キバナヤセウツボ(黄花痩靫)
Orobanche minor Sm. var. flava Regel
ハマウツボ科ハマウツボ属
ヤセウツボ(痩靫、Orobanche minor Sm.)の色違いの変種。ヤセウツボは、地中海沿岸を原産地とする無緑葉、一年草の寄生植物で、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニア、南北アメリカに広く移入分布、アフリカなどではマメ科作物に寄生して大きな被害を与えることがある。原産地では変異が大きく分類が確立していない。茎は直立して高さ15~40cm、上部にややまばらに花をつける。萼は左右2片に分かれ、左右それぞれも2裂、裂片の先端は尾状。花弁は唇形花冠を形成し、縁は不規則に切れ込む。おもにマメ科シャジクソウ属に寄生し、シロツメクサやムラサキツメクサの群生地に発生する。日本では、明治期以降に牧草として輸入されたシロツメクサやムラサキツメクサに紛れ込んで導入されたと考えられる。外来生物法で要注意外来生物に指定されている。
ヤセウツボは私の散歩道でもしばしば見かけるが、キバナヤセウツボは観音崎トンネル近くのある場所でのみ見られる。「神奈川県植物誌2018」には、横須賀市観音崎での採集報告が記録されていた。この場所ではヤセウツボも生育しており、いずれもムラサキツメクサに寄生している。Web上での写真投稿を見ると、キバナヤセウツボは、千葉県、茨城県、栃木県でも見られるようだ。Web投稿写真での神奈川県内撮影のものは、全てこの観音崎の個体群を写したのものと思われる。
ヤセウツボが宿主植物の認識に用いているストリゴラクトン受容体は、2023年に明治大学のグループによって同定された。
https://doi.org/10.1093/pcp/pcad026
2024年4月20日 神奈川県横須賀市観音崎公園
お詫び:
以前、本ブログのバイケイソウ以外の「植物観察記録」についてはFacebookに投稿するとしましたが、Facebookのアカウントを持っていない方にも見て頂けるように、同一内容の投稿をブログとFacebookの両方に出すことにしました。混乱させてしまい、申し訳ありません。