フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月30日(木) 晴れ

2024-05-31 11:58:57 | Weblog

7時45分、起床。

チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。

新聞の女性雑誌の広告に「ちあきなおみ30年沈黙破る再始動」の文字が。この手の噂話は何度も出たが、さすがにもうないんじゃないかな。

昨日のブログを書いてアップする。

今日は昨日よりさらに熱いようだ。

昼前を出て大学へ。蒲田駅で電車に乗ると優先席が空いていたので座る。そして2つ目の大井町で松葉杖の若い女性が乗ってきたので席を譲る。続いて松葉杖の高齢女性が乗ってきたが、別の人が席を譲った。「松葉杖」というわかりやすい目印がある場合は席の譲り合いはスムーズである。しかし、もし松葉杖の若い女性と高齢女性が同時に乗って来て目の前に立たれたら私はどちらに席を譲ったであろうか。高齢者優先なのだろうか・・・。まぁ、二人の乗客が同時に席を譲るために立つとは思いますけどね。しかし、さらにしかしである、もし優先席に座っている3人の乗客が3人とも相当の高齢者であった場合は・・・と想像は膨らむ。遠い未来の話ではない。明日か明後日くらいの話だ。私は高齢者の仲間入りをしたものの、高齢期は長く、ヤングオールドの私はより高齢の方に躊躇なく席を譲れるが、あと10年もしたらどうだろう。ミドルオールドの私がオールドオールドの方に席を譲るというのは、それが身体的に可能だとしても、自分の「若さ」「健康」を誇示するようで気が引けるかもしれない。これまで「若者・中年」が「高齢者」に席を譲る(譲らない)という構図で議論がされてきたが、徐々に新しい構図が見えてきている。

研究室に着いて、途中のコンビニで買ったおにぎりで昼食。梅と昆布としらす。しらすは珍しいが、握りが弱いせいか、ぽろぽろと崩れて食べにくかった。

3限の大学院の演習は3名の受講者中2名から欠席の連絡があったので、予定を変えて、出席したNさんの修論についての話をした。

4限の研究指導はお休みで、昼寝&読書タイム。

5限の学部の演習「現代人と社交」はレポートについて話をした後、ドラマ『深夜食堂』の「タマゴサンド」の回を観て、飲食店における社交についてディスカッション。

授業を終えて、7時過ぎに大学を出る。

「ごんべえ」が客(学生たち)でいっぱいだったので、夕食は蒲田に戻ってから駅前の「台湾菜館」で。

「夜ごはんセット」の中から、豚茄子の旨辛炒め(+春巻き)を注文した。

豚茄子の旨辛炒めはごはんの進む味付けである。テーブルの上にキンドル・スクライブを立てて『ブルックリン・フォリーズ』を読みながら、ゆっくり食事をする。

デザートはゴマ団子を注文。

ゴマ団子は一皿3個(680円)。好物であるが、もし1個単位で注文できるのであれば、2個でいいかなと思う。私がゴマ団子を注文したとき店員の女性が「お好きなのね」という感じでニッコリした。ゆっくり時間をかけて3個食べた。

注文を取りに来たのは人間の女性だったが、ゴマ団子を運んで来たのはロボットの猫ちゃんだった。

滞在時間は1時間ちょっと。「ごんべえ」で食事をするときのときの3倍くらだろう。

帰宅して居間のソファーでアニメ『バーテンダー』(録画)を観る。私は経験がないが、バーのカウンターも客にとってのサードプレイスの条件を備えているだろう。

レビューシートのチェック。

明日の授業の準備。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

1時半、就寝。


5月29日(水) 晴れ

2024-05-30 11:20:44 | Weblog

7時50分、起床。

バタートースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。先日、西新井の「きままかふぇ」でいただいた三宝柑のマーマレードも(美味しい)。

食事をとりながら『虎に翼』を観る。すっかり衰弱して(肺炎+栄養失調)死の床にあった父親が、突然、家族に(とくに寅子に)「ごめんなさい」と懺悔を始めた。謝らないことには死んでも死にきれないと。どこかコミカルなところがあって、赦してもらって、感謝さえしてもらって、もしかしたらこのまま元気になるのではないかと思うほどしっかりした口調だったが、やはり数日後に亡くなった。金曜日のプレミアムトークのゲストは父親を演じた岡部たかしとのこと(仲野太賀も待ってます)。

