4月11日

 角田光代訳『源氏物語 4』を読んだ。
 源氏物語は他の訳者で幾度か読んだが、角田源氏は初めて。
 
 今のタイミングで「蛍」の物語論を読むと、「光る君へ」のまひろの声で響いてくるような気がする。
 そして「藤裏葉」の大団円。おそらくここまでで紫式部は一旦筆を置いたのではないか、という話を聞いた。いよいよ次巻で「若菜」。
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4月10日

 金井美恵子『彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄』を再読した。
 
 ──“そこに夢見るものなんか、何もないけれど”。
 『小春日和(インディアン・サマー)』からほぼ10年後の、桃子、花子、小説家のおばさんたちを描いた姉妹作。
 少し本整理をしようとして目に留まり、懐かしさについ読み耽ってしまった。(フローベール『紋切型辞典』が出てくるとにやにやしてしまう)
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4月8日

 ダンテ・アリギエリ/原基晶訳『神曲 煉獄篇』を読んだ。
 
 引き続き、素晴らしい各歌解説のお蔭でとても面白い。

 以下、解説からの覚書。
 ダンテは地獄のような世界を糾弾し、その報われない現実の中で人はいかに生きればよいのかを考察している。
 煉獄篇は〈友情篇〉という別名を持つ(友情をもとにした調和の世界の再構築)。
 第九歌から主題と表現が更に高度化し、読者にアレゴリー的解釈を呼びかけている。
 愛と自由意志との関係の前提に、タブラ・ラサ「白紙」理論がある(神がそこに“第一概念”を書き込む)。

 第21歌から第26歌までの主題は詩。
 可能的知性(事物の認識を可能にする能力としての知性)があって初めて人は神と対話できる。そしてダンテはその対話を〈愛〉と呼ぶ(〈愛〉の捉え方の違い→清新体派からの決別)。
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4月5日

 夫とお店で宵呑み。焼き鳥〜
 

 

 

  
 
 夫の〆の釜飯、など。
 
  
 

