薬屋のおやじのボヤキ

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24節気の健康と食養:穀雨から立夏まで

2024年04月18日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:穀雨から立夏まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 穀雨 初候 葭始生(あし はじめて しょうず)葦が芽を吹き始める
    次候 霜止出苗(しも やんで なえ いづる)霜が終り稲の苗が生長する
    末候 牡丹華(ぼたん はな さく)牡丹の花が咲く

 清明の次にやってくる24節気が穀雨です。毎年4月20日頃(2024年は4月19日)になります。穀雨の語源は「春雨降りて百穀を生化すればなり」と言われたことによるようです。百穀といっても中国のことですから麦が中心で、秋に種をまいた麦類の生長を助ける雨のことで、麦は穂が出て実を着けるようになる、というものです。

 なお、穀雨の季の終わり頃に八十八夜がやってきます。立春を起算日(第1日目)として88日目で、5月2日頃になり、次の節気である立夏の3日ほど前になります。
 八十八夜は日本独自の雑節の一つで、「♪夏も近づく八十八夜…」の唱歌で有名ですが、「八十八夜の別れ霜」と言われるように、山間地では遅霜が発生する最終の時期になります。そして、この
日に摘んだ茶葉は上等なものとされ、茶摘を行うイベントが催されるようになりました。

 穀雨を過ぎれば新緑真っ盛りで、日によっては汗をかき暑さを感ずるほどになります。歌にあるとおり「夏も近づく」という感覚に至ります。
 実はこの時期は「春の土用」に当たります。「春の土用」は、
穀雨の3日ほど前から立夏の前日までです。春と夏の季節の変わり目である「春の土用」です。
 よって、『
24節気の食養:穀雨から立夏まで』は、投稿済みの次の記事と大きく重複しますから、これをご覧ください。
 春の土用がやってきました。食事の内容も変えたほうが良いです。

 この記事で触れなかったことについて、ここで記すこととします。
 この時期は、目まぐるしく「肝」→「脾」→「心」と働きの中心が移る「脾(=消化吸収の要)」の時期に当たり、また、年度替りしたばかりですから、心身ともにあわただしくなっています。
 こうしたことから、精神も不安定となり、人によっては挫折感を味わったり、落ち込んだりと、五月病の前触れ症状が出てくることが多くなり、朝起きて“今日は出勤したくないなあ”という滅入った気分になることも往々にしてあることでしょう。
 これは、五月病の黄信号かもしれません。
 そこで、お勧めなのがラジオ体操です。朝の日射しを浴びながら、ラジオ体操を第1だけでいいですから、都合のいい時間にマイペースで行ってみてください。
 これによって「幸せホルモン」セロトニンの分泌が促され、精神が安定し、気分が穏やかになり、幸福感が湧き上がってきます。
(参照)
「幸せホルモン」セロトニンと「睡眠ホルモン」メラトニンを十分に出す生活習慣を 

 食養に関して、旬の野菜を一つ紹介します。
 この時期に入手が容易な露地物の野菜となると、その代表は、何と言っても「絹さや
エンドウ」です。皆さんも旬のエンドウをお召し上がりください。
 エンドウは晩秋に発芽し、小さな草で冬越しした、たくましい野菜です。暖かくなってグングン生長し、花を咲かせ、気候が平年並みであれば、ちょうど概ねこの期間中に収穫できます。ただし、絹さやエンドウの実り方は4月の気温と日照に大きく左右されますし、ピーク時に気温が高くなりすぎると一気に食べ頃のものばかりとなり、アッという間に終わってしまい、栽培農家泣かせの作物です。もし、生鮮野菜売り場に山積みになっていましたら、ぜひ買ってあげてくださいね。

 次回は、「立夏」(5月5日前後)からの健康と食養です。

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春の土用がやってきました。食事の内容も変えたほうが良いです。

2024年04月15日 | 漢方五季の食養

春の土用がやってきました。食事の内容も変えたほうが良いです。

 24節気の穀雨(4月20日頃)の3日ほど前に春の土用に入り、立夏(5月5日頃)の前日までの18日間程度が春の土用です。春と夏の季節の変わり目です。
 2023年は、4月16日~5月4日までが春の土用となります。
 この時期、野山は新緑で覆われだし、春本番がやってきたと感ずるのですが、ゴールデンウイークには暑さを感ずるほどの日がありますから、やはり、季節の変わり目と捉えるべきでしょう。特に農作業においては、この時期に夏野菜の苗の植え付けが集中的に行われ、好天であればたっぷりと汗をかくことが多いです。でも、雨が降れば気温がグンと下がり、小寒い日もあります。

 漢方の世界では、季節の変わり目である土用は、春夏秋冬を問わず、脾(ひ)の季節です。五臓(肝、心、脾、肺、腎)のうちの脾で、これは、脾臓を意味するものではなくて「消化吸収の要となり、水分代謝を調節する役割を担う働き」を指します。強いて臓器に当てはめれば「膵臓」となりますが、その膵臓は脾臓の隣にあり、近代になってから細かく臓器を命名する中で、本来は「脾臓」と命名すべきものを「膵臓」としてしまったのでしょう。なお、脾に密接に関係する腑と呼ばれる臓器(腑:胆、小腸、胃、大腸、膀胱)は胃ですから、脾は胃と捉えていただいても良いです。

 春の土用は、体感する寒暑の差が激しく、「消化吸収・水分代謝」に気を付けなければならない季節となります。
 なお、年に4回訪れる土用の時期は、農作業において土を掘り返すことが多くなり、土中の湿気を浴びて、水分代謝を難しくすることにもなります。
 こうしたことからも、土用は、脾の季節になっているのです。

 季節の変わり目、つまり土用に体調を崩しやすいのは、脾が担っている「消化吸収・水分代謝」が円滑に行われないからです。
 その原因の一つとして、春は本来なら少食・断食の季節なのですが、その春に飽食したがために脾や胃が弱っているところへ、暖かくなり活動的となって食欲が増し、脾や胃に負担がかかり過ぎたことが挙げられます。
 よって、消化に負担がかかるものを避け、湿気を取り除くことが第一になります。つまり、食べ物は良く噛んで食べ、体を動かし、ほどほどに汗をかき、水分補給は控えめにせねばなりません。

 脾の働きを良くするための食べ物はとなると、これは、年中言えることですが、第一に、この時期の旬のものを優先して食べることです。
 特に、大自然が育んでくれた天然の野草、山菜は、あれこれ少しずつ食べたいものです。各種ミネラルをはじめ有用な物がぎっしり詰まっています。ただし、灰汁(あく)の強いものが多く、同じものを一度に大量に食べるのは控えねばなりません。

 脾が欲しがるものは、甘味です。でも、砂糖をなめるのは禁物。使っても粗製糖を少々です。ほのかな甘味のあるものをメインにしたいです。ご飯(米)も甘味食材です。良く噛めば甘味が感じられますよね。
 でも、甘味が強すぎると腎を痛めますから、腎が求める塩味を少々足しこみます。これに辛味を添えれば、より良くなります。なお、苦味は、ほどほどであれば気にすることはありません。
そして、春に必要であった酸味は、脾(特に胃)に負担をかけますから控えめにする必要があります。甘夏や夏みかんを食べるのは、これで終わりにしたいです。
 
 今回も五味(ごみ)を登場させましたが、これは日本料理の調理法の基本になっています。隠し味と呼ばれるもので、甘い料理や菓子には塩味を少々足し込み、ピリッとするワサビ、ショウガなどがさりげなく添えられています。
 こうすれば、砂糖をあまり使わなくても甘味が引き立ち、とても美味しい料理が出来上がるのです。味覚が鋭敏であれば自然に臓器が欲しがる味を求め、それを美味しく感ずることになるのです。 
 前回と同様に、春の土用には、こうした調理法を頭において、食事を作っていただけると、体全体の臓器のバランスを整えることができます。
 土用の三味は、<主:甘味、従:塩味、添:辛味>です。
 なお、力仕事を毎日行い、ご飯をもう1杯おかわりしたい方は、おかずにキムチでもいかがでしょうか。
これで土用の三味が調います。ところで、キムチに多少の酸味がありますが、酸味ゼロでは臓器のバランスも崩れますから、少しはあってよいのです。

五行配当表
(下図) 各ブロックの端に味が表記されています。
     
 「水」・「冬」のブロックの左端が味の「鹹」ですが、塩のことです。

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85歳以上でがんのない人はいません!!

2024年04月04日 | 癌(がん・ガン)

85歳以上でがんのない人はいません!!

これには驚きました。
今日のネットニュース「日刊ゲンダイDIGITAL」に出ていました。
それを以下に貼り付けました。ご一読ください。

不本意な治療を受けないためにも…高齢者のがんには「治療しない」という選択肢もある(和田秀樹)

 国立がん研究センターの調査によると、生涯でがんになる割合は、男性は3人に2人、女性は2人に1人です。50歳から10年でがんを発症するのは、男性5.2%、女性6.7%ですが、30年後はそれぞれ43%、29%で年齢が上がるほど発症率はアップします。

 その調査結果を踏まえると、高齢者が恐れる病気のひとつは、やはりがんでしょう。1981年以来、死因のトップになっています。

 私がかつて勤めていた浴風会病院は、高齢者専門の総合病院です。在院者の平均年齢は85歳で、在籍当時、毎年200人が病院で亡くなっていました。その約半分の高齢者を病理解剖すると、85歳以上でがんのない人は、いませんでした。

 ところが、死因ががんだった方は大体3分の1で、残りの3人に2人はがんが死因にならないで共存し、ほかの病気で亡くなったことになります。がんの診断を受けているかどうかはケース・バイ・ケースでも、結果的にがんを“飼っていた”ととらえられるかもしれません。

 高齢者にとって、がんはとてもありふれた病気で、高齢者本人やその家族にがんの治療について相談されることは珍しくありません。では、どんなふうに答えるかというと、高齢者の場合、なるべく手術も化学療法も受けないことをお勧めしています。

 私は、高齢のがん患者さんをたくさん診ています。たとえば、手術を受けた方と受けていない方を比べて、手術を受けた方が術後の回復がうまくいかず、消化器官を取られてやせ細り、見る影もなくなってしまうことはよくあります。化学療法についても同様で、治療後に体力を落とし、長引く不調でつらい思いをされたまま亡くなる方も少なくありません。

 がんで自覚症状が現れるのはかなり進行してからで末期です。それまでは、痛みをはじめとするつらさや苦しさはほとんどありません。一般にがんは、高齢になるほど進行が遅いといわれますが、私の経験からも確かにその傾向はあると思います。なるべく治療をしないでがんと共存するという提案は、がんの特徴や私の経験を踏まえてのことです。

 もちろん、がんの種類や病院、執刀医の技術などによっては、体力を落とさないように、がんだけを切り取って、周りの臓器を残す、という術式ができないわけではありません。そんな手術を受けるには、事前にそれが可能な病院を探しておくことが不可欠です。

 がんと診断されたとき、多くの方はがんの知識がないことで不安を感じると思いますが、そういうときに医師に治療法を提案されると、判断がつきません。事前に調べておけば、少なくとも医師に不本意な治療を勧められるリスクは下がるでしょう。何もしないという選択は、不本意な治療を受けないためでもあります。

(和田秀樹/精神科医)

 

いかがでしょうか。
がんは放っておけ、とよく言われるのですが、和田先生も「なるべく治療をしないでがんと共存する」という選択肢を勧めておられるようです。ステージⅢの前立腺がんを抱えている小生もそうしています。

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24節気の健康と食養:清明から穀雨まで

2024年04月03日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:清明から穀雨まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 清明 初候 玄鳥至(つばめ きたる)燕が南からやって来る
    次候 鴻雁北(こうがん きたへ かえる)雁が北へ渡って行く
    末候 虹始見(にじ はじめて あらわる)雨の後に虹が出始める

 春分の次にやってくる24節気が清明です。毎年4月4、5日頃(2024年は4月4日)になります。清明の語源は「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」と言われたことによるようです。
 この時期、草木は勢いよく芽吹き始め、様々な花が咲き乱れて、お花見シーズン
となります。誰しも、本当に春が来たと実感できます。代表的な桜ソメイヨシノが散っても青葉が一斉に芽吹いてきますし、他の花々が咲き乱れたりしてきます。
 年度も変わり、仕事や学業は一年の始まりであって、大きな希望を持って、人は気力が満ちて、やる気も起き、いっそう
心が大きくなり、楽観的で前向き、喜びの気持ちが持てるようになります。
 
人の体は、命生まれる、つまり新陳代謝を活発にする態勢がピークを迎えています。
 立春以来、毎回紹介していますが、今回も春の養生法全般について、まずは下記の記事を参照なさってください。
 春は肝の季節、肝臓は少食と運動を願っています。食味は酸味主体の三味で。

 なお、以下の記事は、これらの一部を重複して紹介します。

 清明からの1か月間は、1年のうちで一番過ごしやすい季節ではないでしょうか。
 朝の冷え込みは弱く、日中に汗をかくこともなく、実に快適な一日を過ごせます。
 最近の中医学(中国)では、この時期、「保養と心の安寧に注意し、異常な心の反応を抑え沈め、のびのびとして気持ちのよい心の状態を保つようにするとよい」と言われます。特に、春は肝の季節で「血が騒ぐ」ことにもなり、「血熱(けつねつ)」があふれ出て、それが肩こり、頭痛、めまい、耳鳴りなど春に特有の症状を呈することがあります。そうした場合には、余分な熱を外へ放出する作用に優れた、動物性生薬「牛黄(ごおう)」が効果を発揮します、と紹介されています。
 なお、中国は進学・就職が9月ですから、この時期、単にこうした春特有の生体反応だけを考えればいいのですが、日本の場合は4月始まりですから、新年度が始まったこの時期、生活環境の激変が重なって「異常な心の反応」が増幅されます。尋常ではない緊張感、不安感に襲われることも多いでしょう。
 このことに関しては、前回の春分のときにも申しましたが、初めて行う仕事は分からないことだらけで、簡単なものであっても間違うことはしょっちゅうあり、誰しも最初はそうしたものですから、失敗を恐れず、積極的に新しい仕事に取り組んでいきたいものです。
 なんせ「失敗は成功の元」といいますから、そう考えれば気が楽になりましょう。
 こうしたことを心がけ、「のびのびとして気持ちのよい心の状態を保つようにする」ことを目指しましょう。そうしないと、この先の節気「穀雨」(4月20日頃)の頃から季節は春の土用となり、脾胃が高ぶって深刻に思い悩むことになり、もう一つ先の節気「立夏」(5月5日頃)には、文字どおり「五月病」を病んでしまうことになりかねませんからね。

 緊張感で心が高ぶったり、逆に落ち込んだとき、呼吸を整えると往々にして平穏を取り戻すことができます。誰でもどこでもその場でできる呼吸法を紹介します。
 それは、丹田腹式呼吸法(2014.11.06投稿の2つの呼吸法のうちの1つ)

 花粉症などアレルギー症の方は、この時期、とてもお気の毒です。
 スギ花粉の飛散が終わり、ホッとされたことでしょうが、今度はヒノキ
花粉がピークを迎えましたから、これに反応する方はうっとおしくなります。
 しばし我慢を強いられますが、前々から申しておりますように、
アレルギー症状を呈する方は、たいてい低体温になっていますから、引き続き体の芯を温めることが重要です。温めのお風呂にゆっくり浸かれば症状が和らぐことでしょう。重症の方は、寒い日の日中は引き続き貼るカイロをお尻の両脇(「気をつけ」の姿勢を取ったとき凹む位置)あるいは下腹部に貼られるといいでしょう。
 また、アレルギー症状を呈する方は、油を控え目にしましょう。油は腸内環境を悪化させますから、なるべく使わないようにしたいものです。また、体を温める食事、体を温める食品を取るように心がけることが重要です。

 清明から穀雨までの食養について、特徴的なものを2つ紹介することにしましょう。
 一つはヨモギです。旧暦3月3日の「桃の節句」を「草餅の節句」とも呼びました。年によってだいぶずれますが、清明の頃が「桃の節句」となり、草餅はヨモギで作ります。
 ヨモギの新芽が出る時期がこの頃で、草餅のみならず旬の野草としていろいろな料理に使えるものです。ヨモギの薬効もいろいろ言われていますが、旬の野草だから間違いなく人の体にもいいことでしょう。手に入るのであれば食したいものです。
 もう一つは、
タラの芽です。ソメイヨシノの満開と概ね一致するタラの芽の芽吹きです。山菜の王様と言えるタラの芽。おひたし、味噌和え、てんぷらなど、おいしくいただける山菜です。
 この時期に入手が容易な露地もの野菜で旬のものとなると、菜の花、春キャベツぐらいなものでしょうか。少々寂しくなりました。

 立春以来、毎回紹介していますが、春は肝の季節になりますから、5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、春は<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。
 清明から穀雨までの春にふさわしい料理としては、初物のタラの芽なり菜の花を彩りに加えた酢豚などいかがでしょうか。タラの芽、菜の花はほどよい苦味がありますからね。彩りに季節はずれのピーマンを使うのは考えものです。
 なお、酢豚にはタケノコが付き物です。タケノコはこれからが旬となります。

 次回は、「穀雨」(4月20日頃)からの健康と食養です。

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高齢者の認知症患者が2割になる(三宅薬品・生涯現役新聞N0.350)

2024年03月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.350:2024年3月25日発行

表題:高齢者の認知症患者が2割になる

副題:脳の前頭葉(おでこから頭頂部にあり)を働かせるにかぎります

(表面)↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。以下同様です。

   

(裏面)瓦版のボヤキ

    週休3日にさせていただき感謝

   

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