『サンデー・ソングブック』をタイムフリーで聴きながら(3時間=3回まで聴けるのだ)、昨日のブログを書く。一番のトピックは床屋での理髪師さんとのおしゃべりだ。私はブログの記事にタイトルをいちいち付けないが、もしつけるとしたら、昨日の記事は「おしゃべりな理髪師さん」だろう。

昨日は雨だったが、今日は晴れである。空は毎日見上げる。雲一つない青空というものも悪くないが、はやり雲はあったほうがよい。眺めていて飽きない。

レビューシートのチェックなどをして(本日が提出締切日)、1時半過ぎに昼食を食べに出る。

近所の居酒屋「ポン太」が閉店して、大家さんだろうか、入口の柱に貼られた各種のシールを剥がしていた。下戸の私には無縁な店であったが、夜遅くから明け方(?)まで営業しているドラマ「深夜食堂」のような店であった。

今日は陽射しが強い。

木陰が貴重だ。

矢向に行く。

矢向といえば、「パン日和あをや」や「ノチハレ珈琲店」のある私にとっての「飛び地カフェ」エリアである。

今日のお目当ては「ノチハレ珈琲店」の・・・

マヨたまトーストと赤じそソーダである。マヨたまトーストは通年メニューだが、赤じそソーダは季節限定メニューである。この組み合わせが楽しめるのは夏の間だけなのだ。

あっという間に食べてしまい(マヨたまトーストは熱々が美味しいのだ)、まだ空腹感は残っている。さて、どうしよう。メニューを眺めて、少考し、小倉あんトーストとハレブレンドを追加で注文。

会計のとき、ハレブレンドの豆を100グラム(630円)購入。5杯分くらいかな。

これで家には先日購入した「きままかふぇ」のモカ浅煎りと、このハレブレンドがあることになる。「きりん珈琲」のきりんブレンドも揃えておきたいな。

帰宅してしばらく昼寝。やっぱり食べ過ぎたかもしれない。

昼寝から起きて、レビューシートのチェック。

夕食はハンバーグ、野菜のポタージュスープ、サラダ、ごはん。

デザートはメロン。

食事をしながら『季節のない街』第7話(録画)を観る。かつ子は同居しているおじにレイプされ、妊娠する。死のうと思って、コンビニに行って店員のオカベの腹を刃物で刺す。幸い命には別条はなかったが、退院したオカベが彼女にどうして自分を刺したのか聞いたところ、「自分が死んで、オカベさんに忘れられるのが怖かった」と答えた。オカベにはすぐに理解できないようだったが、彼女は彼を殺してから自分も死ぬ、つまり一種の心中を図ろうとしていたわけである。あの無口で無表情のかつ子という女の情の深さをわれわれは知ることになった。

その後、土手に並んで座って、オカベが覚えたてのギターで。♪季節のない街に生まれ~と泉谷しげるの『春夏秋冬』を歌い始めると、途中から、♪今日ですべてが終わるさ、今日ですべてが変わる~、とカツ子がハモるシーンはここまでのドラマの中で一番美しいシーンであった。おそらく脚本・演出の宮藤官九郎は「このままではベタ過ぎる」と考えたのだろう、オカベに「勝手にハモるのやめてくれる」と言わせた(笑)。

「感動しました」

風呂から出て、今日の日記を付ける。

12時を回ったところで、レビューシートのチェック。

1時、就寝。


5月28日(火) 雨

2024-05-29 11:58:44 | Weblog

8時半、起床。

寝坊した。洗面の前に一階に降りて雨戸を開ける。通勤・通学で駅に向かう途中で、出窓にいるチャイを見るのを楽しみにしている人たちが多いということを知ってから、雨戸はできるだけ早く開けるようにしているのであるが、今日は遅すぎる。

チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。

食事をとりながら『虎に翼』を観る。優三が戦病死したという知らせを父が隠していた。一日二日ならまだしも、半年間もだ。これはさすがにまずいだろう。

『サンデー・ソングブック』をタイムフリーで聴きながら、昨日のブログを書く。

午後、床屋に行く。「サカゼン」の店頭に「蒲田Tシャツ」が出ていた(「糀谷」も「六郷」も「馬込」も蒲田周辺の地名である)。「大人気!」とのことである。本当か? 着ている人をまだ見たことはない。

