石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(156)

2024-05-18 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第6章:現代イスラームテロの系譜(11

 

156世界を震撼させた911同時多発テロ(3/4)

2001年9月11日朝、ボストン発ロスアンゼルス行きアメリカン航空11便が午前8時14分にハイジャックされた。犯人は操縦桿を握り進路を南に変更、8時46分にニューヨーク・世界貿易センタービルの北棟に突入した。市民たちは最初何が起こったのか理解できず、小型機が操縦を誤って衝突したとばかり思った。ところがアメリカン航空11便の直後に同じ空港から同じ目的地に向かったユナイテッド航空175便が同じようにハイジャックされ、後を追うような形で貿易センタービルの南棟に突入、最初の事件を報道していたテレビニュースがその瞬間の有様を中継したことによりニューヨーク市民だけでなく世界中の人々がライブ映像で目撃することとなった。実に信じがたい光景だったのである。これにより人々は尋常ならざるテロ事件であることを理解した。

 

事件はこれだけではなかった。ワシントン発ロスアンゼルス行きアメリカン航空77便もハイジャックされ、こちらは9時38分、国防総省本部(建物が五角形の星形であることからペンタゴンと通称される)に激突した。さらにニューアーク発サンフランシスコ行きユナイテッド航空93便が9時27分に乗っ取られたが、こちらは貿易センタービルの事件を知った機内の乗客がハイジャックを阻止しようとしワシントンの北西240KMの地点で地上に激突した。時間は午前10時3分。犯人はホワイトハウス或いは国会議事堂への突入を狙っていたものと推測される。4機同時ハイジャックによるテロ事件は死者3千人、負傷者6,300人という史上最大の惨事となったのである。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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今週の各社プレスリリースから(5/12-5/18)

2024-05-18 | 今週のエネルギー関連新聞発表

5/14 経済産業省

「省エネルギー・非化石エネルギー転換技術戦略2024」を策定しました

https://www.meti.go.jp/press/2024/05/20240514004/20240514004.html

 

5/14 ENEOSホールディングス

2024年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)

https://ssl4.eir-parts.net/doc/5020/tdnet/2437986/00.pdf

 

5/14 ENEOSホールディングス

代表取締役の異動に関するお知らせ

https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20240514_01_01_0906370.pdf

 

5/14 ENEOSホールディングス

役員等の人事異動について

https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20240514_01_01_1040009.pdf

 

5/14 ENEOSホールディングス

自己株式の取得状況および取得終了等に関するお知らせ

https://www.hd.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20240515_01_01_1040009.pdf

 

5/14 出光興産

2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

https://ssl4.eir-parts.net/doc/5019/tdnet/2439015/00.pdf

 

5/14 出光興産

業績予想値と決算値との差異に関するお知らせ

https://ssl4.eir-parts.net/doc/5019/tdnet/2439025/00.pdf

 

5/14 出光興産

代表取締役及び役員の異動内定に関するお知らせ

https://ssl4.eir-parts.net/doc/5019/tdnet/2439035/00.pdf

 

5/14 INPEX

2024年12月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

https://www.inpex.co.jp/ir/library/pdf/result/result20240514.pdf

 

5/16 ENEOS

水素動力車両導入のための水素サプライチェーンの構築について

https://www.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20240516_01_01_0906370.pdf

 

5/17 Saudi Aramco

Aramco signs three MoUs during visit of US Secretary of Energy

https://www.aramco.com/en/news-media/news/2024/aramco-signs-three-mous-during-visit-of-us-secretary-of-energy

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中東と石油のニュース(5月17日)

2024-05-17 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

・石油価格、若干上昇。Brent $83.07, WTI $78.94

(中東関連ニュース)

・イスラエル、ガザRafah地区侵攻兵力を増強

・ガザの惨状は1948年のナクバを上回る:パレスチナ人、西岸でデモ

・イスラエル:国防相、ガザ戦後計画でネタニヤフ首相と対立

・米国務長官、イスラエルにガザ戦後統治計画の明確化を要望

・バハレーンでアラブ諸国首脳サミット。ガザ即時停戦を宣言

・米、ガザ地区救援物資荷揚げ用の臨時ふ頭完成、第1船、キプロス出航

・イラク、米兵力の撤退を国連に要請。ロシア、中国は支持

 

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利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (5)

2024-05-17 | 今日のニュース

I. 各社の業績概要(続き)

表1-D-4-22a「2024年1-3月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。

表1-D-4-22b「2024年1-3月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。

表1-D-4-22c「2024年1-3月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。

 

(純利益55億ドル、売上高利益率12%、設備投資36億ドル!)

