甦る妖術使い

ゲームブック、特に「ファイティング・ファンタジー」関係(試験運用中)。
現在は「運命の森」のリプレイを進行中。

招待状

2006-03-26 16:35:37 | 「甦る妖術使い」リプレイ
オフィシャルページには、結構面白い小ネタが掲載されている。こんなものを見つけた。
http://www.fightingfantasygamebooks.com/files/invites/crypt_invitecard.pdf
http://www.fightingfantasygamebooks.com/partyinvite1.htm
ファイティング・ファンタジーイラストのパーティー招待状。上は「甦る妖術使い」より妖術使いラザックのイラスト。

"You are invited"って、まるでこの妖術使いから招かれてるかのような感じだけれども、妖術使いから招かれたくはないよなあ。
ファイティング・ファンタジーファンの間だけで通用する茶目っ気のある招待状である。

ファイティング・ファンタジーの独自性と魅力

2006-03-24 00:40:56 | ゲームブックについて
ゲームブックには、その名前の通り、「ゲーム」としての要素(ゲーム的な部分)と、「ブック」としての要素(文学的な部分)とがある。
ファイティング・ファンタジーは、そのどちらの要素においても、独自性を生み出し、一つのスタイルにまで昇華させている。

ゲーム的な部分
○パラグラフ選択により展開していくストーリー
 読者が自分自身で考え、迷い、決断する、ストーリーゲームの真髄が、パラグラフ選択という形でゲームの骨格に組み込まれている。
 これは非常に優れた仕組みであり、殆どのゲームブックに共通する要素となった。

○シンプルで洗練された共通のルールシステム。
 キャラクターに与えられる共通の書式としてのステータスと、サイコロを用いて判定する戦闘その他のルール。
 どのくらいのステータスであれば、どのくらいの敵と渡り合えるのか、ひとたびルールを飲み込んでしまえばすぐに理解できる。
 食料や戦闘での運試しなど、プレイヤー自らが戦略的に駆使できるリソースがあり、ゲームに駆け引き的な要素が加えられている。
 シリーズを通して共通のルールシステムが用いられており、シリーズを通して遊ぶことで、プレイヤー自身が経験を積み、ゲームをより能動的に楽しめるようになっていく。

○緻密に構成されたストーリーのパズル的要素。
 ゲームクリアに至ることの出来るルート(パラグラフ展開)はごくわずかである。
 そして、(数冊を除いては)ストーリーは引き返すことの出来ない構造になっており、どういう道順で進行(パラグラフ展開)するかがまさにゲームクリアの鍵を握っている。
 何度もチャレンジする中で、真のルートを絞り込んでいくパズル的な快感がある。

○詳細に構築された舞台設定。
 ゲーム内で探検することになる舞台は、多くは詳細に道順が記述されており、正確な地図を作成することが可能である。
 繰り返し遊びながら地図を完成に近づけていくことで、舞台の全貌を知っていくという、まさに「探検」ゲーム(アドベンチャー・ゲーム・ブック)の名に相応しい経験を楽しめる。

文学的(?)な部分
○キッチュでグロテスクな多数のイラスト。
 通常の文庫本においては到底考えられないほど、細かに書き込まれたイラストが多数挿入されている。
 そのキッチュな絵柄も相まって、まさに、現実世界とは異なった「異世界」(ファンタジー)の雰囲気を感じさせてくれる。

○抑制された簡素だが味わい深い文体。
 ファイティング・ファンタジーの文体は簡素だが独特のものだ。キャラクターの性格や内面に踏み込むことは殆どなく、情景や舞台の客観的な叙述を簡潔に積み重ねていく。
 それは小説的な描写のためのものでもあれば、ゲーム的な意味をもつものでもある。例えばそこから、キャラクター達の生活や性格が感じ取られることもあれば、さり気なく次の選択肢のための手がかりが鏤められていることもあるのだ。


