超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

生きている人と死んでいる人を写真で見分ける

2016-08-26 | 論文ガイド2
<PA2014(4)>

●デローム、ピアース、ミッチェル&ラディン
「生きている人と死んでいる人を写真で見分ける」
(ノエティク・サイエンス研究所)

霊媒研究の一環として、生きている人と死んでいる人を写真で
見分けられるかの実験研究を行った。生きている人の写真100枚
と死んでいる人の生前の写真100枚を用意して、インターネット
から募った100人に判定をしてもらった。その結果、50.9%の
正答が得られ、偶然では150分の1しか起きない有意なデータと
なった。

※ 病気で死んでいる人は、写真を撮られたときに病気に罹患
している可能性があり、顔色が悪かったなどの手掛かりがある
のではないかと疑われるが、その説明はない。


電気的ポルターガイスト現象の利用

2016-08-20 | 論文ガイド2
<PA2014(3)>

●ジョン・クルース
「電気的ポルターガイスト現象の利用」
(ライン研究センター)

ポルターガイスト現象に伴い、電気機器にノイズが入ることが
確認されていることから、これを利用する方法を提案する。

ポルターガイストにはその現象を引き起こす中核人物がおり、
その人物の心理状況や社会状況を改善することで、解決に向かう
ことが知られている。電気機器のノイズをその問題の大きさと
とらえ、中核人物が意識集中や弛緩、マインドフルネス瞑想など
を行うことによって、そのノイズが減ることを目指す。それに
よって、じょじょにポルターガイスト現象の解消を図れるのでは
ないだろうか。

※ポルターガイスト
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/7-4.htm


念力とされる効果への気分の影響

2016-08-15 | 論文ガイド2
<PA2014(2)>

●ブラック&カーペンター
「念力とされる効果への気分の影響」
(ライン研究センター)

肯定的な気分の状態が、PK(念力)実験の得点上昇に貢献すると、
かねてより考えられてきた。しかし自発的に起きるPKは、必ずしも
肯定的な気分状態だけではない(例:ポルターガイスト)。

そこで、ビンの中の回転翼を動かすPKと、その日の気分(PANAS
で評定)との関係を、研究者自身で長期間にわたり調べた。

最初の4か月は何も変化はなかったが、その後じょじょに回転する
ようになってきた。その間、肯定的気分状態では効果は高く、否定的
気分状態では効果は低い傾向があった。だが、否定的気分状態でも
いったん回転しだすと、その気分がPKの妨げになることはない
ようであった。

※ポルターガイスト
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/7-4.htm



バイオPKの事前事後効果

2016-08-13 | 論文ガイド2
<PA2014(1)>

※2014年のPA(超心理学協会)の年次国際大会は、
 アメリカのカリフォルニア州で8/14-17に開催された。
 議長はディーン・ラディンで、30件の発表があった。

●小久保&清水
「バイオPKの事前事後効果」
(IRI/明治大学)

2006年よりこれまで、キュウリを生体センサーにしてバイオPKを
定量的に測定してきた。それにより、ヒーラーが30分手かざしすると
キュウリからの生体発光(バイオフォトン)が対照群に比べて5時間
にわたって増加する、その発光には青臭さを出す生合成過程が関与
していることが判明した。そこで、その臭いに関連する気体を検出する
方法で、簡便にバイオPKを多点測定できることを発見し、PKの空間
分布を、世界で初めて割り出した。

今回は、5人のヒーラーの協力を得て、各自、対象となるキュウリに
対して2回の手かざしを行ってもらった。また、手かざし実験の前と
後に、別のキュウリに対して、手かざしのないダミー実験を行った。

その結果、ダミー実験のほうに有意な効果が得られた。時間を超えた
手かざし効果が得られたのではないかと考えられる。


乱数発生器データのウェーブレット解析

2015-08-25 | 論文ガイド2
<PA2013(26)>

●清水、小久保&石川
「乱数発生器データのウェーブレット解析」
(明治大学)

これまで乱数発生器のデータ解析では、1秒間のカイ自乗値を
使った偏り分析がなされていた。この1秒を単位にするという
のは、単なる経験則で特段の理由もなかった。そこで、この
単位幅を階層的に変えたデータを一体化して分析できる方法を
編み出した。具体的には、ハール・ウェーブレット使って
分析する方法である。試験的な分析では、1秒の単位幅は、
その他の単位幅に比べて、偏りの検出力が高いので、相応の
効果が見られていると言える。

