Mochy's Backgammon Today

プロプレイヤー望月の日々バックギャモン

プロフィール

2021年01月31日 | プロフィール

望月正行 1979年生まれプロのバックギャモンプレイヤーです。
2009年の世界チャンピオン。現在(2021.1.31)の世界ランキング1位、コンピューター解析によるランキング(BMAB)も世界ランキング1位です。
海外のトーナメントを転戦していますが、日本ではJBL(日本バックギャモン協会)に所属し、普及活動、大会、例会運営などをお手伝いしております。
バックギャモンに関することならなんでもお問い合わせください。

~経歴~1997年の浪人時代にバックギャモンを覚え、1998年に日本タイトルの盤聖を獲得した後、プロになりました。
2001年には3カ月ほどアメリカを横断する武者修行に出ました。(LA~ラスベガス~ミシガン~NY)
2002年にバックギャモンブックを刊行(景山充人氏、桑門昌太郎氏と共著)しました。今でも多くの方に1冊目の本として選んでいただいているのはうれしい限りです。
2003年にアメリカのラスベガスでUS OPENとLimited Jackpotの同時優勝をしました。これが最初のメジャータイトルです。
その時の記事をAll Aboutが書いてくれました。(かげぞうさん、ありがとう!)
2004年にはその賞金で、世界で最もレベルが高いデンマークに移住しました。現地のプロともまれながら、ヨーロッパを転戦しました。その後の主な成績は下記の通り。
2005年 Bristol Open優勝 (英国・ブリストル)
2006年 Belgian Open優勝(ベルギー・オステンデ) 世界選手権コンソレーション優勝(モナコ公国・モンテカルロ)
2007年 世界選手権ラストチャンス優勝 (モナコ公国・モンテカルロ)
2008年 Nordic Open コンソレーション優勝 (デンマーク・エルシンノー)
2009年、昨年チャンピォンのLars Traboltを決勝で破り、世界選手権を優勝しました。世界チャンピォンの反響は大きく、読売・日経・TokyoFM・NHKラジオで取り上げていただきました。J-castニュース/Hokohokonews/当時のエントリー
2010年にはGiants of Backgammonという世界ランキングで1位に選ばれました。
2012年春 European Championship優勝 European Championになりました。同年秋にはLas Vegas Openを優勝しました。2003年に続き2度目の優勝です。また、「バックギャモン入門」を監修しました。
2013年 European "Pro" Championship優勝。
2013年 世界ランキング"Giants of Backgammon" 1位に輝く。(2年ぶり2度目)
2015年 世界ランキング"Giants of Backgammon" 1位に輝く。(4年連続3度目)
2017年 世界ランキング"Giants of Backgammon" 1位に輝く。(6年連続4度目)
2019年 世界ランキング"Giants of Backgammon" 1位に輝く。(8年連続5度目)1st UBC (Ultimate Backgammon Championship) 優勝。
2020年 Melbourne Championship 優勝。
2021年 2nd UBC 優勝。

~動画など~
UBC 2020 Backgammon Final - Mochy vs Ueda - Match 12

Melbourne $5K Final Interview (2020)

Melbourne Backgammon International $5K Final

Mochy vs Alexandra Knupfer 9p (German Championship 2017) 1/2

2009年の世界選手権の準決勝の様子です。

2009年のカンヌでインタビューを受けています。

2009年のチェコで、アシスタントのZoeに簡単な戦略をレクチャーしています。

2009年のチェコでのインタビューです。

2007年の札幌オープンでの決勝戦です。これは最初のゲームだけですが、youtubeにすべておいてあります。Thanks to 札幌支部!(どうでもいいことですが、5:00あたりの大ブランダーはロールアウトすると正しい手になります。)
~その他のリンクなど~普段プレイしているBackgammon Galaxyというオンラインサーバーです。https://backgammongalaxy.com/
2010年に受けたインタビューです。(英語)http://sites.google.com/site/backgammonlessons/mochy-1
トッププレイヤーの1人として紹介されました。(英語)http://www.mastersofbackgammon.com/players/masayuki-mochizuki/
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

UBCを優勝して

2021年01月26日 | 日々のつぶやき
UBC (Ultimate Backgammon Championship) はBackgammon Galaxy のMarc Olsen が始めたタイトル戦で、チャンピオンに挑戦者が挑戦する形で行われます。
私は2019 年にSander Lylloff を破り、第一期のチャンピオンとして上田英明さんと戦うことになりました。