個人的には、これらは相互に絡み合って、ファイティング・ファンタジーの独自性を成していると思う。これは自然発生的な部分もあるだろうが、シリーズ作品として意識して共通性を与えられた部分も大きいのではないかと思われる。
いずれを欠いても、きっと「別のゲーム」「別のゲームブック」になってしまうだろう。


ファイティング・ファンタジー・シリーズは、ゲームブックの元祖であるが、ただ元祖であるというに留まらず、他のゲームブックにはない独自の哲学を持っていた。
そのことが高い評価を得られた理由にも繋がっていると思う。

挑戦4回目(7) 石造りの建物

2006-03-22 21:19:12 | 「運命の森」リプレイ
納骨堂?
道はダークウッドの森の中へと続いていく。
暗く静かな木々と茨の藪を掻き分けるようにして進んでいくと、間もなく北と東への分かれ道に差し掛かった。
アラジル「東の道の方が余計藪が深そうだな…」
アラジルは北に進み続ける。

すると、木々の狭間に、蔦の絡まる苔むした石造りの建物が見えてくる。
アラジル「何かの遺跡だろうか…?」
彼は一旦道を離れて、その建物へと近づいていく。
(通過したパラグラフ-149-306)

その建物は3m四方で、窓はなく、扉も石造りでとても頑丈そうだ。
扉には取っ手がなく、中に入れるものかどうかも分からない。
しかしアラジルはそこに、小さな鍵穴がついているのを見つけた。
ふと思い出して、鍵穴に山男の射手から奪った小さな銀の鍵を差し込んでみる。

驚いたことに鍵はぴったりと合った。カチリと音を立てて、石の扉が威勢良く開く。
石で出来た階段が、扉から下、暗闇の中へと続いていた。

アラジル「これは…何かありそうだ……」
危険があるかもしれない。万全な状態で臨んだ方が良いだろう。
アラジルはツキ薬を飲み干し(運点7→12)、軽く食事を取った(食料10→9。体力点13→17)。
体を揺すって緊張を解きほぐし、幸運の神に短く祈りを捧げる。
そうして準備を整えてから、アラジルはとうとう意を決して、ゆっくりと石段を降り始めた。
アイテムの「光の指輪」も必要になるだろうか?

一歩一歩ふみしめるようにして、注意深く階段を降りて行く。
次第に暗闇に目が慣れてきた。
階段を降りきった場所にあるのは、真四角の小さな部屋だ。
部屋の真ん中に、幅1m、長さ2mほどの長方形の石の箱がある。その上には大きな平たい石板が置かれている。
壁の窪みに蝋燭が立てられていた。
アラジル「(石板に何か文字が書いていたりするだろうか…)」
引き返すことも出来たが、アラジルはもっと調べてみようと、蝋燭を取って明かりをつけてみる。

蝋燭の黄色の光に照らし出されたのは、石板に掘り込まれた年老いた男の顔だ。
また、壁の片隅には、小さめの骸骨の足が飛び出していた。頭蓋骨の形からして、ゴブリンかオークのもののようだ。
アラジル「そういえば、俺はゴブリンを探していたんだったな…」
部屋の中を見回してみても、ドワーフの「ハンマー」らしきものは全く見当たらない。何かが隠されていそうな場所といえば、石板の下の箱くらいだ。

アラジルは箱の中を覗いてみようと決める。そして、蓋になっている石板を持ち上げようと試みた。

しかし、石板は動かない。押したり引いたりして格闘するが、石板はてこでも動こうとしない。
「ふわふわ粉」というアイテムを持っていれば役に立ったかもしれない。けれども、今回の挑戦ではこれは手に入っていなかった。

流石のアラジルもその内に疲れ果てしまう。結局、箱の中に何か入っていたとしても、既にそれを覗いてみようとする気は失くなってしまった。
これ以上することはないので、アラジルはこの暗い部屋を去って、建物の外まで引き返す。
アラジル「結局骨折り損か…」
凝った体を解きほぐしてから、彼は首を振り、この建物から離れていった。
(通過したパラグラフ-391-200-351-292-95-368)

