習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ゴジラ➕コング 新たなる帝国』

2024-04-26 17:29:00 | 映画
東宝チャンピオン祭りを思い出す怪獣プロレス映画。だからこれはスクリーンの映像に集中するために、日本語吹替版で見ることにした。前作を見た時、字幕で見る必要はないな、と思ったからでもある。正解だった。だいたい字幕はいらない。バトルシーンの連続でセリフはないし。それに主人公のコングもゴジラもしゃべらない。後半は猿同士のアイコンタクトでの会話がほとんどだから、字幕はない。話が『猿の惑星』になっていくから、 . . . 本文を読む
コメント

『異人たち』

2024-04-26 07:36:00 | 映画
山田太一の『異人たちとの夏』の2度目の映画化。大林宣彦のあの傑作映画に挑むのは『荒野にて』『さざなみ』のアンドリュー・ヘイ。果たして先日亡くなっている山田太一はこの映画を見たのだろうか。きっと見ていない。もちろん大林宣彦監督はこの映画を見ることは出来ない。日本情緒漂う作品がイギリス映画として蘇る。主人公の孤独が突き詰められて描かれる。なんと登場人物は、ほぼ4人だけ。しかも主人公以外はみんな死んでい . . . 本文を読む
コメント

『パストライブス 再会』

2024-04-26 06:20:00 | 映画
幼なじみとの24年に及ぶ恋愛。彼女はソウルからカナダに移住。別々の場所で大人になり、ネットでの再会。そしてニューヨークでの実際の再会までが描かれる。このドラマチックな話をドキュメンタリーのように描いていく。12歳の別れ。24歳の偶然の再会はリアルではなくパソコン通信での会話に止まり、別れてしまう。さらに12年が経ち、彼はニューヨークまで会いにいく。ソウルから13時間。飛行機に乗ればアメリカには誰で . . . 本文を読む
コメント

上田岳弘『K +ICO』

2024-04-26 05:33:00 | その他
ふたりの男女の物語。Kはウーバーイーツの配達員。カフカの『城』を繰り返し聞いている。ICOはTikToker。都会の迷路を迷走するふたり。お話は4話からなる。1話はKの話。2話はICOの話。3話は再びKだが、もうひとり、彼が関わりを持つkが登場してKとkの話に。迷子になっている少年kを自宅まで送り届ける旅は、Kを東京から連れ出す。いや、アメリカから帰って来た後、kと出会うのだったっけ? ようやく最 . . . 本文を読む
コメント

第45回 大阪春の演劇まつり プレビュー

2024-04-25 05:39:00 | 演劇
今年も春演が開催される。先日前夜祭が行われた。この数年はコロナ禍から本格開催は見送らせてきたが、ようやく今年は前夜祭からスタートする、という従来のスタイルでの開催となる。参加劇団は8団体。いくつかのレギュラー劇団が見送られる中、新しい劇団の参加もあるから、参加団体の数はコロナ前の数年とあまり変化はない。参加団体が協力して運営に当たる。本当なら大阪府から援助があってもいいと思うけど、ない。万博で忙し . . . 本文を読む
コメント

額賀澪『鳥人王』

2024-04-25 05:24:00 | その他
今回額賀澪はなんと棒高跳びに挑戦する。しかも芸人を主人公にして、である。ハードルは高い。オリンピックを目指す大学生アスリートと一緒に、素人の彼は1年間棒高跳びに挑戦してマスターズで優勝を目指すことになる。売れない漫才師。30歳になり泣かず飛ばすの日々。相方は居酒屋チェーン店で働いている。彼は店長のオファーを受けコンビ解散することに。主人公はアスリート芸人として漫才とは関係ない仕事でそれなりに知名度 . . . 本文を読む
コメント

『マンティコア 怪物』

2024-04-24 18:09:00 | 映画
『マジカル・ガール』で第62回サン・セバスチャン国際映画祭グランプリ&監督賞を受賞した(という)スペインの鬼才カルロス・ベルムト監督最新作。相変わらず日本をリスペクトしてくれる。我がごとではないのに、なんだか気恥ずかしい。主人公はゲームデザイナーのフリアン。隣人の少年を火事から救う。お話はそこから始まる。だが、何を描こうとしているのか、なかなか明確にならない。もちろん少年への愛(ロリコン)を包み隠 . . . 本文を読む
コメント

