ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

江戸川乱歩生誕130年記念朗読会「押絵と旅する男」

2024-04-19 | 日本文化情報センター
 昨年のナイトライブラリーに引き続き、今年も日本文化情報センターは江戸川乱歩ミステリーの朗読会を行いました。
 今回は「押絵と旅する男」です。朗読はベラルーシ人向けにロシア語で行いました。
 江戸川乱歩の作品の多くは青空文庫で読めるので、興味のある方はどうぞ。
 
 明治時代の書生さん風の雰囲気を出すため、朗読をしたY子は男物の袴姿です。(ノリがコスプレですみません・・・)
 さらにこの作品には押絵が出てくるのですが、せっかくなので原作にできるだけ忠実に再現した絵を用意して会場で飾りました。
 この押絵の再現は私が担当しましたが、押絵なんてぶきっちょの私には作るの難しいんですよ。なので、原作を読んだことのある方はすぐ分かると思うのですが、絵の中に押絵で作った男女の人形が配置されています。
 作るのが難しいので、女の人(八百屋お七)の人形は私の親戚の方が20年ぐらい前に作ってくださった作品を活用させていただきました。
 男の人(兄さん)のお人形は洋服の部分は押絵の技術で私が作りましたが、それ以外は紙粘土をこねて作りました。(人形のすべてのパーツを押絵で作れる器用さが私にはない・・・。)私にとっては押絵の勉強になりました。
 背景は私が適当に絵の具で描いたのですが、やっぱり原作のおどろおどろしい雰囲気を再現するのは難しかったですね。
 あと、聞きに来た人に小道具の双眼鏡を借りることができてよかったです。

 朗読会は大成功でした。会場(日本文化情報センター)が狭いので、12人分の席しか用意できず、また話の内容が子供向けではないので、日本文化情報センター日本語教室の生徒の皆さんだけに絞って招待しましたが、皆さん話に引き込まれていました。
 朗読会の後、やっぱり小道具の双眼鏡を逆さに覗く人がいましたね。
 
「押絵と旅する男」は殺人事件が起こる推理小説ではなく、ファンタジーなので怖くないですが、ナイトライブラリーにぴったりの物語だったと思います。
 この話に登場する兄弟が本当は同一人物なのでは? 愛があったから魔法のようなことが起きて会うことができた、結局自分だけ老けてしまい、たぶん死んでしまう運命にあるだろう兄さんがかわいそう、などの意見が出ました。
 江戸川乱歩の推理小説は、当然推理、つまり論理的に事件の真相を暴くものが多いですが、「押絵と旅する男」のような幻想小説の場合は、論理も常識もないですね。
 この物語はいろんな解釈ができるのですが、つまりあやふやで、「よく分からなかった。」という感想を持つ人が多いと思います。はっきりしないので、駄作だと思う人もいるかもしれませんが、このよく分からない話と思わせたい、というのが江戸川乱歩先生の狙いなのだろうなという感想を私は持ちました。

 今年は江戸川乱歩生誕130周年記念の年で、日本国内では関連の企画やイベントが行われています。
 遠いベラルーシからもささやかながら、そのお祝いイベントに加わってみました。日本人だけではなく、ベラルーシ人もロシア語で作品を読んでいます。
 

2024年4月17日。ウクライナ侵攻から785日目

2024-04-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月17日。

 広島市は今日、原爆の日の8月6日に開く平和記念式典にロシアとベラルーシの代表を招待しないと明らかにしました。もう3年連続なので、驚きません。8月6日までに停戦になっても招待しないでしょう。


 ウクライナ北部の都市チェルニヒウで今日、ロシア軍によるミサイル攻撃があり、少なくとも9人が死亡、20人が負傷しました。
 同州知事によるとミサイル3発が市中心部に着弾し、少なくとも9人が死亡、約20人が負傷し、多数のビルと民間インフラが破損した。車数十台が破壊されたそうです。チェルニヒウ州はベラルーシと隣接しています。
 私はチェルニヒウ市に4回行ったことがあるのですが、文化的なきれいな町並み、時間もゆったり流れている感じで良い思い出しかあありません。
 ロシアからのミサイル攻撃を受けているなんて、想像するだけで悲しくなります。

