Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

Twitter @pkcdelta
https://www.facebook.com/GifuNeurology/

多系統萎縮症の鑑別診断としてのIgLON5抗体関連疾患

2024年05月05日 | 自己免疫性脳炎
岐阜大学に異動し取り組んだことのひとつが「変性疾患と診断してきた症例の中に,治療可能な自己免疫性脳炎が含まれている」という仮説を検証し,免疫療法で治療することでした.ただ自己免疫性脳炎の経過は教科書的に「急性~亜急性」ですので,「慢性」に経過する変性疾患のなかに自己免疫性脳炎が隠れているという私どもの仮説はありえないとしばしば言われました.しかし事実は教科書通りではなく,慢性の経過を示す自己免疫性脳炎というものがあり,その代表がIgLON5抗体関連疾患です.

今回,Parkinsonism Relat Disord誌に掲載された当科の大野陽哉先生らによる論文は,多系統萎縮症(MSA)が疑われ,IgLON5抗体検査を依頼された35名の患者に対し,cell based assayを行い,陽性患者3名の臨床的特徴をまとめたものです.症候としてはパーキンソニズム,小脳性運動失調,重篤な起立性低血圧,急性呼吸不全,パラソムニア,声帯外転不全,錐体路徴候などを認め,一方,MSAに非典型的な症候として舌ミオリズミア,水平方向性眼球運動制限,繊維束性収縮,有痛性筋痙攣を認めました.いずれの症例も免疫療法により程度の差はありますが改善を認めました.



以上より,IgLON5抗体関連疾患はMSAの鑑別診断となりうることが示されました.本研究は,岡山大学山下徹准教授ら,山形大学太田康之教授ら,聖マリアンナ大学山野嘉久教授らとの共同研究として行いました.以下よりDLできますのでご覧いただければと思います.
Ono Y, Tadokoro K, Yunoki T, Yamashita T, Sato D, Sato H, Akamatsu S, Mizukami H, Ohta Y, Yamano Y, Kimura A, Shimohata T. Anti-IgLON5 disease as a differential diagnosis of multiple system atrophy. Parkinsonism Relat Disord. 124, 2024, 106992

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナウイルス感染症COVID-19:最新エビデンスの紹介(5月4日)性差の機序と持続感染

2024年05月04日 | COVID-19
今回のキーワードは,long COVIDの背景には視床下部-下垂体-臓器軸(H-P-O axis)の障害とそれに伴う内分泌異常が存在する,血漿SARS-CoV-2抗原は急性感染後最大14ヵ月間持続する,軽症感染から回復した患者にもウイルスが残存している可能性があり,かつlong COVID症状と有意な関連がある,SARS-CoV-2が陰性化しても神経細胞とアストロサイトには障害が持続している,long COVIDの各症状に関連するタンパクがあり,認知機能障害においてはC1QA,Spondin1,Neurofascinが関連する,です.

Long COVID-19は女性に多く,かつ症状に性別で違いがあることが知られていました.世界のCOVID-19研究を牽引してきたYale大学のProf. Akiko Iwasakiのチームはこの問題に取り組み,結論として脳の「視床下部→下垂体→副腎や性腺組織」というホルモンの調節系に障害が生じていることを示しました(図1).過去にLong COVIDで副腎皮質ホルモン「コルチゾール」が低下することが分かっていましたが,さらに女性ではテストステロン,男性ではエストラジオール低下が long COVIDを予見するマーカーであることが判明しました.そのほか,Long COVIDの機序において重視されている「持続感染」について多くのことが分かってきました.



◆long COVIDの背景には視床下部-下垂体-臓器軸(H-P-O axis)の障害とそれに伴う内分泌異常が存在する
Long COVIDを呈する頻度は男性より女性の方が高く,かつ症状にも性差があることが知られている.しかしその基礎となる免疫学的特徴が男女で異なるのか,またどのような違いが症状の差に反映されるのかは不明である.Yale大学から165人の患者を対象とし,免疫・内分泌プロファイリングを明らかにする探索的横断研究が報告された.まず女性と男性では,症状の出現の仕方や臓器障害のパターンが異なっていた.具体的には,女性のほうが症状は重く,その症状は多臓器にわたっていた.女性優位の症状の代表は脱毛,男性優位の症状の代表は性機能障害であった.記憶障害,嗅覚・味覚障害は女性優位であった.つぎにLong COVIDを特徴づける免疫機能の男女間の差異を同定した.女性患者では,疲弊したT細胞,サイトカイン分泌T細胞の頻度が増加し,EBV,HSV-2,CMVを含む潜伏ヘルペスウイルスに対する抗体反応性が高く,テストステロン値が低かった.一方,男性患者では,単球と樹状細胞の頻度が減少し,NK細胞が増加し,IL-8とTGF-βファミリーを含む血漿サイトカインが増加した.女性ではテストステロン低下が(図2),男性ではエストラジオール低下が long COVIDを予見するマーカーであり,その背景には H-P-O axis(視床下部-下垂体-臓器系)の障害が関与しているものと考えられた.
Silva J, et al. Sex differences in symptomatology and immune profiles of Long COVID. medRxiv [Preprint]. 2024 Mar 4:2024.02.29.24303568(doi.org/10.1101/2024.02.29.24303568