床屋はちょうど2カ月ぶりである。もう少し先でもいいかなと思うくらいに来るのがいい。

ここは個人営業の床屋ではなく、チェーン店で、複数の理髪師さんがいる。今日わたしを担当してくれた理髪師さんは初めての方だった。前からいらした方なのか、最近入った方なのか、たぶん後者だろう。年齢がよくわからなかったが、話の途中で父親が72歳という話が出たので、40代くらいの方だろう。青森の下北半島の出身で、そのまま地元にいたら漁師になるところだが、それがいやだったので、上京してきたそうである。お父様も同じで、出稼ぎで上京して大工になったそうだ。そんな話から始まって、趣味の釣りの話、好きなお酒の話(失敗談の数々)、下北の漁業の話など、1時間弱の間、われわれはずっとおしゃべりをしていた(彼が話をして私がそれに相槌を打ったり質問をしたりという形で進行した)。一般に理髪師さんは客と会話を心がけている人が多いが、もちろん会話は相手あってのことだから、口数の少ない客、目を閉じて休息をとりたい客との間には会話は生じない。ちょうどカフェのマスターやマダムが客の雰囲気から話しかけたり話かけなかったりするのと同じである。昔に比べると、床屋での会話は少なくなってきたように思う。今回に関しては、私が鏡の前に座るなり「梅雨めいて来ましたね」と理髪師さんに話しかけたことで理髪師さんの会話スイッチが入ったのだろう。

女性の場合は、美容院で美容師さんを指名する人が多いようなので、いつも同じ美容師さんとの間でなら会話はさらに生まれやすいだろう。それで思い出すのは、ドラマ『いちばんすきな花』で椿(松下洸平)が初めて入った美容院で美容師の夜々(今田美桜)とした会話である。

 カットの準備をする夜々。

 椿、店内に飾られた花が気になって凝視。

夜々「お花好きなんですか?」

椿「はい、まぁ、好きですね。好きです」

夜々「いいですよねぇ。私も好きです!買う予定もないのに、よくお花屋さんに寄っちゃったりして」

椿「あ、花屋は嫌いです」

夜々「ん?」

椿「花屋は嫌いなんです。花は好きなんですけど、花屋はちょっと」

 夜々、「なんだこいつ」と思いつつケープの首元を気にして、

夜々「苦しくないですか?」

 と営業スマイルで準備を続ける。

椿「苦しくないです。(いろいろ思い出して)苦しかったんですよ、教室が嫌いで」

夜々「え?」

椿「学校の教室。教室というか、クラスというか。そういう集団の、単位」

夜々「・・・はい」

椿「同じ地域に同じ年に生まれたってだけで寄せ集められて、みんな友達、みんな仲良しって、あの感じ」

夜々「はい・・・」

椿「花屋も同じです。花ってだけで寄せ集められて、客のほうに顔向けられて、はい、綺麗でしょって」

夜々「なるほど・・・」

椿「学校嫌いです。同じくらい、花屋も嫌いです」

夜々「お花は選ばれて買われていきますしね・・・」

椿「花束とかね、勝手にグループ作られちゃってりして」

夜々「(しみじみと)おんなじですねぇ・・・」

初めて来た客と美容師の会話としては不自然すぎる。まずありえない会話である。椿がこんな話をしたのはここが始めてくる美容院で、そして二度と来ることのない美容院であるからである。だから、逆に、こんな自己開示ができたのである。脚本家はこんなありえない状況を設定して、椿の語りを通して、このドラマのテーマを視聴者に提示してみせたのである。ちなみに椿の実家は花屋である。

