理科系人間のマクロビオティックメモ

マクロビオティック・健康に関する考察と情報をつれづれなるままに。

朝食の是非

2006-05-28 | マクロビを学ぶ
マクロビオティックを知ることによりぶつかった主張の中で、「牛乳は体に悪い」と並んで驚いたものの1つが「朝食は摂らない方がよい」というものです。私は子供のころからずっと「朝は絶対何か食べる」派で、以前はトースト1枚とおかず、あるいはトースト2枚を食べていました(そして牛乳も飲んでいたわけですが)。そして「朝食抜きだと一日中力が出ない。絶対食べるべき」と言っていました。そもそも寝ている間は何も食べないわけですから、1日中で最も腹が減っている起きぬけにしっかり食べておくのは当然だと思っていたのです。マクロビオティックを知ってからも、しばらくは朝から玄米を茶碗3杯とか食べることもしばしばでした。

ところがマクロビオティックに限らず、最近は「朝食は摂らない方がよい」という話を結構聞きます。以前、フジテレビ系「めざましテレビ」の「めざましどっち?」という視聴者アンケートのコーナーの中で「朝ごはん 食べる or 食べない?」というアンケートがありました(2006年1月25日放送)。結果は「食べる」が82.3%と多数派でしたが、そのコーナーでの朝食に関する研究結果紹介では、「朝食は摂らない方がよいという説もある」という取り上げられ方でした。「摂らない方がよい」派も市民権を得てきているという印象です。

では結局どちらがよいのでしょうか。朝食を摂るのにも摂らないのにもどちらもメリット・デメリットがあり、どちらの道を選んでも多かれ少なかれ「あちらを立てればこちらが立たず」の状況になります。このような状況をトレードオフといいます。こういう場合にはメリットとデメリットをきちんと整理して、自分にはどちらが向いているのかを判断することになります。

[朝食を摂るメリット]
・栄養が補給され、一日の活動源となる
・特に脳に栄養が行くので活力・集中力が増す
[朝食を摂らないメリット]
・消化活動をせずに内臓を休める時間が長い(前日夜~昼食)ので不要物の排出がうながされる
・消化器系を活動させなくてよいので体が楽になり、活力・集中力が増す

これらを比較するということになると、要するに「栄養の摂取」と「内臓を休める」のどちらを朝のうちにやるべきかという問題になります。「活力・集中力が増す」が両方に出てきていますが、これも脳が力を発揮するためには栄養を摂った方がいいのか内臓を休めた方がいいのかというのがポイントになります。

私は以前は栄養補給の観点のみで考えていたのですが、どうも人間の体というのは長年の歴史の中で空腹には強くできており、栄養が外から補給されなければ老廃物を燃やすなどして活動できるので、朝の段階では排出や内臓の休養を優先した方がいいように思います。

ただし人によっては
・朝のうちに栄養補給しないと低血糖症状(ふらつきなど)が出る
・胃が空になる時間が長いと胃液が出すぎて胃が荒れたり潰瘍ができたりする
というようなことがあり、その場合は何か食べた方がよいと思われます。また、子供の場合はどうやら成長のために朝食を摂って栄養を補給した方がいいようです。そもそも子供に空腹の状態で昼まで過ごせというのは酷かもしれません。

私も朝は内臓を休めることにしたのですが、空腹時に胃液が出すぎる傾向があるので、消化しやすいものを少し入れることにしました。最初は野菜ジュースにしていたのですがこれだと体が冷えるので、今は毎朝納豆2パックだけを食べています。最初は昼までにかなり腹が減ったもののそのうち慣れてきて十分昼までもつようになり、1年以上この朝食が続いています。「慣れてくる」というのがポイントで、だんだん朝食の少ない生活に体が順応してきます。食欲があまりないときは梅醤番茶だけとかにして無理に食べないようにできるようになったので、そのうち朝食は全く抜くようにしようかと思っています。

[参考ページ・書籍]
1日2食健康法
・長生きしたければ朝食は抜きなさい(東茂由・甲田光雄) KAWADE夢新書

マクロビ井戸端会議に参加して

2006-05-07 | マクロビを学ぶ
書くのが非常に遅くなってしまいましたが、4/16の「我や(GAYA)井戸端会議」(東京)と4/29の「井戸端会議@善右衛門的カフェ」(京都)に参加しました。世話役の方々、そしてお会いしたみなさん、どうもありがとうございました。会の様子についてはいろんな方がレポートされている通り、どちらも肩ひじ張らずいろんな話ができて楽しい場でした。