『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』

2024-04-22 18:28:58 | 映画
「名探偵コナン」の劇場版シリーズ26作目。昨年公開の作品だ。130億越えの大ヒットとなった作品である。監督は『名探偵コナン ゼロの執行人』を手がけた立川譲、というよりも昨年公開の傑作ジャズ映画『BLUE GIANT』の監督だ。あの映画同様これもとてもスリリングで面白いし、感動的な映画になっている。もちろんお話にはツッコミどころは満載だが、そこはお約束。今回、灰原の秘密や謎の黒組織がお話の前面に出て . . . 本文を読む
コメント

『恋のツアーガイド』

2024-04-22 01:06:00 | 映画
三原光尋監督の『恋するベトナム』は素敵なドラマだった。西田尚美演じる女性がベトナムを旅する話で、サイゴンからハノイまで,さまざまなところを旅していろんな出会いをする。旅のドラマだけど、ただの観光映画ではない。  今回この映画を見て、久しぶりにベトナムに行こうと思った。そんな気分にさせられる映画。これは一応お気軽な観光映画のパッケージングをしているし、安直なラブストーリーの意匠を(衣装? . . . 本文を読む
コメント

北村薫『中野のお父さんと五つの謎』

2024-04-21 10:20:00 | その他
漱石、清張、池波正太郎、久保田万太郎、芥川。今回取り上げられた作家たちだ。主人公の田川美希は出版社の文芸編集部にいる。彼女が作家たちのささやかな謎に挑む連作。お父さんはラストでアドバイスをくれたり、さりげなく答えを教えてくれることも。  この最後にさりげなく登場して来て場をさらい涼しい顔をしている父が素敵だ。市井の古書マニアの元高校教師。隠居して好きをしている。だけど凄い博識で美希の疑 . . . 本文を読む
コメント

『おまえの罪を自白しろ!』

2024-04-20 16:36:00 | 映画
よくもまぁ、こんな安易なタイトルで映画を作ったものだ。あまりに安っぽい。そして出来上がった映画もまた薄っぺらい映画で、タイトル通り安っぽいからピッタリかもしれないが、なんかそれってエグい。TVの2時間ドラマなら許されるだろうが、これは曲がりなりにも劇場用映画である。いいかげんにして欲しい。よくもまぁこんな映画を作ったものだと呆れる。  監督はあの密かな傑作『アイ・アム・まきもと』の水田 . . . 本文を読む
コメント

『トランスフォーマー ビースト覚醒』

2024-04-20 16:20:00 | 映画
なんとこれがシリーズ7作目になる。大ヒットシリーズの最新作。昨年劇場公開されたばかりの大作映画をNetflixで見る。大スクリーン用の映画をベッドで寝転がりながらスマホで見る。もちろんそれでも充分楽しめる。びっくりするようなビジュアルが当たり前に展開する。CGはどんな映像も可能にした。だいたいこの映画、人間はあまり登場しない。ロボットたちの話だ。彼らが会話して戦う。一応主人公という事になるふたりの . . . 本文を読む
コメント

夏川草介『君を守ろうとする猫の話』

2024-04-20 02:55:00 | その他
医療ものではない夏川草介は珍しい。しかもファンタジーである。前作『本を守ろうとする猫の話』の続編で、今回は中2の少女が主人公の児童文学。不思議の世界に自ら迷い込む。大切な本たちを救い出すためである。そんな彼女を守ってくれるのは言葉を話す猫。13歳,中学2年のナナミは喘息持ちで自由に外出が出来ない。学校と図書館、自宅の日々。ある日、図書館から本を無断で持ち出す怪しい男を見つける。   . . . 本文を読む
コメント

『陰陽師0』

2024-04-19 16:09:00 | 映画
『キングダム』に続いて『ゴールデンカムイ』さらには今回の『陰陽師』ととどまるところも知らぬ勢いで攻めまくる山崎賢人の最新作は佐藤嗣麻子が監督・脚本を手がけたアクション映画だ。だけど今までの2作とはタッチが違う。静かなアクション・エンタテインメントである。女性監督らしいと言えば、なんだか女性差別と返されそうな時代だが、マッチョな映画ではなく、優しい世界を展開する。内面世界での戦いという意味では『マト . . . 本文を読む
コメント

凪良ゆう『星を編む』

2024-04-19 05:13:00 | その他
タイトル作は、三浦しをん『舟を編む』の姉妹編のような作品。こちらは漫画と小説のふたりの編集者(編集長)が主人公になる。往復書簡のタッチで交互のメールからエピソードが始まる。作者を守るのが編集者の使命と自負しながらも大切にしていた作家を死なせてしまった過去がある。そのリベンジをふたりでする話。作家は前作『汝、星のごとく』の主人公だった櫂だ。これはあの小説の続編であり、スピンオフである。3話からなる連 . . . 本文を読む
コメント