◆血漿SARS-CoV-2抗原は急性感染後最大14ヵ月間持続する
Long COVIDの機序のひとつに持続感染が指摘されている.従来の研究は,症例数が小さいこと,急性感染からの期間が短いこと,ワクチン接種歴や再感染歴の記録が不明確であることなど限界があった.米国から,大部分の被験者がワクチン接種や再感染前の影響を受けていない血漿を用いて,SARS-CoV-2抗原を検討した研究が報告された.結果として,171人の被験者中42人(25%)にSARS-CoV-2抗原(スパイク,S1,ヌクレオカプシド抗原)が検出された.これらの抗原は感染後14カ月まで持続し,抗原陽性率の絶対差は,COVID-19発症後3~6ヵ月で10.6%,6~10ヵ月で8.7%,10~14ヵ月で5.4%であった(図3).また急性期に入院した被験者は,入院しなかった者に比べて2倍の確率で抗原が検出された.つまり急性期の重症度が抗原の持続に影響を与える可能性が示唆された.この抗原持続がlong COVIDの症状と関連しているかの検討が必要である.
Peluso MJ, et al. Plasma-based antigen persistence in the post-acute phase of SARS-CoV-2 infection. Lancet Infect Dis. April 08, 2024(doi.org/10.1016/S1473-3099(24)00211-1



◆軽症感染から回復した患者にもウイルスが残存している可能性があり,かつlong COVID症状と有意な関連がある
中国北京から軽症COVID-19(オミクロン株以降)から回復した患者のさまざまな組織における持続感染とlong COVID症状との関連について検討した単施設横断コホート研究が報告された.感染後約1ヵ月,2ヵ月,4ヵ月に残存手術検体,胃内視鏡検体,血液検体を採取し,SARS-CoV-2ウイルスはdigital droplet PCR法で検出した.225人の患者から317の組織検体が採取された(残存手術検体201,胃内視鏡検体59,血液検体57).ウイルスRNAは,1ヵ月目の固形組織検体で16/53(30%),2ヵ月目で38/141(27%),4ヵ月目で7/66(11%)から検出された(検出率は経時的に低下).ウイルスRNAは,肝,腎,胃,腸,脳,血管,肺,乳房,皮膚,甲状腺を含む10種類の固形組織に分布していた(検出率の高い順に,肝>腎>胃>腸>脳;図4).感染後2ヵ月の時点で,免疫不全患者9人のうち3人(33%)の血漿,1人(11%)の顆粒球,2人(22%)の末梢血単核球からウイルスRNAが検出されたが,免疫不全ではない患者10人ではいずれも検出されなかった.電話アンケートに答えた213人の患者のうち,72人(34%)が少なくとも1つのlong COVID症状を報告し,疲労(21%,44/213人)が最も頻度が高かった.回復した患者におけるウイルスRNAの検出は,long COVID症状の発現と有意に相関していた(オッズ比5.17,p<0.0001).ウイルスコピー数が多い患者ほど,long COVIDを発症する可能性が高かった.
Zuo W, et al. The persistence of SARS-CoV-2 in tissues and its association with long COVID symptoms: a cross-sectional cohort study in China. Lancet Infect Dis. April 22, 2024(doi.org/10.1016/S1473-3099(24)00171-3



◆SARS-CoV-2が陰性化しても,神経細胞とアストロサイトには障害が持続している
ニューロフィラメント軽鎖(NfL)とGFAPタンパクの血清値は,神経軸索損傷とアストロサイト活性化のバイオマーカーである.イタリアから,無症候性感染者または軽症COVID-19の成人147人を対象とし,SARS-CoV-2陰性化から1週間後および10ヵ月後のNfLおよびGFAP値と認知機能の関係を検討したコホート研究が報告された.初回の評価(T0)では,NfLとGFAPの値は,COVID-19患者群が対照群よりも高かった(両者ともp<0.001).認知障害を有する11人のCOVID-19患者では,NfLとGFAPのレベルが認知障害なしの患者よりも高かった(いずれもp = 0.005).10ヶ月後の追跡調査(T1)では,NfLとGFAPは有意な減少を示したが(NfL中央値18.3 pg/mL,GFAP中央値77.2 pg/mL),それでも対照群より高値であった(7.2 pg/mL,63.5 pg/mL)(図5).以上より,SARS-CoV-2が陰性化しても,神経細胞とアストロサイトに進行中の障害が生じていることが示唆された.
Plantone D, et al. Neurofilament light chain and glial fibrillary acid protein levels are elevated in post-mild COVID-19 or asymptomatic SARS-CoV-2 cases. Sci Rep 14, 6429 (2024)(doi.org/10.1038/s41598-024-57093-z



