ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

交錯する思い

2016年02月14日 | 生と死と
4年前、その方と出会った。
通所施設でのお出会いでした。

ベッド上生活が主の方でしたが、
意志も伝えられ、「嫌なことは嫌」とはっきり伝えられる方でした。

それが徐々に入退院を繰り返し、その都度少しずつ身体機能も低下し、
元気も少しずつ無くなっていかれました。

そんな時に訪問リハのご依頼も頂きました。
ポジショニングと関節拘縮が家族さんが感じられ、それに対応するものでした。

それでなんとか身体機能が維持できていましたが、
大きく体調を崩され、長いこと入院されていました。

スタッフと「だいぶ長いこと入院しているけど、大丈夫かね~」なんて噂していました。

そんなある日、ご家族様から
「看取りで自宅に帰ってきたので、引き続き訪問リハをお願いしたい。家で看取りたいと思っている」
とお伝えいただきました。

そして、1ヶ月半、訪問リハの中でかかわりながらお見送りいたしました。
身体状況によっては難しい判断をする時もありましたが、
私なりにかかわらせていただきました。

思いに応えることができた!という思いと、
寂しくなってしまった想いと交錯しています。

哀悼の念ととともに・・・

いざ我が身になると(^_^;)

2016年02月10日 | 日記・雑感
実は去年末より義父が脳卒中を患い、
入院・リハビリテーションを受けている^^;

家族よりめまい吐き気で倒れた、と聞いた時は、
仕事先で「脳卒中じゃないか?」と伝えて返信した。

結局数時間そのままで、かかりつけ医に往診に来てもらい、
救急車に乗って救急病院へ出たのが夕方であった。

自分の病気ならいざ知らず、家人の病気はスケジュールを選ばない、
これはのちに思い知ることになる(苦笑)

幸い脳卒中としてはごく軽い麻痺だけで意識レベルの低下もなく、嚥下障害もなく、
ただ、めまいが後遺症として残った。

で、思い知ることになったのが【病状説明にお越しください】。
【できれば今週中に(できるだけ早く)】この2つの魔法の言葉(^_^;)

こっちのスケジュールはお構いなしにやってくる。

カミさんも働き、オイラはデイサービス・訪問・介護予防教室、3つの兼務で、
これがまた調整がそんな簡単でなく(^_^;)

もうムリヤリ調整をするほかなく(^_^;)

このムリヤリ勤務調整を救急病院・回復期・退院前訪問指導(兼 担当者会議)と3回。
これ、オイラも利用者さんや家族に言っていた・実行していたんだなあ~としみじみ反省(^_^;)

ま、何事も経験してみないとわからない、かもしれないが、
もうちっと余裕を持って言ってくれないかなあ~・・・> 病院勤務の方(^^ゞ

で、こちらがやっと調整できたら、
【その日は担当がいませんので別の日に】
というコンボは最悪でした(爆)

今年の予定

2016年02月07日 | 日記・雑感
ブログを書こうと言う気はあるけど、
ついつい自分の日常を優先してしまう。

というのも、放送大学に通い始めて、
どうしてもそちらを優先してしまう自分がいる。

今は後期の授業とテストが終わり、一息ついている。
こんなにも講義と単位認定試験・試験勉強をしなくても良い日が穏やかだとは思わなかった(笑)

さて、今年も上半期で2つの講演依頼をいただいている。
ありがたいことです。

とはいえ、大学のスケジュールを中心に置きながら、
スケジュールを調整していきたいと思っておりますので、
どうぞよろしくお願いしますm(__)m

近年は地域包括ケアシステム、認知症ケア・リハビリテーション、
訪問リハビリテーション、終末期ケア・リハビリテーションについてご依頼をいただくことが多くなった。

今年はこれらについて、ブログでも少しずつ書いていければいいな・・・、
なんて思っておりますので、
余り期待せず気長に更新をお待ちください(笑)

あ、隔月刊誌「訪問リハビリテーション」の今年12月号に私も執筆いたしますので、
テーマを「利用者・家族様のデマンドをどう引き出すか?」として書きます(^^ゞ

これは、今年6月12日に広島で、
「地域包括ケアシステム直前!~セラピストの役割と訪問リハビリテーション~」としまして、
お話させていただく内容に盛り込む予定です(^^)/

前半の地域包括ケアシステムの話の中で、認知症ケア・リハビリテーションについても話させていただく予定にしております!
たくさんの方とお会いできますことを楽しみにしております(*^_^*)

目標設定っていうけれど 10:いろんな要因

2014年10月16日 | リハビリテーションの話
目標シリーズもいよいよ最終回。

リハビリテーションの目標って結局在宅生活の継続だったり、
現在お住まいの場でできるだけ継続した生活だったりしますよね。

でも、そんなことは分かっているわけです。
しかし、退院されますか?施設入所されますか?なんてことないですか?^^;

目標を在宅復帰としたにも関わらず、
退院前に施設入所されますか?申込されますか?
なんて方針になってしまうのか?

それは情報収集が足りないからともいえるでしょう。
一戸建てなのか、賃貸なのか、アパートなのか、マンションなのか、何階にお住まいなのか?

そして、その住居はどこにあるのでしょう?
街中?ちょっと外れ?近隣さんとの関係は?

お部屋は和室?洋室?ベッド?畳?玄関からのアプローチは?
台所、トイレ、お風呂のアプローチは?
外出への動線は?

廊下の広さは?手すりの形状と位置は?段差は?
屋内移動方法は?外出時の移動方法や行きつけの場所や行きたい場所は?
買い物はどうする?ゴミ捨ては?自治会の参加は?行事は?
近所のスーパーやコンビニは?郵便局、銀行、坂や段差、距離・・・
家族関係は?家族力は?

なんてのがハードの部分(^^ゞ
まずこれは最低限押さえておきたいポイントです。

でも、このハードの部分だって、セラピストってあんまり押さえていないんじゃないかな・・・、
なんて思うこともあったりして(^^ゞ

そして、次、ソフトの部分。
ここはもっと軽視される部分^^;

これこそが在宅ケアで最もやりがいがある部分。
ようするに「決めごと・ルール」です。

例えば、家族がそれぞれ仕事や学校に出かけるとき、
誰がカギを締めることになってますか?
そして、そのカギはどうしておくことがルールですか?

家から帰ったら、どうすることがルールですか?
手を洗う?うがいする?靴の揃え方は?
脱いだ靴下はどこへ?

食事は誰が用意することになっていますか?
食器はだれがどうやって片づけますか?

洗濯物はだれがいつ行って、たたむのは誰でしょう?
箪笥のどこに誰のもををしまうのでしょう?

布団のシーツ交換は?衣服の衣替えは?
カーペットの敷き替えは?

そこへ家族それぞれの趣味や自治会・ご近所さんとのかかわり、
これだって決めごと・ルールがあるはずです(^^ゞ

ハードの部分はある程度マニュアル的なもので何とかなりますが、
このルールをどこまで我々が気づくことができるか、
なんていうことも在宅復帰・継続のヒントがあるんじゃないかな・・・?
なんて思う今日この頃です!

ということで、目標設定シリーズでした!


目標設定っていうけれど 9:目標設定のポイント

2014年10月15日 | リハビリテーションの話
一気に気温が下がり、秋どころか冬近し!
というところでしょうか・・・^^;


さて、「目標」について、長々と書いてきました。
再設定について前回書きました。

最初のころに、目標設定も患者さん・利用者さんの話を聞いたほうが良いよ、
なんて話をしましたが、実はこれは適宜といったほうが良いかと思います^^;

なんか最近リハメニューがマンネリだな、とか、
変化が見られないな~、なんて思った・感じた時は、
是非他職種の話を聞いたほうが良いと思います(^^ゞ
経験上ですが。

さて、そんな「目標」ではあるのですが、
ある程度のタイプというか、分類というか、あるんじゃないかな~と^^;

もちろん、タイプ別に分類することが主になって、
タイプからはみ出す人を困難事例とすることは断じて避けないといけないと思います^^;

その点を押さえたうえで、タイプ別にちょっと考えてみたい。
あくまで参考です(^^ゞ

1、生活再建型
例)大腿骨頚部骨折、TKR術後 等
⇒このような方の生活を考えた時に、生活上の困難は結構具体的です。
例えば、お風呂が困った、家の中は良いけど、外出が自信ない、等ですね。
とすると、この困難を解決すればミッション終了!なわけです。
ようするに、ここの困難と解決ポイントがはっきりしておけば、
終了となります。

2、メンテナンス型
例)脳卒中片麻痺、安定期の神経難病、脊髄損傷 等
⇒このような病気を抱えてしまった方は、生活困難がある一定期間で変化したりします。
その変化を追っていくと、結局訪問リハを継続することが生活の一部になったりします。
もちろん、ちゃんとアセスメントしたうえで、必要だ!と判断され場合は継続で良いでしょう。

しかしながら、生活を支援する、というスタンスに立てば、
季節変化によって困難が出たのか、身体状況の変化によって困難が出たのか、
そもそもその方が抱えていた困難ってなんだろう?ってなったときには、
しっかりと具体的に「達成目標」あるいは「到達目標」、「生活目標」などを
きちんとアセスメントしておかないとずるずると継続してしまうことになり、
新規の方を受ける余裕がなくなってしまい、その時になって「卒業者探し」が始まったりします^^;

もちろん、いったん終了になっても、また何かあれば、また来ます!
というスタンスが望ましいと思います。

決して見放さないよ!というスタンスを理解していただいていれば、
離れることもまた最接近も可能だと思います!

3、看取り型
⇒進行期の神経難病、末期がんを抱えた方など
人の寿命がある限り、セラピストも避けては通れません。
「寝たきりの方にリハビリテーションの効果はないのですか?セラピストの方から言われたことがあって…」
ととあるケアマネジャーさんから相談を受けたことがあります。

これにセラピストはどう答えますか?

病名や病期にビビってはいけません。
できることは必ずあります。こういう方こそ、家族さんの気持ちを聞きながら、
それに対応していくことが求められます。

できることはたくさんあります。
やるべきこともたくさんあります。

ポジショニング、車椅子の選択、安楽肢位や動作の獲得、痛みへのアプローチ(トータルペインね)、
呼吸苦や浮腫への対応、食事へのアドバイス、清潔や排泄へのアドバイス・・・

いかがでしょうか?
この時期だからこそクローズアップされることもでてきます。

ここにセラピストはどんどんかかわっていかなきゃな・・・なんて思っています。

で、ポイントの中のポイントといいますか、
介護保険分野で働いていると、医療と違い、長いスパンでかかわります。
数年、10年なんてのがひと単位になったりするんです(^^ゞ

最初生活再建型でかかわった方が、いつの間にやらメンテナンス型となり、
そして看取り期へ・・・ということも珍しくありません。

今、目の前の方がどういう時期にあって、どういうかかわりをすべきか、
ということを考えておかなくちゃ、なんて思うのです(^^)

病院だと、再入院されたときにあまりに変化していてびっくりした!
なんてこともあるかもしれませんが、在宅・施設ではゆっくりその時が進むのです。

その変化も感じながら、目標をじっくりその方と考えることができたらいいな・・・、
素敵だな・・・、なんて思っています!

いよいよ次回目標シリーズ最終回(^^ゞ
のはず(笑)