5. Chevron

プレスリリース:

https://www.chevron.com/newsroom/2024/q2/chevron-reports-q1-2024-results

(1)売上・利益・利益率

 Chevronの2024年1-3月期は売上高466億ドル、利益55億ドルで売上高利益率は11.8%であった。前期(2023年10-12月期)比では、売上高は▲4.8%減、利益は2.5倍であり、また前年同期(2023年1-3月期)比では売上高は▲4.6%、利益は▲16.3%減である。売上高利益率は今期11.8%、前年同期13.5%であり、10%を超える安定した利益率を誇っている。

 

(2)キャッシュフロー

 今期の営業キャッシュフローは68億ドル、投資キャッシュフローは▲40億ドルであり、フリーキャッシュフローは27億ドルであった。また財務キャッシュフローは▲49億ドルであった。なお同社決算資料では3月末キャッシュフロー残高は示されていない。

 今期の設備投資額は41億ドルである。

 

(3)原油・天然ガス生産量

 Chevronの1-3月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油197万B/D、天然ガス83億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は335万B/Dである。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(155)

2024-05-16 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第6章:現代イスラームテロの系譜(10

 

155世界を震撼させた911同時多発テロ(2/4)

これらのテロ事件の犯人たちはいずれもムスリム(イスラーム教徒)であるが、首謀した組織や事件の背景により大きく三つに分けることができる。一つは狂信的なイスラーム主義者による単独犯的な異教徒襲撃事件であり、ルクソール事件がそれに相当する。もう一つはイスラーム反政府組織による中央政府に対する抵抗運動であり、中央アジアのイスラーム系組織によるモスクワ・テロ事件がこれである。この二つのテロはいずれも国内犯による国内事件である。

 

これに対してニューヨーク或いはケニア、タンザニアの爆弾テロは、オサマ・ビンラーデン率いるイスラム原理主義組織「アル・カイダ」が米国を標的として世界に展開したテロ活動であった。そのアル・カイダが本格的に牙を剥き21世紀初頭に引き起こしたのが「911同時多発テロ」であった。誰一人知らぬ者がないほど有名な事件であるが、ここでそのあらましを追ってみよう。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (4)

2024-05-16 | 今日のニュース

I. 各社の業績概要(続き)

表1-D-4-22a「2024年1-3月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。

表1-D-4-22b「2024年1-3月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。

表1-D-4-22c「2024年1-3月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。

 

(売上高利益率10%、キャッシュフロー期末残高256億ドル!)

4. TotalEnergies

プレスリリース:

https://totalenergies.com/news/press-releases/first-quarter-2024-results

 

(1)売上・利益・利益率

 TotalEnergiesの2024年1-3月期は売上高563億ドル、利益57億ドルで売上高利益率は10.2%であった。前期(2023年10-12月期)と比較すると、売上高は▲5.0%減であるが、利益は13.0%の増益であった。また前年同期(2023年1-3月期)比では売上高▲10.1%減、利益3.0%増となっている。

 

(2)キャッシュフロー及び設備投資

 今期の営業キャッシュフローは22億ドル、投資キャッシュフローは▲35億ドルであり、財務キャッシュフローは▲2億ドルであった。この結果、3月末のキャシュフロー残高は256億ドルとなっている。

 TotalEnergiesの1-3月期設備投資は36億ドルであった。

 

(3)原油・天然ガス生産量

 TotalEnergiesの1-3月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油148万B/D、天然ガス52億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は246万B/Dである。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (3)

2024-05-15 | 海外・国内石油企業の業績

I. 各社の業績概要(続き)

表1-D-4-22a「2024年1-3月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。

表1-D-4-22b「2024年1-3月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。

表1-D-4-22c「2024年1-3月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。

 

(純利益23億ドル、売上高利益率4.5%、原油・ガス合計生産量146万B/D!)