(rom_romxコメント)
ゴブリンの骨があるのだから、ここがノームの情報の「納骨堂」であると思って間違いはないだろう。
アイテムとしては、「小さな銀の鍵」と、アンデッドモンスター(と銀の武器)のことばかり考えていたが、それ以前に「ふわふわ粉」も必要なようだ…。
ますます、挑戦1回目のルートがかなり正解に近いものであったような感じがする。

挑戦4回目(6) 山男と銀の鍵~谷底~地の精

2006-03-22 18:00:17 | 「運命の森」リプレイ
山男と銀の鍵
アラジルは北へ歩き続ける。
道には大きな丸石や岩が数多く転がっており、どこかに敵が隠れているのではないかと不安にさせられる。
すると、岩陰から二人の毛皮を纏った山男が現れ、アラジルに矢を射ってきた。
運試しをする。結果は吉(運点11→10)で、矢は外れた。
彼らはアラジルを仕留められなかったことに憤慨して、飛んだり跳ねたりしている。
アラジル「剣士が矢を射掛けられて黙っておれるか!」
アラジルは愛剣を振りかざし、この二人組を攻撃することにする。

山男1 技術点7 体力点5
山男2 技術点6 体力点4

粗末な斧を不器用に振り回すだけでは、練達の剣士であるアラジルに太刀打ちできるわけがない。
アラジルは簡単に二人を倒し、その片方が首から下げていた「小さな銀の鍵」を見つけた。
何故山男がこんなものを持っているのかは不明だが、気になったアラジルはこれをザックに納め、それからまた道を歩き始める。
(通過したパラグラフ-90-210-43-50)

谷底の探検…不思議な水がめ
道は丘を下り終えて谷底へと至った。
アラジルは最初の分かれ道を西へ曲がり、北への分岐を無視して更に西へ向かう。
すると、巨大茸のかさの上で、あぐらをかいて居眠りしている、長い灰色の髭を蓄えた小男を見つけた。
膝までの黒のズボンを穿き、明るい赤の上着と帽子を身につけている。
アラジル「こんなカラフルな服装をしているのは、妖精か魔法使いか…」
魔法の苦手なアラジルは、小男を起こす危険を冒すことなく、そのまま西へと通り過ぎた(必要な情報はこれまでの挑戦で聞いてしまっているし)。

その後南への分岐を一つ無視し、突き当りで北へ折れる。
そして、藁葺き屋根の丸太小屋を見つけた。
アラジル「建物を見かけたのは久しぶりだな…行ってみるか」
小屋の中は空だったが、玄関に奇妙な青い水がめがある。
太陽が輝いているにも関わらず、かめの縁から内側は真っ暗で、中を見通すことが出来ない。振ってみるとカタカタと音がする。
選択肢は、水がめを地面に落とすか、中に手を入れてみるか、道へ戻るかである。
アラジル「魔法だとすれば怖い…中でカタカタいっているものだけ調べよう…」
アラジルは水がめを壊そうと、高く持ち上げて地面に落とした。

水がめは地面に落ちるが、表面にひびが入っただけで割れない。
不意にアラジルは体に振動を感じる。玄関や小屋の壁が、残らずひび割れてくる。
振動は更に強まり、頭の中がまるで爆発するかのようだ(体力点2を失う。15→13)。
「静けさの薬」を持っていれば、何か役に立ったかもしれない。
だがアラジルはそれを買ってきていない。

振動は衝撃派のように体を打ちのめし、全く動きをとることが出来ない。
そのうちに小屋が地面に叩きつけられてバラバラになる。
空は俄かに曇り、吠えるような風が吹き付けてきた。
地面に倒されそうになったアラジルは、飛んでくる泥や砂埃から顔を覆いながら、柱にしがみつくのがやっとだ。
突風の音にまぎれて、くぐもった笑い声が聞こえてくる。
「自由だ。わたしは自由になった」
アラジルはとても不幸なことに(運点3を失う。運点10→7)、危険な「大地の精」を世に解き放ってしまったのだ。

アラジル「しまった…中が暗いのは魔法の封印だったか…。魔法には手を出すべきじゃなかった…」
やがて風は収まり、漸く動けるようになったアラジルは、瓦礫の山をよけながらよろよろと北へ歩き出す。
(通過したパラグラフ-188-221-378-67-113-324-250-82-13)

挑戦4回目(5) 地図の確認

2006-03-22 01:12:36 | 「運命の森」リプレイ
ここまでの地図
朝になり、丘の道を北へと登っていく。昼過ぎには頂上にたどり着き、ぐるりを見回すことができる。
前方には谷底が見え、それを越えた更に遠くには森が緑の輪のように広がっている。
丘を下り始めると、西への分かれ道に差し掛かった。

(rom_romxのコメント)
北への番号は90。以前の挑戦で通ったことのある道に合流したようである。
ここまでの地図を纏めると…矢印が今回通ってきたルート。現在87/119地点。
    |                                          |
 391 - 306                                      190 
     |                                        |
    149 ― ― 130 ― ― 355  ― ― ―  340  ― ― ― 59  ― ―  171
    |            |                  |        |
     |
     |            199                  163
  324 - |             |                     |
    113 ― 67 ― 378 ― 221 ―  ― ― 188/238 ― 233 ― 245 ― 393
         |                     |        |
                  278           90        288
                  |         |        |
                198/216 ―  ― ― 87/119       314 - 294
                  |         ↑        |
                 162         131        65
             = 181 = = = =  ↑ = =  = =|= =
                 291         394        339
                 |         ↑        |
                  |         105 - 384     92
                  |         ↑        |
              99 ―  208 ―  361 ―  180        309 - 377  138
                  |         ↑            |      |
                          124/329 ― ― 109/331 ― ― 300
                           ↑         |      |
                           ↑        274      |
                           ↑        |      |
                           ↑        358  241 - 254
                           ↑         |      |
                 382 ― 115 →  277        337 - 230   |
                    ↑                |      | 
                    220 - 275         125 - 157     226 - 29
                    ↑                |      |
                     147 -  88             8      |
                    ↑               |      |
                76 ― 289 ← ←  ←  ― ― ― 160 ― ― 239
                             ↑
                             177
地形:
117から277・274・254の辺りまでは森。
124/329・300の列から291・339の列までが草原。
イコールが川。
162・65の列から90・288の列までが丘。
113・245の列は谷底。
それより北は森。

ここから先のルートは既に探検済みである。
ここまで、以前の挑戦とは別ルートを通っては来たが、取り立ててこれという発見もなかった…。手に入れたのも魔法の兜一つだけだし。
とにかく、この先は、山男の射手(90)を倒して「小さな銀の鍵」を手に入れ、納骨堂らしき建物(391)に入るのを目的に進んでいこう。
(通過したパラグラフ-119)

挑戦4回目(4) 川渡り~夜の襲撃者

2006-03-22 01:02:06 | 「運命の森」リプレイ
川渡り
暫くすると草丈が短くなり、アラジルはゆっくりと流れる川のほとりに出た。
川は浅く、踏み石が点々と置かれている。
踏み石づたいに川を渡るか、それとも浅瀬に下りて渡るかの選択肢だ。

アラジルの、これまでの冒険の勘が告げている。
アラジル「どちらかは罠に違いない…」
これまでの挑戦(挑戦1回目・3回目)でも川は渡ったが、川水が有害であるとかそういうことはなかった。だとすると、踏み石が怪物であるか、それとも浅瀬の中に怪物が潜んでいるとか。
だが浅い川なら、怪物がいれば見えるだろう。
アラジルは踏み石を避けて、浅瀬の中を向こう岸まで歩いて渡ることにした。