 チェルニヒウへの攻撃を受けてウクライナ大統領は、支援が十分であればロシアの攻撃を防げた可能性があったとSNSで述べました。西側からの兵器の供給不足が続いており、焦りが見えます。


 ウクライナからロシア側に連れ去られた子ども161人の居場所が、ドイツで確認されました。
 ウクライナからロシアを経由してドイツへ移動したのか、あるいはウクライナからドイツへ避難し子どものうちロシアに連れ去られたと誤認されていたということでしょうか。謎です。
 ウクライナ警察長官が今日、ドイツ警察のトップと会談した際に明らかにしました。ドイツにたどり着いた経緯は明らかにしていません。

 ウクライナ政府は、2022年2月にロシアによる全面侵攻が始まって以来、18歳未満の子ども約1万9500人がロシア側によって連れ去られたと主張。そのうちウクライナへ帰還したのは400人弱で、ウクライナ警察は2千人超を行方不明者として登録しました。
 ドイツで見つかったとされる161人の子どもたちは、ロシアが占領するウクライナ領やベラルーシ、ロシア本土に連れ去られたということです。ベラルーシ経由でドイツに行ったということですか? 今ベラルーシとドイツの間には飛行機も国際列車もないし、どうやって子どもを移動させたのでしょう?
 バスで移動? でもこんな出来事もありましたよ。2024年3月29日の記事。モルドバの子どもはなかなか越境できませんでしたが、もしウクライナの子どもがこんなに厳しい国境を越えようとしたら、すぐニュースになるはずですよね。

2024年4月16日。ウクライナ侵攻から784日目

2024-04-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月16日。

 ベラルーシ発の統計ニュース。
 今日ベラルーシスポーツ観光省副大臣は記者団に対し、昨年500万人以上のロシア人観光客がベラルーシを訪れたと語りました。
 ちなみにベラルーシへ昨年訪れた観光客は合計580万人です。このうち500万人がロシア人で、80万人がその他大勢なんですね。
 さらにコロナ前の2019年には100万人以上のベラルーシ人が外国旅行をしましたが、2023年にはわずか40万人強だったそうです。その代わり、ベラルーシ人がベラルーシを観光する国内旅行がは大幅に増加しています。
 2019年に国内旅行(数を把握するため、旅行会社を通じてのツアーのみですが)したベラルーシ人は2023年、組織されたグループ、つまり旅行会社を通じてベラルーシ人が全国を旅行した回130万ツアー数。それに対して2023年は170万ツアーに達しました。
 また2023年には25万人以上のベラルーシ人が旅行会社をツアーを通じてロシア旅行をしています。
 最近ベラルーシ人に人気の観光地は黄金の環やコーカサス地方だそうです。
 戦争中でも戦争当時国でも関係なく旅行に行く人は行くんですね。

2024年4月11日。ウクライナ侵攻から779日目

2024-04-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月10日。

 前日の10日、ベラルーシから隣国のポーランドに、一度に220人以上の外国人(ベラルーシ人ではないですよ。)が不法入国を試みて、国境の柵を乗り越えようとする様子が監視カメラで捉えられました。集団は複数のはしごを準備していたほか、入国を阻止しようとするポーランドの国境警備隊に対して、石などを投げつけ抵抗したということです。
 結局、集団は不法入国を諦めベラルーシ国内へと引き返しましたが、現場には木に釘を打ち付けた武器などが残されていたということです。
 この人たちが今、ベラルーシ領内にいるのはまちがいないですが、どこでどうしているのでしょうか。 