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3月に読んだ本

3月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:4172

スピン/spin 第7号スピン/spin 第7号
読了日:03月31日 著者:恩田陸,尾崎世界観,斉藤壮馬
メイド服とレインコート: ブリティッシュ・ファッションの誕生メイド服とレインコート: ブリティッシュ・ファッションの誕生の感想
再読。ブリティッシュ・ファッションの起源を19世紀後半から1920年頃に求めた考察。ヴィクトリア朝後期、そこそこの経済力を持つミドルクラスが台頭するが、彼らの多くは色彩音痴だった(なんと!)。フランスへのコンプレックスを克服する為の努力から生み出された、イギリスらしいファッション。例えば女性用乗馬服は、男性スーツが完成させた地味なエレガンスを、乗馬服の美的近代化に向けた結果、モダンな健康美と洗練というイギリス人らしさを表すのに最適な女性服となった。メイド服は、雇用主と使用人の間の階級闘争から生まれた…など
読了日:03月29日 著者:坂井 妙子
神曲 地獄篇 (講談社学術文庫)神曲 地獄篇 (講談社学術文庫)の感想
行き届いた素晴らしい各歌解説のお蔭もあり、とても面白い。以下、解説からの覚書。ダンテは、ローマ皇帝権による世界全体の平和をもたらすために『神曲』の名声を求め、それがキリスト教的な善に合致すると言っている。古典古代をキリスト教の中に取り込んでいく(例えば『変身物語』はキリスト教的に解釈される)。ベアトリーチェは天国で神を見ている。商業経済への過渡期の文学という側面。『神曲』は、“西欧中世の戦闘的な文化を転換する原動力の一つになった”。
読了日:03月27日 著者:ダンテ・アリギエリ
アイルランド紀行 - ジョイスからU2まで (中公新書 2183)アイルランド紀行 - ジョイスからU2まで (中公新書 2183)
読了日:03月25日 著者:栩木 伸明
中世の写本の隠れた作り手たち:ヘンリー八世から女世捨て人まで中世の写本の隠れた作り手たち:ヘンリー八世から女世捨て人までの感想
とても面白く読んだ。昔に生きた人々と今が、写本でどう結びつくのか。忘却に埋もれた庶民の姿を垣間見せ、普遍的な思いやその社会の集合的記憶を伝えてくる写本。〈画工たち〉の章では、名もなき職人集団の技に感嘆して口絵を見るのが楽しかった。〈隠れた著者たち〉の章では、自分の言葉をテクストに残せた稀有な女性たちの存在が忘れがたい。後の時代の写字生の余計なミソジニー解釈で、自作の内容を改変されてしまう女性作家マリーのこと(その流れも含めての“写本”だが)。大胆な性表現さえ臆せず使ったウェールズの女性詩人メハインのこと。
読了日:03月22日 著者:メアリー・ウェルズリー
カストロの尻 (中公文庫 か 15-5)カストロの尻 (中公文庫 か 15-5)の感想
再読。堪能した。とりわけ好きなのは、「呼び声、もしくはサンザシ」と「『胡同(フートン)の素馨(ジャスミン)』」「廃墟の旋律」、そして表題作。岡上淑子のフォト・コラージュ作品に揺曳されたイメージの連なりに引きこまれる。まるで… “フランスの香水の小さなガラス瓶” ── “いわば香りのミイラが箱の中から微かにゆらいで立ちのぼる”。白樺派の特権意識について書かれた、「小さな女の子のいっぱいになった膀胱について」も面白かった。小さな森茉莉(というか森娘!)とパッパがちらっと出てくる。
読了日:03月18日 著者:金井 美恵子
エステルハージ博士の事件簿 (河出文庫 テ 8-2)エステルハージ博士の事件簿 (河出文庫 テ 8-2)の感想
再読。やはり面白くて隅々まで大好きだった。ペダンティックではありつつどこか飄然とした作風が、エステルハージ博士その人の風変わりな魅力にも重なる。一筋縄ではいかない三重帝国の人々が織りなす、一筋縄ではいかない怪奇な事件とその謎の行方…。お気に入りは「神聖伏魔殿」(なぜか皆“縫い取りのあるチョッキを掴んで…堆肥の山に倒れ込む”)、「イギリス人魔術師 ジョージ・ペンバートン・スミス卿」、「真珠の擬母」(オンディーヌ!)。そして今回は、「夢幻抱影 その面差しは王に似て」の夢の一片を追うような儚さがあらためて沁みた
読了日:03月15日 著者:アヴラム・デイヴィッドスン
片山廣子随筆集 ともしい日の記念 (ちくま文庫 か-88-1)片山廣子随筆集 ともしい日の記念 (ちくま文庫 か-88-1)の感想
アイルランド文学(特にケルトの幻想文学の印象が強い)の翻訳家として、そして歌人としての作品にはふれたことがあるが、随筆を読んだのは初めて。美しい文章が心地よかった。“私がたのもしく思つても思はなくても北の星に何の感じがあらうか? それにしても、昔からきまつたあの位置に、とほく静かにまばたきもしないで、むしろ悲しさうな顔を見せてゐる星はすばらしいと思ふ。すべての正しいもののみなもとである神も、あの星のやうに悲しい冷たい静かなものであらうか? 私はさう信じたい。”
読了日:03月13日 著者:片山 廣子
ユドルフォ城の怪奇 下ユドルフォ城の怪奇 下の感想
頗る面白かった。“ゴシック小説を読んだ!”という満足感にどっぷり。ピラネージの装画のイメージも相俟っておどろおどろしい内容を期待していたが、存外それほど満遍なく怪奇…という訳でもなく(ユドルフォ城は充分に不気味でよい)、非の打ちどころのないヒロイン・エミリーが恋をしたり非現実的な苦境を乗り越えていく展開は痛快なほど。とりわけ、何かと気絶してしまうエミリーが実は気骨ある女性で、己を利用しようとする輩に屈しないところが好きで感嘆した。当時このような女性を描いたということに、とても意義があったのではないか…と。
読了日:03月11日 著者:アン・ラドクリフ
ユドルフォ城の怪奇 上ユドルフォ城の怪奇 上の感想
訳者解題にもあるけれど、マダム・シェロンの造形が忘れがたい。そして、「崇高と恐怖」というテーマ。“しかし、このような心を期待で高揚させる「恐れ」とは純粋に崇高なものなのであり、一種の魅了作用によって、思わず縮みあがってしまうような事物にさえ、我々を引きつけてしまうものなのだ。”
読了日:03月07日 著者:アン・ラドクリフ
神作家・紫式部のありえない日々 4巻 (ZERO-SUMコミックス)神作家・紫式部のありえない日々 4巻 (ZERO-SUMコミックス)
読了日:03月06日 著者:D・キッサン
眠りの館眠りの館の感想
一篇一篇、息を詰めてしまう。凍てて美しくグロテスクで、どこまでが夢でどこからが異様な幻視なのか…と眩暈しながら。アンナ・カヴァンの作品群に魅了されて久しいので、Bの孤独もAの憂鬱も既に馴染みのようだった(例えばリジャイナがいてガーダがいて)。硬く閉ざした心の強張りも、絡みつく不安の感触も、ひりりと懐かしいままだ。“とはいえ、ときおり虎が羨ましく思えました。(略)そんなときは、深い傷から血が流れるように、気弱な愛が苦しいほどにこの身からあふれるのを感じたものです。”
読了日:03月04日 著者:アンナ・カヴァン

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4月3日

 『セシルの女王』6巻が届いたので、早速読んだ。 5巻ほどはきつくなかったけど、人は亡くなる…。
 メアリ・ステュアートが生まれて、ヘンリー8世は遂に6回目の結婚をば。 (次巻の表紙は誰かな。ヘンリー8世来ないかなw)
 

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4月2日

 小川公代『ゴシックと身体 想像力と解放の英文学』を読んだ。
 
 19世紀におけるゴシック小説が果たした役割を読み解く、“戦術”という切り口が思いがけなくて頗る面白かった。
 
 フランス革命、バラッド的テーマの流行、当時の自己保存の思想…などが重なって生まれた特異なジャンルが、新しいヒロイン像を描くことで、家父長的な文化に異議を唱えたり女性解放のテーマを推し進めることになっていく。
 『ユドルフォの謎』の想像力と空想力の件、『放浪者メルモス』の結婚というメタファーについて、『嵐が丘』の「内なる神」という思想、マイノリティ性を抱える人たちのヴァンパイア物語…などなど、「なるほど!」と頷きまくりだった。
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4月1日

 my new gear…
 ケニアから遥々、アフリカンテキスタイル・キテンゲのお洋服が届いた。ピンタックスモックワンピ♪
 個性的な色柄で少し迷ったけど、ピンタックが美しくて気に入った (๑˃̵ᴗ˂̵)
 
  
 

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3月31日

 久しぶしの落語 、楽しかった〜(*^m^*)
 

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3月30日

 お昼ごめん。「麺屋 和佳」にて、白の担々麺。豆乳入りのスープでした。
 
  
 

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