最近、マクロビオティックについて「正しく実践するのは結構難しい」ものだという印象を抱いていました。正しく実践すれば効果があるけど、かなりうまくやらないといけないというイメージ。「外食時に食べるものが難しい」「まわりの理解が得られにくい」というような実践的な困難だけではなく、例えば動物性食品や芋類・ナス科の野菜、米の食べ方(極端な話としては7号食の是非)など、マクロビオティックの中でも扱いが分かれているものもあったりして、変な理解のしかたで下手な実践をすると栄養不足を招くこともあるわけです。そのあたりのところをみなさんはどう対応しておられるのかについて興味を持っていました。

井戸端会議に参加されていた方たちは、マクロビオティックを始められた動機(病気を治そうと思った、もともと自然志向の食事が好きだった、など)は様々であるものの、とても自然に実践されている方が多いなと思いました。自分の体に聞き、自分で考えて実行する。女性の方が多かったので余計にそう感じたのかもしれません。

そして、マクロビオティックや正しい食生活というものを理解するやり方は人それぞれだということを強く感じました。何を食べるか、食べないようにするか、どういうことを行い、どういうことを戒めるかについて、基準や納得のしかたはみんな違います。マクロ美風さんの記事で「自分の物差し」ということを書かれていましたが、まさにそれですね。私自身の「物差し」はかなり変わってるなということも感じましたが(^-^;)。そして井戸端会議やブログというのは、それぞれ自分の物差しで考えたことを交換・共有し、発展させていく場でもあります。

それにしても、あれだけたくさんの女性に囲まれて話をしたのは久しぶりでした。普段は仕事にしても遊びにしても男ばかりの環境にいるもので... ただしそんな中でお会いした男性陣はみなさんすごい人ばかりでした。どの方のことも見習いたいものです。

また参加したいと思います。その時はみなさんよろしくお願いします。

胃痛とつきあう(12) 元を断つ

2006-04-02 | 一病息災
~ 2005年春 ~

前に薬の副作用の話を書きましたが、胃の薬を飲むのをやめたのを契機に、そもそも慢性的な胃痛はなぜ起こるのかを考えてみました。

一般に、胃が痛いというと決まって「ストレスをためないようにしましょう」と言われます。確かに悩み事が多かったりしてストレスがたまると胃が痛くなることは多いものです。ストレスが元になって胃痛を発生させるプロセスというのは、以下のような順序で働くと考えられます。

(1) ストレスがたまる
(2) ???
(3) 胃の粘膜の働きや胃酸の分泌がおかしくなる
(4) 胃酸が胃壁を荒らす
(5) 胃が痛くなる

実際には胃壁が荒れていなくても胃痛を感じることはあるので、このパターンだけではないのですが、典型的な例としてはこんな感じです。

さてこの中の(2)。「ストレスがたまる」と「胃の粘膜の...」を埋めるところ、つまりストレスがたまるとなぜ胃の働きがおかしくなるのかがよくわからないのですが、西洋医学でも東洋医学でもいろんな解釈があり、「自律神経のバランスが悪くなる」「肝臓や腎臓の働きが悪くなる」「血が汚れてそれが胃の周囲を流れる」など、いろんなことが言われているようです。

胃痛を防止するために大事なのは、プロセスの中のなるべく前の方の原因をなくす、つまり「元を断つ」ことだと思います。後の方になるほど場当たり的でデメリットの方が大きくなります。

胃痛で内科にかかっていた頃によく処方されていた薬は「胃酸分泌を抑える薬」「胃壁を保護する薬」の2種類でした。これらはそれぞれ(3)(4)に作用するもので、そういう薬をいくら飲んでも(1)(2)はなくなりませんし、薬によってかえって肝臓に負担がかかったりして(2)の悪化を招く可能性もあります。そして、1度処方されたことのある胃の鎮痛剤は(5)だけを防ぐもの。全く解決にならず、害だけが残ることになります。

「元を断つ」ためには(1)をなくせれば一番いいのですが、普通に仕事をしたり人とつきあったりしている限りはストレスをなくすことは不可能です。気分転換をしたりしてストレスを軽減することは重要ですが、基本的にはストレスとうまくつきあう方法を考えることが大事です。