 ウクライナのトリピリスカ火力発電所は今日、ロシアのミサイル攻撃で破壊されました。
 ゼレンスキー氏は米公共放送PBSのインタビューで「ミサイル11発が飛来した。最初の7発は迎撃に成功したが、残りの4発がトリピリスカを破壊した。」と語り、すべてのミサイルを迎撃できなかったと不満を表しています。

 ロシア大統領は今日、ベラルーシ大統領と会談し、「我々のエネルギー施設に対し最近相次いだ攻撃に対応する義務があった」とし、「エネルギー施設の攻撃はウクライナの非武装化という目標と関連したもの」だと述べまし。


 ウクライナ議会は動員逃れへの罰則強化などを盛り込んだ軍への動員に関する改正法案を賛成多数で可決しました。
 法案では、18歳から60歳の男性は最新の個人情報を軍に登録することや兵役に関する書類の携帯を義務付けることなどが盛り込まれています。
 また、動員に従わない人は車の運転を禁止するなど、動員逃れへの罰則も強化されています。
 当初、法案に盛り込まれていた「動員された兵士は3年後に動員を解除される」とする条項は削除されました。
 法案はゼレンスキー大統領が署名した後、1カ月後に発効します。
 ウクライナも兵士不足が深刻化しているようです。

2024年4月8日。ウクライナ侵攻から776日目

2024-04-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月8日。
 戦争中で国が大変なときでも関係なく自然災害は起こります。
 ウラル山脈、シベリア、カザフスタンの地域で雪解けが急速に進み、主要な河川が増水、過去70年間で最悪の洪水が発生しました。
 ウラル川で5日、堤防ダムが決壊。ウラル山脈の南に位置するオルスク市全域が水没。下流の約50万人の都市オレンブルクでも水位が上昇し、10日にピークに達すると予想されています。
 記録的な洪水に見舞われているロシア南部とカザフスタンで、合計10万人に対して避難命令が出されました。
 それだけでも驚きなのに、オルスク市で今日、被災した一部の住民が市庁舎前に押し寄せて地元当局の対応の鈍さに対する抗議の声を上げました。これはロシアでは異例のことですね。
 プーチン大統領は中央政府は洪水を監視しているとしていますが、オルスクでは当局の対応に不満を持った少なくとも100人の市民がプーチン氏に支援を訴えたほか、地元当局者に「恥を知れ」と罵声を浴びせました。

 トボル川流域のクルガン市の人々は直ちに避難するよう警告されています。この地域には約80万人が住んでおり、トボル川の一部の水位はわずか2時間で約74センチも上昇。タス通信によると、
 オレンブルク、クルガン、そして西シベリアの主要産油地域であるチュメンで非常事態が宣言されました。

 プーチン氏は非常事態省のクレンコフ長官に現地で事態を注視するよう指示し、同長官は9日、オレンブルクに向けて出発しました。非常事態省はまた、救助隊を増援していると発表しています。 
 戦争中で人手(特に男手)が足りないときに大変です。早く近隣住民は避難してほしいですが、そうすると今度は「避難しろと言われてもどこへ行けばいいのか?」という問題が出てきていると思います。

2024年4月6日。ウクライナ侵攻から774日目

2024-04-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月6日。
 ベラルーシ初の宇宙飛行士を乗せたロシアの宇宙船ソユーズMS-24が国際宇宙ステーションから地球へ無事帰還しました。

 乗組員はロスコスモスのオレグ・ノヴィツキー宇宙飛行士(ロシア人宇宙飛行士ということになっていますが、実際にはベラルーシ出身)、ベラルーシのマリーナ・ワシレフスカヤ宇宙飛行士、NASAのローラル・オハラ宇宙飛行士です。オハラ飛行士は帰還までに地球低軌道で204日間を過ごしたということです。
 ワシレフスカヤ宇宙飛行士は3月26日からの短期滞在でしたが、ベラルーシの歴史に輝かしい足跡を残しましたね。
 他にも訓練中のベラルーシ人宇宙飛行士がいるので、これからもベラルーシ人が宇宙へ飛び出すニュースが続くかもしれません。おもしろいのは訓練中のベラルーシ人宇宙飛行士は全員女性ということです。

