老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

衆院3補欠選挙は「政権交代」への第一歩となるか

2024-04-24 14:57:06 | 選挙
4月28日投開票の衆院トリプル補欠選挙は、自民党が東京15区、長崎3区の2補選に候補者を立てられず不戦敗。この2選挙区と島根1区の3選挙区すべてに於いて立憲民主党候補の優勢が伝えられている。

多くの国民が物価高騰や社会保障費の削減で苦しむ中、自分たちは特権的に企業等から巨額の献金を受け取り、裏金として使い放題だったことが明るみに出たのだから、自民党が劣勢に立たされているのは当然だとして、維新や都民ファーストの会の公認・推薦を受けた候補者をも押さえて、どの選挙区でも立憲候補が堅調であることには驚きも感じる。

果たして自民党政治に失望した有権者は、日本の政治を託せる政党として、立憲民主党を受け入れようとしているのだろうか。

今回、夫々の立憲公認候補の主張や特徴を見てみると、東京15区の酒井なつみさんは、助産師・看護師という医療従事者の経験があり、がんサバイバーでもある体験を踏まえて、『今、順風でも 明日わが身に災難がふりかかるかも知れない。今必要な人にやさしく、困っている人の声が届くまっとうな政治』の実現を目指して立候補したという。
https://www.tiktok.com/@lakulakuneko/video/7360000004708224273?_r=1&_t=8lgtE7iwAmu

島根1区の亀井亜紀子さんは、自らの「国造り八策」の中で『食べることは生きること。農林水産業を振興し、食料自給率を上げる』と主張。また『公共交通機関の確保』『消費税5%へ減税』『憲法9条遵守』など、大いに共感できる政策を提案している。
https://www.youtube.com/watch?v=roUUpMLBxKU&t=37s

長崎3区の山田勝彦さんも、『世界の紛争や自然災害による食料危機の時代に農林漁業従事者は「青空公務員』。国からの直接支払いによる所得保障で後継者を育て自給率を向上させよう』と具体策を提案。
https://www.youtube.com/watch?v=zVpj430cSPU
山田候補の演説会では長妻さんが「生きる喜びを倍に、生きる辛さを半分にするのが政治の役割。明るくて実行力のある山田候補こそ、今の政治には必要」と激励したという。

3候補が共通して語っているのは、「一人一人の生活を大切にし、誰もが安心して暮らせる社会を目指す」という政治の役割で、今の自民党や、大阪万博など派手なパフォーマンスにうつつを抜かしている維新の会などに、最も欠けている姿勢だ。

勿論、立憲民主党が自ら政権を担って、こうした原点に立った政治を遂行していくのは容易ではないことは、2009年に政権交代を果たしたものの、わずか3年で消滅した民主党政権の前例が物語っている。

しかし、今の立憲民主党所属メンバーの言動を見ていると、彼らは民主党政権時代の失敗は失敗として学び、より多様でしたたかな政党づくりを目指して切磋琢磨しているようにも見える。

そして何より、政権復帰後10年以上続いた安倍自民党政権が、今の政治の腐敗と日本経済の衰退、「国民生活の豊かさ」低下を招いていることを考えれば、『国民の生活を大切にする真っ当な政治』を志す立憲民主党を中心とした立憲野党による「政権交代」を、今一度目指し、実現する時が来たと考えても良いのではないだろうか。

今回の補欠選挙に直接投票することはできないが、当該選挙区に住む有権者の皆さんに、「政権交代への第一歩」の希望を託し、まずは28日の結果を、期待を持って、見守りたい。

「護憲+コラム」より
笹井明子
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原発ヨイショのお為ごかしな物語をオーストラリア・ディーゼンドルフ氏が反駁する

2024-04-21 20:34:10 | 原発
4月7日付けのコラム「原子力発電は地球環境にやさしいのか」は、常々感じていることが多い内容の意見で、興味深く読ませていただきました。
特に「原子力発電はクリーンな発電方法である。原子力発電こそが現状で最も安定した電力供給ができる」等々のバイアスがかかった言説の問題性を指摘している点は大いに共感するところです。

見習い期間さんに触発され、核エネルギー推進者が用いがちな言説や物語の問題点を検討している海外の意見を少し調べてみました。その結果、オーストラリアにDiesendorfさんという方がおり、興味深い情報を提供しております。2016年と少々古いものではありますが、参考になる部分多いと思いますので、紹介したいと思います。

バイアスのかかった推進者側の言説・論理に対する反駁の力が弱いということと共に、彼らの言説・論理だけが、大手を振るってまかり通っている社会構造を放置し続けている、ということも我々社会が抱えている大きな問題点と思っております。
おかしいことには、ハッキリとおかしいということを言い続けること、そしてその反駁の論拠の正当性を高めていくことも大切と思っております。

「原発ヨイショのお為ごかしな物語をオーストラリア・ディーゼンドルフ氏が反駁する」
(Energypost.eu,2016年5月31日 Mark Diesendorfさんが記す)

オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学(UNSW)の学際的環境研究のMark Diesendorf準教授が、再生可能エネルギーを絶えず貶めることに専念している原発推進主義者らから発せられる「まことしやかな」物語や言説を信じてはならない、と主張している。そして準教授は、クリーンであり、安全な再生可能エネルギー技術が世界の電力需要の100%を供給できる潜在能力を持っていると述べる。
合わせて指摘していることは、入念に仕組まれ、そして市民を間違った方向に誘導することを狙った神話やある意図を持って語られる物語に、反駁することが第一に越えるべきハードルと指摘している。
彼らが語る神話や物語というものは、政治的な強者が、命脈が尽きかけている原子力産業を究極的に応援するよう仕組まれたものなのである。

多くの国において主要な炭素低排出型電力供給源として原発エネルギーと再生エネルギーの両者が、ライバル関係にあるとされている。

ここで再生可能エネルギー技術が、発電量ならびに投資額の点で著しい拡大を見せており、そして発電コストが大きく低減してきている。しかしこの推移の進行につれて、原発を推進する人々や気候科学を否定的に見る人々らが、再生可能エネルギーに対する否定論者になってきているのである。

再生可能エネルギー否定論者らの戦略と戦術は、気候科学を否定する人々の用いるそれらと非常に良く似ている。
産業界向けの電力源として、再生可能エネルギーは能力の面、そして確実性の観点から劣っており、問題であるという風潮を作りだすことを狙っている再生可能エネルギー否定論者らは、政策決定権者らやメディアに対して再生可能エネルギーに対するマイナスの神話を、そして原発エネルギーに対してはプラスの神話を植え付けようと奔走している。
彼らの狙いは、これら二つの神話の間の争いが通俗的・世俗的なものであり、重大な問題ではない、との認識を市民に持ち込もうとしていると言える。

異常気象に対処するため、原発エネルギーと再生可能エネルギーの両方に充分な投資を行えるに足る経済的資源を持っている国は、ほとんどないのである。このことは、2016年の英国の対応を見れば了解されるだろう。即ち2016年英国は原発エネルギーに対しては長期に亘る補助金政策を提供し、一方で再生可能エネルギーに対しては既存の短期的補助金の厳しいカット政策を持ち込んだのである。

この記事は、原発や石炭火力などのベースロード発電所が必要だとする神話や物語に反駁する記事の続編であり、原発エネルギーと再生可能エネルギーに関連するその他の神話・物語の幾つかを批判的に検証することを目的にしている。これらの神話・物語に疑念を持つ人々へ役立つ情報を提供することを狙っている。ここで検証する神話・物語は、メディアや論説文やブログ・オンライン上のコメントで見受けられる原発推進者や再生可能エネルギー否定論者らが発しているコメントから引用している。

神話・物語1:ベースロード発電所は、ベースロード需要を供給するために必要だ。
変形例:ベースロード発電所は、不規則で安定していない再生可能エネルギーをバックアップするために、常時運転しておく必要がある。
変形例:再生可能エネルギーは、大規模な電力供給の為の主要な電力源と見なすには、あまりに不規則であり不安定性である。

これらは、既にDiesendorf氏の以前の記事(RENEW ECONOMY,2016,March 18)で反駁
済みである。【この紹介は別の機会に行う予定です】

神話・物語2:原発エネルギーには、復興(ルネッサンス)がおきている

世界の原発の発電量は2006年にピークを打っている。世界の総発電量に占める原発の寄与は1993年の17.5%をピークとして以降は下降しており、2014年時点では11%を下回っている。現在の原発に対する年間投資額は、風力への投資額および太陽光への投資額のいずれに対しても下回っている。直近の10年間、新規原発の数は、既存原発の閉鎖の数とほぼ一致している。欧州の幾つかの国では原発が消滅の方向に移行しつつある。そして反対に原発リアクター建設を推進している国があり、それらは中国・ロシア・インドそして韓国である(世界原子力産業レポート2015からの引用)。

神話・物語3:再生可能エネルギーは、直ちに化石燃料の代替えとはなり得ず、低炭素型のエネルギーを充分供給するには、主張されている 移行期に発生するだろうギャップを埋めるために、原発エネルギーが必要となるだろう。