◆long COVIDの各症状に関連するタンパクがあり,認知機能障害においてはC1QA,Spondin1,Neurofascinが関連する
英国から,入院後3ヵ月以上症状が持続するlong COVID患者657人由来の血漿タンパク質368個のプロファイリングを行った研究が報告された.結論として,骨髄性炎症マーカーと補体活性化マーカーの上昇がlong COVIDと関連していた.具体的には,IL-1R2,MATN2,COLEC12は心肺症状,疲労,不安・抑うつと関連し,MATN2,CSF3,C1QAは消化器症状で上昇し,C1QAは認知障害で上昇した.さらに,神経組織修復の変化を示すマーカー(SPON-1およびNFASC)が認知障害で上昇し(図6),brain-gut axis障害を示唆するSCG3が消化器症状で上昇した.SARS-CoV-2特異的IgGは,long COVID患者の一部で持続的に上昇していたが,喀痰からはウイルスは検出されなかった.鼻汁中の炎症マーカーは症状との関連は認められなかった.女性,特に50歳以上の女性では,男性よりも高いレベルの炎症マーカーが認められた.以上より,組織損傷に関連する特異的な炎症経路がlong COVIDの病型に関与していることを示唆する.各症状の治療には適切に標的を絞った治療戦略が求められる.

注:C1QAは補体の活性化によって放出される分解産物で,認知症に関連した神経炎症を媒介することが知られている.SPON-1(Spondin1)とNFASC(Neurofascin)はともに神経成長を調節する作用がある.
Liew F, et al. Large-scale phenotyping of patients with long COVID post-hospitalization reveals mechanistic subtypes of disease. Nat Immunol. 2024 Apr 8(doi.org/10.1038/s41590-024-01778-0






  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新潟大学から岐阜大学への「ヒポクラテスの木」の植樹

2024年05月03日 | 医学と医療
1年前に岐阜大学に植樹し,みんなで大事に育てております「ヒポクラテスの木」について,新潟大学の同窓会誌「学士会々報No.121 」に寄稿させていただきました.新潟大学にある「ヒポクラテスの木」の歴史と整形外科医で医史学者としても名高い蒲原宏博士のこと,私の学生時代の武藤輝一医学部長との思い出,そして岐阜大学への植樹の経緯について書きました.よろしければご一読ください.



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新潟大学から岐阜大学への「ヒポクラテスの木」の植樹

岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野教授
下畑 享良

「ヒポクラテスの木」は,医聖ヒポクラテスが弟子に,その木陰で医学を教えたという謂われがある,ギリシャのコス島にあるプラタナスの大樹のことを言います.街路樹など,普通に見られるプラタナスと異なり,コス島の「ヒポクラテスの木」に由来するDNAを持つものだけが「ヒポクラテスの木」と呼ばれます.

新潟大学には医歯学総合病院入退院口に「ヒポクラテスの木」があります.その理由は,整形外科医で,医史学者としても有名な蒲原宏先生(現日本歯科大学生命歯学部・医の博物館顧問.中田瑞穂先生,高野素十先生に師事した俳人としても有名)が,昭和44年9月,ヒポクラテスの生地,ギリシャのコス島に渡り,ヒポクラテス博物館の庭にある「ヒポクラテスの木」の実を採取して日本に持ち帰り,みずから播種育成され,立派な10本の苗木に育てあげてから,昭和47年6月,新潟大学医学部構内に植樹したためです.脳研究所初代所長の中田瑞穂先生による「ヒポクラテスの木」という文章には,新潟大学に植樹されたときのエピソードが書かれています.「1メートルに達したばかりの若木の天を摩するに至る成長を見ることはこの私には無理というものである.しかし私は,これを私達で育てますと,この移植に積極的であった学生有志のあったことは,この木の成長が約束されていると同様,医学部に最も重要な正しい医学の正統,ヒポクラテスから伝わった医の正道を伝えつづけようとする純粋なこころを目の当たりに示したものであって,木の成長を確認すよりもはるかに私に心強いものを感じさせる」と書かれていました.そして中田先生は「やがて大夏木になれと植ゑらるゝ」の一句を持って植樹を祝われたそうです.ところが植えられた翌日の朝に,何者かによってその木は持ち去られてしまいます.その後,蒲原先生のご自宅に植えられた苗木が再度,新潟大学に移植され,現在の「ヒポクラテスの木」になりました.9本の苗木の子孫はさまざまな大学や病院に株わけされました.新潟大学のものは,植樹後58年が経過し,高さ10メートルにも及ばんとする大樹になっています.