とすると、現実的には(2)をなくすことに努めるのがいいということになります。(2)の正体がよくわからないものの、要は「ストレスに強い体をつくる」ということなので、食生活をきちんとすることは重要なポイントです。薬を使い続けることは逆に(2)の解消を妨げることになります。

薬をやめて食生活を変えて、正体のわからない(2)が解消されてきているのかどうかよくわからないのですが、この路線を続けてみようと思います。

40歳からの元気食「何を食べないか」 さらに補足

2006-02-17 | 本の感想
REVさんから、「"40歳からの元気食「何を食べないか」 補足"」という記事でさらに返答をいただきました。

 栄養は、体の「健康」を保つための要素だけれども、栄養があれば「健康」を保てる、というものではありません。どの「栄養素」が足りなければ、どういう疾患が発生する、というデータは沢山蓄えられています。また、どの「栄養素」が過剰になると、どういう疾患が発生するか、というデータも、沢山蓄えられています。で、私個人としては、特別な水を飲むと、ガンが治るとか、なにかとなにかを一緒に食べるとガンにならないとか、そういう説は信じていません。
 ただ、あくまでこれは、生理学的、医学的な物語です。人間に最適な栄養素を投与すれば、成人病の発生も癌の発生も最小限に抑えられるかもしれません。でも、それは、社会的な人間には相応しくありません。医学、生理学、栄養学によって提示された枠の中で、食生活という物語を提示する、その際に、伝統的な日本食を中心とする、それは非常に納得できる話です。

ほぼ全面的に賛成です。「社会的な人間」に対して「医学、生理学、栄養学によって提示された枠の中で、食生活という物語を提示する」、まさにその通りだと思います。そういう意味での「バランス」が求められるのでしょう。
 それでも、「食事の中には、分析できない何かがあり、それが、健康に重大な役割を果たしている」という発想がどこかにあるとすれば、やはり私はそれに反対するでしょう。

これは興味深い問題で、例えば「生命のあるものには生命固有のエネルギーがあり、それを食べることが健康に役立つ」という考え方があります。これに対し、「そういうものがあるとしてもそれは(いつかは)分析・検証できるはずだ」という立場をとるのが科学だと思いますし、私もその派です。でも少なくとも現状はわからないことだらけ。では今はどうするか、ということから栄養素や伝統的な日本食という話になるわけですね。

40歳からの元気食「何を食べないか」 補足

2006-02-15 | 本の感想
前回の記事の
食べ物についての基本的な考え方として
・人間が生きていくのにどんな栄養素がどれだけ必要かは誰にもわかっていない
・したがって、栄養素だけを元にした「栄養のバランス」にこだわっても意味がない
・それよりも、日本人は独自の食事で長い間健康にやってきたという実績があるのであるから、日本の伝統的な食文化をベースにした食生活を心がけるべきである
と主張されているところにもマクロビオティックと通じるものがあるように思います。

という部分について、REVさんが"「本当のところは誰にもわからない」論理"で以下のように書かれています。

不可知論→任意の命題の肯定、というコンビネーションの良い見本。
たとえば
「安全運転をしていても、事故にあうことだってある」→「スピード出したって同じだ」
「科学がすべてを説明できるわけではない」→「ヒトは(中略)が造られた」 
というふうに使われる。
・人間が生きていくために必要とされる栄養素は、大体分かっている。
(栄養学の本に書いてある)
 それを摂取すれば、100万年老化せず銃弾にも負けないわけじゃない。でも、逸脱すると不健康になる。
・日本人が独自の食事で「長い間」健康にやってきたのか?平均寿命って昔のほうが長かったのか?
 と、突っ込みたくなる。

なるほど。私の要約はちょっと舌足らずでした。この本の主張するところを改めてまとめてみます。

まず、人間が生きていくのに必要だと思われる栄養素はだいぶわかっていますが、全部でどれくらいあるのか、どれだけ摂ればいいかのは明らかになっていないのが現状でしょう。一般に目安として決められている所要量というのはありますが、それだけ摂っていれば大体健康でいられる、とは限らないし、そんなに摂らなくても(あるいは少々多すぎても)支障のないこともあるようです。また、複数の栄養素の組み合わせにおいてどうなるのか、各栄養素をどういう形で摂るといいのか(生の食品なのか、あるいはどういう調理法か、はたまたサプリメントでもいいのか)も含めると、それこそ「本当のところは誰にもわからない」と思います。

したがって、ミクロな栄養素だけに注目した「バランス」にこだわるのは危険だと言えるでしょう(「意味がない」とまで書いたのは勇み足でしたか(^-^;))。そもそも栄養のバランスがとれた状態というのがどういう状態なのかはっきりわかっていません。

これに対し、日本人は長い歴史の中で独自の工夫を食生活に加えてきて、昔の医療・衛生事情や食料不足を考えれば健康な暮らしを送ってきたと思われます。特に今でいう生活習慣病のようなものは昔はずっと少なかったわけです。だからその経験則をベースに、どんな栄養素がどう作用しているのかはわからないけど伝統的な日本食を中心とした食生活にしていきましょうというのが主張だと思います。分析 vs. 経験則というところでしょうか。

上の安全運転の話に対応させると
・「栄養素の必要量は誰にもわからない」→「ムチャクチャな栄養摂取をしたって同じだ」
ではなく、
・「栄養素の必要量は誰にもわからない」→「栄養素の量という数字に頼らず、これまでの歴史で作られてきた食生活の経験則を活用しよう」
です。ただ、もちろん現代栄養学・医学のよい成果は取り入れていくべきで、どういうバランスで活用していくかという問題になると思います。

40歳からの元気食「何を食べないか」―10分間体内革命

2006-02-12 | 本の感想
・40歳からの元気食「何を食べないか」―10分間体内革命 (幕内秀夫) 講談社プラスアルファ新書

「粗食のすすめ」シリーズで有名な幕内秀夫氏の本です。働く40代をメインターゲットとして、具体的にどういうものをどうやって食べたらいいか、そして何を食べないようにしたらよいかを解説しています。私も40代に突入していますので、興味を持って買って読んでみました。

マクロビオティックという言葉は出てきませんが、主張するところは「米食中心に」「副食は季節の野菜を中心に」「砂糖や油を摂り過ぎない」「動物性食品は肉より魚を」など、かなり共通するところがあります。あまり厳格なことは言わず、かなり現実的な路線で書かれています。

食べ物についての基本的な考え方として
・人間が生きていくのにどんな栄養素がどれだけ必要かは誰にもわかっていない
・したがって、栄養素だけを元にした「栄養のバランス」にこだわっても意味がない
・それよりも、日本人は独自の食事で長い間健康にやってきたという実績があるのであるから、日本の伝統的な食文化をベースにした食生活を心がけるべきである
と主張されているところにもマクロビオティックと通じるものがあるように思います。

印象的だったのは、「添加物の多いコンビニおにぎりと安全なパンはどちらがいいのか」という話。日本のパンには砂糖やバターなどがかなり含まれており、またパン食だとパンに塗るものやおかず・飲み物でどうしてもこってりしたものを摂ることになります。だから総じてパン食は勧められないといことになるわけですが、だからといって外でおにぎりを買おうとすると、コンビニのおにぎりには添加物がいっぱい。私もまわりの人に「コンビニで朝食を買うならパンよりおにぎりにした方がいい」と言うと「でもコンビニのおにぎりには添加物が多いから」とよく言われます。

この問いに対する正解はありませんが、自分の食生活をトータルにみて自分で答を出すべきというのがこの本の主張だと思います。その1回だけを見ればパンの方がおにぎりよりよいということになるかもしれませんが、そこでパンを選択する人は他の場面でもパンやこってりしたものを選び、そういうものが中心の食生活になってしまうかもしれません。そこまで含めて考えた上で選ぼうということです。全体としてごはんを中心とした食生活を確立した上で、かつなるべく添加物を避けるようにできれば理想的ですが。

40代に限らず、忙しくて食事が乱れがちという人には参考になる本だと思います。

胃痛とつきあう(11) 副作用

2006-01-15 | 一病息災
~ 2004年末 ~

2004年夏にマクロビオティックを知ってからも、十二指腸潰瘍再発防止と胃痛抑制のための薬を毎日飲んでいたのですが、「胃痛とつきあう(8) NUD」で書いた通り、いずれ薬はやめないといけないなと思うようになりました。

そう思った動機の1つは、医者の言う「薬の副作用」というものについて自分が誤解していたことに気づいたことです。最初に潰瘍防止の薬を出される時に、私がかかっていた医院の先生からは「この薬には副作用は特にないから、継続して飲んだ方がよい」と言われ、その通りに飲んでいました。しかしよく考えると、副作用というのにも以下の2つの種類があると思われます。

(a) 薬を飲んだその時に出る不快な症状(眠くなる、のどが渇く、じんましんが出るなど)
(b) 薬を飲み続けることによる体に対する悪影響(病気にかかりやすくなる、治りにくくなるなど)

(a)が急性の副作用、(b)が慢性の副作用という言い方もできるかもしれません。

私は一般に「薬の副作用」といえば(a)(b)の両方を含むと思っていたのですが、どうも上記の先生の言う「副作用はない」というのは(a)の方のみを指しているように思います。ここに誤解というか考え方の違いがありました。

以前「何を食べないのか」で、体に悪いものの分類を書いたのですが、その中では薬はレベル(1)の「化学物質」に入ります。症状を和らげる力があるとはいっても、食べ物ではなくて体にとってはあくまで異物です。そういうものをずっと飲み続けていれば肝臓などに負担がかかって体に何らかの悪影響があるはずで、そちらの副作用の方をこそ重くみて、それでも薬を服用すべきかを判断すべきだと思います。

私の場合は、胃痛が少し軽くなったころを見計らって薬をやめてみることにしました。一昨年の12月のことです。やめる前に比べて痛くなることが少し多くなった気がしましたが、ガマンできないほどではなかったので再開せずにすみました。それから1年あまり、痛い時には梅醤番茶を飲むとか、空腹が原因だと思う時には何か軽いものを食べるとかしてしのいでいます。

昨年9月に「胃痛とつきあう(9) X線検査と胃カメラ」で書いた定期健診のための胃カメラ検査をしてもらいに上記の医院に言った時、「まだ時々痛むことがあります」という話をしたら「薬をやめてしまったのがよくないですね」と言われてしまいました。医者の判断としてはそういうことになるのでしょうけど、来年からは胃カメラ検査も別のところで受けようと思います。

「からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て」

2005-12-29 | 本の感想
・からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て (大森一慧) ソレイユ出版

マクロビオティックの考え方と様々な手当て法を解説した本です。著者は故・大森英櫻翁の奥さん。陰陽のバランス、「身土不二」「一物全体」や食品ごと・季節ごとの食べ方などの基本について述べたあと、具体的な食事療法・手当て法についてかなりのページを割いています。本全体ではかなり内容がありますが、5章以降(後ろの3分の2近く)の手当て法はリファレンスとして必要な時に読めばいいので、最初に読むべき部分はそれほど多くありません。手当て法の部分は、自分や家族が体調をくずしたときなどによく見ています。

大森英櫻翁の講義録などを読むと、動物性食品や砂糖の摂取についてかなり厳しく戒めていたりしてストイックなイメージがあるのですが、奥さんのこの本はあまり厳しいことは言わず、バランスを重視した書き方になっているのでとっつきやすいのではないでしょうか。動物性食品の毒消しの方法も載っています。

大森英櫻翁の場合には、無双原理の根本から説かれているのと病気を治すための食事に関する講義や文章が多いためにどうしてもストイックな内容になり、対してこの本ではあくまで普通の人の一般の生活でどうすべきかを書かれているのでマイルドな内容になる、というのがあるのではないかと思っているのですが、どうでしょうか(識者のコメント求む)。

この本で印象的だったのは、毒消しの方法のところに「砂糖の毒消し法はありません」とあること。肉・魚・乳製品や酒に加えて、タバコですら毒消しの方法(味噌)が載っているのに。ただし、「砂糖の害で脳神経がボケたときに、良質のでんぷん質(ご飯やくず練り)にごま塩を加えたものを食べさせると、よだれがダラダラ出て治ることがあります」とのことです。

マクロビオティックに興味を持った人のうち割とちゃんと本を読んでくれそうな人にはこの本を、そうでない人にはマクロビオティックガイドブックを勧めることにしています。

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最近あまりにも忙しくて、更新の時間が全くとれませんでした。今年の記事はこれが最後です。今日から不在にしますので1週間ほどネット不通になります。みなさんよいお年を! 来年もよろしくお願いします。

牛乳の害(3) 代替乳その2

2005-12-07 | マクロビを学ぶ
代替乳の話」で紹介したオートミルク(オーツ麦からつくった乳飲料)の商品「オートドリーム」、どうも日本ではあまり売られていないようなのですが、ダメもとで注文してみたら先日送られてきました。さっそく家族を巻き込んで飲んでみました。

原材料は「有機オーツ麦、有機ひまわり油、海塩」。色は真っ白ではなくてちょっとだけ色がついた感じ。砂糖は入っていないのですが、結構甘くて独特の風味があります。牛乳や豆乳より濃厚です。私と妻の評価は「悪くない。でもしょっちゅう飲むのなら豆乳の方がいい」。頻繁に飲むのなら飽きのこないあっさりした味のものがほしくなります。ただし甘い飲み物を常飲できる人にはオートミルクの方がいいかもしれません。豆乳の苦手な長女も「まあまあ」だと言ってましたから、子供にとっては豆乳より飲みやすいのではないかと思います。甘さと風味を活かすことができれば料理にも使えそうです。

料理といえば、妻は最近ホットケーキを豆乳で作っているようです。牛乳の代わりに豆乳を入れるとふわりといい感じに焼き上がるそうです(割と知られた事実なのでしょうか?)。それならと無糖ホットケーキミックスと組合わせて作ってもらったのですが、豆乳だけで砂糖が全くないと固くなってしまうようです。

お菓子やホットケーキを作る時、砂糖は甘くするだけでなくその保湿性から全体をふっくらとさせる働きを持っており、これが砂糖をやめたり減らしたりする妨げになっていると思います。米飴、オリゴ糖などで代わりのきく場合はいいんですが。

玄米の食べ方四原則

2005-12-02 | 食材・料理
前回もちょっと書きましたが、私のまわりには「玄米はまずい」と言う人が結構います。傾向として、年配の人たちは「玄米は貧乏くさい」というイメージを強く持っておられることが多く、むしろ若い人たちの方が最近の健康ブームもあって先入観なく入れるようです。それと、どうも米どころ出身の人には「玄米は米じゃない。白米が一番」という人が多い気がします。年配の人と米どころの人。米や和食に愛着があるはずなのに玄米ぎらいの人が多いのは皮肉です。

逆に私が食べているのを見て「玄米を試してみたい」と言ってくる人もいます。そういう人たちと「玄米をどうやって食べたらいいか」の話をしているうち、気をつけるべきことがだいぶ固まってきました。最近では以下の4つを強調するようにしています。玄米食を実践されている方には当たり前のことが多いですが。

(1) 銘柄を選ぶ
白米でもそうですが、銘柄によってかなり味が違います。スーパーで売っている「普通の炊飯器で炊けます」という玄米はたいていまずいです。もちろん味にこだわるだけではなく無農薬のものを選びたいところ。
今までいろいろ食べてみた中でおすすめは以下の3銘柄の玄米です。
・生命あふれる田んぼのお米
・「感動米」のマイセン
・へんこの米屋の銀しゃり米

(2) 白米と混ぜない
私も最初に玄米を食べようかと思った時は白米に混ぜるのかと思っていました。好みの問題かもしれませんが、混ぜるとかえって違いが気になるのではないかと思います。そもそも玄米と白米では炊き方が違うので、混ぜて炊いてもどちらかがうまく炊けないはず。
混ぜて炊くぐらいなら、前回も書いた分づき米や胚芽米+雑穀にした方がよさそうです。

(3) ちゃんと炊く
上でも書きましたが、玄米用の炊き方をしないといけません。私は玄米コースつきの炊飯器を使っていますが、圧力鍋や土鍋で炊くこともできます。なんとなく土鍋で炊くのが本道のように思ってしまう(炊き方が自然に近いから)のですが、どんなもんでしょう。私はこれら3つの炊き方の食べ比べはできていません。
玄米の炊き方はいろんなページにあります。例えば以下。
"美味しい"玄米の炊き方
玄米の炊き方

(4) よく噛む
基本ですね。理想は100回、最低でも30回。噛まないと白米より消化が悪いというのもありますが、玄米の場合はよく噛んだ時の甘い味が白米より深いので、これを味わいたいところです。

おかずも含めた「玄米のおいしい食べ方」については、zaiz_japanさんが「玄米嫌いのご主人《攻略法》」という記事に書かれています。なるほどとうならされる内容。必見です。