既存の原発の大半は第二世代に分類され時代遅れになっていると見られている。現在の新しい世代の原発は、第3世代および第3+世代に分類される。これまで、4基の第3世代原発が日本で稼働しているが、それらの稼働実績は貧弱なものである。第3+世代の原発は欧州で2基、アメリカで4基そして中国で数基が建設中である。従ってその稼働はまだである。そして第3+世代の建設スケジュールは遅れており、必要予算も超過傾向になっているという。例えば欧州の建設費は予定の3倍に既に膨らんでいる。
高速増殖炉・統合型高速炉・小型モジュール炉などの第4世代原子炉は一つも市場に出回っていない状況にある(World Nuclear Industry Status Report 2015より)。
従って、新式原発はまだ準備できていないのが、現在の状況である。

一方、風力と太陽光はどちらも急速に成長しており、そしてコストの低減化が今も続いている。大規模な風力や太陽光の発電計画があり、2-3年で建設が終わる予定となっている(原発には10~15年の建設時間が要する)。従って風力と太陽光による発電で、今すぐにでも化石燃料や原発を置き換えることが可能なのである。

神話・物語4:民生向け核エネルギー利用と核兵器の拡大・拡散は別物だ。
変形例:核兵器の爆発物は、通常の原子炉で作られるプルトニウムからは作れない。またトリウム核燃料サイクルやIFR(統合型高速炉)で作られるものからも、核兵器の爆発物は作れない。

6カ国(フランス・インド・北朝鮮・パキスタン・南アと英国)は、核兵器開発を支援するために民生用原子力エネルギーを秘密裏に利用してきた。加えて、少なくとも7カ国(アルゼンチン・オーストラリア・ブラジル・イラン・リビア・韓国と台湾)は同じく民生用原子力エネルギーを利用して核兵器の開発を秘密裏に開始していたが、その後計画を中止している(Diesendorf2014の参考文献より)。このように、核エネルギーは核拡散を促進し、それにより核戦争の危険性を高めるのである。そして例え核戦争の可能性は低いとしても(この点に関しては議論の余地がある)、潜在的な打撃の大きさは計り知れないものである。従って民生用原子力エネルギーが持っている、核兵器の拡散リスクは軽視出来るものではないのである。
トリウム原子炉はインドで開発中。トリウムには核分裂性が無いため、まず中性子を照射してウラン233に変換する必要がある。ウラン233は熱を発生させたり、電気を作りだしたり、各爆発物としても利用できる。ウラン233を使用した核兵器はアメリカ(ティーポットMETテスト)、ソビエトとインドでテストされている。

【参考情報:トリウムとは、原子番号90の元素で地殻中に豊富に存在。トリウム232が中性子を吸収するとトリウム233となり、β崩壊によりプロトアクチニウム233を経由して最終的に核燃料のウラン233が生まれる】

一部の核推進者らは、仮定を前提とした上で、IFRというものは核拡散に対して防止効果があると誤った主張を行っている。IFRはこれまで1基の試作機がアメリカで運用されたのみである。だが、このプロジェクトは資金面・必要性についての疑問・潜在的な核拡散能力についての懸念などの理由から1994年に議会で中止に追い込まれた(Kerry 1994)。

IFRには少なくとも2つの核兵器の拡散を拡大する経路があるとされる。
一つの経路は、核放射性の高い核分裂生性物の大半を、焼成手段を用いて放射性の低い超ウラン性物質から分離することが出来れば、通常の化学処理を用いて、分取した放射性の低い超ウラン性物質からプルトニウム-239を抽出することは容易に出来ることになり、それを使って核兵器が作れるのである。
もう一つの核拡散に結び付く経路はウラン238から兵器級のプルトニウムを製造できるようにIFRを改造するやり方である(Wymer et al. 1992参照)。

【IFTとは:統合型高速炉(Integrated Fast Reactor)。設計コンセプトとして、燃料のリサイクルを取り込み、発電プラントと燃料の再処理施設を同一サイトで実現することを狙った原子炉のことを指す】

神話・物語5:チェルノブイリの死者数は28~64人だった。

これらの不条理に低い推定値は、急性放射線症候群による短期間の死亡のみを考慮し、死亡率の主要要因である数十年に亘るガンを無視することで生じる。推定死亡者数については幾つか出されており、IAEAの国際機関の一つのチェルノブイリフォーラムの推計(2006)が最少であり、4000人未満としている。IAEAは核拡散に反対の立場と原発事故の未然防止安全対策を推進するという立場とともに、一方では核エネルギー利用の推進の立場をとるという、相反する考え方を持っている組織である。
かかる利害関係を持たない立場の推計値として、国際がん研究機関が発表の16,000人からウクライナ・ソビエト等からの国際的医学研究者団体が発表の93,000人まで存在している。

神話・物語6:高レベル核廃棄物の永久貯蔵の問題は解決している。

すべての高レベル核廃棄物は現在、プールまたは乾式キャスクに一時保管されている。世界には永久的保管を行う場所は一つもない。アメリカのユッカ山で提案されている保管場所の開発は135億米ドルを支出した段階で中止されている。スウェーデンとフィンランドで地下保管庫の建設が進められている。例え、技術的及び経済的な課題が解決できたとしても、保管を10万年間管理し、隔離を続けることへの社会的な問題が未解決で残るのである。

神話・物語7:IFRが世界の核廃棄物を燃やし、消失することになるだろう。

IFRは設計としてのみ存在している。もしも開発されたとしたら、また別の核拡散の経路の誕生となるだろう。せいぜいが、大半の超ウラン物質を核分裂生成物へと変換する程度であり、高放射性核分裂生成物を保管するのに地下の長期保管庫が依然として必要となる。
IFRやその他の「新しい」原子炉設計の問題の詳細は、最近エコロジスト誌に再掲載されたAmory Lovins氏の2009年の古典的エッセイ「“New" nuclear reactor? Same old story」を参照のこと。

神話・物語8:原子力エネルギーは、温室効果ガスを全く排出しないか、またはごくわずかしか排出しない。

原子力エネルギーもほとんどの再生可能エネルギー技術も運転中のCO2排出はない。ただし、意味ある比較を行うには、原材料の採掘から廃棄物の管理までに至るライフサイクル全体を比較する必要がある。核物理学者で核エネルギー利用支持者のManfred Lenzen氏は、高品位のウラン鉱石の採掘を前提として、原子力エネルギーのライフサイクル平均排出量がkWhあたり60gのCO2となり、風力発電の場合は10~20gのCO2、天然ガス発電では500~600gとなると算出している。

ここにおいて、大半の核エネルギー推進派が無視をし、誤って伝えようとする部分が登場する。即ち、高品位のウラン鉱石の埋蔵量は、世界にあと数十年分しか残っていないことである。ウラン鉱石の品質が低下すると、ディ-ゼル燃料を用いるウランの採掘と粉末化工程に使用する燃料が増大し、その結果GHG排出量も増加することになる。Lenzen氏は低品位ウラン鉱石を使用すると、ライフサイクルGHG排出量が131g/kWhになると計算している。そして131g以上の、もっと大きい排出量を算出している人もいるのである。

このような大きなkWh当たりの排出量は気候科学の観点から容認できないものである。
低品位ウラン鉱石の採掘を再生可能エネルギーで行うとか、バーナー型原子炉の代わりに高速増殖炉を使用するという条件の場合に限って、核エネルギー利用によるGHG排出量を許容できる範囲に抑えることが出来るが、これら両方の条件とも少なくとも今後数十年以内にクリア出来ることは無さそうなのである。
このトピックの詳細はKeith Barnham氏の「False solution:nuclear power is not low carbon」を参照のこと。

神話・物語9:原子力エネルギーは、送電網において再生可能エネルギーの適切なパートナーである。

原子力推進者らは必要に迫られて、上手い話を作るもので、「新しい」原子力と再生可能エネルギーの両方を同じ送電網に送り込むことが出来ると主張している。しかしながら、変動型再生可能エネルギーが電力供給システムに対して大きな貢献をする上で原子力エネルギーが望ましいパートナーではないということが、次の4つの理由から明らかである。
(1)バイオ燃料の使用が出来る開放型ガスタービンによる発電やダムを備えた水力発電や蓄熱装置を備えた集中型太陽熱(CST)と比べて、原子炉の稼働は柔軟性に欠けるといえる。風力発電と太陽光発電は、柔軟性があり配電可能でありバランスのとれた形で大量のエネルギーを供給可能である。
(2)原子力発電所が故障すると通常数週間から数カ月が停止状態になる。それに対して、風が凪いだことによる風力発電の停止は普通数時間から数日であり、従って風力発電はベースロード発電施設から高額なバックアップを必要としないのであり、充分に、柔軟性のある配電可能な再生可能エネルギーだと言える
(3)風力発電と太陽光発電の運転は、原子力発電や化石燃料発電に比べて安価である。それ故に風力と太陽光発電とは電力業界に経済的メリットを与えることになり、ベースロード運転から原子力電力を切り離すことになり、ベースロード運転システムの巨額なコストの返済の役に立つことになる。
(4)再生可能エネルギーと原子力エネルギーとは、政府の乏しい財政と補助金政策状況のなかで競合関係にあり、例えば英国政府はHinkley C に対し約束している巨大補助金を行っているが、一方では風力発電や太陽光発電に対しては補助金撤廃をしている。

神話・物語10:原子力発電炉は、通常は需要や負荷の変化に追随して柔軟に運転ができるものである。

技術的および経済的な2つの面からの制約が総発電量の77%を原子力発電から賄っているフランスで実証されている。現行世代の原子炉は負荷追随型には設計されてはいない。従って、フランスでは運転サイクルの開始当初の時点、即ち燃料は新しくそして予備の反応性が高いという条件下でのある時間においてのみ、負荷追随型モードでいくつかの原子炉を稼働が出来るとしている。しかし運転サイクルの後半に負荷追随型モードを継続することはできない。この点は、世界核機関によって承認されている。