散髪を終えて、昼食をとりに「プリミエールカフェ」に顔を出す。こちらは1月半ぶりくらいだ。ちょっと間が空いてしまった。

海老ドリアを注文する。

テーブルの上にキンドル・スクライブを立てて『ブルックリン・フォリナーズ』を読む。

「純粋に人類学的な見地から言って、ブルックリンの民は、これまで遭遇したどの部族より見知らぬ他人と話すのを嫌がらないことを私は発見した。人々は好き勝手に他人の用事に口出しし(子供に十分暖かい服を着せていないといって年配の女性が若い母親をたしなめたり、犬のリードをひっぱりすぎだといって通行人が飼い主を叱る)、駐車スペースをめぐって狂乱の四歳同士のように言い争い、当意即妙の短いジョークを平然と決めてみせた。ある日曜の朝、〈ラ・ベーグル・ディライト〉なる馬鹿げた名の混みあったデリカテッセンに私は入っていった。シナモン・レーズン・ベーグルを注文するつもりだったのだが、言葉が口に引っかかって、シンモンレーガンとなって出でしまった。間髪を容れず、カウンターにいた若い男は答えた―「すみません、それは扱ってないんです。代わりにパンパーニクソンはいかがですか?」実に速い。あまりの速さに、こっちは危うくズボンを濡らしまうところだった。」

『ブルックリン・フォリナーズ』は2005年の作だが、それから20年が過ぎた現在、はたしてブルックリンはいまも街中で他人同士が即興劇のような言葉のやりとり(おせっかいも含めて一種の社交と言い換えてもいい)をする劇場のような街であり続けているのかしら。それとも多くの都市と同じように互いに無関心な人々が無表情で行きかう街になってしまっているのだろうか。

「プリミエールカフェ」を出る頃、雨がパラパラと降って来て、家に帰りつくころには強い雨と風になった。

夕食までの時間、オンデマンド授業の原稿と講義資料の作成。

夕食はポキ丼、玉ねぎの味噌汁、沢庵。

上から醤油をかけ回して食べる。

「塩分の取り過ぎに気を付けて!」(チャイ、久しぶりに登場)

食事をしながらTVerで『アンメット』(第7話)を観る。録画もしてあったのだが、北朝鮮のミサイルのせいで終盤がカットされてしまったらしいので。

オンデマンド授業の収録。

風呂から出て、『村上RADIO』をタイムフリーで聴きながら、今日の日記を付ける。

1時、就寝。


5月27日(月) 小雨

2024-05-28 12:29:22 | Weblog

8時、起床。このところ耳鳴りが大きい。耳鳴りには、私の場合、周期のようなものがあって、いまは拡大期なのである。

将棋名人戦第5局2日目。藤井の封じ手は大方の予想通り「2四歩」だった。豊島はノータイムで「同歩」。

ここで藤井は次の一手に30分ほど考えた。2四歩に同歩は必然の応手なので、当然、その次の手も考えた上での封じ手であろうから、ここで考えるのはちょっと不可解な気がしたが、おそらく後戻りできない激しい展開になるので、念には念を入れて確認していたのだう。そして「5五歩」と決断の一手を指した。ここで豊島が長考に沈んだ。

チーズトースト、目玉焼き、牛乳、珈琲の朝食。定番のソーセージを抜いたのはささやかな体重コントロールのためである。

昨日のブログを書く。

豊島は90分の大長考で「同金」と5五歩を取った。「同歩」と「6四金」の二択の局面で、「同金」は金を攻めに参加せせる手で、迫力はあるが自陣の守りが薄くなる。「6四金」は金を守りに使う手だが、攻め味がなくなる。一長一短なのだが、90分の大長考は先手からの「5五歩」を軽視していたのかもしれない。

雨の中、昼食を食べに出る。

先日購入した竹内恵美子さんの書道アートの作品の代金をATMで振り込む。

「天丼てんや」に入る。

たれづけ海老尽くし天丼をごはん少な目で注文する。

海老が2本、むき海老と舞茸の摘まみ上げ、ひらさやいんげんの天ぷら。920円(税込)だが、ごはん少な目で-50円、リッチモンドホテルの会員証提示で10%引きで、783円なり。

