カナダ・エクスプレス

多倫多(トロント)在住の癌の基礎研究を専門にする科学者の自由時間ブログです。

ロシア製ワクチンSputnik V

2021年02月05日 | カナダ
Luncet誌にロシアからSputnik V(Gam-COVID-Vac)の臨床試験結果が初めて報告された。これまで、その有効性に不明な点があり、懐疑的に見られていた節もあるが、今回のこのpeer-reviewされた論文は、その高い有効性を示している。
Pfizer、Moderna製のmRNAワクチンやOxford/Astrazeneca製のAdenovirus vector型のワクチンと比べても、その有効性は同等であるといいっても良さそうである。
Sputnik VもAdenovirus vector型であるが、二種類のコロナ由来の遺伝子が組み込まれており、2回の注射でそれぞれ別に打つようである。こういうミックス型のワクチンの有効性はすでに議論され、試験もされているが、初めから異なるワクチンを2回に分けて投与するというプロトコールはめづらしい。とにかく、これで6種類以上のワクチンが治験中かすでに一般投与が始まっているわけで、そのスピードには驚かざるを得ない。
最終的には、地球上の人類全てがコロナに対して集団免疫を獲得することが望まれるわけで、それまでの道のりは長そうではあるが、色々な国々でワクチンの有効性が確かめられている事実には励まされる。

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Real-time Science

2021年02月03日 | カナダ
COVID-19の世界大流行が始まって、もう一年が経ってしまいました。ウイルス学が専門ではありませんが、感染症の進み方、医療体制の現場の状況、ワクチンをはじめとする新薬の開発、この一年で様々なことを学んでいます。
言ってみれば、リアルタイムで科学をしていると言っても過言ではありません。

特にワクチン開発の進展はめざましいものがあります。私の周りでも、COVIDのワクチン開発の携わっている研究者を知っていますし、様々な企業から出てくる新型コロナワクチンには驚かずにはいられません。
BioNTech/PfizerのmRNAワクチン、それにModernaの同型ワクチン、まさかmRNAを注射するだけで免疫が得られるとは。もちろん、不安定なRNAですから、lipid baseのプラットフォームに抱合されて、人の細胞まで辿り着き、ウイルス由来のスパイクタンパク質をひと細胞内で作るようになり、それを異物と認識する免疫システムが働いて、抗体を生産するようになる。こんなストーリーが本当にうまくいうとは!奇跡に近い!

それから先週のニュースでNovavax社製のrecombinant protein baseのワクチンも効果を示したと報道された。これは、試験管の中でウイルス由来のスパイクタンパク質を作り精製して、それを球状のlipid particleに貼り付けて、体内に入れる方法。それで、上記同様免疫力が獲得できるとは。これまた大いに驚きだ。人の免疫力というのはどれほどflexibleでどれほどすごいものなのだろうか!もっと免疫学を勉強せねば!

COVIDと共存する世界を通して、科学者としての私は様々なことを学んでいる。1日も早い世界大感染の収束を願わずにはいられないが、そのためには科学ができることをもっともっと進めていかなければならないと思う。


White House COVID-19 Briefing

2021年01月30日 | カナダ
先ほど行われたホワイトハウスからのCOVID-19に関するBriefing. Very refreshing, very scientific and informative!
バイデン政権になってから始まったこのBriefing. 前政権では考えられなかった。米国にも希望の光がさしてきた感があります。
3人の専門家が、現状に関する科学的なデータの分析と証拠を示しながら、全国民に説得力をもって、現状と指針を示してくれました。どこの国も政治的・社会的な様々な問題を抱えてはいますが、今この大感染に力を結集して挑戦しなくてはなりません。全世界の国が協力しあって、ワクチンの接種を世界的に実行することと、先進国では、変異種への対応をふくめた、さらなるワクチン開発に大いなる期待がかかっています。

突然のアップロードで驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。こちら元気にしています。皆さんも、お元気で。


2020年オリンピック 東京開催決定

2013年09月07日 | 日本
日本のプレゼンテーションはとても良かった。安倍首相をはじめとして、皆さんしっかり英語とフランス語でリハーサルされたのでしょうね。努力の賜物です。熱意が伝わってきました。

本当におめでとう!


ICHIRO ついに生涯4000本安打達成!

2013年08月22日 | カナダ
本当に素晴らしい偉業。そして、この謙虚さ!本当のプロフェッショナルがここにいる。心から祝福したい。おめでとう、ICHIRO!


ICHIRO ガンバレ!

2013年08月20日 | カナダ
あと1本で、日米通算4000安打!
これはすごい!


スズランの花

2013年05月26日 | カナダ
スズランはこちらでは'lily of valley'(谷のユリ)とよびます。遅咲きのかわいい花です。今満開です。

小さな杉の木

2013年05月20日 | カナダ
この週末は月曜がビクトリア・デーでlong weekendとなりました。年間を通して数少ない花火遊びが許可されている日で、昨夜も花火の音が鳴り響いていました。

朝ナナちゃんの散歩に出かけると、近所のYさん親子が杉の木の赤ちゃんを、谷におりる坂道に植樹していました(写真)。Yさんは自身でBONSAI(盆栽)も手がける方で、五十年近くこの界隈に住み、この土地をこよなく愛しておられるかたです。皆が使う坂道をいつまでも木でおおわれた素敵な小道にしておきたいのだと思います。その郷土愛に乾杯です。

そういえば、私の友人の東京荻窪在住のKさんもこれと似たようなことをされていたのを思い出しました。十年以上も前の話ですが、ご自宅近くの魚屋さんで一緒に買い物をして、神田川の支流を歩いていると、Kさんは買ったばかりのシジミのビニール袋を取り出して、どんよりと濁った川にばらまかれました。これを見て私は驚きましたが、話を聞くと、昔はこの川でシジミがたくさん取れたのだそうです。そんな川にまた戻ってほしいという願いが込められての行動と知り、なんという郷土愛かと思いました。

カナダでも日本でも、世界中のどこでもその土地、その土地に長く住んでいる人々はその場所を愛するようになります。そしてその土地をいつまでも昔のままにしておきたいと思うのですね。その心は、万国共通のようです。

散歩の間に、こういう人が近所にいることを知り、温かい気持ちにさせてもらいました。

マグノリアが開花しました。

2013年05月03日 | カナダ
毎年楽しみにしているマグノリアの花がようやく咲きました。今年はとてもきれいに満開を迎えました。

昨年は強風と雨で花が完全に開花する前にほとんどすべての花が散ってしまいましたが、今年は大丈夫です。この週末も素晴らしい天気のようなので、数日はこの花の色と香りが楽しめます。

トロントも春たけなわになりました。桜ももうすぐ咲きます。楽しみです。

春まついぶき

2013年04月07日 | カナダ
昨日まで、身を切るような北風が吹いて寒い日が続いていたのですが、今日日曜日はようやく10度近くまで気温があがり、春の香りが少しだけ香り始めました。

我が家の裏庭ではふきのとうが元気に顔を出してくれています。ドライブウエーの横には毎年のように出てくるクロッカスの花がついに開花しました。

待ちに待った春です。冬が長いほど、厳しいほど、春の喜びもひとしお。それがトロントに住んでいる楽しみでもあります。毎年同じような写真を載せていますので、咲いた時期とか咲き方とかを比較するのも面白いですね。

曇り気味の今日はまだ春本番とはいきませんが、着実に季節の変わり目を感じることができる今日この頃です。

日本んでは低気圧の接近で、大荒れの天気のようです。被害が最小限であることを祈っています。





ビデオメッセージ

2013年03月19日 | 日本
ブログの更新がこのところ滞っている。余計なことを色々と考えると、ついつい更新ができないでいる。
もっと自由人でいたいものである。

先日高校の友人からメールをいただいて、高校時代の恩師W先生が3月末で停年退職されるので、その祝賀パーティーを開催するとの知らせが入った。残念ながら私は出席できないと伝えると、ビデオメッセージを送ってくれと依頼される。
W先生には一方ならぬ世話になっているので、快く承諾したものの、いざビデオでメッセージを作るとなると気がもめて仕方がない。
結婚式の挨拶は日本にいたら数多くこなさないといけないのだろうが、幸い海外在住でそういう機会は滅多にない。

今さっきビデオ取りの練習を数回して、原稿を何度も直し、本番収録を終えた。ほっとした。
家内の審査を待つのみだ。これをクリアしてから、DropBoxで世話人の方に送る段取りだ。
祝賀会がこの土曜日に迫っているので、急がないとならない。

高校の友人の皆様、もし祝賀会に出席されるのであれば、W先生にどうかよろしくお伝えください!

リプリント・リクエスト

2013年02月20日 | サイエンス
私が始めて書いた論文に対して異国の科学者からハガキがきて、論文のコピーを送って欲しいと依頼された。その時の私の心の高鳴りを今でも忘れられない。郵送されてくるリプリントリクエストの国際郵便を毎日楽しみにしていたのは、私だけではないはずだ。中には100通を超えるハガキが届いた論文もあった。一つ一つ丁寧に別刷を郵送したのを記憶する。楽しい時代だった。のんびりした時代だった。もう三十数年も前の話である。

今はもう滅多にハガキでリプリントリクエストが来ることはなくなった。電子メールでたまにリクエストが来るが、それらはどれも開発途上国の科学者からのものだ。もちろんPDFファイルで依頼のあった論文を提供している。

米化学会誌につい最近発表した論文に対してアメリカの科学者からリプリントリクエストをメールでいただいた。何でもSupplemental Materialsが見たいのだが雑誌のサイトからダウンロードできなかったらしい。こういうことでもない限り、リプリントリクエストは本当に少なくなった。ほとんどの科学者が自分の見たい論文が瞬時に入手できるようになったからだ。図書館にもいかなくて良くなってしまった。

便利な時代になったものだ。昔は往復で最低でも2-3週間はかかっていたリプリントが、今ではワンクリックでコンピュータ上で見られるのである。

今では何でもないことだが、あの頃のことを思い出すと、時代の流れの速さにつくづくと驚かされるのである。

神田籔蕎麦

2013年02月19日 | 日本
神田須田町にある神田籔が火事で半焼してしまった。蕎麦の名店で、建物は戦前のたたずまいを残していて、昭和の雰囲気の店だった。

東京のバミューダトライアングルとも称されるこの一角は、都心のど真ん中にありながら、奇跡的に戦災をまぬがれて、古い建物が所々に残っている。蕎麦屋のまつや、鳥すき焼きのぼたんの両店もこの一角にあり、今でも健在のはずだ。

神田籔には私も友人、知人と何度か足を運んだことがあり、神田籔の蕎麦に舌鼓を打ったことがある。本当に今回の火災には胸が痛む。何とか昔の建物のイメージを残したまま再建して欲しいものである。心から願っている。

Blizzard 2013

2013年02月09日 | カナダ
木曜の午後から降り始めた雪がやっとやみました。トロント地方は五年ぶりの大雪となりました。

今朝(土曜日)はみごとな快晴となり、積もった雪がまぶしいほど光り輝いています。近くのゴルフコースではクロスカントリースキーを楽しむ人を見かけました。
あまりの積雪で歩くのが大変でした。ナナちゃんも雪の上を大はしゃぎで飛び回っていました。

前回の出張から帰ってひいた風邪がようやく収束を迎えてくれたようです。ひどかった咳がかなり少なくなり、鼻水になりつつあります。なんとか早く回復したいのですが、若い頃のように、一晩寝たら直るという調子には行かなくなりました(汗)。

やはり健康第一です。歳を取ると色々と支障がでてきます。身体のメインテナンスをうまくしながらやっていくしかありません。食事と運動、そして頭を使うこと、どれも大事ですね。

ボール遊び

2013年01月26日 | カナダ
今日は久しぶりに寒さが揺るぎ、お日様も顔を顔を出してくれたので、いい散歩ができました。

愛犬ナナちゃんは最近ボール遊びを大変楽しみにしています。プラスック製のボールを投げる犬用の玩具で遠くまで投げてやると、ボールを探しに一目散に走っていきます。ボールを二つ持っていて、交互に投げてやるのでナナちゃんはほとんど走り詰めです。ハー、ハーと息を切らせながら、それでも楽しそうにボールを追っかけています。

今朝もボール投げをしながら、1時間ほどゆっくり散歩しました。ナナちゃんもご機嫌でした。