この大会の特徴について
UBC は2つの点で他の大会とは大きく異なります。一つは、チャンピオンが翌年に挑戦者を迎え撃つ方式であること。
普通の大会では、優勝しても翌年は他のプレイヤーと同じく横一線で始まるものが多いのですが、この大会はチャン
ピオンが翌年も優勝(防衛)しやすい方式になっています。もう一つは、試合の結果とエラーレート(PR)の結果の両
方を使って勝敗を決める方式であること。AI を判定に使うことにはメリットもデメリットもありますが、運の要素を
劇的に減らせるのは間違いありません。

試合方式: 7 ポイントマッチを12 試合(各日4 試合ずつ)
行い、試合の結果で勝利ポイント「1」、エラーレート(PR)
の結果で勝利ポイント「1」を獲得する。先に勝利ポイントを
「13」獲得したプレイヤーの勝ち。12-12 のタイになった場合
は12 試合の平均エラーレートの低い方の勝ちとする。

決勝戦は12月19日、1月9日、1月23日と3日にわたり、ハレザ池袋で行われました。
1日目に大幅なリードを許す苦しい展開でしたが、2日目に追いつき、3日目に逆転して14-10 で下し、UBC2020 のチャンピオンとなることができました。

今までこれほど厳しかったタイトル戦はありませんでした。
自分の慢心や緩みからDay1 を最悪の形で終え、PR 平均の勝負はその時点でほとんど負けが決まっていました。Day 2,
3 で勝てたのは夢のようです。私はチャンピオンでしたが、初年度は招待されてタイトル戦を戦って勝っただけなので、
今年勝たなければ真のチャンピオンとは言えないと思っていました。今回のシリーズは真のチャンピオンには程遠い
レベルではありましたが、できる範囲でベストを尽くせたことには満足しています。
最後に、対馬崇斗さんをはじめとする大会を支えてくれた全ての方、練習に付き合ってくれた方に感謝いたします。
そして3児の世話と自分の仕事を抱えながら、なお私を助けてくれた妻に特に感謝します。上田英明さんは最高のパ
フォーマンスを最もプレッシャーのかかる舞台で出しました。今回は運よく私が幸いしましたが、誰が見てもわかる
通り、私と彼の間には何の差もありませんでした。上田さんに限らず、これからも日本人との対戦が最も厳しい戦い
になるだろうな、と思います。今から備えていきたいと思います。

12試合がすべて解説され、Youtubeに収められています。
UBC 2020 Backgammon Final - Mochy vs Ueda - Match 1


結果






コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

望月正行の予定(対局・イベント参加・海外トーナメント参加など)

2020年09月03日 | 告知
プロバックギャモンプレイヤー望月正行のブログへようこそ。私のプロフィールはこちらへどうぞ。
ここには対局予定などを随時更新していき、通常記事は2つ目のエントリーから始まります。


<バックギャモン初めての方はこちらへどうぞ>
バックギャモンとは (ルール0の方はこちら)

バックギャモン魅力とその戦術 (戦略をかじりたい人はこちら)

Backgammon Ace (iOS/Andoroidの対戦サイトです。無料。コンピューターと練習もできます)

<オンライン対局>
Backgammon Galaxyで日々対戦中。

<ライブ対局>
第26期盤聖リーグに参加しております。
<海外トーナメント>
モナコ 世界選手権 (7/28-8/4)
キプロス Merit Open (11/5-11/10)
ラスベガス Las Vegas Open (11/13-17)

<普及活動など>
毎週火曜日 代官山バックギャモンナイト
毎週日曜日 赤坂バックギャモン道場  

<著書>入門は初級者向け、ブックは初級~中級向けです。クリックするとJBLSHOPに飛びます。


<動画>
YouTubeのチャンネルに海外のトーナメントの試合などを随時UPしています。

<プレゼンテーション>
大会でのレクチャーのプレゼンテーションをSlide ShareにUPしています。

<棋譜>
私の棋譜は棋譜カテゴリーの中に収められています。左のメニューからどうぞ。
コメント (3)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界で一番強いプレイヤーを決める

2019年07月21日 | 海外ギャモントーナメント
7/28,29,31の3日間にわたり、モンテカルロでUltimate Backgammon Championshipというタイトル戦が開催されます。


これは新しく創設されたタイトル戦で、将棋や囲碁のようにタイトルホルダーに挑戦者が挑戦する形式で、
真に世界で一番強いプレイヤーは誰か?を決めます。
試合は7ポイントマッチを3日間にわたって12試合行い、1試合ごとに勝敗とエラーレートの2つで争います。
勝敗に1ポイント、エラーレートに1ポイント与えられますので、合計24ポイントになり、13ポイント取ったプレイヤーが
勝者となります。12-12の場合はエラーレートの平均が低い方が勝ちです。
試合はすべてプロによりストリーム配信、ワールドクラスプレイヤーにより解説されます。

今年は初年度ですので、暫定王者決定戦として私とSander Lylloffが対戦します。
来年は挑戦者決定トーナメントを開催し、優勝者が挑戦する形式になります。

Sanderは最近のプレイヤーは知らないかもしれませんが、とてつもなく才能あふれたトッププレイヤーです。
Backgammon Giantsの最高位は4位ですが、彼が世界で一番強い時期は間違いなくあったと思います。
その後ポーカーやスポーツベッティングに転向したためバックギャモンにかける時間は短くなってしまいましたが、
才能と頭の良さは私とはケタ違いです。(ポーカーでもあっさりとEPT Barcelonaを優勝、100万ユーロ超をCashしています)

3日間にわたり同じプレイヤーと徹底的に戦ったことは一度もなく、しかも相手は超強豪のSanderとプレッシャーが
かかる試合ですが、逆に言えばこれほどやりがいのある対戦もありません。
こうした企画ができ、それに呼ばれたことを本当に幸運と思います。最善の準備で試合に臨んでベストを超えた自分を見せたいと思います。

UBC(Ultimate Backgammon Championship)の詳しい情報は下記URLにアップされます。
https://www.facebook.com/backgammongalaxy/


7/24 追記 
インタビューがFacebokに掲載されました。


なお、ルールは下記の通り。
UBC – Ultimate Backgammon Championship
The rules of the championship match:


Point system:
– Twelve 7-point matches.
– One point for a match win.
– One point for an error rate win.
– This gives a total of 24 point to play for. The player who reaches 13 points first, will win the
match.
– In case of a draw in points after all twelve matches, the player with the lowest average error
rate will win the championship title.

Clock settings:
– 12 second delay pr. move.
– 14 minute time bank, pr. match.
– If the time bank runs out, the player will lose the match.
– In case of an unsuccessful roll (for instance a die falls out side of the board), the delay on the
clock will be reset for the re-roll.

Analysis details:
– There will be no push margins in terms of the winner of the Error rate battle. We will go to
three decimal points on the XG analysis. In case of the extreme unlikelyhood of a perfect tie
on the third decimal, the error rate will be a draw, and both players will receive one point.
– 1st pass XG roller++
– Search interval: Large
– Bear off database: 15 checkers over 6 points
– ME-tabel: Kazaross XG2
– Check mark in "Use Opening book", "Do not roll Opening book moves", "Wrong
Double/Take is an error".
– No check mark in "do not calculate resign errors" & "Error compared to XG".

Dice:
– No baffle box, players has to use a cup to roll themselves.
– Legal dice can land on the playing surface in their right side of the board, AND on top of the
checkers in their right side of the board, as long as the dice is facing upwards with no
uneven angles. If the dice land anywhere else, it will be illegal dice.
– Both dice has to be rolled at the same time, obviously.

If any matters should arise, outside of this rules set, the tournament director Marc Olsen, will decide
on the course of action.



コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

電気通信大学にて講演を行います

2018年06月03日 | 告知
こんにちは。

下記の通り、電気通信大学にて講演を行います。
外部の方でも参加できるものらしいので、ぜひいらしてください。
バックギャモンってなんだ?てところから、AIの利用法、AIがバックギャモンにもたらした功罪、
についてお話します。

下記の概要は電気通信大学情報数理⼯学セミナーに公開されているものですが、学内アクセスに
限っているらしいので、許可を得てここに転載します。

電気通信大学情報数理⼯学セミナー
情報数理⼯学セミナーは、2012年まで開催されていた電気通信⼤学計算科学セミナーを発展的に継
承する講演会です。テーマを情報数理⼯学の諸分野にわたって選び、毎回1名の講師の⽅にお話しし
ていただきます。

2018年度
第32回セミナー
⽇時: 2018年6⽉15⽇(⾦) 16時30分〜18時00分
会場: 電気通信⼤学 ⻄4号館1階101セミナー室
講師︓望⽉正⾏⽒
タイトル︓バックギャモンにおいて⼈⼯知能が果たす役割
概要︓バックギャモンは約5000年前に誕⽣し、現在でも世界で3億⼈がプレイするボードゲームであ
る。⽇本でもかつて双六といえばバックギャモン(盤双六)のことであった。そのシンプルな⾒かけ
とは裏腹に戦略は奥が深い。ダイス(賽⼦)を使うので、運の要素がゲームプレイに強く影響を与え
る。そのため、弱いプレイヤーにも勝つチャンスがある⼀⽅で、強くなるためには確率や統計の知識
が必要となる。
バックギャモンをはじめとするボードゲームは、明確な結果を伴うゲームプレイをもたらし、⼈⼯知
能(AI)と機械学習の黎明期から実践材料として利⽤され、ニューラルネットワークの発展に⼤きく
寄与してきた。昨今、将棋や囲碁AIの発展が社会に激震を与えているが、バックギャモンAIの実⼒は
1990年代には既に⼈間を超えていた。そのため、現在、バックギャモンの世界には⼈間対AIという
構図はなく、⼈間の活動を豊かなものにするためにAIを利⽤するという構図がいち早く確⽴した。
本講演では、トッププロとして20年間戦ってきた私の経験に基づき、AIがバックギャモンの世界に与
えた影響を振り返りながら、AI の良い側⾯と悪い側⾯を紹介する。

講師略歴︓
Backgammon Master Awarding Body (BMAB) の Grandmaster、⽇本バックギャモン協会理事、
HEROZ 株式会社のグローバルアンバサダー。1979年⽣まれ。2009年の世界選⼿権優勝を⽪切りに、
世界各地の⼤会で活躍。2013年から現在まで世界ランキング(Backgammon Giants) 1位を保持。
コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バックギャモンジャイアンツ1位に選ばれて

2016年02月20日 | プロフィール
http://www.flintbg.com/giants.html

私がバックギャモンを始めたころ、このリストは憧れのリストでした。
世界が今よりも遠かった当時、上位のプレイヤーに会うためだけに海外の大会に行ったり、
観戦をしたりしていました。話ができるだけで舞い上がったりしていました。
そのリストで1位に選ばれたことに感激するとともに、自分の置かれた立場の責任を感じないわけにはいきません。
世界中の人が様々な理由で私を認め、期待し、投票してくださいました。彼らの期待を超えなければいけません。

私は誰よりもゲームに精通したい。プロというのはその道のことを人よりも深く知ること、
そしてそれで社会に貢献することだと思っています。
それを支えるのは情熱です。情熱は誰も与えることができません。
幸いなことに、この情熱は10代の時に私に訪れ、それから失われたことは一度もありません。
むしろ、バックギャモンというゲームをますます好きになっている気がします。

バックギャモンとそれを愛するすべての人々に感謝します。



コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界選抜 vs US選抜

2016年01月06日 | 海外ギャモントーナメント
NYの大会に来ています。

世界選抜 vs US選抜のキャプテンに選ばれ、今日から試合が始まりました。
ストリーム配信のリンクはこちらです。

日本人は望月正行、景山充人、矢澤亜希子の3人のプロが選ばれています。

ルールは下記の通り。

イベントは下記の4種目。
ダブルスx2 (9pマッチ)
シングルスx2 (11pマッチ)
スピードx2 (5pマッチ 3セット2セット先取)
最終戦(チーム全員vsチーム全員で相談しながら進める)(13p)

チームはダブルスx2、シングルスx2、スピードx2の各イベントで1点が稼げます。また、それら6イベントのエラーレートをすべて平均して、低いチームに1点が与えられます。
それら6つのイベントとエラーレートの計算が終わった時点で両チームの点数を計算し、その点差がそのまま最終戦のスタート点数になる。たとえば4-3で1点差なら1-0/13pから開始になるし、5-2で3点差なら3-0/13pから開始になります。

それ以外に40ゲームのマネーセッションが行われます。これは独立したイベントになります。

試合の組み合わせは下記の通り。時間はすべてNewYorkの時間です。

ダブルス 1 (1月6日12:00-)
Steve Sax & Matt Cohn-Geier vs Thomas Kristensen & Akiko Yazawa

ダブルス 2 (1月6日15:00-)
Mike Natanzon (Falafel) & Victor Ashkenazi vs Masayuki Mochizuki & Michihito Kageyama

シングルス 1 (1月7日11:00-)
Neil Kazaross vs Masayuki Mochizuki

シングルス 2 (1月7日14:00-)
Matt Cohn-Geier vs Michihito Kageyama

スピード 1
Victor Ashkenazi vs Tobias Hellwag

スピード 2
Petko Kostadinov Kostadinov vs Thomas Kristensen

マネーセッション (10 ゲーム* 4プレイヤー) - 対戦組み合わせはまだ決まっていません。
そのうち10ゲームはBackgammonAce上で行われます!

US選抜: Mike Natanzon (Falafel), Neil Kazaross, Petko Kostadinov, Steve Sax
世界選抜: Michihito Kageyama, Tobias Hellwag, Akiko Yazawa, Thomas Kristensen

全ての試合はストリーム配信されていますので、ぜひ応援してください!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ときどさん、片上さんとお会いする

2015年08月22日 | 日記
今日はときどさん、片上さんとお会いしてお話しを伺うことができました。

片上さんはこのブログの読者なら皆さんご存知でしょうが、東大卒の将棋プロ。バックギャモンの日本タイトルも取ったことがあります。

ときどさんは格闘ゲームのプロ。
http://fgamers.saikyou.biz/?%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%A9#.VddSRvntmIw
麻布中・高時代の17歳で世界一になった後、東大にはいり、その後格闘ゲームのプロとなって現在の
格闘ゲーム界を支える一人です。

ときどさんとは初めてお会いしたのですが、面白いお話をたくさん伺えました。

彼は非常に「陽」のオーラを持った人で、初対面なのに本当にオープンにいろいろと話してくださいました。
頭脳明晰で、何をすればいいか分かっていて、それをしっかりと実行に移せる。
必要とあれば厳しい練習でも苦しいと思わずにこなせる。勝つのは当然のように思いましたが、
彼はまだまだ上がいると認識していて、むしろ危機感を強く抱いているようでした。
私は格闘ゲーム業界のことはほとんど何も知りませんが、この人にそう思わせている、それだけでこの業界の奥深さがわかりました。

格闘ゲームとバックギャモン(または将棋)との大きな違いは、格闘ゲームは相手ありきということ。
バックギャモン・将棋は盤上の真理、最善手といった考えがあり、お互いに最善を尽くせばこれがベスト、というのを
追及していくのが基本的な考え方です。しかし、格闘ゲームはリアル格闘技(相撲・アルティメット、ボクシングetc)と
同じく、相手ありきの勝負です。ですので、相手の研究に大きな時間を割くとのこと。
対戦相手が決まり次第、対戦相手の動きを動画で研究し、攻撃・守備のパターンをシュミレーションしていくようです。
相手がこうきたらこうくる、こうきたらこうくる、というのをパートナーとともに延々と考え、引き出しを増やしたほうが勝つ。
しかし、相手も同じことをしてくるので、そう簡単ではありません。次の試合ではすでに相手も変わってくるのです。
ときどさんの本では試合と試合の合間のたった1時間にパターンを変えてきた強豪もいたとのこと。
考えただけでぞくぞくしませんか?対戦しながらのクリエイティビティというのも大事になるはずです。
反射神経、操作技術などはプロなら基本で、そこは一番差がつかないとおっしゃっていました。
(とはいえ、その反射神経、技術を磨く、維持するのにも多大な時間を使っているのは容易に想像がつきます)

また、キャラ選択があるというのも大きな違いです。最近の格闘ゲームは何十人ものキャラから選ぶことができるわけで、
メーカー側がいかにゲームバランスをとろうとしても、強いキャラと弱いキャラが出てしまいます。
当然最強のキャラをやりこむのが必勝への近道のはずですが、そこは業界の不文律で、最強キャラばかりを選ぶのはよくないと
されているそうです。確かに、プロ同士の対決が常に同キャラ対決だったら、見てる側はなにも面白くありませんよね。
むしろ、少し不利なキャラをつかって強いキャラに勝つ、ということにストーリーやドラマを感じるはずです。
とはいえ、最弱キャラは選ばないと思うので、競技性とエンタメ性のバランスが大事なわけですね。
片上さんがおっしゃっていましたが、つまらない試合をしても勝つべきなのか、面白い試合をしたら負けてもいいのか、
美学にも通じる問いが突きつけられているわけです。(ただし、それをプロとしての総合的な損得で考えるなら美学ではなくなりますが。)
僕の中では両方とも負けです。負けなんでどっちでもいい。面白い試合、自分の限界に挑戦した試合をして、勝つ。
これが理想でそれ以外は負け。まあ○×はつきますが、それはどうやってもつくしね。

今日はすごく有意義だったのですが、格闘ゲームの話を理解できるほど格闘ゲームを知らないので、
今後は格闘ゲーム業界を追いかけていって勉強しようと思います。

また、日野君がJBLニュース向けにまとめて記事にするそうですので、JBL会員の方はお楽しみに。
4時間も話したけど本当にまとまるのか心配ですが。

ときどさんに興味がある方は彼の新刊を読むのがいいでしょう。

さらに格闘ゲームのプロについて知りたい人は、梅原大吾さんの本もおすすめです。
タイトルは勝つための意志力ではなく、勝ち続けるための意志力です。本を読むとその違いが単なるネーミングの問題ではなく、本質なんだとわかります。
この本は勝負にかかわる人はとりあえず読んどくべき。

コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長野バックギャモン新聞に載りました

2015年08月20日 | 日記
長野バックギャモン新聞に載りました。

これはバックギャモンが好きな小学生の方が夏休みの宿題につくったものだそうです。
彼女と面識はないのですが、依頼を受けてMonte Carlo Openのコメントを出しました。
発行部数1の小さな新聞社ですが、とても光栄なことです。







よく読むと矢澤亜希子選手の最新の結果まで抑えてますね。すごい取材力だ。

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015 モナコ 世界選手権結果

2015年08月16日 | 日記
モナコの世界選手権が終わりました。

私自身の成績はサイドイベントのMonte Carlo Open優勝と世界選手権のコンソレーション(敗者慰安戦)ベスト4です。
サイドイベントとはいえ、Monte Carlo Openは普通の国際大会よりも大きい(64人x500ユーロ)規模ですので優勝には満足しています。

世界選手権の本戦ではベスト16まで行ったもののそこでデンマーク人のFlemming Storgaardに負け、
2nd ChanceではアメリカのAntoinette Williamsに負けました。
ベスト16の試合は出目が大差すぎたのでどうにもならなかったのですが、Antoinetteのほうはきちんと指せていれば勝てていた気がします。
世界チャンピオンになれる気がしたのですが残念です。
コンソレーション(敗者慰安戦)も負けたベスト4の試合は集中できていなかった&後悔が多い展開だったのでトーナメントが終わった直後は
残念な気持ちでいっぱいでした。試合の後半でクリエイティビティを失い、固くなっていたと思います。

世界選手権での成績がいい気がするので調べてみたら、やはりよかった。
過去12年間の記録は下記の通り。( )はサイドイベントでの優勝以上の結果。
12年間でメインでの入賞は9回。メイン優勝1回、ベスト4 1回、コンソレーション優勝1回、コンソレーションベスト4 4回、ラストチャンス 優勝2回。

2004年 なし
2005年 コンソレーション2 ベスト4
2006年 コンソレーション1 優勝
2007年 ラストチャンス優勝
2008年 なし
2009年 メイン 優勝 世界チャンピオン
2010年 コンソレーション2 ベスト4
2011年 メイン ベスト4
2012年 ラストチャンス優勝、(ダブルス優勝)
2013年 コンソレーション ベスト4
2014年 なし(スーパーJP優勝)
2015年 コンソレーション ベスト4、(モンテカルロオープン優勝)

毎年128人を超える参加者がいることを考えるとできすぎです。決勝戦の勝率も4勝0敗だし。
でもコンソレーションのベスト4敗退が多すぎる気がします。次は気を付けます。

今回の成績を勝ち負けで見ると、下記の通り。
モンテカルロオープン 優勝 6-0
メイントーナメント ベスト16敗退 4-1
メイントーナメント 2nd Chance 敗退 0-1
コンソレーション ベスト4敗退 5-1
結果は15-3敗でした。

成績をPR(エラーレート)で見てみると、
棋譜を取ったのは18試合のうち11試合で平均は3.49、相手の平均は6.09でした。
PRで1試合負けたのがあり、それがコンソレーションのベスト4でした。
私の平均が2.8前後ですので、平均して25%ぐらいエラーが多く、技術的、コンピューター的にみると
レベルの低いトーナメントだったといえます。実践的にプレーを変えたものもありますので、一概には言えないのですが、
それでもレベルが低かったのは間違いないでしょう。
理由として考えられるのは、疲れかな。レクチャーやエキシビジョン、その他商談、プライベートマネー、ディナーetcと
盛り込みすぎた。でもそういうのがなければモナコとは言えないし、難しいところです。
来年は少し軽くするべきとは思いますが。

以上、次のトーナメントはグルジアを予定しています。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする