恵が今のところ少なく、若干序盤の立ち上がりが億劫なのだが、4人揃っている(?!)画面も見たいしなぁーというところであります。
久々の長々としたブログ記事、ご精読ありがとうございます。
それでは皆さん、良いお年を!