私は平成29年より岐阜大学に勤務しておりますが,医学部5年生に対する臨床実習(ポリクリ)のグループ講義で,毎回,医師の職業倫理の話をしています.その際,医の倫理に関する規定「ジュネーブ宣言」について解説しますが,その前にみんなで「ヒポクラテスの誓い」を読みます.なぜならその倫理的精神を現代化したものが「ジュネーブ宣言」であるからです.そしてその際に必ず「ヒポクラテスの木」の話もしています.これは自分が新潟大学の学生であった頃,当時,医学部長でいらした武藤輝一先生がしてくださったことです.武藤先生は講義の最後に「病院前のヒポクラテスの木を見に行くように」と仰ってくださいました.「ヒポクラテスの誓い」を学んだあと,クラスのみんなと見に行った記憶が強く印象に残っており,同じ経験を岐阜大学の学生にもさせてあげたいと考えました.しかし残念ながら岐阜大学には「ヒポクラテスの木」はなく,学生に見せてあげられないため,中田瑞穂先生の画「ヒポクラテス像(複製)」を考古堂より購入し,教室の廊下に掲げて,講義後,見てもらっていました.ただやはり「ヒポクラテスの木」を学生に見せてあげたいと思い,蒲原先生にご連絡をしたところ,ご快諾をいただき移植の準備が始まりました.学生のときに眺めたまさにその木から挿し木,分苗移植したものが順調に育ち,2年をかけて50センチほどになり,移植ができるまでになりました.その際に蒲原宏先生より「医聖の木ある大学を恵方とし」という一句を頂戴しました.そして2023年3月31日,医学生や教室の仲間,事務の皆様に手伝っていただいて植樹をしました(写真1).私も中田瑞穂先生の俳句「やがて大夏木になれと植ゑらるゝ」と同じ気持ちになって,無事に大きな木に育ってほしいと祈るような気持ちになりました.

植樹後,無事に生着するか気が気でありませんでしたが,幸い無事にどんどん成長し,現在では私の背丈を大きく超すまでになりました.教室のメンバーにとっても大切な木となり,見守ってくれています(写真2).令和5年9月7日,注文していた記念の石碑もでき上がり,設置いたしました.そして病棟実習に訪れた5年生と一緒に「ヒポクラテスの誓い」を読んでから,彼らと一緒に「ヒポクラテスの木」を見に行きました.2年半をかけてようやく,武藤先生がしてくださったことを岐阜大学の学生にしてあげたいという夢が実現しました(写真3,4).学生も「卒業して,いつか岐阜大学を訪れることがあったらこの木を見に来て,今日の講義のことを思い出したい」と講義後の感想に書いてくださいました.これで蒲原株の「ヒポクラテスの木」は31株になったそうです.



令和5年9月18日に紀寿(百寿)をお迎えになられた蒲原宏先生と,これまで樹木の管理育成をしてくださった新保只衛氏に心から感謝の意を表したいと思います.最後に蒲原宏先生が,新潟市医師会報(2023.4月号)に寄稿された文章のなかから,私の大好きな一句をご紹介したいと思います.

つんつんと若芽つんつん医聖の木

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
寄稿文をお読みくださった蒲原宏博士から,お手紙と素晴らしい書を頂戴しました.とても感激いたしました.


昨日の朝,撮影した「ヒポクラテスの木」です.鈴のような花がたくさん咲いています.




  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

補聴器による認知症予防 ー自分の聴力ナンバーを知ろう!ー

2024年05月01日 | 認知症
New Engl J Med誌最新号に「加齢性難聴と認知機能障害」に関する総説が掲載されています.難聴は加齢とともに徐々に増加します(図1).内耳(蝸牛)の有毛細胞が徐々に喪失することが主な原因です.また難聴のリスク因子としては加齢のほか,皮膚の色,男性,騒音暴露が知られています(皮膚の色はメラニン量のことです.メラニンは内耳の有毛細胞にも存在し,酸化ストレスに対して保護的な役割を果たします).