負荷追随はベースロード発電所にとって次の2つの経済的不利益をもたらす。
・効率の低下により、維持費のコストがかなり増大することになる。
・電力需要閑散期の期間の収入が減少する。しかし、高額な資本コストを返済するには、出来る限り定格出力で、原子炉を運転することが求められるのである。

フランスでは余剰の原子力エネルギーを、送電線を通じて近隣諸国に売却することで2番目の経済的ぺナルティーを軽減している。一方オーストラリアの一部では余剰のベースロード石炭エネルギーを水の加熱用に用いている。

脚本・物語11:再生可能エネルギーは原子力エネルギーよりも費用が掛かるものだ。
変形例:原子力エネルギーが受け取る補助金は、再生可能エネルギーが受け取る額よりも少ない。

両方の神話とも間違っている。
エネルギーの平均コスト(Levelised costs of energy:LCOE)は、その場所に設置されたユニットの数、設置場所、投下資本コスト、金利および設備利用率(実際の平均出力を定格出力で割ったもの)に依存して異なる。原子力発電所のLCOE推定額はIPCCの2014以前のデータによると$108/MWh、多国籍金融コンサルタントLazardの2015以前のデータによると$97-132/MWhである。
IPCCの推定コストには補助金が含まれておらず、一方Lazardの推定値には借入保証と廃炉(decommissioning)を除いて連邦政府の補助金が含まれている。

これらアメリカの推定額のいずれもが、建設中の欧州の2基の加圧水型原子炉(European Pressured Water Reactors, EPR)のコストの大幅な高騰を考慮していない(MYTH3で言及)。
英国向けに提案されているEPRであるHinkley Cは、電力の卸売価格の2倍以上である£92.5/MWh (US/MWh) ( 2012 年為替換算)から始まる35年間のインフレ連動保証電力価格が、当初£100億(153億ドル)の借入保証付きで提案されている。

事故や不充分な保険に対する上限付き債務が英国の納税者らに、降りかってくることが予想される。

2015年にLazardはアメリカ全土の陸上風力発電の補助金なしのコストを32~77米ドル/MWhと見積もっている。アメリカエネルギー省による独立した実証研究によると、2014年の風力発電の平均電力購入契約価格は、風速が最も大きいアメリカ内陸部では22米ドル/MWh、風速が最も小さい西部地域では60米ドル/MWhとしている。アメリカ政府は風力発電に対して、10年間23米ドル/MWhの生産税額控除の補助を行っているため、実際のコストを求めるには、この23ドルをアメリカエネルギー省の実証研究で得られている数値に加える必要がある。

ブラジルでは、2014年の逆オークション(通常の売り手が最高値の買い手を選ぶ方式でなく、買い手が最安の売り手を選ぶ方式)において、補助金なしの平均清算価格129.3レアル/MWh(41米ドル/MWh)で契約が落札されている。

Lazardの見積もりでは、アメリカの日射量の多い地域における大規模太陽光発電のコストは、補助金無しの条件で50-70米ドル/MWhである。アメリカ・ニューメキシコ州において、57.9米ドル/MWhの電力購入契約がMacho Springsの50MW太陽光発電所からの電力に対して締結された。連邦政府と州政府からの補助金を勘案すると、実際のコストは場所の違いにより、80-90米ドル/MWhとなる。
チリ・ブラジル・ウルグアイでは、補助金なしの逆オークションにおけるコストは同じ範囲にある(Diesendorf 2016)。

「メーターの裏側Behind the meter、BTM」にあると考える家庭や工場等の屋根設置型太陽光発電装置の発電コストは、固定価格買い取り制度がない条件下であっても、日射量が中程度~高程度である世界の多くの地域において、地域の電力会社が提供する電力価格と競争力がある。

蓄熱を備えたCSTに対しては、Lazardは119~181米ドル/MWhと見積もっている。

原子力と再生可能エネルギーの補助金を比較することは困難である。補助金の量と種類は国ごとに大きく異なり、原子力補助金には以下の一部またはすべてが含まれる場合がある(Disendorf, 2014)。・研究開発、ウラン濃縮、廃炉そして廃棄物の管理に対しての政府の資金提供;
・ローン保証;
・納税者および電気料金支払者により支払われた座礁資産;
・被害者と納税者によりカバーされる必要のある事故が起こった際の有限責任;
・相違点に対する寛大な契約内容。

原子力発電所への補助金は過去50年間に亘り、一定を維持するか、あるいは増大傾向で推移している。一方、再生可能エネルギーへの補助金は、特に固定価格買い取り制度への補助金は過去10年間に大幅に減少(場所によってはゼロに)している。

【参考情報:BTMとは、電力会社が持つ電力メーターまでのインフラでなく、電力購入利用者が持つ電力メーターの裏側の電力利用者の持っているインフラを指す】

神話・物語12:再生可能エネルギーは非常な広がりを必要とするもので、従って巨大な面積の土地を要求するものである。

水力発電用ダムやバイオ燃料向け作物の栽培用地は大きな面積を要する可能性があるが、しかしながら再生可能エネルギーのシナリオの中には、これらの資源から追加的に大きな貢献分を要求するものはほとんどない。
地上に設置の太陽光発電ファームは大きな土地を占有する可能性があるが、それはしばしば耕作限界地を占有する形式なのである。
ドイツとオーストラリアで広く見られる屋根に取り付ける太陽光発電装置や農作物からの残渣をバイオ燃料とする方式では追加の土地は必要としない。
陸上風力発電ファームは通常良く農耕地に設置され、風力発電装置と農耕との相容性・親和性が高いのである。占有される土地面積は通常1-2%であるが、再生可能エネルギー否定論者らは、往々にしてこの点を無視してより広範な土地を占有しているとする間違った土地面積を引用するのである。

オーストラリアのエネルギー市場向けにその必要量の100%を再生可能エネルギーで賄う場合の経済的に最適な再生可能エネルギーの組み合わせを計算すると、km2/TWh/年で表示する場合、100%の再生可能エネルギースキームで必要とされる土地面積は、仮定上半径20kmの緩衝地帯を設定する必要のある原子力発電施設に要する土地面積の約半分で済む、としている。
この原発施設に対して、仮定上半径20kmの緩衝地帯を設ける必要があるとする条件は、福島第一原発事故が原因で、遅ればせながら導入されたものである。

神話・物語13:再生可能エネルギー技術のエネルギー回収期間(金額ではなくエネルギー単位ベース)は、その設備のライフタイムに匹敵する期間である。

現在のエネルギー回収期間の典型的な年数は:太陽光発電モジュールは0.5~1.8年、大型風力タービンは0.25~0.75年、CRT(パラボラボウル)は2年、核(高品質ウラン鉱石)6.5年、核(低品質ウラン鉱石)14年である。これら数値の範囲は、エネルギー回収期間、および投資したエネルギーに対するエネルギー収益率に関連する考え方が、技術の種類や場所によって異なるという事実を反映していることになる。

再生可能エネルギーを批判する人達は、それぞれの再生可能技術が化石燃料を利用する発電施設から継続的にバックアップ支援を受ける必要があるとの間違った仮定を導入することで、より大きいエネルギー回収期間が提示されるようなことを、しばしば行うのである。

神話・物語14:デンマークの電気料金は風力発電エネルギーからの寄与が大きいことから、欧州で最も電気料金が高い国のなかの1つである。

デンマークの電力料金は、欧州の中で最も高い部類に属する。理由は電気代に対する税が非常に高いことによる。この税は連結収入に組み込まれるが、風力エネルギーに対しては補助金が投入されないのである。税を除いて電気料金を比較すると、デンマークは欧州の中で平均程度に位置している。デンマークの風力エネルギーは、小売電力価格の極わずかな値上げ分を原資とする固定価格買い取り制度によって補助されているが、多額な風力エネルギーの寄与による卸売・大量販売価格の下落により相殺されている。

神話・物語15:80~100%再生可能電力使用を想定した送電網の運用に関するコンピューターシミュレーションモデルは、実際のシステムを無意味に過大に単純化している。

シミュレーションモデルは確かに現実の簡略化されたバージョンだが、様々なシナリオを調査するための強力な低コストの武器となるものである。大半のモデル作成者らは、対象とする変数の間の幾つかの基本的な相関関係を理解することを目的として、単純なモデルから検討を始めるのである。次いで、理解が深まるにつれて段々とモデル作成者らはより現実的なモデルを作り上げていくのである。
例えば、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大のグループは、当初100%再生可能エネルギーによるオーストラリア全国電力市場の運営を1年間にわたる時間単位の段階でシミュレ―ションした。風力発電所は既存の場所でスケールを拡張するだけの処理を行った。

次に検討したモデルでは経済データを含めることをおこない、再生可能エネルギー技術の経済的に見た最適な組み合わせを算出している。ついで低炭素型化石燃料シナリオとのコストの比較を行っている。

最近、シミュレーションは6年間の時間ごとのデータに拡張され、再生可能エネルギーの供給地域は43のサブ地域に分割がほどこされ、そして非同調供給性について一定の制約を課すことを行っている。この様なモデルの精密化を行ったうえでも、100%再生可能エネルギーシステムは信頼性があり、そして経済的有利性があることが認められている。