2024年4月3日。ウクライナ侵攻から771日目

2024-04-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月3日。
 今朝のミンスク。うっすら雪が積もりました。気温は1度。

 ロシア国防省は今日、モスクワで先月22日に起きた銃乱射事件以降、ロシア軍の入隊が大幅に増えたと発表しました。
 年初から軍と契約を結んだ10万人余りの入隊者のうち、過去10日間の新規契約者は約1万6000人に上ったということです。
 さらに過去1週間に各都市の選考会場で行われた面接では、入隊希望者の大半が事件の犠牲者のために報復することを入隊の主な理由として挙げたとしています。

 本当でしょうか。本当なら、高給が目当てで入隊を希望するのではなく、感情を理由に発奮して入隊したロシア人が増えたということになります。
 さらにロシア軍への入隊というのはウクライナへの戦地に赴きたいということであり、テロと戦うということでは主な目的ではありません。
 実際にそういう希望者がいるなら、その人達は今回のテロ事件の背後にウクライナがいるというロシア大統領の発言を固く信じている人ということになりますね。 
 ウクライナ政府が関与を否定し、イスラム国が犯行声明を出しているのに、いやウクライナのせいでテロが起きたんだ、ウクライナに報復したいと信じている人がロシアに大勢いることになります。
 日本人の感覚からすると、そんなに自分の大統領の言ってることを信じるの?と思うでしょう。
 
 ただ、上記のロシア国防省の発言は入隊者を増やしたいがために、わざと「希望者の大半が事件の犠牲者のために報復するって言ってましたよ。」と国民に宣伝しているような気がします。
 アンケート調査の結果の数字でもないですし。
 いろいろとイメージづくりをしているのではないでしょうか。
 
 


2024年4月2日。ウクライナ侵攻から770日目

2024-04-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年4月2日。
 今日、ベラルーシは4月とは思えない気温、24度です。蒸し暑い・・・。しかし、夕方大雨が降って、気温が4度にまで下がりました。1日で気温が20度も下がるのはベラルーシでも珍しいですね。

 毎年4月2日はロシア・ベラルーシ連合条約締結の日です。この時期になるといかにベラルーシとロシアが仲が良いのかさまざまなイベントが開催されます。

 これに先立ち、ベラルーシ人とロシア人の国際結婚の調査結果が発表されました。
 2023年、外国人と結婚したベラルーシ人のうち、半数以上の58.7%がロシア人との結婚でした。
 またベラルーシに居住するロシア人同士の結婚も26件あったそうです。
 それだけロシア人がベラルーシにたくさん住んでいるということですね。

  2019年の国勢調査によると、70万7千人のロシア人がベラルーシに住んでいました。コロナ禍前の数字を出してきていますが、これはどういうことなのでしょう。コロナ禍の影響で人が移動する(帰国する)ことが増えたので、正しい統計が取れなくなったのかもしれません。
 このうち約60万人が都市部に居住しており、残りの11万人は農村部で暮らしています。

 また2023年には17万5千人以上のロシア人がベラルーシの療養所(サナトリウム)など保養施設に訪れています。外国人総数のうちロシア人が93%を占めています。ロシア人にとってはベラルーシが人気の保養先のようです。言葉の壁もないし。

 2023年、ベラルーシとロシアの相互貿易額は6.3%増加しました。主にベラルーシはロシアへ乳製品と肉製品、トラックと乗用車、テレビ、モニター、プロジェクター、トラクターを輸出しました。
 そしてロシアからは石油、ガス、鉄金属などを輸入しています。 2023年のロシアからベラルーシへの投資額は51億ドルに達し、2022年よ​​り12億ドル増加しました。
 ベラルーシにはロシア資本の企業が2,300以上進出しています。
 蜜月関係というより経済制裁を受けている今、両国が助け合わないといけないという状況だということでしょう。


 ロシア中部のタタールスタン共和国でドローン攻撃があり、ウクライナ側はドローン製造工場を攻撃したと主張しています。
 攻撃を受けたのはエラブガ市の経済特区「アラブガ」とニジネカムスク市の石油施設で、少なくとも7人がけがをしました。
 ウクライナメディアは軍情報総局が無人機の製造工場を攻撃したと報じています。大した戦果があるように見えませんが、問題なのはタタールスタンはウクライナ国境からは1300キロ離れていることです。1300キロ離れた標的ですらドローン攻撃ができると証明したいようです。
 この「アラブガ」でも15歳から17歳の専門学校生が24時間態勢でドローンの組み立てを行っていると報じています。
 結局、この21世紀の戦争とはドローン対決ということなのですね。

2024年3月31日。ウクライナ侵攻から768日目

2024-03-31 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年3月31日。

 ロシア大統領府は今日、大統領が春の徴兵に関する大統領令に署名したと発表しました。
 4月1日~7月15日までに、15万人を徴兵するそうです。ロシア軍は人手不足でどうしようもないのでしょう。
 対象は18歳~30歳までのロシア国民です。(ベラルーシは27歳まで。)


 ロシア国防省は今日、ウクライナのエネルギー施設や軍事施設に、大規模な攻撃を行ったと発表しました。
 西部リビウがミサイルとドローンあわせて27機の攻撃を受け、ウクライナメディアによると1人が死亡しています。


 ロシア国家対テロ委員会は、ロシア治安部隊が今日、ダゲスタン共和国でテロ実行を計画した容疑でテロリスト3人を拘束したと発表しました。
 同委員会によれば、治安部隊はカスピ海沿岸のマハチカラとカスピスクの潜伏先で、自動小銃、弾薬、手製の爆破装置などを押収したそうです。
 今月22日のモスクワのテロ事件では、タジキスタン人が容疑者となっていますが、現在ロシア全土に厳戒態勢が敷かれています。
 ダゲスタンとかタジキスタンとか名称が似ているので混乱しやすいですね。

 
 タジキスタンの労働移民雇用省によると、銃乱射テロ事件以降、ロシアからタジキスタンへ入国する移民労働者が急増しています。同省副大臣の話では、同省は多数の問い合わせを受けており、大半はロシアで働いている移民労働者が不安を感じ、ロシアからの出国を希望する内容だそうです。
 タジキスタンからの出国者より同国への入国者の方が多くなったということです。テロ事件以降、タジキスタン人というだけで殴られたりする事件が起こっていますから、ロシアから出国して故郷のタジキスタンに戻りたいと考える人が増えるのは当然ですね。
 ただ同省は、ロシアからの移民流出は一時的な現象と想定しています。
 ロシアに移住した、あるいは出稼ぎに来ているタジキスタン人が大勢いるわけですから、それがみんなタジキスタンに戻ったら、ロシアでまた労働者不足が進みます。

 

2024年3月30日。ウクライナ侵攻から767日目

2024-03-30 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年3月30日。
 今日は土曜日。そして土曜日は私にとっては日本語の授業がつまっている一番忙しい日です。
 出勤のため地下鉄を利用しています。
 いつものように地下鉄に乗っていたら、職場最寄り駅の一つ手前の駅で急に止まってしまいました。
 車内アナウンスによると「技術面の問題発生により停車します。」しばらく待っていると「あと15分は停車したままです。」と放送されたので、その駅で降りることにしました。
 その後、一駅分歩いて職場に到着。ぎりぎり授業に間に合いました。
 これが職場からもっと離れた駅で下りていたら完全に遅刻。

 それにしても地下鉄で何があったんだろう、歩いている途中、消防車が2台走っていくようすを見かけたけど、最近モスクワのテロのせいで、最近ミンスクの地下鉄も警備が強化されているのに何だろう・・・と思いながらも授業をしないといけないので、ニュースなどは見ていなかったのです。

 その日の仕事が終わって、ニュースサイトを開いたら、ブレーキの故障だったことが分かりました。テロなどではなくて
よかった。
 午前9時35分ごろ、私が乗っていた地下鉄車両ではなく、3本ほど後ろを走っていた車両がオクチャブリスカヤ駅とレーニン広場駅の間を走行中、ブレーキが故障して煙が発生して停止。他の車両も最寄り駅で停止したということでした。
 事故が発生した場所は私はすでに通過した後でした。
 
 午前9時56分に電車の運行が再開されたとのことで、もちろんテロでも何でもなくて大した事故でもなくて、良かったと思いました。
 でも、ちょうどその車両に乗り合わせていた人がスマホで動画を撮っていて、ネット上に出回るんですよね。
 それを見たら、停止した車両の中に煙が立ち込めていて、どうもこのへんから煙が出ているように見える車両の床の部分を撮影しています。
 すると座席の下のあたりから火花が散りました。幸い火災は発生しませんでしたが、乗り合わせていた乗客は車両の端のほうに寄っていて、私は自分がこのときこの車両に乗っていなくてよかったと思いました。
 地下鉄の中で火花が散るのは見たくないですね。 
 けが人もなくて本当によかったです。
 

2024年3月29日。ウクライナ侵攻から766日目

2024-03-29 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年3月29日。

 モルドバの児童合唱団「ラプソディ」がワルシャワのコンサートに出演した後(すぐに母国へ帰国すればよかったのですが)ベラルーシにも入国して、音楽フェスティバルに出演しました。
 その後、モルドバに帰国しようとしましたが、ポーランドもリトアニアもベラルーシからモルドバ人が国境を越えようとするのを許可しませんでした。

 「ラプソディ」の団長の話によると、ベラルーシの音楽フェス出演後、バスに乗ってポーランドの検問所テレスポリに到着したところ、夜中に4時間待たされた挙げ句、バスはこれ以上先へは進めないと告げられました。
 団長がモルドバ外務省に連絡すると、リトアニア国境に行くようアドバイスを受けました。
 そこへ直行すると、ベラルーシ側の検問所は問題なく通過。しかしリトアニアの検問所ではバスは離れたところに駐車させられ、団長だけが国境警備隊と話ができる状態に。
 合唱団の子供たちはバスの中で一晩過ごし、7時間も待たされ、トイレに行きたいと言っているのにバスから降りることは禁止。
 団長がバスから下りて、子どもをトイレに行かせたいと言おうとすると、リトアニアの国境警備隊はバスに戻れと命令。
 子供たちをトイレに連れて行きたいと何とか訴えると、国境警備隊はロシア語がわからないとすっとぼけます。
 団長がそれでもと二歩前に出ると、国境警備隊の一人が機関銃を向けてきました。
 子どもたちはトイレにも行けずバスの中に缶詰の状態。

 その後、国境警備隊はモルドバの子ども合唱団が国境を越えることを許可されなかった理由を示す文書を持ってきましたが、そこに「(モルドバの子ども合唱団は)リトアニアの国家安全保障に対する脅威であるから」と正式に書かれていたそうです。
 この事件はベラルーシで報道され、ベラルーシ人はモルドバの子どもたちが一刻も早く家に帰れるよう祈っていました。
 報道されると、今度はリトアニア側が、モルドバ人側に書類の不備があったと言い出しました。

 ベラルーシ側は子どもたちを気の毒に思い、国境近くの村へバスを移動させ、地元の学校で給食をごちそうしました。
 内訳は子供 11 人、大人 12 人、バス運転手 2 人だったそうです。
 この人たちはベラルーシに大変感謝していました。

 報道や外交レベルの交渉のおかげで、慈善団体が支援を申し出たり、モルドバの有名な野党政治家がキシナウまでの航空券の支払いを申し出てくれたそうです。
 さらに同行していた大人(合唱団のメンバー、子どもの保護者)もSNS上で助けを求めるメッセージを公開し始め、これに応じた人々の中にモルドバの前大統領イーゴリ・ドドンの電話番号を知ってい流人がいたので、すぐに電話してくれたそうです。
 ドドンはリトアニアのモルドバ領事に連絡を取り、しばらくして、モルドバ外交官が問題の解決に乗り出しました。
 ベラルーシのモルドバ大使館からも村の学校を訪問。児童合唱団に対して、帰国できるようにすると約束しました。
 そして、今日の午後、合唱団は国境を超えてリトアニアに入国できました。その後1日かけて陸路でモルドバに帰国する予定です。明日ようやく家に辿り着けそうです。



 ロシア最高検察庁は今日、「百万本のバラ」などのヒット曲で知られる国民的歌手アーラ・プガチョワをスパイを意味する「外国の代理人」に指定するよう法務省に要請しました。
 御本人はとっくに家族でイスラエルに移住。
 夫のテレビ司会者マクシム・ガルキンが侵攻を批判したところ、外国の代理人に指定されたため、自分自身も指定するよう訴えていました。
 その結果が今日のこの決定です。
 例えて言うなら、日本政府がどこか隣の国に侵攻して、それを批判した歌手(紅白歌合戦でトリになっている歌手)を外国人のスパイ認定し、命の危険を感じてどこか遠い中立の国に家族で移住しました、もう日本国内の歌番組には出演しません、と言っているような感じだと言えばわかりやすいでしょうか。


2024年3月28日。ウクライナ侵攻から765日目

2024-03-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年3月28日。

 ロシア連邦捜査委員会は今日、モスクワ郊外の襲撃事件で押収した機器を分析した結果、「拘束したテロリストが、ウクライナの民族主義者とつながっている証拠を得た」と、テレグラムで明らかにしました。
 ウクライナ政府やイスラム国が否定しても、とにかくロシアが書いたシナリオ通りにしたいようですね。

 他にも、ウクライナからテロ実行犯に多額の資金や暗号通貨が送られ、犯罪の準備に使われたと確認したと報告。
「計画的な行動と入念な準備、犯罪の首謀者(ウクライナ)からの資金的支援が完全に裏付けられた」と結論づけています。捜査委員会はまた、「テロの資金計画に関与した」として、新たに別の容疑者を拘束したと発表しました。これで計12人の容疑者が拘束されたことになる。この12番めの人が拷問を伴う取り調べを受けているのでしょう。

 テロ事件ではすでに死亡者が増え、すでに143人となっています。

2024年3月27日。ウクライナ侵攻から764日目

2024-03-27 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年3月27日。

 ロシアの治安部隊はモスクワ郊外の物流倉庫で今日、5000人の移民労働者に対して抜き打ち検査を行いました。この検査でイスラム系移民38人が滞在登録の不備などを理由に摘発されました。
 独立系メディアによりますと、軍事事務所に連行された人もいて、ウクライナとの戦闘の前線に送られる可能性があります。 
 兵士不足を補うために、ロシアの移民(外国人)に武器を手に取らせて、戦争に巻き込もうとしています。

 22日のテロの実行犯の出身国とされるタジキスタン系移民が運行するタクシーでは、乗車拒否が頻発しています。
 タジキスタン人男性は差別されないようにひげをそり始めているそうです。

 ロシアのイスラム系住民は2500万人、移民労働者は600万人といわれています。
 こんな数の労働者を差別して、ロシア経済はどうなるのでしょうか。
 国民の移民排斥感情が膨れ上がったのは想定外だったのでしょうか。ロシア大統領は「排外的な愛国主義は国を破滅させる」と述べ、国民を牽制しています。
 容疑者がタジキスタン人だったことを知ったとき、こうならないように、「いや、黒幕はウクライナだからね。」とロシア大統領は繰り返したのではないでしょうか。
 もっともイスラム国が犯行声明を出し、容疑者を拷問していたことに対してロシアへの報復を宣言しているので、泥沼化の様相です。