水の深さは腰の辺りまでしかないが、水の色は思ったより暗く、底の様子は見ることができない。
と、何かが太ももに鋭い歯をつきたてた。手を伸ばしてみると、長く平べったい、吸血ウナギだとわかる。

吸血ウナギ 技術点5 体力点4

水の中では戦いにくいが、所詮アラジルの技量の前には敵ではない。
二度ばかり剣を振るっただけで、簡単に吸血ウナギを始末した。
(通過したパラグラフ-394-186-131)

ウナギから体を引き剥がし川を渡り終える。
そろそろ暗くなり始めており、土手の大木の下でキャンプをする。

夜の襲撃者
夜、静かな羽ばたきの音でアラジルは目を覚ました。
満月を背後にして、こちらへ飛んでくる三つの影が見える。大きな吸血コウモリだ。
「ニンニク玉」を持っているかを問う選択肢がある。

アラジルはこれをヤズトロモから購入していたので、手早くザックに手を入れて吸血コウモリに突きつける。
コウモリたちは血を求めてアラジルに迫ってくるが、ニンニク玉があるので下りてこられない。
アラジルは安心して、この品を傍らに置いたまま、もう一度眠りにつく。

(rom_romxのコメント)
てっきり対吸血鬼用の品かと思っていたが…コウモリ用かあ。
しかし本当に魔法の品なのかなあ。普通のニンニクより臭いが強烈だったりするんだろうか。
(通過したパラグラフ-325-268)

挑戦4回目(3) ツリーマンとの遭遇~草原を抜けて

2006-03-22 00:57:18 | 「運命の森」リプレイ
ツリーマンとの遭遇
(予想したように、)道は少し東に続いた後で、北に折れていた。
この辺りは木々が密生しており、背筋がゾクゾクとする。
アラジル「何かがおかしい…」
突然、一本の木の枝が鞭のようにしなって、アラジルを地面に叩き付けた(体力点1を失う。18→17)。
木が道の上を動いて行く手をさえぎっているではないか。樹皮にところどころ割れ目があり、幹の中央に目が隠れているのが分かる。ツリーマン(木人)だ。

アラジル「ふん…腕ならしには丁度よかろう」
腕に自信のある(技術点12、更に魔法の兜で攻撃力に+1)アラジルは、剣を抜いて戦いを挑むことにする(「炎のカプセル」を使うという選択肢もあったが、今回は買ってきていない)。

ツリーマン(大枝1本につき) 技術点8 体力点8
ツリーマンは大きな枝2本を繰り出してくる。両方とも倒さねばならない。

不覚にも一撃を食らってしまったものの(体力点17→15)、流石に剣に優れたアラジルは、手早くツリーマンの両枝を切り落とすことが出来た。
アラジル「もし、これが沢山出て来たなら、厄介だな…」
アラジルはこびりついた緑の樹液を拭い、早足に北へ歩き始める。
(通過したパラグラフ-277-114-123-27)

草原を抜けて
暫く進み続けると次第に木々の隙間から降り注ぐ陽光が多くなってくる。
そして道は森を抜け、丈の高い草の生えている大草原に出た。
道は北と東へ分かれて続いている。

(rom_romxコメント)
北へのパラグラフ番号は180となっている。どうやら124地点に到達したようだ(地図(http://blog.goo.ne.jp/rom_romx/e/530f8e1f03763e6c3ba50c235329fe48参照)。

東は既知のルート(挑戦3回目で通った)なので、ここでは北へ進む。西への分岐が出てくるがそれも無視して更に北へ。
(通過したパラグラフ-329-180)

歩いていくと、道の右手の遠くのほうで、巨大な鳥たちが円を描いて飛んでいるのが見える。ハゲタカだ。何か死にかけている獲物が下にいるのだろう。
見に行くことも出来るが、ハゲタカなぞに特に用はないので、放っておいて北へと歩き続ける。
(通過したパラグラフ-105)