一方、スタンフォード大の研究者らは、輸送と熱を含むアメリカでのすべてのエネルギー使用が再生可能電力で賄える可能性があることを示している。彼らのコンピューターシミュレーションでは、6年間にわたる30秒ごとの取得された電力需要、風力、太陽光に関する合成データが利用されている。合成データを利用することにより、モデルを使って研究を進める研究者らは、天候の大きな仮定上の変動をも含めていくことが出来るようになる。
この様な感度分析手法はモデルの効力と信頼性を高めることになる。

奇妙なことに、電力システムのシミュレーションモデル化作業を最も声高に批判する人々の中には、専門分野として物理やコンピューター科学や工学や応用数学の資格を持ってはいない人々がいる。例えばオーストラリアでは、2人の生物学者、1人の社会福祉学者、1人の作業療法士が含まれている。

(結論)
コンピューターシミュレーションモデルの進展および増大する実践的経験によって、多くの地域で、恐らくは世界中の地域で電力の供給が100%再生可能エネルギーから調達される状況へと、移行していく可能性があることが示されている。再生可能エネルギー技術の大半は市場で入手可能であり、価格は手ごろであり、そして環境に優しいのである。
かかる移行を遅らせるような理由は、現在の再生可能エネルギーの技術及び経済性には存在していないのである。
原発推進派や他の既得権益受益者や支持者らが拡散している原発推進や再生可能エネルギー反対の神話と称する作り話は検証に値しないものである。政治的意思を持って進めて行けば、第3世代や第4世代の原発が意味ある電力供給をおこなう時期より、はるかに早く再生可能エネルギーのスケールアップにより、世界の電力需要が100%再生可能エネルギーから調達できるという時代がくることになるだろう。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
yo-chan
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厄介な食べ物から子供達を守るのに必要な情報とその政策化のヒントになる世界動向

2024-04-18 13:20:20 | 社会問題
「厄介な食べ物から子供達を守るのに必要な情報とその政策化のヒントになる世界動向:過剰な糖質分を含む食べ物から子供達を守る施策をどう作っているかに焦点を当てる」

糖質の過剰摂取の問題が注目されている。今回はこの問題に焦点を当て、ことに子供達が糖質の過剰摂取の環境に置かれ、太りすぎや肥満に導かれやすい構造が世界に存在しており、この状況を放置していると糖尿病や心臓血管系疾患等の慢性疾患に苦しむ将来が彼らに待ち受けていることが大いに懸念される所である。

今回は、世界の特に子供達の糖質過剰摂取の状況を検分し、なぜ糖質の過剰摂取が問題なのか、そして世界がこの問題に対してどんな対応を試みているのか等、を紹介してみたい。

この課題を世界がどう見て、どう対応しているかを色々な角度から見ていくことが、企業主導でない「市民が主導する人々の考えに基づく持続可能な目標」SPOGs(市民の、特に子供の健康を守る)を提案する上で、参考になるだろうとの考えから取りまとめてみたい。

今回、SPOGsという用語を使っている。これはSustainable People-Oriented Goalsの略。
以前提案のSPGsとSOGsの二つを1つに纏めることが出来れば、望ましいのではとの考えから作りだした造語です。今後はこの言葉を「人々の思いに根ざした持続可能な目標」の意味合いから使っていきたいと思います。

今のSDGsは「企業の思いや願いに根ざした持続可能な(再)開発目標」と思います。
***

まず、事実の紹介から始める。
1. 世界の子供の肥満の実態と今後の予測
(1) WHO「肥満(Obesity)と太り過ぎ(Overweight)」2024年3月1日から引用
2022年の世界の思春期の子供らの肥満は、1990年と比較して4倍化している。
2022年の世界の5才以下の子供らのうち、太り過ぎのこどもは3700万人、5~19才では3.9億人以上が太り過ぎであり、その内で肥満者とされるこどもは1.6億人。

(2) アメリカの実態: Centers for Disease Control and Prevention(CDC)による「Childhood Obesity Facts」データ、最終更新日:2022年5月17日から引用
2017年から2020年の期間、2~19才の肥満者割合は19.7%(人数:1470万人)
内訳として:2~5才は12.7%、6~11才は20.7%、12~19才は22.2%
別の内訳として、スペイン系の子供は26.2%、非スペイン系黒人の子供は24.8%、非スペイン系白人の子供は16.6%、アジア系の子供は9.0%

(3) EUの実態:OECD/European Union(2020),“Overweight and obesity among children and adolescents”, in HEALTH AT A GLANCE:EUROPE2020から引用
2018年:太り過ぎ及び肥満の15才の子供の割合は、EU諸国平均で19%、2010年の16%と比べて上昇。 男女の内訳は、男子23%、女子15%。
EU域内の地域差は大きく、最少はオランダの12%、最大はマルタの36%と3倍の開きがある。
家庭の経済状況による太り過ぎの割合の格差の存在が認められており、恵まれない家庭の子供らの太り過ぎの割合は、恵まれている子供らに比べて50%大きいという。

(4) 日本の実態:最近の25年間の栄養調査(Obesity Research,2004)から引用
1976年から2000年の期間、6才~14才の男児29052人と女児27552人を対象として調査した結果、1976~1980年にかけて肥満男児割合が6.1%、肥満女児割合が7.1%だったのが、1996~2000年にかけては肥満男児が11.1%、肥満女児が10.2%へと、男女ともに肥満率が増大している。
地域による特性として、9~11才の男児女児共に小規模の都市に住む児童らが20年間の期間にわたり最も大きな肥満率の増大を示している。一方大都市の女児に関しては20年の期間の間に肥満率の増大は見られていないという。

2.糖質分の摂食状況
(2-1)アメリカの実態:Get the Facts: Added Sugars, Centers for Disease Control and Prevention(2~19才の砂糖摂取量の調査、2017から2018年)から引用。
一日の砂糖摂取量:男子は72g、女子は60g
内訳:
2才から5才児:黒人52g、白人48g、ヒスパニック44g
6才から11才:黒人76g、白人72g、ヒスパニック64g
12才から19才:黒人80g、白人80g、ヒスパニック60g
20才以上:男子76g、女子60g、黒人76g、白人68g、ヒスパニック64g

(2-2)日本の実態:農村の児童・生徒の嗜好飲料・冷菓からの砂糖摂取量(栄養学雑誌,1980年)から引用。
幼稚園児:男子33.6g、女子31.1g
小学校5・6年生:男子36.3g、女子33.5g
中学2年生:男子63.8g、女子47.3g
高校2年生:男子42.4g、女子32.4g

(2-3)日本の実態:日本人の澱粉と糖分の摂取状況調査 Nutrients2018,10月、1474ページより引用。
調査対象:18~35カ月の乳幼児368人、3~6才児376人、8才~14才の小中学生915人、20才~69才392人
結果:平均澱粉一日摂取量について
女性乳幼児の55.6gを最小として男性小中学生206gを最高とする範囲
年齢性別に関わらずに、50%以上の澱粉は米と穀類から取り入れている
平均砂糖一日摂取量について
乳幼児(女)の46.1gを最小として小中学生(男)68.7gを最高とする範囲

摂取糖質の形は、ショ糖が18.2~34g、グルコースが7.8g~13.1g、ラクトース(乳糖)が5.3g~13.1g、フラクトース(果糖)が7.6g~11.1g。

3.砂糖等の許容摂食量:(2015年3月WHO発表1日の砂糖摂取量の目安)から引用。
1日の総摂食エネルギー量の5%未満が目安。
例えば2000Calを1日に食べている人は、100Cal(砂糖25g)が上限目安。
小学生の場合は20g以内が目安。
海外では2歳児までは砂糖や還元糖の摂食は避けるべきとされている。

一方、The Institute of Medicineは、砂糖の適正摂取量に関して公表していない。

米国心臓学会(The American Heart Association)は女性には24g以下、男性には36g以下を推奨している。子供は12g以下を推奨している。

日本の厚生労働省:砂糖の1日摂取量目標を、成人男性8g、成人女性7g
2015年版基準の目安では、成人は10g、1~2才は5g、3~5才は7gとしている。

4.良く購入されている加工食品中の糖質分含有量の例
(4-1)アメリカ人は、砂糖等をどのような加工食品から摂取しているのか。
炭酸飲料/エネルギードリンク/スポーツ飲料から:42.2%
穀類ベースのデザート類から:11.9%
果物飲料類から: 8.5%
牛乳ベースのデザート類から: 5.5%
キャンディー類から: 5%
直ぐに簡単に食べられる穀物食品から: 2.9%