2024年3月26日。ウクライナ侵攻から763日目

2024-03-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年3月26日。

 22日にモスクワのコンサートホールで起きた大規模テロをめぐり、ベラルーシ大統領は今日、事件発生直後にロシア大統領と連絡を取り、ベラルーシとロシアの国境管理の態勢を強化した結果、容疑者はそれで背を向けてウクライナ側に向かったと述べました。

 当初からウクライナ側が国境を越える「窓口」を用意していたとするロシア大統領の主張と矛盾しますね。
 今回の事件が起きた後、両国大統領はすぐに電話会議。
 そしてすぐにベラルーシは国境地帯の警備を再大レベルに強化したことは、事件当日の夜にすでにベラルーシでは報道されていました。
 電話会談で、ロシア側から「容疑者はベラルーシ方面に逃げたらしい。」という情報を得たので、すぐに国境警備を固めたのだと推測されます。
 容疑者は翌日には拘束され、ロシア大統領は裏でウクライナが関与しているとかだからウクライナへ逃げたとか発言。
 
 今日になってベラルーシ大統領がこのような発言をしたのはなぜでしょう。
 理由としては、犯罪者を入国させなかった、つまりベラルーシを守ったという指導力を国民にアピールするためだと思います。
 ベラルーシの大統領としてはそうして当然なのですが、ウクライナに逃げようとしていた(ウクライナが関与している)と主張するロシア大統領との主張と矛盾する結果になってしまいました。
 

 今回のテロ事件の影響で、ロシアでタジキスタン人への差別が始まるのではないかと心配していましたが、そのとおりになりました。
 ロシアでは軽犯罪であっても犯人の外国人は追放すべきという国会議員の主張が出てきています。
 ロシアのダワンコフ下院副議長はテロ2日後の24日、テレグラムに「良心的に働きたい人だけでなく露骨な悪を望む人々もロシアに来るのは簡単だ。軽犯罪を犯しても追放するなどあらゆる範囲の措置が必要だ」と投稿しました。
 シェレメト下院議員も最近西側の情報機関が移住者を利用してロシア国内の状況を不安定にさせる恐れがあるとし、「移住を規制して国内安保を守らなければならない」と主張しました。
 ロシア労働社会保障省は移住労働者が事前に登録した勤務地と異なる場所や会社で勤める場合、15日以内に強制出国させる法案提出を準備しているとロシアメディアが伝えています。
 ロシアのクラスノフ検事総長は今日、「昨年ロシア国内の移民者犯罪が前年比75%増加した。市民の安全確保と外国人労働力活用にともなう経済的合理性の均衡を合わせる必要がある」として外国人嫌悪をあおる発言をしました。
 ロシアの一部地域ではロシア人が移民の所有という理由で建物に火を付けたり、路上でタジキスタン出身の移民を無差別で暴力を振るう行為も発生しました。道を歩いているだけで殴られています。
 外国に住んでいる日本人である私としては、こういうニュースを聞くと、ロシアには行けないと思ってしまいます。またベラルーシに飛び火だけはしてほしくないです。

2024年3月25日。ウクライナ侵攻から762日目

2024-03-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年3月25日。

 予定通りロシアの宇宙センターから打ち上げられたソユーズMS-25に搭乗したベラルーシ共和国初の宇宙飛行士(しかも女性)マリーナ・ワシレフスカヤ氏(元ベラビアの客室添乗員)が国際宇宙ステーションに到着しました。
 宇宙空間でバクテリアを使った実験などを行う予定です。
 国際宇宙ステーションの中には、アメリカ区域、ロシア区域など一応区分けされているんですね。
 ワシリエフスカヤさんは、「私がアメリカ区域に行くとき、アメリカのビザは必要ないんです。」というジョークを地球に送っています。
 これなのに地球上では・・・戦争とかテロとかやってる場合じゃないですよ・・・