3. bp

プレスリリース:

https://www.bp.com/en/global/corporate/news-and-insights/press-releases/first-quarter-2024-results.html

 

(1)売上・利益・利益率

 bpの2024年1-3月期は売上高500億ドル、利益は23億ドルである。売上高利益率は4.5%であり、他社が10%前後であるのに比べかなり低い水準にとどまっている(後述)。売上高は前期(2022年10-12月期)比で▲5%、前年同期(2023年1-3月期)比では▲12.3%の減収であった。また利益は前期比は大幅な増益である。

 

(2)キャッシュフロー及び設備投資

 今期の営業キャッシュフローは50億ドル、投資キャッシュフローは▲38億ドルであり、また財務キャッシュフローは▲24億ドルであった。この結果、3月末のキャッシュフロー残高は315億ドルとなっている。

 bpの1-3月期設備投資は43億ドルであった。

 

(3)原油・天然ガス生産量

 bpの1-3月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油106万B/D、天然ガス24億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は146万B/DにとどまりExxonMobil (378万B/D)の4割弱である。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

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中東と石油のニュース(5月15日)

2024-05-15 | 今日のニュース

(石油関連ニュース)

原油/天然ガス価格チャート:https://tradingeconomics.com/commodity/brent-crude-oil

・原油価格;Brent $83.40, WTI $79.17

・OPEC月報石油需要増見通し維持。今年225万B/D、来年185万B/D

(中東関連ニュース)

・イスラエル戦車、Rafah深部に侵攻。ガザ北部でも掃討継続

・ギリシャ首相、トルコ訪問。両国関係に解決できない問題は無い、と言明

・オマーン国王、クウェイト訪問。首長と地域情勢の意見交換

・カタール国営ファンドQIA、仏半導体企業に3億ユーロ出資

 

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利益は前年同期比減、前期比増:2024年1-3月期五大国際石油企業決算速報 (2)

2024-05-14 | 海外・国内石油企業の業績

I. 各社の業績概要(続き)

表1-D-4-22a「2024年1-3月期国際石油企業の業績(売上、損益)」参照。

表1-D-4-22b「2024年1-3月期国際石油企業の業績(キャッシュフロー、設備投資)」参照。

表1-D-4-22c「2024年1-3月期国際石油企業の業績(原油・天然ガス生産量)」参照。

 

(売上725億ドル、利益74億ドル、キャッシュフロー期末残高399億ドル!)

2. Shell

プレスリリース:

https://www.shell.com/news-and-insights/newsroom/news-and-media-releases/2024/first-quarter-2024-results-announcement.html

(1)売上・利益・利益率

 Shellの2024年1-3月期は売上高725億ドル、利益74億ドルで売上高利益率は10.2%であった。前期(2023年10-12月期)との比較では、売上高は▲7.9%減、利益は大幅増であり、また前年同期(2023年1-3月期)比では売上高は▲17%減、利益は▲16%減である。

 

(2)キャッシュフロー及び設備投資

 今期の営業キャッシュフローは133億ドル、投資キャッシュフローは▲35億ドルであり、フリーキャッシュフローは98億ドルであった。また財務キャッシュフローは▲82億ドルであり、この結果、3月末のキャッシュフロー残高は399億ドルとなった。

 Shellの1-3月期設備投資は40億ドルであった。

 

(3)原油・天然ガス生産量

 Shellの1-3月期原油・天然ガスの生産量は、日量平均で原油133万B/D、天然ガス31億立法フィート(cfd)であった。天然ガスを原油に換算した原油・天然ガス合計生産量は187万B/Dである。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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見果てぬ平和 ― 中東の戦後75年(154)

2024-05-14 | 中東諸国の動向

(英語版)

(アラビア語版)

 

(目次)

 

第6章:現代イスラームテロの系譜(9

 

154世界を震撼させた911同時多発テロ(1/4)

 

21世紀は「911同時多発テロ」で幕を開けた。20世紀末の最後の10年間にもイスラームテロが多発したが、911テロはその規模の大きさと言い、世界に与えた影響と言い比較にならないものであった。

 

20世紀末の主なテロを列挙すると1992年のイエメン・アデンのホテルの爆弾事件でオーストリア人観光客2名が死亡、翌93年にはニューヨークの世界貿易センタービルで8人が死亡、1,000人以上が負傷する爆破事件が発生している。さらにエジプトのルクソールで観光客に対するテロ事件(1998年)、ケニアとタンザニアでの米国大使館同時爆破テロ(1998年)、さらに1999年9月にはモスクワで2件のテロ事件により200人以上の死者が発生している。

 

(続く)

 

 

荒葉 一也

E-mail: Arehakazuya1@gmail.com

 

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