食事をしながら気になることがあった。さきほどのATMでの支払いの時に、ついでに記帳をしたのだが(たまにしかしないのだ)、カードの4月の支払い(2月に使用した分)が66,000円ほどあって、何に使ったのか思い出せないのである。私は基本的に買物は現金払いで、カードはめったに使わない。だからカードで支払ったときは覚えているのだが、この66,000円が何の支払いなのかがすぐに思い出せなかった。帰宅してから、ネットで明細を確認したら、2月10日に駅ビルの「リーガル」で靴を購入した分と、2月27日に駅ビルの「銀座アスター」で小学校のミニ同窓会を開いたときの支払を私のカードで行った(私のおごりではなく、会費は各自から現金で受け取った)ときのものだったことがわかった。一件落着。

2時から博論の研究指導を1時間ほど。

それを終えてから近所の耳鼻科に行き、いつもの薬を出してもらう。

耳鼻科から戻って、名人戦のネット中継を観たら、形勢が先手藤井に傾いていた。藤井の4六角の王手に豊島が9二玉と寄ってかわした手に、9四銀と打った局面である。後手はこれを同金とは取れない(取ったら8二金打ち以下寄せられる)。

夕食は豚肉生姜焼き、かきま玉汁、ごはん。ネット中継を観ながら、

豊島も駒を自陣に投下して受けたが、藤井の攻めは切れない。そして先手の玉にはまったく手が着いていない。99手で豊島が投了。一方的な将棋になってしまった豊島の敗因は、どの手というよりも、それ以前に、振り飛車のスペシャリストたち(たとえば王将戦での菅井竜也八段)を打ち負かしてきた藤井相手に不慣れな振り飛車を指したことにあるだろう。また、シリーズ全体としては第一局(藤井の先手)で豊島がほとんど手中にしていた勝利をポカで落としたことで流れが決まってしまったように思う。

シリーズ4勝1敗で藤井が名人位を防衛した。しかし、ここでホッとしてはいられないところが「八冠」の大変なところである。5月31日に叡王戦5番勝負第4局(対伊藤匠)が控えている。1-2のカド番(タイトル戦でのカド番は初めて)をどう藤井が戦うか、非常に興味深い。

デザートはサクランボ。

食事をしながら『アンチヒーロー』を観る。「不適切にもほどがある」「はて?」と他の人気ドラマの台詞がところどころで使われる。話は佳境に入っているが、脚本はエンターテイメントである。

本日提出されたレビューシートのチェック。

『ガラスの街』読了。「訳者あとがき」で柴田元幸がこう書いている。

「今回新たに訳してみて・・・(中略)・・・透明感あふれる文章が崩れるような箇所(ピーター・ステイルマンの長い独白、クインがニューヨークの街を歩く描写、クイン自身によるニューヨークの人びとの観察など)に惹きつけられた。端正で音楽的な文章を、むしろ内側から食い破るような要素―考えてみればそういった箇所がオースター作品にはつねにどこかで現れるのであり、それがあるからこそ、透明な文章の美しさもよりいっそう活きるのだろう。」

確かにそのとおりであると思う。また、オースターの「透明感あふれる文章」というのは、主人公の「探偵」(あるいは探偵もどき)がニューヨークを舞台に、正体不明の人物を追跡する間に、主人公自身が正体不明の人物になるという二重の浮遊感(存在論的不安)を描くのにふさわしい文体で、それは村上春樹にもいえることである。

続いて、「ニューヨーク三部作」の最後の一作『鍵のかかった部屋』をキンドル版で再読しようとしたら、キンドル版がないことがわかった。なんということか、白水社。ならばと気を取り直して、未読だった『ブルックリン・フォーリーズ』(新潮文庫)を購入することにした。

「六十歳を前に、離婚して静かに人生の結末を迎えようとブルックリンに帰ってきた主人公ネイサン。わが身を振り返り「人間愚行(フォリーズ)の書」を書く事を思いついたが、街の古本屋で甥のトムと再会してから思いもかけない冒険と幸福な出来事が起こり始める。そして一人の女性と出会って……物語の名手がニューヨークに生きる人間の悲喜劇を温かくウィットに富んだ文章で描いた家族再生の物語。」(Amazonの紹介サイトから)
 

風呂から出て、今日の日記を付ける。

1時15分、就寝。


5月26日(日) 晴れ

2024-05-27 01:22:50 | Weblog

8時、起床。

チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

昨日のブログを書いてアップしてから家を出て、西新井に行く。3度目の西新井である。一回目は5月4日に西新井が地元の卒業生のミフミさん(論系ゼミ9期生)と、二回目はその一週間後の5月11日に墓参り(入谷)の後に一人で。