さて本題ですが,難聴は認知症リスクの増大をもたらします.認知症予防について提言を行っているランセット委員会は,中年以降の難聴を「認知症の最も重要な修正可能なリスク因子」と報告しています.難聴なしの人と比較して,補聴器を使用しない難聴の人は,全認知症のリスクが増加しますが(ハザード比1.42),補聴器を使用していれば増加しません!(同1.04).また補聴器は認知機能低下のリスクがある高齢者において3年以内の認知機能低下を48%抑制することも報告されています.

よって難聴対策が求められますが,まず大切なのは自分の聴力を知ることです.論文ではスマホを使って聴力の自己検査をするHearing Number(聴力ナンバー)が紹介されています(www.hearingnumber.org).アプリをDLし,試したところ日本語化されていて自分の聴力ナンバーを測定できました(図2).これは会話の聞き取りやすさを左右する4つのピッチ(500,1000,2000,4000Hz)における聴力の平均値です.専門的に言えば,聴力閾値の4周波純音平均「PTA4」と呼ぶそうです.
【参考】正常:20dB未満,軽度難聴:20~34,中等度難聴:34~49,高度難聴:50~64,重度難聴:65~79



米国では規制緩和で,2022年から処方箋なしで,このスマホデータがあれば市販の補聴器が購入できるそうです.補聴器の普及を妨げているもう一つの原因は高額な価格ですが,米国では市販補聴器市場が成熟しているため,2~3年以内にそのコストは,高品質ワイヤレスイヤホンと同等になると予想されているとのことです.一方,重度の難聴(片耳または両耳のPTA4が60dB以上)の場合,人工内耳の適応になります.
Lin FR. Age-Related Hearing Loss. N Engl J Med. 2024 Apr 25;390(16):1505-1512.(doi.org/10.1056/NEJMcp2306778

★以上のように,難聴対策はおそらくアルツハイマー病に対する抗体薬よりもコスパが良く,かつ効果も高い可能性があります.今後,耳鼻咽喉科と脳神経内科が連携して取組むべき領域と言えます.月末から開催される日本神経学会学術大会にて,難聴対策の大切さを議論するシンポジウムを企画しました.日本医学会連合の支援のもと,日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会と日本神経学会が連携して行っている領域横断的連携活動事業(TEAM事業)『加齢性難聴の啓発に基づく健康寿命延伸事業』の一環として行われます.以下,ご案内です.ぜひご参加ください.
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

シンポジウム29:認知症のリスク因子としての「難聴」を取り巻くエビデンスと今後の施策
座長:和佐野浩一郎(東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科),下畑享良(岐阜大学大学院医学系研究科)
演者:
◆篠原もえ子(金沢大学附属病院)「認知症予防の現状」
◆佐治直樹(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)「高齢難聴者の認知機能」
◆和佐野浩一郎(東海大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科)「難聴に関連したこれまでのエビデンスと今後取り組みべき課題」
◆和田幸典(厚生労働省老健局 認知症施策・地域介護推進課)「難聴対策推進議員連盟からの提言「JapanHearingVision」について」
2024年5月31日(金) 09:45~11:45(120分)(敬称略)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

誰にも認められる視運動性眼振を神経診察に活かす6つの場面

2024年04月23日 | 医学と医療
神経症候学の講義シリーズを朝のカンファレンスで行っています.昨日は眼球の症候の2回目でした.何度か出てきたのは視運動性眼振(optokinetic nystagmus; OKN)です.これは健康な人にも認められる生理的眼振です.昔は布に模様を書いたものやドラムを使っていましたが,現在はスマホアプリ(OKN stripsなど)やYouTube動画で簡単に誘発できますので試してみてください.問題はこれをどのように診察で用いるかです.講義では以下のような場面で使用できることを紹介しました.



①遠隔診療でのめまい患者の診察:
めまいや平衡障害の患者の遠隔診療で,アプリや動画を使って眼振を誘発します.これで大まかな原因が分かることがあります(OKNが一方向にしか見られない場合や,特定の方向の追従運動が減速している場合は,脳幹・小脳・視覚路の障害を示唆します).

②進行性核上性麻痺:
PSPの早期診断,とくに垂直方向性の眼球制限が出現していないときに試みます.つまり垂直サッケードの障害を確認します.典型的には,水平方向のOKNは正常であるものの,垂直方向の急速相が遅いか欠如し,サッケードがうまくできないことを示します.

③内側縦束症候群=核間性眼球麻痺:
核間性眼球麻痺疑いで,しかし内転制限が軽度・微妙である場合に有用です.つまりOKNでの内転サッケードが遅いことを示します.

④Parinaud(中脳背側)症候群:
上方注視麻痺,対光・近見反射解離,輻輳後退眼振(注)による3徴が有名ですが,輻輳後退眼振がはっきりしないときに,OKNにより異常な上方サッケードを誘発されることがあります.