(4-2)良く見かける食べ物や飲み物に含まれる砂糖・糖質分
コーラ:100ml当たり11.3g。コップ1杯は約200mlなので23g程になる。500mlボトルには56.5gが入っていることになる。
M社シェイク:バニラMサイズには糖質68.4g、Sサイズには41.2g
R社シェイク:バニラ(サイズはS相当か)には26.3g
あんぱん(80g):砂糖23.4g
レモン風味炭酸水(500ml):砂糖43.2g
大福(70g):砂糖10.8g
スポーツドリンク(500ml):砂糖32.4g
オレンジジュース(果汁50%、180ml):13g
つぶ入りオレンジ(250ml):32g
ショートケーキ:28.8g
シュークリーム:8.3g
コーヒーゼリー(100g):10.4g
コンビニ・プリンタルト類:糖質33.4gと食物繊維0.5g
コンビニ・プリンサンド類:糖質28.6gと食物繊維0.2g
果汁グミ:一粒に砂糖2gが一般的。子供の場合は2~3粒で目安に達する
チョコレート付きビスケットの一例:一箱50gに糖質31.3g、カロリー266Cal(植物
油脂やショートニングとして14.5gを含有)。糖質のCal/全Cal=47%
チョコレート:50g、砂糖28.3g、植物油脂16.6g、278Cal。糖質Cal/全Cal=40.7%
蒟蒻菓子:1袋(25gx12個入り)1個25gに糖質6.2g。1個で目安に達する
フルーツセラピーホワイトピーチ:1個150g、糖質(果糖ブドウ糖液糖と砂糖)26.6g、106Cal、糖質Cal/全Cal=100%

5. 加工食品製造時に砂糖が使用されるが、1980年代頃からコーンシロップを原料にした色々な甘味材が主として生化学的手法を用いて作られ、砂糖より安価であること及び食品のシェルフライフを伸ばすこと、そしてこれら甘味材を使用すると加工食品や加工飲料のフレーバー性やテクスチャー(のど越し等の食感)が向上すること等が評価されて、現在ではこれらの甘味材が多いに加工食品に使われている。これらの甘味材の種類には、以下のものが知られている。

ブドウ糖果糖液糖(果糖含有率が50%未満のもの)
果糖ブドウ糖液糖(果糖含有率が50%以上90%未満のもの)
高果糖液糖(果糖含有率が90%以上のもの)
砂糖混合異性化液糖(上記の液糖に10%以上の砂糖を加えたもの、例えばその
液糖がブドウ糖果糖液糖なら砂糖混合ブドウ糖果糖液糖となる)

2つ目の果糖ブドウ糖液糖と3つ目の高果糖液糖(High Fructose Corn Syrup:HFCS)は、「果糖(フラクトース)」が多く含まれ、砂糖より価格が安いこと、砂糖より20~50%甘みが強いこと、そして保湿性や吸湿性に優れていることから、焼き菓子に加えるとシットリさを高める働きがあることから寵用されている。その他の利用例ではジュースなどの清涼飲料水、スポーツドリンク、ドレッシング、焼き肉のたれなどの多くの食品に配合されている。

加工食品に使われる甘味料は砂糖だけではないということが、肥満と甘味料との関係や表示問題を考える際に砂糖だけを取り上げての議論では不充分になる、という点に留意する必要がある。

実際、HFCSは1967年に市場に導入された後、直ちに市場に受け入れられ、急速に拡大して、1980年の1人当たりの消費量は年間18.9ポンド(8560g、23.5g/日)になった。
甘味料市場におけるHFCSのシェアはカロリーベースで15%とされる(A Trend Projection of High Fructose Corn Syrup Substitution for Sugar, Amer. J. of Agricultural Economics,64,625-633、1982)。

2017年のHFCS生産量(830万トン)から計算するとアメリカ人のHFCS摂取量は69g/日に達している(High Fructose Corn Syrup Market Size, Trends and Forecast 2030Credence researchデータから引用)。

因みに、日本のHFCSの生産量は2021年に113.1万トンとなっており、国民一人当たりにすると、ほぼ1日25gになる勘定である。

日本を含めて世界は、甘味量の罠に嵌り込まされていると言える数字である。

6. 砂糖やHFCS等の糖分を過剰に摂取することによる弊害(The sweet danger of sugar 、Harvard Health Publishing 2022年1月6日より引用)

砂糖は炭水化物を含む通常の食べ物に自然に含まれているものであり、果物や野菜や穀類や乳製品等、普通見られるものである。これら食材中に含まれる砂糖は健康上問題になることはない。理由は、これらの食材は体内に取り入れられた後、「ゆっくりと」消化され、含まれている砂糖は細胞への安定したエネルギー源として働くからである。

一方、加工食品の日もちやフレーバー性や嗜好性を改善する目的で、加工時に外部から投入される過剰な砂糖や果糖その他は、吸収性の早さの問題とその糖分量の多さの2つの点で問題が発生するのである。

糖質分の吸収性の早さについては、次にデータが知られている。

お米等の穀物に含まれる澱粉は、体内で消化され吸収されるまでに3~4時間、砂糖や乳糖などの2糖類は10分~1時間、そして問題となる単糖であるグルコースや果糖(フラクトース)は数分で体内に吸収されてしまうのである(HFCSは、コーンシロップ中の澱粉を酵素分解や酵素的転換反応を用いて、人間では3~4時間を要するグルコースや果糖に変換する消化工程を、工場内で済ませてしまっていると言える)。

吸収の早さの問題も重なる形であるが、摂取糖分量の過剰さの問題として、次のことを知っておくことが大切である(Harvard Health Publishing,2021年7月1日、High-glycemic diets could lead to big health problemsから引用)。

我々が日々食べる食物に含まれる糖質分の健康に及ぼす問題を考える場合、一つの物差しとしてGI(glycemic index)値を知っておく必要がある。
先ほどの体内への吸収の早さのデータを使って、GI値を説明すると、体内で消化され吸収されまでに3~4時間が必要なお米等の穀物食品は「GI値が低い」食べ物であり、一方、数分で体内に吸収されてしまうグルコースや果糖(フラクトース)を多く添加した工業的に加工製造した食べ物や飲み物は「高いGI値」を持つものになる。

そして「高いGI値」の食べ物・飲み物を摂食すると、吸収性が早いことから血中の糖分レベルが急速に上昇することになり、膵臓からのインシュリン放出が促進されることとなる。そしてインシュリンの放出により、血中濃度は急速に低下することになる。

ここで2つの事柄が問題となって来るのである。一つはインシュリンの放出による血中濃度の急速低下により、欠乏感と渇望感が生じる可能性がある。これが、甘味食べ物と飲み物が持っている麻薬性・常習性とも言える性質であろう。
もう一つの問題は、この高GI値の食べ物と飲み物を頻繁に摂食して、上記のサイクルを頻繁に繰り返していくと、体重増加やインシュリン抵抗性や2型糖尿病に繋がっていく恐れがあること、そして心臓血管系の疾患リスクを高める可能性が高まるということである。

砂糖等の摂食と、それによる健康面の問題との間に因果関係・相関関係があると紹介する文献が多く発表されており、ここでの話の流れもそれらの文献を中心に紹介する形を取っているという点を指摘しておきたい。そして、研究者の中には、因果関係がある、と断定することは現時点ではできないとの立場の人々もいる、ということを紹介しておく。

とはいえ、砂糖やHFCSのような果糖が多く含まれている加工食品の使用実態や問題点をみていくと、「加工食品の全部」に懸念を持つのはやりすぎであろうが、特に一部の加工した食べ物や飲み物(超加工食品と呼ばれる範疇の加工食品群にかぶさる部分が大いにあると思われる)には、注意を向ける動きも必要なのではと考える。

かかる懸念をもっての世界における興味ある動きを以下に紹介していく。

7. 加工食品の包装前面(Front of Pack:「FoP」)に栄養成分を表示する世界の動向

食事と健康とを改善していくことを目指して、WHOは2004年にFoP栄養ラベル表示方式を提案し、パッケージ前面への表示を推奨する動きを始めている。

2つの目標を念頭に置いており、一つは消費者に対して健康的な食品の情報を提供すること、もう一つは食品工業界に対してより健康的な商品の開発を促すことであった。

その後、数多くの包装前面表示方式が、多くの国から提案され、どの方式が最も効果的なものであるか、をめぐって検討が続けられているのが現状と言える。

Food Quality and Preference誌(2023年3月、An 18-country analysis of the effectiveness of five front-of-pack nutrition labels,S.Pettigrew et al.)によると、
代表的な方式として5つがあるとしている(星の数表示方式・多面的な交通信号方式・栄養素スコア表示方式・推奨摂食表示方式・警告表示方式)。

8. 「交通信号式」要注意成分を表示する世界の動向(Traffic Light Labelling: A Guide for Food Businesses、Ashbury 2024,Jan.24から引用)。

英国では多くの食品事業者が、消費者の購入の利便性向上の目的から製品包装材の前面に栄養情報を色分けして、表示する方法を採用している。英国では信号ラベルと呼ばれており、世界中で採用されている食べ物や飲み物の包装の前面ラベル表示法(Front of Pack, 「FoP」)の一つである。

信号ラベルは、購入食品に含まれる主要な栄養素情報が一目で理解できるという利点がある。しかしながら、すべての食品企業と飲料企業が、かかる有用な情報を、何時の段階に、そしてどのように表示するか、を正確には理解していない状況にあるとしている。

(8-1)信号機(TL)ラベルとは?
包装済み食品や飲料製品の前面に、信号ラベルが使用され、栄養情報の迅速かつ明確な表示に役だつ。消費者は購入製品の購入時に必要な情報をそれから得ることが出来る。各栄養素(脂肪・飽和脂肪・糖分・塩分)は推奨される一日摂取量に基づいて、赤・オレンジ・緑で評価され、表示される。
赤はその栄養素が多く含まれており、食べ過ぎに注意が必要だと明示している。
オレンジはその栄養素が適度に含まれており、好む時に適量の摂食は問題ないことを意味する。
緑はその栄養素の量は少なく、日々定常的に摂食することが可能である。

(8-2)摂食量の目安
信号ラベルには成人の1日推奨摂取量に対するその栄養素が含まれている量の割合が%で表示されている。このラベル数値を参考にして、そして摂食する別の食品の栄養素を勘案して健康な食生活が送れるよう各自が考えることが求められる。

(8-3)FoP信号ラベルの表示義務はあるか?
表示義務はない。英国で販売される商品への信号ラベルシステムは自主的な制度であり、表示に義務はない。しかし、大半の小売店と食品企業が情報の利用を許諾している(opted in)。許諾を選択している企業は、カロリー・脂肪・飽和脂肪酸・糖分・塩分の量についての情報の提供に同意していることを意味する。

英国のスーパーの棚の商品の約2/3にFoPラベルが表示されている。これらの表示は保健省のガイドラインに従う必要がある。

FoP信号システムは任意だが、ほとんどの包装済み食品では、包装の裏面に重要な栄養情報の表示が義務付けられている。

9. 学校から要注意加工食品を追放するという動きがある(Advocates hope Rio’s ban on ultra-processed foods in schools triggers wave、NCD Alliance 2023, August 11から引用)。

2023年6月にリオデジャネイロ市で、公立と私立の学校内での超加工食品の販売を禁ずるという法案が可決されている。1月のニテロイ市に続く2番目の法案可決だという。校内での販売を禁じる対象としては、クッキーやキャンディーやソフトドリンクなどの砂糖等や脂質を多量に含んでいる食べ物・飲み物という。

2016年に超加工食品の栄養成分を包装前面に表示することを始めているチリの動向(Advocates hope Rio’s ban on ultra- processed foods in schools triggers wave、NCD Alliance 2023, August 11から引用)から見ると、適切な前面表示を行えば、施行2年後に高含量糖分を含む食べ物の販売は26.7%の減少が、高食塩商品は36.7%の減少が、高脂質商品は23.8%の減少が起こっているという。

学校から健康に良くない食べ物・飲み物等を追放することや、購入加工食品に適切な表示をしていくことを検討し推進していくことで、少なくとも幼児・児童・思春期の若者らや保護者らがこの問題に対して、適切な判断をする材料や判断する機会が得られ、結果的に彼らの健康を守っていく社会作りが醸成される方向性が見えてくるのではと思う。

但し世界に巨大食品・飲料メーカーが存在しているのも事実で、食品・飲料メーカートップ10社が世界で販売されている食品売上げの80%をコントロールしており、そして彼らが稼ぎ出す総利益は毎年1000億米ドルを上回っており、その利益の3/4が超加工食品からのものだという事実があることも侮れないものであろう。

最後に「肥満に打ち勝つ力と智恵は、若者たちが与えてくれる」との情報を紹介して、締めくくりとしたい(Giving young people the power to beat obesity、 Horizon The EU Research & Innovation Magazine、2022,2月14日By J.Smithの情報を引用)。

若者たちの健康改善を目指す政策設定や決定を行う時点で、若者たちの発言機会はほとんどない。しかし、政策の立案と決定権を持つ人々に何を、如何に変えていくことが望ましいかを伝えることが出来るのは、若者たち以上に適格な存在はないのである。

若者たちに権限を与えて政策を描き、若者たちが変化の主体になっていくことになれば、どんなことが起こるであろうか?
10代の若者たちの太りすぎの問題を解決したいのならば、先ず始めに行うことは若者たちの声を聞くことが解決に向けて新しい政策を立案する上で必要なことだと、研究者らが作る国際的組織が指摘している。

太り過ぎの原因と解決方法についての若者たちの意見は非常に重要なものであるが、現実には政策決定権者や研究者らに見過ごされている、と著名な研究者であるKnut-Inge Kleppさんは語っている。 Kleppさんは、青年期の諸課題を研究することで、若者たちの肥満問題の世代間ギャップを埋めることを目指している研究団体(CO-CREATE)の主要研究者である。

「政策を執行し、確実な効果を生んで行くには、政策設計段階に若者たちが参画することが決定的に重要なことである」とKleppさんは指摘する。「若者たちは、政策による介入がどのように効果があるのか、如何に適切なものであるかを、理解している人々だ」。

この考えを基にして、欧州の5カ国で16-18才の若者の参加のもとで「思春期の太りすぎ削減課題」を解決していくことを目指すCO-CREATEプロジェクトが立ち上げられた。
その結果、専門家らや大人たちでは想像出来なかった政策的アイディアが、多数若者たちから展開されることになったのである。以下に例を挙げると、

授業時間外での学校の体育施設の利用・ジャンクフードの広告制限を提案しているノルウェーの若者がいる。 そしてノルウェーの若者たちは健康に良い食べ物が、販売されている数多くのジャンクフードに比べて割高だ、という点を指摘している。
即ち、健康に良くない食べ物の広告を制限し、健康的な食べ物の競争性を高めれば、若者たちの食に対する行動を変えていくことが出来るだろう、とノルウェーの若者たちは発言している。

オランダのアムステルダムとアルメレの若者たちは、学校での調理教育実習の活動や学校食堂に、学生ら自身が工夫したメニューで作った温かで健康に良い美味しい食事を提供するシステムを持ち込むことを提案している。
オランダの若者たちはまた、消費者への意識付けならびに生産者に対しては砂糖の添加量を下げるインセンティブになると期待できる、砂糖税(1g当たりに課税する)の導入を提案している。彼らはまた、健康に良い食べ物や飲み物の価格を引き下げる行動や、スーパー等における健康に良い食べ物や飲み物の販売場所を消費者に判りやすい場所に移すことを提案している。

ポーランドとポルトガルの若者たちは、同様にスーパーの課題を取り上げて、健康に良い食べ物をもっと目立たせることを狙った活動の必要性を指摘している。
ポーランドの若者たちは、健康に良くない食べ物が販売店において過剰な仕方で数多く陳列されており、それが購入時の選択に影響している点を懸念している。またポルトガルの若者たちは、それら健康に良くない食べ物が入り口付近やレジ近くに配列されているという問題点を指摘している。

英国の若者たちは、健康的な食生活習慣の支援の為にソーシャルメディアの利用を提案している。 現在、若者たちはソーシャルメディア上で、ジャンクフードの市場戦略の攻撃に曝されている状況と言える。このジャンクフードの攻撃から子供達を守るには、学校レベルだけでなく、地域レベルでも国レベルでも健康的な食べ物の情報が入手できるソーシャルメディアのアカウントの作成が求められると指摘している。

***
SPOGs(市民の、特に子供の健康を守る)のテーマとして、例えば交通信号表示システム運動やパッケージ前面への表示義務運動を組み合わせた最適な表示方式を検討して、表示を義務化する運動やTVその他の媒体を利用して高含量のHFCS等糖質分を含む商品(一個や一本で30~40gの糖質分を食べてしまうことになるようなもの)を広告宣伝する業者に対して課税することや販売店内の商品陳列様式の規制を設けるとか、色々と考えられることは多いのではと思っております。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
yo-chan
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『水原元通訳 出頭・拘束・保釈…』から見た「米国流司法取引」対「日本の人質司法」

2024-04-17 09:57:37 | 民主主義・人権
『水原元通訳 “大谷選手に謝罪したい”と声明 出頭し拘束・保釈』。その辺り、TV・展開から、「米国流司法取引」対「日本の人質司法」を考えてみた。

勿論、人質司法を口にする以上、これに好感は持っていない。日本の刑事司法、捜査は、戦前とそう変わっていないのではないか。

例えば、権利保釈「(必要的保釈-刑訴法89条)」の規定はあるが、実効性が奪われている。逮捕の後は、無造作に、23日間の勾留~起訴まで<拉致・監禁が続く>ことになっている。しかも、捜査・尋問に弁護士の立会いは認めない。弁護士との接見交通も制限する。被疑者の権利、防御はあまりに不十分…人質司法と言われる所以。

さて、日々伝えられる、日本で大人気の大谷翔平氏と彼の元通訳、水原一平氏の銀行詐欺の疑い!?事件で、米国流の逮捕・司法取引など、間接的だが、目の当たりにすることが出来た。いづれも、初めてのことだった。どうしても、日本人は、日本での逮捕・捜査の通例を背景に理解しようとしてしまうが、それは誤解!邪魔になるばかり…。

只、被疑者、犯罪(被疑事実)の追及は共通するものの、人権尊重、人権規定との距離感、どちらを優先するかなどなど、斟酌する中で、相当大差の捜査があるのかと。 唯、日本の人質司法のような極端なものは、類を見ないのかと。

日本の最高法規、日本国憲法に帰るべきではないかと思う。人権制限・侵害を当然視する、戦前からの伝統ではなく。

〔基本的人権の由来特質〕
第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
 
アメリカの司法取引採用について、「犯罪も多いので、効率の点から採用されている」と、番組で紹介があった。しかし、それだけではなかろう。決して冤罪を生まない、市民社会の常識、できる限り、人権を尊重すると言う選択が。

ウーン、してみると、人質司法を敢行する日本は、捜査、警察関係は、無闇と加重に人材が溢れているのかも、と思った次第。

自民党には、相性として民主的、現代国家とは似ても似つかず、警察国家がさも似たり。人権尊重のオーソリティ、人権委員会もない。予定も!?

<ご参考に>
水原元通訳 “大谷選手に謝罪したい”と声明 出頭し拘束・保釈 2024年4月13日 11時34分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240413/k10014420791000.html
そのとき 大谷翔平は… 水原元通訳 破綻への時系列を振り返る 2024年4月12日 19時07分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240412/k10014420381000.html

刑事訴訟の流れ - MtBook US リーガルサービス
https://mtbook.com/service/criminal-lawsuit/
『刑事裁判において、通常法廷内で最初に行われる手続きは罪状認否です。被告が書面による罪状を受領し、弁護士による代理が認められ、訴えられている罪状に対して応答すると、裁判の日程が計画され、保釈が審理されます。』 ...

ドイツ法曹学会所属の専門家に聞く海外の司法 ※刑事訴訟法198条
https://keiji-pro.com/magazine/169/

「護憲+コラム」より
蔵龍隠士
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「オッペンハイマー」原爆を開発した科学者

2024-04-09 20:58:16 | 戦争・平和
オッペンハイマーは、原子物理学者で「原爆の父」ということは、皆様ご存じでしょう。
映画「オッペンハイマー」は、彼の生涯を描いています。
https://www.oppenheimermovie.jp/

大学や研究所では素粒子論に打ち込み、超新星の爆発後のブラックホール理論を予想していました。しかし、ロスアラモス所長に任命され、原爆開発のマンハッタン計画の責任者となってしまいます。戦時下でさえなければ、研究者としての一生だったでしょう。

私たちは原爆が広島と長崎で多くの人々を殺し、放射能被害に苦しむ人のこともすでに知っています。オレンジ色のボタンを押す恐怖、突然の無音、そして爆発の映像は息を呑みます。

オッペンハイマーは「原爆は終戦のために必要だった」との考えは揺るがなかったようです。しかし、テラーの水爆開発には反対します。水爆は世界を破壊する、ソ連との止めどない軍事競争の過程で、もし水爆が使われたら…と考えたのかもしれません。

原爆の開発者として、オッペンハイマーが人々の称賛と喝采を受ける場面は、やはり米国では「戦争を終わらせた」勇者であり、原爆雲の下の悲惨な人々への想像は及ばないのだなと感じさせます。その意味で、まさに加害者側の原爆開発物語ですが、一見の価値はあるでしょう。俳優陣も豪華です。

原作は「American Prometheus: The Triumph and Tragedy of J. Robert Oppenheimer」。火を人間に与えてゼウスの罰を受けるプロメテウスに、原子爆弾を作ったオッペンハイマーをなぞらえています。

「護憲+BBS」「明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽・美術」より
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いつの間にやら、空母が2隻。(-_-;)ゞ

2024-04-09 20:49:21 | 安全・外交
故・安倍晋三が”積極的平和主義”なる陳腐な造語を喧伝し、国会で122回ウソをつき、軽々しい閣議決定で方向を決めた日本の安保政策。

① 空母は保有しません→前後分割甲板のヘリ空母を建造。
② 空母ではなく「ヘリ搭載護衛艦です」
甲板が前後分割だから航空機は離発艦できません
→艦首~艦尾まで通った甲板の大型ヘリ空母を建造。

同時に、航空自衛隊が垂直離着陸できる戦闘機F-35を導入。
また、垂直離着陸できるが安全性・安定性に欠陥のあるv-22オスプレイも導入。
V-22オスプレイを購入したのは日本だけ。それも今年、米国で生産打ち切りになるというのに整備増強して、空母に載せようという魂胆。
それらをヘリ空母に搭載するのでは?と突っ込まれた政府は、

③ 航空機は艦内に格納できません→大型エレベーターを装備。
④ 航空機が離発艦できる強度はありません→耐熱耐荷重のある飛行甲板に改修。
⑤ 米軍空母からF-35とV-22を呼び寄せて、離着艦テスト。

ついに、日本は戦艦大和に匹敵する大きさの空母を2隻保有しました。
「空母ではなく、大型護衛艦です。災害時には輸送艦になります」と国民に説明していた言葉は、どこへ消えたのですか?

◆海自の護衛艦「かが」大規模改修で飛行甲板が長方形に…事実上の空母化で「F35B」発着艦に
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E6%B5%B7%E8%87%AA%E3%81%AE%E8%AD%B7%E8%A1%9B%E8%89%A6-%E3%81%8B%E3%81%8C-%E5%A4%A7%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E6%94%B9%E4%BF%AE%E3%81%A7%E9%A3%9B%E8%A1%8C%E7%94%B2%E6%9D%BF%E3%81%8C%E9%95%B7%E6%96%B9%E5%BD%A2%E3%81%AB-%E4%BA%8B%E5%AE%9F%E4%B8%8A%E3%81%AE%E7%A9%BA%E6%AF%8D%E5%8C%96%E3%81%A7-%EF%BD%86%EF%BC%93%EF%BC%95%EF%BD%82-%E7%99%BA%E7%9D%80%E8%89%A6%E3%81%AB/ar-BB1lgDSN?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=07968ca78fa44e82898a331351d16b89&ei=7

事実上の空母化・・・って、書いちゃうんですね?読売新聞さん。記事には、
「政府は2018年に定めた中期防衛力整備計画で、警戒監視や有事の際の防空態勢を強化するため、いずも型の2隻について、事実上の空母とすることを明記した。」
とも。さすが、ネトウヨみたいなweb版を運用するマスメディア。全国紙が、すでに空母化を容認している。権力への批判がない御用新聞、まるだし!

今後、空母2隻で済むわけがない。空母を守るミサイル護衛艦、露払いのイージス艦、隠れたところに潜水艦・・・アメリカ海軍の空母打撃群を見ればわかるでしょうに。おカネなんか、いくらあっても足りるワケがない。だから、防衛予算だけ複数年で確保する。

こうやってズルズルと、「専守防衛」という線引きを「先制攻撃」の方へズラしていくんです。「空母じゃない」と強弁していた国会議員は辞職せよ!

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
猫家五六助
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原子力発電は地球環境にやさしいのか

2024-04-07 20:05:48 | 原発
原発が相次いで作られた時代に盛んに繰り返された、「原子力発電はクリーンな発電方法である」という主旨の言説がここにきて蘇っているようだ。SDGsの7番目の目標に掲げられた「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を意識し、原子力こそがカーボンニュートラルで持続可能な発電方法であるとして、日本政府が進めようとしている原発回帰の根拠ともなっている。

原発回帰を進めようとする人、あるいは否定しない人たちは、一見すると中立で多角的な情報源をもとに、原子力発電こそが現状では最も安定した電力供給ができ、かつ環境への負荷が少ないと訴えているようだが、実際には原子力発電に有利な情報を選んでいて、必然的にバイアスがかかった内容に見える。

NHK高校講座で開講されている理科科目のひとつである「科学と人間生活」では、生活に必要な電力をいかにして発電しているのかを説明している。原子力発電のデメリットや福島第一原発事故だけでなく東海村臨界事故にも言及し、万が一事故が起きた時に甚大な被害が出るというリスクについても説明している。しかし、あくまでも発電方法やメリット・デメリットを知るにとどまっている印象を受けたのも事実だ。

たしかに、現在の技術では再生可能エネルギーでは電力供給が不安定かもしれない。しかし、それらを克服するためにどのような研究開発が行われているのかなどを紹介してもいいのではないか。

水力発電は気候変動の影響を受けやすく、干ばつが原因で発電できなくなってしまうのであれば、まずは省エネと再エネで気候変動問題に対処することが先だろう。

さらには、原発もまた気候変動というよりも端的に温暖化の影響を受けやすいようだ。気温上昇に伴い、冷却水として用いる湖沼、河川、海水の水温も上昇し、冷却水として使用できない事例もすでに発生している。大半の原発を海岸に設置している日本でも冷却水として使えなくなる可能性がある。

また、気温の上昇による海面上昇問題も、原発に大きな影響を与えることは想像に難くない。浸水の危険性があり、高潮と暴風雨が重なった場合には水没する可能性もあるだろう。

冷却に使用された後は海水温よりも7℃近く高くなって海に戻されるのであれば、海水を冷却に使用すること自体が海水温の上昇につながり、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」に反することになってしまう。

SDGsの目標16には「平和と公正をすべての人へ」とあるが、原発では労働者の被ばくが前提とされていて、事故が起きた場合には環境だけでなく人間にも甚大な被害をもたらし、10年以上経っても収束できないのが現実だ。すべての人が平和に暮らせる手段ではないことは明らかである。

自分たちがやりたいことに対しては多少のリスクもデメリットも厭わないのに、消極的な事柄についてはリスクとベネフィットを対照することもなく、デメリットを克服しようとも試みない。公平な観点から原子力発電こそがもっともクリーンエネルギーだという考えを今一度見直していただきたい。

「護憲+コラム」より
見習い期間
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裏金&脱税する政治家!好き勝手に日本の国益を決めるな!

2024-04-03 21:03:28 | 自民党政治
平和国家の礎が揺らぐ――これは東京新聞3月28日付の社説タイトルである。
◆<社説>安保法施行8年 平和国家の礎が揺らぐ
https://www.tokyo-np.co.jp/article/317816?rct=editorial

平和国家・日本の立ち位置は“積極的平和主義”と妄言を吐いた安倍晋三が2015年9月に安保法成立を強行したことで「国民の合意」とはかけ離れたところで好戦的な方向へシフトしてしまった。そして専守防衛の縛りをいとも簡単にほどき、「輸送艦です」とゴマかしていた戦艦大和に匹敵する大型艦船を堂々と「空母」に改装した。

さらに、岸田政権はロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのパレスチナ殲滅という国際紛争に乗じ、「少子化対策だけでなく防衛力の抜本的強化もわが国の喫緊の課題だ」と強弁し、支持率が低迷しているにも関わらず安倍政権の悪癖「閣議決定」を使って国会で議論せずに他国との戦闘機共同開発+第三国への輸出へ舵を切った。

さらに、さらに、岸田政権は軍備増強のために1兆円単位の「クレジットカード」を持つことを決めた。
◆「兵器ローン地獄」が来るかも…「例外」だった高額武器の分割払いを「当たり前」にできる法案が衆院を通過
https://www.tokyo-np.co.jp/article/316122

こんな危ない爆買いカードを簡単に作れる・使える仕組みを“支持率の低い”一政権が決めるなど、デタラメにもほどがある。なぜ、これほどのデタラメが政治の中枢・国会で起きてしまうのか。容認されるのか。

これは「日本がイチバン」「日本は一国でも負けない」「言葉よりも武力」という確信犯的な自民党タカ派やスポンサー勢力だけの問題ではない。“戦争の怖さ、愚かさ”を知らない、裏金稼ぎや脱税に精を出す不勉強なバカ政治家が「そーだ、そーだ!」と同調しているからだろう。

そう考えると気が滅入ってしまうが、東京新聞3月23日付コラム「ぎろんの森」の政権・政治家批判を読み、少しだけ救われる気になった。
◆「憲法9条を声を出して読む」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/316816?rct=discussion

国歌斉唱・国旗掲揚にこだわるならば、「憲法9条の朗読」を月1回、国会の始業時に行うこと。これを閣議決定しなさい、岸田文雄!

「護憲+コラム」より
猫家五六助
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「在日特権」について考える

2024-03-25 20:38:23 | 政治
日本に「在日特権」はあるのでしょうか。

ネットなどでは声高に叫ぶ人達がいます。
一方「そんなものはある筈がない。一部の者達が煽っているだけだ」という人達もいます。

どちらが本当なのでしょうか。

実は2024年の現在、日本に「在日特権」はあるのです。最強にして最大の「在日特権」を有する組織があるのです。

それは、『米軍基地』。

沖縄では昔、日本人が米軍のトラックに轢かれても、日米地位協定が有り、米軍が調査した後でないと沖縄の警察は手を出す事も出来なかったのです。

最近も、東京の西部地区では、米軍基地から垂れ流された疑いのある物質により地下水が汚染され、発がん物質が見つかりました。

それだけではなく、米軍のオスプレイは2023年屋久島沖で墜落事故を起こし、その原因解明も詳細にされる事なく、日本の上空を飛び回ろうとしています。

これを「在日特権」と呼ばず何と呼ぶのでしょうか。

「米軍基地は日本を守ってくれているから仕方が無い」という人がいますが、本当にそうでしょうか。 
米軍が守っているのはアメリカの利益であって、日本の民の命ではないのです。

曾てアメリカ政府は日本を共産主義の防波堤にしようとしました。
今、アメリカ政府は戦争が始まる時に日本を防波堤にしょうとするかも知れません。

そのためには邪魔な「日本国憲法」を変えよと迫って来るでしょう。

今沖縄で起きている事は、日本の何処で起きても不思議ではありません。

ネトウヨの皆さん、もう一度「在日特権」について考えてみませんか。

「護憲+コラム」より
パンドラ
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「日本国憲法」のミステリーを追いかけて(ある著書に出会う)

2024-03-23 09:40:10 | 憲法
1.はじめに

最近、憲法の本を書き出しており、なぜ締め切りのあるコラムなのか、コラム投稿の任が少し負担になっている。
それはともかく、表題が上記のようなタイトルになった。
日本国憲法のミステリーは学生時代から不可思議なものだった。連合軍の占領下で成立した憲法である。学者は間違いを糾すこともないまま、アメリカの占領と発言している。(最近の岩波新書でも、そうなのである。)

確かに、GHQの最高司令官は米軍のトップ、マッカーサー元帥であり、憲法の起草も元帥の名前で呼ばれている。だが、憲法の最大の謎は、制定時はともかく、日本の為政者はGHQの批判を受けて占領軍の草案を少し訂正して、国会の審議を経て、現在の憲法典となっている。

だが、50年代に朝鮮戦争が勃発すると、占領軍はアメリカ主導で日本の再軍備を決行した。そして、あろうことか、戦時中の東条内閣の閣僚であった岸信介を首相に就けて、第二次安保条約を締結したのである。

この急転直下の「憲法」の事実上の「改正」は謎と言わなくして、なんと呼べばよいのか。

2.そういう憲法制定後の世界情勢の激震を受けての、アメリカ主導による、憲法9条の事実上の改正である「自衛隊法の制定」があった。そして、今回の重要な争点となる、米軍の日本在留である「米軍基地の創設」があった。

これが「謎」ではないという憲法学者の日本アカデミーであるが、彼らの憲法テキストには「米軍基地」のきの字もない。(これはジョークだと思うが。)

そうこうして私が悪戦苦闘しているときに、1冊の本が飛び込んできた。矢部宏治(以下矢部氏と言う)著『日本はなぜ、「戦争が出来る国」になったのか』(集英社インターナショナル)という著書である。

3.この矢部氏の本で、私の前述したミステリー;「謎」(疑問)は一気に氷塊した。
矢部氏の言わんとする要点は次のことである。(以下この本の見出しと著者の執筆動機と主張を、冒頭だけ引用します。まだ読み始めたばかりで、コラム投稿には間に合いませんでした。)

『「日本の超エリートも知らない「日米密約」の謎』
「たしかに日米間の軍事上の取り決めには、オモテに出ない闇の部分もあるのだろう、でも、外務省など国家の中枢にはそういう問題も全部わかっている本当のエリートたちがいて、国家の方針を間違わないようアメリカとギリギリの交渉をしてくれているのだろうと。
ところが、全くそうではなかったのです。
現在の日本のエスタブリッシュメントたちは、戦後アメリカとの間に結んできた様々な軍事上の密約を、歴史的に正しく検証することが全くできなくなっている。というのも、過去半世紀にわたって外務省は、そうした密約に関しては体系的に保管・分析・継承することもせず、特定のポストにいるごく少数の人間の個人的なチェックに、その対応を任せてきてしまったからです。
そのため、特に2001年以降の外務省は、「日米密約」というこの国家的な大問題について、ただ資料を破棄して、隠蔽するしかないという、まさに末期的な症状になっているのです。」

(次の見出しがこの本の真髄の、)
『「戦争になったら、日本軍は米軍の指揮下に入る」という密約がある』
「この「日米密約」の世界に一歩でも足を踏み入れてしまうと、世の中の出来事を見る目が、すっかり変わってしまうことになるのです。
例えば、2015年に大きな社会問題となった、安保関連法についてです。(投稿者注記;中略 あの安倍政権で「閣議決定」された集団的自衛権の行使容認問題の案件です。)
けれども、すでにアメリカの公文書で確認されている一つの密約の存在を知れば、あの時起きていた出来事の本質は、あっけないほど簡単に理解できるのです。
その密約は、簡単に言うと、「戦争になったら日本軍は米軍の指揮下に入る」という密約のことです。
1952年7月と、1954年2月に当時の吉田首相が口頭で結んだこの密約が、その後の自衛隊の創設から今回の安保関連法の成立にまでつながる日米の軍事的一体化の法的根拠となっているのです。
けれども、これまでそれは、あくまで日本とその周辺だけの話だった。
ところが、今後はそこから地理的なしばりを外して、戦争が必要と米軍司令官が判断したら自衛隊は世界中どこでも米軍の指揮下に入って戦えるようにする。
そのために必要な「国内法の整備」が、昨年;1916年:ついに行われて」しまった。それがあの安保関連法の本質だったということです。

『日本の戦後史に隠された「最後の秘密」とは?』
「私は今回、この戦争になったら、自衛隊は米軍の指揮下に入る」という密約の行方を追いかけるうちに、これが日本戦後史の「最後の秘密」だろうと思われる、軍事面での「大きな構造」にたどり着くことができました。」
「なぜならそこでは日本の現状が「占領体制の継続」ではなく、それよりもさらに悪いものだということが公文書によって完全に明らかに証明されてしまうからです。」

引用を終わります。

矢部氏は上記の結論を冒頭で述べています。確かに、「本文」を読めば、安保条約が、日米政府のトップではなく、日米合同委員会という、いわば、日本の官僚と在留している米軍のトップ同士の「取り決め」で決定されている素気ないものにすぎません。しかし、これが「日米密約」として、日本の法令と政府も拘束する法制度になっているのです。

次回も、矢部氏の超撃の著書を、ポイントを絞り解読していきます。矢部氏は、真相を知って、悲観的にならないように読者に訴えています。米軍とアメリカ政府の言いなりになっている自民党政権というマスコミ論調ですが、そうではないと矢部氏は主張しています。米軍の日本再占領を強く働き掛けてきたのは政府であると。

トランプ政権時にトランプさんは、米軍基地はそれほど要らないだろうと発言していたこともありました。状況は変わるのだと矢部氏は力説しています。

(次回も続きから、次回は占領下の真実に迫ります。)

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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