そして今回は卒業生のカオルさん(論系ゼミ7期生)とである。彼女は西新井から急行で一つ目の草加に実家がある。いま実家を離れて都内にお住まいだが、前日から実家に用事があって戻られていて、今日はそこから来られた。

駅のそばの「シルビア」に行く。

フロアーは広く、インテリアは昭和の名残を感じさせる。

喫茶レストランと銘打っているだけあって、食事のメニューはデパートの食堂のように豊富だが、洋食系(二人とも特製ハンバーグ定食)を注文しても、味噌汁が付いてくるところが庶民的である。

レジのところの電話は客の側を向いて置かれているが、インテリアの一つなのだろう。

駅まで戻って、大師線に乗る(西新井大師までは歩いて20分ほどだが、今日は歩くには陽射しが強い)。2両編成で乗客はまばらである。それでも10分間隔で運行されており、赤字路線であることはあきらかだが、初詣とか何か行事があるときはたくさんの参拝客を運ぶのだろう。

表参道。

山門(仁王門)。

塩地蔵。この塩は雨が吹き込んでも溶けない特殊な加工の施された塩なのだろうか。

水洗い地蔵。水をかける柄杓などは置かれていない。

大本堂に参拝する。

境内はそれほど広くはない(池上本門寺などと比べて)。

出世稲荷。カオルさんもそこそこには(落ちこぼれない程度には)出世したいらしい(笑)。

キツネはスリムで顔つきもシュッとしている。

右側のキツネは棒状のものを咥えている。巻物である。

左側のキツネは丸いものを咥えている。宝珠である。

さて、「かどや」に入りましょう。

かき氷が始まっていた。安い。これがかき氷というものの元々の価格である。

今シーズンの初かき氷もちらっとは考えたが、今日は夏日ではあるが、真夏日ではない。かき氷は真夏日になってからにしよう。前回と同じくおしるこを注文する。

カオルさんはクリームあんみつ。

おしるこを食べおえて、前回同様、ラーメンを一杯注文する。この流れ(組み合わせ)は最高である。おしるこあってのラーメンであり、ラーメンあってのおしるこである。小さな椀もお願いし、カオルさんにもお裾分けする。

カフェ巡りの〆は「きままかふぇ」の珈琲である。私はモカの浅煎り、カオルさんは深煎りを注文。

マダムが笑顔で出迎えてくれた。

「おいしいです」

珈琲のお供にトーストも注文。カオルさんが「マーマレードが美味しい!」と感嘆の声をあげると、お土産に2個持たせてくれた。私が2個ともカオルさんにあげると、もう1個くれた。ありがとうございます。三宝柑という種類の蜜柑で、皮が美味しくてマーマレード向きなのだそうだ。

私たちの写真を撮っていただく。

私とマダムの写真も撮らせていただく。本当に楽しい方で、今日もたくさんおしゃべりができた。

また来させていただきますね。

いったん実家に戻って、夕食を食べてから帰るカオルさんとは西新井の駅で別れた。今日はお付き合いいただいてありがとう。今度また実家に戻られることがあったら、「きままかふぇ」に行ってみて下さい。

西新井から日比谷線直通の東武スカイツリー線に乗って、上野駅で京浜東北線に乗り換えて、蒲田にはちょうど1時間ほどで着く。

今日は名人戦第5局の一日目。ネット中継を観たら、先手藤井の封じ手の局面だった。後手の豊島が振り飛車に出たようである。豊島の振り飛車は珍しい。名人戦の後手番のときの戦法としてあたためておいたのだろう。藤井は対振り飛車のときは穴熊に囲うのが常である。今回も金銀4枚でがっちり囲っている。封じ手はおそらく2四歩の開戦だろう。実績を考えると藤井が有利に展開するのではないかと予想するが、はたして、どうなるだろう。

夕食はカマス、蕪となめこ、味噌汁、柚子大根、炊き込みごはん。

 

デザートは西新井大師の門前で買ってきた草団子。

食事をしながら『花咲舞が黙ってない』(録画)を観る。

今日撮った写真の整理など。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

1時半、就寝。