⑤機能性視力低下:
機能性神経障害に伴う視力低下が疑われる場合にとても有用です.例えば全盲を主張する患者さんにおいてOKN反応が正常であれば,ある程度の視力があることを示します.単眼でも有用です.

⑥同名半盲:
OKNは,同名半盲において,頭頂葉病変と後頭葉病変の鑑別に役立ちます.頭頂葉病変の場合,OKNの緩徐相は,病変側では遅いか消失するが,対側では正常であると言われています.

注;輻輳後退眼振(convergence-retraction nystagmus)
真の眼振ではなく,輻輳を伴いながら眼球が律動的に後退する眼球運動.全外眼筋が同調して収縮するため眼球が後退して見える.内直筋の力が優勢であるため,両眼が内向きに輻輳しているように見える.
Hale DE, et al. Optokinetic nystagmus: six practical uses. Pract Neurol. 2024 Mar 20:pn-2023-003772.(doi.org/10.1136/pn-2023-003772

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「医師こそリベラルアーツ!」連載開始@日経メディカルCadetto

2024年04月19日 | 医学と医療
日経メディカルの若手医師・医学生向けサイト「Cadetto.jp」にて,標題の連載を始めさせていただきました.いままで28回,リベラルアーツ研究会を開催しましたが,各回で行なった私のミニレクチャーを紙面で再現する企画です.以下,HPに掲載された紹介文です.

「病気を持つ人間」をみるのが,医学を志す医師の仕事.ところが,医学は「病気の診方」は教えてくれても,「人間の見方」は教えてくれません.後者を磨くために,読書を通じてリベラルアーツを学んでみませんか? 本連載では,医師・医学生が幅広い教養を身に付けるための道しるべとなるべく,毎回,様々なジャンルの“課題図書”を紹介・解説していきます.

第1回はイントロダクションで,リベラルアーツとはなにか(日野原重明先生,ウィリアム・オスラー博士のことば),医学部・医療現場とリベラルアーツの希薄な関係,なぜリベラルアーツを学ぶのか,どのようにリベラルアーツを学べばよいか,について解説しました.

月1回の連載ですが,毎回,最後に次回の課題図書をご紹介します.読んでおくと次回が面白くなります.ちなみに第2回の課題図書は「リベラルアーツの学び方(瀬木比呂志)」と「死ぬほど読書(丹羽宇一郎)」,第3回の課題図書は「たかが英語!Englishnization(三木谷浩史著)」,第4回の課題図書は,精神科医・心理学者であるヴィクトール・フランクルによる名著「夜と霧」と続いていきます(4回まで原稿を書きました.編集担当者と私によく知っている麻酔科医には評判が良いです:笑).本連載は,医師・医学生限定コンテンツで,医師または医学生の方は,会員登録すると記事全文がお読みいただけるようになります.

下畑享良の「医師こそリベラルアーツ!」




  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レカネマブは標準治療と比較し費用対効果が優れているとは言えず,価格が年間5100ドル未満とならなければ費用対効果は低い

2024年04月17日 | 認知症
アルツハイマー病(AD)の疾患修飾薬であるレカネマブは高額であるもののその効果が強力とまでは言えないことから,その費用対効果について関心が高まっていました.Neurology誌の最新号に,米国・カナダの研究チームから,レカネマブの費用対効果が,治療前の検査法,各患者のApoE遺伝子ε4の状態(副作用ARIAの出現のしやすさが分かる)によってどのように変わるかを検討した研究がいよいよ報告されました.
検査法は3つ(PET,脳脊髄液アッセイ,血漿アッセイ),治療法は2つ(ドネペジル・メマンチンによる標準治療,または標準治療+レカネマブ),ApoE遺伝子で患者の標的を絞るか(=標的戦略)は2つ(ε4ノンキャリアまたはヘテロ接合体患者を標的とするか否か)で,これらの組み合わせによって定義される7つのパターンを比較しています.有効性は質調整生存年(QALYs:クオーリーズ)を用いて評価し,費用対効果の分析は増分費用効果比(incremental cost-effectiveness ratio: ICER)を算出しています.設定したコホートのモデルは,平均年齢71歳,31%がApoEε4非保因者,53%がヘテロ接合,16%がホモ接合で,61%がMCI,39%が軽度認知症としています.分かった結果は以下のとおりです.