※これにて、2013年のPA論文の紹介を終わる。


うまい実験者は能力者ではないか

2015-05-29 | 論文ガイド2
<PA2013(25)>

●エイドリアン・パーカー
「うまい実験者は能力者ではないか」
(ドイツ・IGPP)

どんな被験者を使っても安定して結果を残す「うまい実験者」
は、自身の超能力を使っているのでは、という懸念がかねて
より指摘されてきた。確かに、そうした実験者の超能力スコア
が高いという逸話も多くある。この点をもう一度議論する。

実験者効果:
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/4-9.htm


特異的像の目撃に関する社会的分析

2015-05-28 | 論文ガイド2
<PA2013(24)>

●ゲルハード・メイヤー
「特異的像の目撃に関する社会的分析」
(ドイツ・IGPP)

幽霊のような特異的な像を集団目撃する背景を分析した。
従来指摘されているような原因とは別に、きわめて超常的
な状況がみられる事例があると判明した。そうした例では:
1)現象が起きる前に伏線期間がある
2)人々の心理状態が、現象が起きる時点に関係している
3)心霊的な関連性をもつ中心人物がいる
4)現象が起きる場所が意味をもつ
が見られており、謎は深い。


ブラジルでの超常体験の心理学的・科学的分析

2015-05-27 | 論文ガイド2
<PA2013(23)>

●レオナルド・マーティンズ&ウェリントン・ザンガリ
「ブラジルでの超常体験の心理学的・科学的分析」
(ブラジル・サンパウロ大)

ブラジルでの超常体験について、文化を背景に分析している。
具体的には、支配的宗教、民俗伝承、SF、陰謀論、科学技術、
UFO学の観点を考察している。加えて心理面では、認知的
不協和、主観的確証、文化混交の影響、個人的な心理的要求、
科学的な稀少現象、越境界性、自閉症傾向、奇癖、幼少時の
精神的問題、インチキ事例などについて検討している。

これまでの分析で、過去には指摘されてないような特異的で
多面的な体験が、高頻度で得られていることがわかってきた。


創造的な解離状態の生物心理社会分析

2015-05-26 | 論文ガイド2
<PA2013(22)>

●エヴァートン・マラルディ&スタンリー・クリップナー
「創造的な解離状態の生物心理社会分析」
(ブラジル・サンパウロ大)

霊的なトランス状態において宗教画を描画する事例に着目した。
死んだ画家の霊がのり移って自動描画するなどの例では、実際に
描かれた絵が、当の死んだ画家の画風を踏襲している高度な技法
であるとされる場合が見られる。

ブラジルの霊媒師アンドレイド(1945生れ)の事例をデータ収集
した。1998-2013の諸事例において、生理指標測定、心理尺度調査、
社会状況データとともに描画作品を評価できる状態になっている。

こうした分析で、新しい方向の超心理学的研究が進められる。


日常的な心物相関体験の現象学的分析

2015-03-25 | 論文ガイド2
<PA2013(21)>

●ジェイコブ・グレイザー
「日常的な心物相関体験の現象学的分析」
(西ジョージア大学)

念力などの、物を心で操ったという体験が日常生活で
起きた時に、その体験にかかわる心的な状況把握を
記述してもらうことで、体験の構成要素を調べる調査
分析を行なっている。

これまでのところ、強い恐怖や怒りの感情、意識状態の
変容、他の異常現象との共起、現象の意味を見出す努力、
奇妙な電気的エネルギーの干渉、物理的な近接性、驚き
や懐疑の念、物を支配する自信、の8つの構成要素が
見つかっている。

※ これらは偶然現象を自分の念力だと誤解する心理的
構造を理解するうえで、有効に利用できそうだ。


生体エネルギー場の定量測定法

2015-03-24 | 論文ガイド2
<PA2013(20)>

●アントニオ・ギジッタ
「生体エネルギー場の定量測定法」
(ナポリ大学生物学部)

これまで念力の測定がいろいろな方法で行なわれたが、
より簡便で定量的な方法がある。

皿の底の中央に糸を通して、それを伏せた形で吊るしておく。
被験者には、その皿を触らずに回転させるように教示する。
あらかじめ皿の表面の周囲に、角度がわかるマーカーを
書き込んでおき、カメラでそのマーカーを撮影して、PCで
角度を刻々判定する。

12人で予備的な実験を行なったところ、実験期間でなく、
対照期間で大きな回転が得られた。

※着想はいいが、実験系がまだ統制できていないのではないか。
それにこれは念力実験で、生体エネルギー場実験ではないのでは。


予知夢の心理学的要因の分析

2015-03-22 | 論文ガイド2
<PA2013(19)>

●ワット&アシュリーら
「予知夢の心理学的要因の分析」
(エジンバラ大学心理学部)

予知夢は関連の薄いことを無理やり関連づけて「正夢」とみなし
ていると想定し、その背景を探る2つの実験・分析を行なった。

1)被験者に、夢の内容と事実の出来事が、それぞれ書かれた
日記を読ませる。前者は実際には起こらず、後者は実際に起きた
と明確に示されている。その後、被験者に読んだ記憶のあるもの
を書き出してもらう。結果、後者の記憶のほうが多く再生された。
超常現象信奉の高い被験者は、前者も多く再生すると予想したが、
残念ながら、有意な差は得られなかった。

2)超常現象信奉が高い人は関連性のない出来事を連想しやすい
という仮説のもと、次の2種類の実験をした。第1に、夢を記録
したデータベースからランダムに1つの夢内容を、世界のニュース
記録データベースからランダムに1つのニュースを抽出し、それら
の関連性を述べてもらう。この実験では、超常信奉の高い被験者は、
有意に高く関連性を述べることができた。第2に、無関係の名詞を
2個提示して、それらに関係する別の適当な名詞を言ってもらう。
この実験でも、超常信奉の高い被験者は、よりよく名詞を言える
と予想したが、残念ながら、有意な差は得られなかった。


共有野のESP実験

2015-03-21 | 論文ガイド2
<PA2013(18)>

●ヴァーヴォグリス&バンセルら
「共有野(シェアフィールド)のESP実験」
(フランス超心理学国際研究所)

ガンツフェルトESP実験は、比較的安定した効果が得られる
実験として定評があるが、自由応答のため詳細の分析が難しい
難点がある。そこで、感覚遮断したうえで「強制選択」させる
ESP実験の考案が望まれる。

強制選択の実験は、過去70年間のメタ分析で、自由応答より
は小さい効果サイズではあるが、確実な結果が出ており、現象
の過程を追うことも可能である。

そこで新たに、共有野(シェアフィールド)という実験方法を
編み出した。これは、精神集中時間を設けず、1試行約2分で
45分間で多くの試行を行なう。被験者は、ヘッドマウント・
ディスプレーを装着して、宇宙空間に没入した感覚のもとで
実験にのぞむ。被験者は2人1組になって、送り手と受け手を
交互につとめる。

試行課題は、送り手が見ている画像が複雑な視覚パターンか
それとも一面灰色かを当てるものである。視覚野が送り手と
受け手で共有されることを理想にして「共有野」と言う。

最初の10分間は通常のPCで実験を行ない、それから没入
環境に入る。その後の45分間にどれだけスコアが向上するか
を分析する。50人による試験的な実験の結果では、有意と
なるまでの差は現れなかった。

45分間で20試行を行なう範囲では、被験者は楽しく参加
できることがわかった。今後は、被験者ひとりで行なう透視や
予知の実験も企画している。


予知夢体験の潜在処理仮説のテスト

2015-01-29 | 論文ガイド2
<PA2013(17)>

●ヴァラセック、ワット、ハットン、ネイル、ナタル&レンウィク
「予知夢体験の潜在処理仮説のテスト」(エジンバラ大学)

予知夢は、将来予測のための手がかりを外界から無意識のうちに
感知し、その予測が、あたかも予知したかのように夢に現れる
と、通常科学で解釈される向きがある。

もしそうならば、潜在学習能力の高い人が、より予知夢を見やすい
と推測できる。その関係を調べたが、関係は見られなかった。

また、より意識的注意ができる人ほど、潜在処理の度合いが低い
ので、そうした人は予知夢を見る割合が少ないと推測できる。
この関係を「変化盲」の実験で調べたが、こちらも関係は見られ
なかった。

総じて、潜在処理仮説は支持されなかった。


予知の本質

2015-01-28 | 論文ガイド2
<PA2013(16)>

●ホン・テイラー
「予知の本質」(スペイン)

時空連続体において、ある意味、未来は「すでに存在」しており、
それを意識的に感知することが、ESP現象の本質である。
ミクロPKも同様に解釈できる。

※DAT理論と同様の主張と思われる。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/5-4.htm