親族を後見人候補として申し立てたところ、
「面識のない第三者が選ばれた」という戸惑いの声が新聞社に寄せられたという記事を読みました。
誰を選ぶかは家庭裁判所の裁量に委ねられ、希望どおりになるとは限りません。
もちろん、親族間ですでにトラブルが起きている、または起こる可能性が高い、
という場合には、公平の見地や将来のトラブルを未然に防ぐ見地から、
第三者を後見人に選任することは、妥当かと思います。
しかし、そういう懸念がある場合でなくても、裁判所が第三者を選任する可能性があります。
それについては、申立人やそのほかの親族が異議を唱えることはできない建付けになっています。
しかも利用者は後見人を途中で替えることは基本的にはできません。
さらに、第三者が選任された場合には、報酬が発生することになりますが、
その基準も必ずしも明確ではないとの批判もあります。
報酬が発生するような見ず知らずの第三者が選ばれるのなら後見制度を利用しなかったのに・・・
という、不満は十分考えられるところです。
現在、政府は制度見直しを進めているとの報道もありますが、
こうしたことが成年後見制度を利用することを躊躇してしまう理由の一つなのではないでしょうか。