◆7つのパターンのうち,ドネペジル・メマンチンによる標準治療が費用対効果は最適であった!
◆レカネマブ治療は標準治療と比較して費用対効果が不良で,この結果は検査法やApoE遺伝子型による治療対象の選択に関わらず認められた.
◆ただしApoE遺伝子で患者選択をすると,選択をしない場合よりも6,870~8,780ドル安価となり,かつ0.03~0.05QALYsの追加がもたらされた.
◆脳脊髄液アッセイが,PETや血漿アッセイよりも費用対効果の高い検査であった.血漿アッセイは最も安価であったが,感度が低いため費用対効果は低くなった.
レカネマブの薬剤費が年間5,100米国ドル(78.1万円)未満であれば,脳脊髄液アッセイで検査し,ApoE遺伝子型により治療対象を選択すれば標準治療より費用対効果が高くなった(注:米国での価格は年間26,500ドル).ApoE遺伝子検査を行わない場合は年間2,700ドル(41.6万円)未満であれば標準治療より費用対効果が高くなった.
◆これらの結果は,検査法の精度,レカネマブの中止および有害事象の発生率に対しても堅固であった.
◆研究の限界はレカネマブ治療18ヶ月以降のデータがないことである(18ヶ月以降効果の差が拡大すれば費用対効果が大きくなる一方,有害事象が18ヶ月を超えて持続すると小さくなる).



以上より,レカネマブ治療は標準治療と比較し,費用対効果が優れているとは言えず,価格が年間78万円未満(遺伝子診断をしていない日本の場合41.6万円未満)とならなければ費用対効果は低いという結果となりました.ショッキングなデータですので,それぞれの立場でいろいろな意見があるのではないかと思います.十分な議論がなされることが望まれます.
Nguyen HV, et al. Cost-Effectiveness of Lecanemab for Individuals With Early-Stage Alzheimer Disease. Neurology. 2024 Apr 9;102(7):e209218.(doi.org/10.1212/WNL.0000000000209218)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

機能性神経障害「La Lésion Dynamique(動的病変)とは何か?」Mark Hallett教授の講義より

2024年04月15日 | 機能性神経障害
いつもより早起きして,開催中の米国神経学会年次総会2024のPresidential plenary lectureを拝聴しました.圧巻はGlymphatic Systemを提唱したMaiken Nedergaard教授の講義と,運動異常症のオーソリティである米国NIHのMark Hallett教授の機能性神経障害(FND)の講義でした.ここでは後者についてご紹介します.

タイトルは「Functional Neurological Disorder: La Lésion Dynamique」でした.「La Lésion Dynamique(動的病変)」は,Jean-Martin Charcotがヒステリーの病態として唱えた概念で,この言葉が彼の著作や講義でしばしば使われました.Charcotは催眠療法で改善するヒステリーを生理的・動的な疾患と考え,「La Lésion Dynamique(動的病変)」という概念を唱えました.しかしそれが具体的に何を意味するのかは不明でした.

Hallett教授は2006年,FNDの病態・診断・治療は不明で,患者数が多いにも関わらず何もできず,患者はあちこちの病院をdoctor shoppingせざるを得ない状況について「a crisis of neurology」,つまり神経学は危機に瀕していると述べました.その後,Hallett教授のチームは,「動的病変」の解明,つまり心理的な要因が脳のどのような部位にどんな影響を及ぼすのかを検討しました.その結果,種々のMRIや機能画像を用いて,①扁桃体の解剖学的異常,②辺縁系の結合性の異常,③辺縁系の過活動が生じていることを見出しました.そしてFNDは実際に存在するリアルな疾患であること,Charcotが考えたように,神経変性や神経炎症などと並らぶ1つの病態と考えるべきと強調しています.そしてもっと責任病変や病態生理を学ぶ必要があり,それこそが治療法の改善につながると述べています.さらなるFND研究が「神経学の危機」に終止符を打ち,多くの患者を救うとも述べています.日本はFNDの臨床や研究が海外より遅れていますが,さらに取り組む必要性を感じました.
AAN Annual meeting 2024. Presidential plenary lecture
Robert Wartenberg Lecture: Functional Neurological Disorder: La Lésion Dynamique. Mark Hallett, MD, FAAN



  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

多系統萎縮症における胸のつかえ,嘔吐の原因 ―遠位食道痙攣(distal esophageal spasm)の発見―

2024年04月15日 | 脊髄小脳変性症
以前,私どもは多系統萎縮症(MSA)では食道の機能障害により,食道内の食べ物の停滞が生じ,場合によっては逆流して誤嚥性肺炎や窒息による突然死の原因となりうることを報告しました(Taniguchi H, et al. Dsyphagia 2015).今回,当科の大野陽哉先生と國枝顕二郎先生が食道機能障害についてさらに検討し,「遠位食道痙攣(distal esophageal spasm:DES)」という現象が生じうることを初めて明らかにしました.

