リアス式読書日記(仮)

本好きのマヨネぽん酢が、読んだ本の感想をのらりくらりと書きます。よろしく!

文庫版『どーなつ』を買う

2005年09月18日 | Weblog
ふと気付くと、最近ぜんぜんブログを更新していなかった。
そろそろ更新しないと生死を疑われるかもしれない。

と、いうわけで、ちゃんと生きていることをアピールするために更新しましょう。

今日は某IT関連の資格の問題集を買うために、近所のツタヤに行きました。ついでに文庫本のコーナーをぶらぶらと歩き回っていると、北野勇作の『どーなつ』を発見。
そういえば文庫になったんだよなぁ、なんて思いつつ何気なく手に取ってみると、西島大介氏によるカバーイラストが目に飛び込んできたわけです。

あまりのかわいさについ買ってしまいましたよ。そういえば、単行本のほうでもカバーイラストは西島大介氏でしたが、文庫版のデザインのほうが私は好きです。買い急がなくてよかった。

(ちなみに、この記事の画像は勝手にアマゾンさんから拝借してきたものです。アフィリエイトとかやってないのに、勝手に画像ぱくってよいのか分かりませんけど。)

北野勇作は『ザリガニマン』も読み終わったので、あとは『昔、火星のあった場所』を読めばだいたいぜんぶ読んだことになるかな。
そういえば、Jコレクションから新しい本が出るんだっけ? 最近「本の雑誌」読んでないから、新刊情報に乗り遅れてるんですよね……。
いまイーガンの『万物理論』を読んでいるので、それが終わったら読んでみようかな。

Book Baton

2005年07月29日 | Weblog
なんと!
くろにゃんこさんからBook Batonを回していただきました。
最近あんまり本を読んでいない、というか「R25」くらいしか活字を読んでいない私ですが、ここはひとつ頑張って書いてみたいと思います。

いま読んでいる本
『ザリガニマン』北野勇作
この本、表紙のイラストがインパクトありすぎ!
まさにザリガニマンとしか言いようがありません。
内容は北野ファンにはおなじみの、ノスタルジックでどことなく切ないものがたりです。

最後に買った本
『万物理論』グレッグ・イーガン
とうとう買ってしまいました。しかも、あえて新刊で。
それにしても……。文庫本で1200円ってどうなんですか、イーガンさん!

よく読む作家、または思い入れのある作家 5人まで
1.スタニスワフ・レム
2.飛浩隆
3.グレッグ・イーガン
4.北野勇作
5.ミルチャ・エリアーデ

エリアーデについては、よく読むというよりこれから読みたい作家です。『エリアーデ幻想小説全集』という本がのどから手が出るほどほしいのですが、図書館にないので読めないのですよ。
他にも、読みたくても事情があって読めない作家には、山尾悠子やサミュエル・R・ディレイニーがいます。

よく読む、または思い入れのある本 5冊まで
『グラン・ヴァカンス』飛浩隆
私が偏愛してやまない小説。
3部作の1作目ですが、これで終わりにしてもいいくらい完成度が高いです。
『虚数』スタニスワフ・レム
レムの天才ぶりがよく分かる作品。
これを読むと、しばらく他の本のことはどうでもよくなります。
『利己的な遺伝子』リチャード・ドーキンス
素晴らしい科学書です。
いや、科学書以前に「本」として完璧です。
高度に数学的な内容であるにもかかわらず、それを説明するのに著者は一切数式を使いません。こういう人のことを天才というんでしょう。
『月に歌うクジラ』ダイアン・アッカーマン
何気なく図書館で手に取って、何気なく借りて読んでみたら、ものすごく面白かった本。
コウモリ、ワニ、クジラ、ペンギン。生き物と自然の驚異を詩的な文体で見事に描き出した、素晴らしいノンフィクションです。
『錬金術師の魔砲』J・グレゴリイ・キイズ
歴史改変もののファンタジイ。
この小説では、科学がやや錬金術方向に傾いています。
私はこの作品の世界観がなかなか好きなのですが、あまり話題にならなかったんですよね、この本。なので、続編が翻訳されるかどうか心配です。

Book Batonを渡す人
とりあえず、指名権は辞退します。
でも、どなたかバトンを拾ってくれる方がいらっしゃったら大歓迎です。

『クラゲの海に浮かぶ舟』北野勇作

2005年07月05日 | SF(国内)
■詳細
出版社:徳間デュアル文庫
発行年月:2001年9月
価格:620円
ジャンル:SF

■感想
北野勇作の傾向がだいたい読めてきたぞ。

その1、主人公の記憶があいまい。
その2、バイオテクノロジーの産物で、妙な生き物とか機械とかが出てくる。
その3、夢で見たような不条理な情景の連続。
その4、それでいて不思議な懐かしさと、切なさがある。

この『クラゲの海に浮かぶ舟』も、そんな北野勇作の不思議な味をそなえた長編小説。
あいまいな記憶の断片が徐々につながっていくような感覚などは、ハヤカワJコレクションで出た『どーなつ』によく似ている。どちらかといえば、『クラゲの海に浮かぶ舟』の方が分かりやすいかもしれないけど、両方とも面白い作品だと思う。

この作品の一番の読み所は、〈ぼく〉、〈君〉、〈機一郎〉という3人の登場人物の関係。
途中までつながりがよく分からなかったり、途中で誰が誰だか分からなくなったりしてとても楽しかった。

それにしても、北野勇作は何を読んでも面白い。
もはや北野勇作なしでは生きられないかも。

■満足度
(7)

6月に観た映画

2005年07月04日 | 映画
こっそり映画というカテゴリーをつくりました。
そんなわけで、goo映画にリンクを張りつつ、一口感想を書いてみますか。

『レナードの朝』
オリヴァー・サックスの『火星の人類学者』という本が素晴らしかったので、サックス原作の映画『レナードの朝』も観てみました。
いやもう、なんたってロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズですよ!
30年ぶりに昏睡状態から目覚めたレナードを演じるデ・ニーロと、彼を懸命に救おうとするロビン・ウィリアムズが素晴らしい!
レナードが長い眠りから覚めた夜、医師とテーブルで向かい合い、力強い笑みを交し合うシーンが印象的でした。

『フィラデルフィア』
『レナードの朝』に続いて、闘病ものを観てみました。
エイズを理由に不当に解雇された弁護士(トム・ハンクス)が、弁護士事務所を相手に法廷でたたかう話です。
この映画ではトム・ハンクスのボーイフレンド役にアントニオ・バンデラスが出てきます。なかなか似合いのカップルでした。
この映画は差別や偏見という社会的なテーマをあつかった真面目な映画ですが、音楽や映像も素晴らしく、なおかつキャストも素晴らしいので、真面目な映画が嫌いな人にもぜひ観てほしい作品です。

『クジラの島の少女』
ニージーランドの映画です。
マオリ族の少女が主人公です。彼女は族長の孫娘なのですが、女の子なのであととりにはなれません。
彼女の父親はドイツに出稼ぎです。たまにしか帰ってこないのであととりにはなれません。こまった世の中です。
そんなわけで、族長は村の男の子たちをあつめて、族長候補を探そうとします。ところが、どいつもこいつも根性のない子供たちばかりで、族長としては不適格なのでした……。
この映画は、ニュージーランドの自然の美しさや、マオリ族の伝統に触れられる素晴らしい映画でした。
しかも、主役のケイシャ・キャッスル・ヒューズがすごく可愛い! それだけで、他はもうどうでもよくなる感じです。

『ニキータ』
リュック・ベッソン監督の『ニキータ』です。
リュック・ベッソンファンなのですが、この作品をみのがしていたのでこの機会に観てました。
……いや、アクションシーンは素晴らしいのですが、ストーリーに無理がありすぎだと思うのは私だけなのかな?。
そう簡単に犯罪者を刑務所から出しちゃって、スパイに仕立て上げちゃったりしていいのかなあ? まあ、いいんだろうなあ。リュック・ベッソンはストーリーよりも映像ってことですね。

『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』
いまさら『攻殻機動隊』をみました。
いやいや、近年観た映画のなかで、一番面白かった部類に入ると思います。
映像の素晴らしさはいうまでもなく、SFファンとしてもなかなか興味深い映画でした。「ゴースト」というのがどんなものなのか映画では具体的には説明されないのですが(アニメ版や、漫画版では説明されているのかな)、それはそれでいいです。
というか、それでこそ!という感じです。説明過剰の作品よりも、解釈の余地を残した作品のほうがやっぱり好きですね。

――ううん、ほかにもなにか6月中に観たような気がするのだけど、まあいいや。

『恐竜物語』レイ・ブラッドベリ

2005年06月26日 | 幻想文学・ファンタジイ
■詳細
出版社:新潮文庫
原題:Dinosaur Tales
訳者:伊藤典夫
イラスト:ケネス・スミス/デイヴィッド・ウィースナー/
 ウィリアム・スタウト/オーヴァトン・ロイド/ステランコ/
 ゲイアン・ウィルスン/メビウス
発行年月:1984年12月
価格:462円
ジャンル:SF/幻想文学

■収録作品
「恐竜のほかに、大きくなったら何になりたい?」
「いかづちの音」
「見よ、気のいい、気まぐれな恐竜たちを」
「霧笛」
「もしもわたしが、恐竜は死んではいない、と言ったとしたら」
「ティラノサウルス・レックス」

■感想
ブラッドベリの作品に、一流アーティストの挿し絵を織り交ぜたお得な文庫本。
作品はどれも恐竜をテーマにしたもので、短編が四編、詩が二編収録されている。
裏表紙のあらすじには「愛蔵版恐竜SFコレクション」とか書いてあるけれど、SFというよりも幻想文学といったほうがしっくりくる内容なんじゃないかと思う。
いずれにしろ、ジャンルにとらわれないブラッドベリの短編集なのだ。
ノスタルジーがあり、優しさがあり、詩的なリズムがある。ブラッドベリの小説はそれだけで素晴らしい。

「恐竜のほかに、大きくなったら何になりたい?」
恐竜にあこがれる少年の話。こういう少年時代のノスタルジーを書かせたら、ブラッドベリは超一流。

「いかづちの音」
これはタイムトラベルもののSF。タイムマシンで恐竜を撃ちに行く。でも、過去への干渉を避けるためにいろいろと小細工を……、という話。「これがほんとの〈バタフライ効果〉か!」と思わず叫んでしまうラストだった。

「霧笛」
恐竜が灯台に恋をした!……という話。
この作品はなんといっても〈音〉の描写が素晴らしい。こういうのは、小説というジャンルでしかできない表現だろう。

■満足度
(5)