挑戦4回目(2) 老婆の小屋~魔法の兜~分かれ道

2006-03-22 00:05:25 | 「運命の森」リプレイ
老婆の小屋
道は次第次第に森の奥の方へと続いていく。
右手の木々の間に空き地がある。その一つに丸太小屋が建っているのをアラジルは見つけた。
アラジル「煙突から煙が出ている…。誰かいるな…」
通り過ぎることも出来たが、気になったアラジルは、小屋の中を覗き込んでみることにする。

窓からは、みすぼらしい服を着て、いぼいぼの鼻をしたしわくちゃ顔の老女が、暖炉の側で本を読んでいるのが見えた。
小柄な付き人が、古書の詰め込まれた棚から次々に本を運んでいる。
アラジル「こんなところで本を読んでいる老婆なぞ、尋常ではない。恐らく魔女か魔法使いの類だろう…」
アラジルは、剣の技には自信があるが、魔法には無知である。
手出しをしない方が良いと思い、邪魔はせず先へ進むことにした。
(通過したパラグラフ-147-38)

魔法の兜
狭い道を北へと進んでいく。
単調な道のりだ。何気なく立ち止まったアラジルは、ふと右手の大きな老木に目を留める。
その木には、丁度頭の高さのくらいのところで、幹に大きな穴が開いている。
アラジルはその穴に悪戯心を誘われた。少し背伸びして、中に手を差し込んでみることに決めた。

ゆっくりと穴に手を入れると、驚いたことに、何か冷たくて固いものに触れる。
アラジル「金属のボウルか…?」
取り出そうとした矢先、腕に、小さな怪物の牙で噛み付かれたような痛みが走った(体力点1を失う。体力点19→18)。怪我をしてまで手に入れたものは、ブロンズの兜であった。
アラジル「(出血に顔を顰めながら)大きさはぴったり合いそうだな…」
意外な収穫だったので、アラジルはそれを頭に被ってみる気になる。

兜を着けてみた瞬間、力が体中を駆け巡った。
アラジルは、自分が強く、恐れるものなど何もないという感じに満ち溢れる。
これは、魔法の兜だったのだ。戦闘の際の攻撃力に+1をしてくれる。
アラジル「これは強い!もう俺には敵はないぞ!!」
この新しい武器に満足しながら、アラジルは再び北へと歩き出す。
(通過したパラグラフ-220-275-179)

分かれ道
その後東西への分かれ道にさしかかった。
暫くその場所で足を休め、どちらに行くべきか思案する。

(rom_romxのコメント)
北へ続く道が途切れているのは意外だった(直進していれば、まっすぐ124地点に合流すると思っていた)ので、もう一度地図を見直して検討してみる。
挑戦3回目の地図(http://blog.goo.ne.jp/rom_romx/e/91f52457ce54097848180f6507997b83)の最初の部分(森・草原部)に、今回の辿ってきたルートを書き足すと、次のようになる。矢印が今回のルート。現在115地点にいる。
             = 181 = =       = =|= =
                 291             339
                 |             |
                  |        105    92
                  |        |    |
              99 ―  208 ― 361 ― 180    309 - 377
                  |        |        |
                          124 ―109/331 ― ― 300
                          |     |      |
                               274      |
                               |      |
                               358  241 - 254
                               |      |
                 382 ― 115 ― 277    337 - 230   |
                      ↑         |      | 
                      220 - 275  125 - 157     226 - 29
                      ↑         |      |
                       147 - 88       8      |
                      ↑         |      |
                    ― 289 ← ←  ― 160 ― ― 239
                            ↑
                            177
書き足してみると疑問が解けた。なるほど、115から北へ直進は出来ないが、恐らく、東西へ進んだ後で再び道が北へ折れて、124や208に合流するに違いない。
124と208では、208以降は既知のルートなので、124の方を探検してみたい。
そういうわけで、ここでは東に進むことに決める。
(通過したパラグラフ-115)

挑戦4回目(1) 冒険の始まり

2006-03-21 19:54:19 | 「運命の森」リプレイ
冒険の準備
アラジルの使命は、ドワーフの「ハンマー」を取り戻し、ストーンブリッジに届けることだ。
ビッグレッグの遺言に従って、まず魔術師ヤズトロモに会いに行ったアラジルは、彼の残した金貨でヤズトロモの魔法の品を買う。
今回購入したのは、
植物封じの薬、毒けしの薬、聖なる水、光の指輪、とび跳ねブーツ、するするロープ、力の腕輪、投げ上手の手袋、ニンニク玉、集中力のバンド、鼻用フィルター
である。支払いを済ませると、所持金は残り金貨2枚になった。

ヤズトロモは魔術師らしく、ドワーフの「ハンマー」について、幾つかの情報を知っていた。彼はそれをアラジルに話してくれる。
・「ハンマー」は、ストーンブリッジの王がその民を奮い立たせるのに使うものだ。
・「ハンマー」は、ダークウッドの森に住む2匹のゴブリンによって拾われた。ゴブリン達はそれぞれが柄と頭を別々に持っていった。
・「ハンマー」の頭はブロンズ製。柄は磨きこまれた黒檀で出来ている。

アラジルは買った品物を丁寧にザックに詰め、ヤズトロモからの情報を忘れぬように復唱した。
魔術師の元を辞したアラジルは、冒険の期待に胸を高鳴らせながら、ダークウッドの森へと足を踏み入れる。

ダークウッドの森
森の中へ進むにつれて、道は暗くなり、空気は湿って不快になってくる。

道は巨大な老木に突き当たり、その手前で東西に分かれていた。
アラジルは剣を抜いて、そのまま手近な木の枝を払った。
枝は乾いた音を立てて地面に落ちる。枝先は西を向いていた。
アラジルはそれを見て、西へと歩を進めることにする。

どこか遠くで、時折奇妙な動物たちの鳴き声がこだましている。
それを聞きながら、アラジルは狭くて草が密生した道を進んで行った。
間もなく北への分岐路に出た。
少し考えて、アラジルはこの新しい道の方を辿ってみることに決める。
(通過したパラグラフ1-261-177-289)

挑戦4回目 プロローグ

2006-03-21 19:01:47 | 「運命の森」リプレイ
アラジルIV世は練達の剣士である。
彼は村の退屈な生活を放り捨て、その剣の技を生かすために王国の北の国境を放浪していた。
冒険の生活は厳しいが、戸外で猟をしたり、食べたり眠ったり、そして時には悪人や怪物を巧みな剣の技で打ち倒す。アラジルはそうした生活に満足していた。
そんなある日、満月の夜に、毛布に包まって眠りにつこうとしていたアラジルは、ぎこちない足音で目を覚まさせられる。
警戒しつつ近づいていくと、そこには、苦痛で顔をゆがめた髭もじゃの年老いた小男が倒れていた。アラジルは以前にその小柄な種族を見掛けたことがある。ドワーフと呼ばれる一族だ。
「おい、爺さん、しっかりしろ」アラジルは老人の側に屈み込む。
毛布をかけて水をやると、老人は咳き込んだ。見ると、身に付けた鎖かたびらの隙間から、腹部に二本の石矢が深々と突き刺さっている。矢は黒い液体に濡れていた。毒矢だ。
不意に、老人はスックと身を起こした。そして錯乱した様子のまま、前方を見据えて大声で叫び始めるのだ。
「絶対に手に入れるぞ。絶対にだ。ジリブラン様よ、おそれることはありません。このビッグレッグが御前にハンマーを運び届けますぞ。そう、このわたくしめが……。きっと……。」
この瀕死のドワーフ――ビッグレッグ――との出会いが、アラジルを、ドワーフの伝説の「ハンマー」を巡る冒険へと導いてゆく…。
(「背景」より)