症例は74歳男性.3年前に起立性低血圧にて発症し,同時に胸に食べ物が詰まった感じ,食後の反復性嘔吐を呈しました.小脳性運動失調が認められ,MSA-Cと診断しました.ビデオ透視による嚥下検査では,下部食道狭窄と食道内のバリウム停滞が認められました.


内視鏡検査では下部食道の過収縮が認められました.


さらに高解像度食道マノメトリー検査では下部食道の早期収縮と食道蠕動運動の低下が認められました.


下部食道括約筋の統合弛緩圧は正常であったため,アカラシアは除外されました.シカゴ分類ver 4.0に基づき,食道運動障害は「遠位食道痙攣」に分類されました.治療としては内視鏡的バルーン拡張術を行い,その後,胸部の詰まった感じと嘔吐は改善しました.本例は,MSA患者においてDESが食道食物の停滞と食後嘔吐を引き起こす可能性があることを示した点とその治療法を示した点で非常に重要と考えられました.

以上より,ビデオ内視鏡による嚥下検査に加えて,高解像度食道マノメトリー検査は,再発性の嘔吐や胸のつかえを呈するMSA患者に有用と考えられます.このように食道機能を注意深く評価することで,誤嚥性肺炎や窒息死を予防することができる可能性があります.
Ono Y*, Kunieda K*, Takada J, Shimohata T. (*equally contributed) Distal oesophageal spasm in a patient with multiple system atrophy: A case report. eNeurol Sci. 13 April 2024. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405650224000078

MSAの食道機能障害
Taniguchi H, et al. Esophageal Involvement in Multiple System Atrophy. Dysphagia. 2015 Dec;30(6):669-73.(doi.org/10.1007/s00455-015-9641-2

DESの総説
Zaher EA, et al. Distal Esophageal Spasm: An Updated Review. Cureus. 2023 Jul 7;15(7):e41504.(doi.org/10.7759/cureus.41504

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

魚介類のなかでエビとロブスターの有機フッ素化合物(PFAS)濃度は高い

2024年04月14日 | 医学と医療
勉強をしたことのなかった環境毒性物質ですが,関心を持ったためか,気になる情報がTwitterで目につきます.昨日は複数の人が有機フッ素化合物(PFAS:ピーファス)に関する以下の論文を紹介していました.PFASは生物蓄積性環境汚染物質の代表です.魚介類はタンパク質やオメガ脂肪酸の良い供給源ですが,このPFASの供給源ともなりますます.PFASは,プラスチックやフライパンの焦げ付き防止剤などに使われています.炭素・フッ素と非常に強い力で結びつくため自然界では分解されず,海や土壌に堆積するため「永遠の化学物質」とも呼ばれています


https://waterstand.jp/waterlife/water_knowledge/waterlife00041.htmlより引用.

ほぼすべてのアメリカ人の血液中に測定可能な量が存在するそうです.日本でもごく最近,大阪のPFAS汚染を調べるための「1000人血液検査」が中間発表され,日常生活にPFASが深く浸透し、体内に取り込まれている実態が浮き彫りになっています.PFASに暴露された人はコレステロール値上昇,出生体重の減少,ワクチンに対する抗体反応の低下,腎臓がん,精巣がん,妊娠高血圧症候群,子癇前症,肝酵素の変化を起こす可能性があると書かれています.

さて話題の論文は,米国ニューハンプシャー州住民1829人を対象に,大人と子どもの魚介類の摂取について調査したもので,最もよく消費される魚介類26種類のPFASを定量しています.この結果,エビとロブスターの濃度が最も高いことが分かりました(それぞれ1.74ng/gと3.30ng/g).これら大型の海洋生物種は,貝類のような体内にPFASが蓄積しやすい小型の生物種を食べることで,PFASを蓄積する可能性が議論されています.


著者らは,魚介類を食べるのを止めるのではなく,魚介類にPFASの規制値を設けるべきと言っています.そして魚介類の摂取にともなう上記リスクとベネフィットのトレードオフ関係を理解すること,とくに妊娠中の人や子供のような健康弱者において,PFASの過剰の暴露を避けつつ魚介類の健康上の利点を享受することが大切と言っています.ちなみに4月11日の日経新聞に「米政府,飲料水のPFAS基準厳しく 日本の1割未満に」という記事も出ています.自分たちの健康への影響も気になりますが,とくに子供や赤ちゃんに影響が出ないように考えていく必要があると思いました.
Crawford KA, et al. Patterns of Seafood Consumption Among New Hampshire Residents Suggest Potential Exposure to Per- and Polyfluoroalkyl Substances. Expo Health (2024). (doi.org/10.1007/s12403-024-00640-w)


GPT-4で作成

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする