Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

ドキュメンタリー映画 『おらが町のツチノコ騒動記』

2024-04-25 | Weblog

ドキュメンタリー映画 『おらが町のツチノコ騒動記』。

関係者多数なので、試写を見せていただくことに。

 

「探さないでください、 私はどこかにいますから・・・」というキャッチコピーは、いい。

 

感想はいろいろあるが、珍しい、コメディーのドキュメンタリーであることは、突筆しておきたい。

できれば、もっともっと笑いたい。

 

まあ、オカルトや神秘、マスコミの狂騒というよりは、民俗学的な、柳田国男以降的な集落の伝説のあり方の歴史とその分布を思わせられるところアリ。

「妹の力」的なところは出て来ないけれど、ツチノコ発見の伝承は、「山姥伝説」とは、重なるのだ。

 

そして、科学というか生物学というか、蛇博士、トカゲ博士の件りが、とくに笑えます。

 

私がツチノコを見た話は、内緒。

どうやらツチノコを見たことを人に言うと、祟りがあるらしいので。

 

公開は5月18日より、ポレポレ東中野 他で。

 

https://studio-garret.com/tsuchinoko/

 

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麺と丼のセット

2024-04-23 | Weblog

なにを食べたかをいちいちSNS、Facebookに披露する年長の先輩が、蕎麦屋で「麺と丼のセット」を食したということを、またまた上げていた。

そうか、と思った。

考えてみれば私は、久しく「麺と丼のセット」をいただいていない。

「ラーメンと炒飯のセット」も、いただいていない。

悲しいことだが、そんな年齢になってしまったのだ。

と、思ったが、「待てよ」となった。

じつは、信州・上田には御縁があって、何度か行き、何日か滞在し、その都度、駅前の「馬肉うどん」の店に通っていた。

なかむら、という店だ。

で、三回に一回は、「馬肉うどんとミニ天丼のセット」を、いただいていた。

そして、私は、もしも上田に行って、また、なかむら、に行ったら、三回に一回は、「馬肉うどんとミニ天丼のセット」をいただくことが予想できた。

たぶん、そうなのだ。

「カツ丼ともりそば」「天丼とかけそば」は、もうしんどいのだが、そして、どうやら、ご飯も全部食べられる気はしないが、そういうセットは、麺類が余計な気がするのだ。

しかし、なかむら、という店の、馬肉うどんは、食べたいのだ。

しっかりと、麺類の方がメインだからであろう。

もちろん、このセットに冷や奴がついていることも、忘れてはならない。

 

ああ、上田には、三年くらい行けていない。

 

まあ、何しろ、外食をしなくなった。

コロナ禍のせいであろう。

物価が上がりすぎたためであろう。

 

そんなやくたいもないことを考えながら、机に一日中向かっていた、本日の私であった。

ええ。

ずっと机に向かっているのは精神衛生上良くないので、こんなことも書き飛ばして、自分の不安定さを鎮めるのである。

 

 

 

これは上田のソウルフード 馬肉うどんについて、昔書いた記事

https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/a059377325f92be397b5e45a8c99be70

https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/b1a40399ac90fadd9bb0b410ddd3352a

 

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納豆とキムチ

2024-04-23 | Weblog

「長生きするために納豆とキムチを食べている」と聞かされても、ぽかんとしてしまう。

最近よく言われるのだ。

発酵食品が長寿に貢献するとか、キムチの乳酸菌は、ヨーグルトよりも強力で大腸ガン予防するとか、キムチの乳酸菌と納豆菌が相乗効果がいいとか。

私はおいしいと思うから、納豆とキムチを食べている。

冷蔵庫に入っていれば、食べる。

それだけである。

とくに、冷や奴にかけていただくのが、いい。

そして、そこに海苔をかけることがある。

そうすると、「のりは水溶性で、水に溶ける栄養素なので、 納豆とキムチの組合わせに加えて頂くとバランスがいい」という。

いや、そんなこと言われても。

 

納豆とキムチに海苔を載せた冷や奴は、焼酎に合う。

これは私の中での、事実である。

 

 

 

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新作のためのオーディション・ワークショップ

2024-04-22 | Weblog

新作『地の塩、海の根』。

追加出演者を募集するためのオープン・ワークショップを、一通り、終えた。

新しい出会いは、わくわくする。

演劇で自分が何ができるか、模索し始めている人。

二十歳になりたての若者も参加した。

キャリアがあっても、私とは初めて出会う人も。

以前ご一緒したこともあるが、久しぶりの再会という方も。

そのときの顔ぶれの組み合わせは偶然だが、出会いは楽しい。

 

それぞれの出会い。発見。

一人一人の個性が交錯するワークショップは、楽しい。

時間は、あっという間に過ぎてしまう。

 

さて、いよいよ本格体制だ。

 

 

 

新作『地の塩、海の根』

6月21日(金)〜7月7日(日)

下北沢ザ・スズナリ

 

 

 

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ミャンマー映画 『夜明けへの道』へのコメント

2024-04-21 | Weblog
ミャンマーのドキュメンタリー映画『夜明けへの道』へのコメント
 
この映画が、この監督が、ここに存在することじたいが、希望である。ウクライナ、パレスチナだけでなく、理不尽な武力に蹂躙される人たちのため、私たちに何ができるのか。インターネットやスマートフォンの時代になっても、生身の人間が抗うということの根源を、突きつけられる思いだ。
 
坂手洋二(劇作家・演出家)
 
 
 
4月27日 全国公開。
 
写真は、コ・パウ監督。
 
 
 
解説

かつてビルマと呼ばれたミャンマーで、2021年2月1日早朝、国軍によるクーデターが発生。ミャンマーの現代史においては3回目となるクーデターだ。1回目は初めての軍政時代を導入した1962年3月、2回目は第二軍政期のきっかけとなった1988年9月である。そして2011年、長きにわたる軍事政権から民主化に大きく舵を切った。その後の10年、市民は自由と民主主義への希望を抱き始めていた。しかし今回のクーデターにより、一夜にして世界は転覆した。軍は前年の総選挙での不正を口実に、アウンサンスーチー国家顧問ら民主派政権の幹部を拘束、非常事態を宣言して全権を掌握。反発した市民の抗議デモは武力闘争に発展し、人々の自由と平穏な暮らしは崩れていった。3年が経つ現在でも一部少数民族と連携し、国軍との戦闘が激化している。地元人権団体によるとクーデター後、4500人近い市民が国軍に殺害され、計約2万6000人が拘束、避難民は約230万人にのぼる。

ミャンマーでは半世紀にわたる軍事政権が終わりを迎えた2011年以降、言論の自由が拡大。映画監督コ・パウは自由な時代の映画製作に勤しむ一方、COVID-19により外出が困難になると、家族で製作したコメディ動画をSNSへ投稿。総フォロワー数は100万人を越え、厳しいロックダウンに苦しむ市民を元気づけた。そんな中、軍事クーデターが勃発。コ・パウら芸能人は街に出て抗議デモを先導したことで指名手配される。国軍の残虐行為は次第にエスカレートしていき、デモ隊を機関銃で一掃するなど容赦ない弾圧に乗り出す。国軍から追われる身となったコ・パウは、民主派勢力の支配地域に逃亡し、ジャングルでの潜伏中に短編映画『歩まなかった道』(2022)を製作。そして現在も潜伏生活を続ける中で、自らのリアルな姿を撮影したセルフドキュメンタリー映画『夜明けへの道』を製作した。
人間としての尊厳を失った市民が、常に監視され、自己表現が制限される社会。現在でもミャンマーの人々は毎日、人道に対する罪を目撃し続けている。増え続ける死者数と高まり続ける拘留者率は、まさにディストピアである。軍に都合が悪い情報を発信するものはすべて処罰の対象となるため、国内外に情勢を伝えることは困難だ。それでも、ミャンマーに目を向けてほしい、そして民主化の時計の針を巻き戻すまいと、命がけで公開する本作はコ・パウ監督の今なお続く闘いと決意の実録映画だ。

作の興行収入より映画館への配分と配給・宣伝経費を差し引いた配給収益の一部は支援金とし、
コ・パウ監督らを通じてミャンマー支援にあてられます。
[配給: 太秦株式会社]

 

コ・パウ(監督)

1975年1月5日、ミャンマー中部マグウェ生まれ。
ミャンマーを代表する俳優・映画監督。1998年に脚本家として映画界に入り、その後俳優としても活躍。悪役などを演じて有名になる。2007年にはビデオドラマの監督でデビュー。俳優としては400本近くに出演したほか、多くのビデオ映画を監督し、15本の長編映画を製作している。コメディ映画からアクションのほか、社会問題に切り込む作品も製作しており、作風は広い。僻地の小学校に赴任した熱血教師の奮闘をコミカルに描く『涙は山を流れる』(2019)で2019年のミャンマーアカデミー賞(監督賞)に選ばれ、主演俳優のミンミャッはこの映画でアカデミー賞を受賞した。2021年2月1日ミャンマーで軍事クーデターが勃発すると、仲間の芸能人とともに抗議デモに参加。2月17日には国軍から追われる身となり、民主派勢力の支配地域に逃亡。潜伏中のジャングルで短編映画『歩まなかった道』(2022)を制作、今回セルフドキュメンタリー映画『夜明けへの道』を制作した。現在も軍への抵抗活動を続けている。

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映画『オッペンハイマー』についての、Zoom会議

2024-04-21 | Weblog

昨年『わが友、第五福竜丸』を上演したこともあってか、核問題と日米関係に関心のある知り合いも増えて、有志の皆さんと、映画『オッペンハイマー』についての、Zoom会議をした。

時差をものともせず日米の、また、国内でも全国あちこちの地域の、研究家、被爆者団体の関係者、平和運動家、アーティスト、ジャーナリスト、学生、等々、さまざまな立場・職種の関係者が集まる会議で、なんと、二十人が集まった。演劇関係者は、私一人。

映画『オッペンハイマー』の日本公開が、アメリカよりも大幅に遅れたこともあって、未見の人たちと既に観た人たちの間のやりとりは、それまでにもあって、いよいよ日本公開された暁には話してみよう、ということになった次第。

私の関心事はさまざまで、観てみないとわからないことだともいえたわけだが、例えば、「低線量被曝」がしっかり意識されているかどうかということ等にも関心があった。

とにかく、談論風発、数時間があっという間に過ぎた。

内容には今は触れないが、充実していたと思う。

この会議は継続してみよう、ということに、なった。

 

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ロンドンのフードコート

2024-04-20 | Weblog

吉村直さんに一年前のロンドンの情報をお送りしようと思いついて振り返ったら、この写真ができた。

むやみにでかいフードコートだった。

日本型フードコートとどこが違うか、なんとなくわかったような、わからないような。

 

一年ちょっと前のことがものすごく昔のような、最近のことのような。

時間感覚がおかしくなっている気がする。

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吉村直さんがロンドンにいる

2024-04-20 | Weblog

燐光群の芝居にも多く出てくれている吉村直さんが、『千と千尋の神隠し』ミュージカル版で、ロンドン・ウエストエンドに登場する。

かなり長い滞在になるらしい。

二千席以上の大劇場だそうだ。

『となりのトトロ』に続いて、めざせ、オリヴィエ賞、ということらしい。

 

吉村直さんが、物価が高い、ロンドンは食べ物がまずいらしい、などと言っていたので、自分が過去二回は入ったことのあるインド料理屋「PANJAB」を紹介した。

ウエストエンドの盛り場の近くの人気店で、私も当時、どこに入ったらいいのかわからず入った。

ロンドンではインド料理がリーズナブル、というのは、昔から皆が言っている。

考えてみればもう十年以上前になるが震災直後の2011年三月末、拙作『ブラインドタッチ』が紹介されたのでロンドンに行ったことがあって、そのときロンドン留学中の演劇関係者の皆さん(昨日上映を観た『占領の囚人たち』の鍛冶直人さんもいた)と入ったのはなかなか良い中華料理屋だった。

だが、中華については、広告につられて入ってしまうみたいな安い店はたいてい、がっかりする。

 

私はアメリカよりも先にロンドンに行っている。

最初は1996年、その年、拙作『くじらの墓標』を、ロンドン・ゲートシアターがレパートリーとして上演してくれたのだ。

もちろんオール・イギリスのキャスト・スタッフ編成であった。

そのときの宿はたまたまロンドン不在の劇場関係者の空き部屋を借りて、いわゆるシェアハウスだったことを憶えている。

 

写真は、去年2月、「PANJAB」表。

節約のため、ほとんど食堂には入らなかったが、珍しく入った。

ロンドンの物価は高かったが、その後に行ったアメリカよりはましであった。

 

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Marion,s 店の表の曲面ガラス

2024-04-20 | Weblog

Marion,s についての書き込みを続けているのは、情報が欲しいからということでもある。

移転したのか、まさかの改装で存続なのか。

ネットでは出て来ないのだが。

ご存じの方、教えてください。

 

写真は、Marion,s 店の表の曲面ガラス、自分も映り込んでしまっているが、まあ仕方がない。

 

 

前二回ブログ

https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/74bf263e751d85999aff3c428018d9f0

https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/38aee75d8cd1b2614bf93211ce38d1ac

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「元映画館」での 『占領の囚人たち』上映会

2024-04-20 | Weblog

「元映画館」での 名取事務所『占領の囚人たち』上映会。

燐光群の清水弥生が単独で自主開催した。

もちろん、この上映活動のために作品記録を解放した名取事務所の、懐の広さ深さに感嘆する。

 

昨年の上演時、私は日本にいなかったので観られなかったのだが、観られてよかった。

イスラエルがパレスチナに侵攻する寸前の上演だったことが、幾重にも理不尽な思いを抱かせる。

イスラエルの理不尽な暴力支配が、これほど酷い内容なのに、上演の後の情勢は、もっともっと悪くなるのだ。

 

前半は、カーメル・バーシャーと日本俳優の関わり方が面白い。鍛冶直人さんとはロンドンで話したことがあるが、もう十年以上前になる。

後半は、森尾舞のタフな一人芝居。

 

会場は、三河島の「元映画館」。

確実に映画館だった場所。じつに不思議である。

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Marion,s に再会できるだろうか

2024-04-19 | Weblog

昨日のブログ記事「なくなるということ Marion,s の場合」で、

ニューヨーク・アスタープレイスにあった私の愛する店、Marion,s がなくなっていた経緯を記したが、

ほんとうに一年ちょっと前、今まさに目の前で店舗の解体工事をしているところに出くわしたことは、やはりショックだった。

写真はそのとき撮影した、Marion,s の店内。

Marion,s という名前のカクテルにも、あの店独特のギムレットにも、もう出会うことはないのだ。

だがそれでも、またニューヨークに行けば、アスタープレイスあたりに趣き、何らかの形であの店が復活していないかと、探して歩くのだろうな。

 

 

昨日の記事

なくなるということ Marion,s の場合

https://blog.goo.ne.jp/sakate2008/e/38aee75d8cd1b2614bf93211ce38d1ac

 

 

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なくなるということ Marion,s の場合

2024-04-18 | Weblog

自分が十年間住んでいた都営住宅が建物の棟ごとなくなったことを記したが、

最近何かがなくなってショックを受けた別な出来事といえば、

昨年春ニューヨークに行って、アスタープレイスを歩いていて、

私の愛する店、Marion,s がなくなっていたことを事前に知らず、

今まさに目の前で店舗の解体工事をしているところに出くわしたときのことだ。

おかしい、 Marion,s がない、私は土地勘をなくしてしまったのかと動揺し、何ブロックか回って戻り、やはりこの場所であった、そして、店の痕跡が何もかもなくされようしていることに、気づいたのだ。

その日の作業は一段落したのか、表で解体のために働いているらしい人以外は、中に人の気配はなかったが。

建物がなくなるのではなく、無店舗が別なものに変わるのであろう。

 

ニューヨークで一番、好きな店だった。

じつは私は、ほとんど一人で飲みに行ったりすることはない。

例外の一つが、ここだった。

入口そば、曲面のガラスの向こうに、そう大きくはないカウンターがあったのだ、ちょっとしたダイナーふうの、ピンクというか赤いカウンターテーブルの。

その辺りの壁には、百年余りの歴史を誇るこの店の、昔の写真が、ニ、三、飾ってあった。

奥はけっこう広く、その気になれば百人近くは入れたはずだ。

店内に、別な出口もある地下の別な店に降りていく階段もあって、なんだか不思議だった。

 

四半世紀前、ACCのグラントとして、ニューヨークで三ヶ月過ごした。

ワールド・トレード・センターがまだあった時代で、チェルシーのアパートの窓から身を乗り出せば、遠くに見えたはずだ。

そのとき、ラ・ママ劇場で拙作『くじらの墓標』の英語版の、アメリカでは初めてのリーディング上演が行われた。

出演者・スタッフの打ち上げも、ここだった。

ニューヨークの劇団・SITIカンパニーの全面協力を受けた公演で、彼らも常連である、この店で飲むことになった。

みんな素敵な人たちだった。

後に『アイ・アム・マイ・オウンワイフ』でトニー賞を獲得することになるジェファーソン・メイズも来てくれていた。

 

店は、何曜日かは、女性が半額デー。

食事が半額の日もあった。

平日だと、時間帯によっては、客が極端に少ない日もあって、カウンターの向こうに店の人ひとりと、本を読む私と、たまたま居合わせた女子学生の、三人だけで二時間くらいの時間が過ぎていったという日もあって、三人でなんとなくだらだらと話したのだった。

以来、何度か来て、『屋根裏』ニューヨーク公演の時は、劇団員の一部を連れて行ったが、やつらは定食みたいなのを、わしわしと食べた。

 

店名を冠した、Marion,s という名前のカクテルは、ペコロスというのか、小さい玉葱が浮かんでいて、ものすごくドライで、最初は驚いたが、味わい深かったし、なにより、量が多かった。

カクテルは、ギムレットもやたらと量があった、通常の2・5倍くらい、そして、うまかった。

 

店が亡くなりつつある瞬間に遭遇して、驚いたし、ただ、茫然とその様子を見るのみだった。

過去と現在の時間が混じる店という印象だったが、その「時間の隙間」みたいなものじたいが、どこかに消えてしまった。

私が勝手に思っていたニューヨークが、姿を変えていった、一つの事例である。

 

 

追記

後日、ニューヨークの知り合いに聞くと、「ニューヨークに住む身としても街のgentrification (中低流階級の浄化?)には心が痛みます」とのことでした。

そうか、やはりあの店は「庶民の店」だったのだなあ。

ジェントリフィケーションとは、都市の居住地域を再開発して高級化することを意味するようであるが、元の言葉は「gen・tri・fy」のようで、〈人〉を紳士的にするという意味でもあるらしいが、「gentle」とは「L」と「R」の違いがあるので、関連はあるように思えるけれどもちょっと違うのかな。英語は難しい。

 

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ミャンマーのたたかう魂 映画 『夜明けへの道』

2024-04-18 | Weblog
ミャンマーのドキュメンタリー映画『夜明けへの道』を観た。
ここに、たたかう魂がある。
アーティストという名の生活者が、国家の暴力と対峙させられたとき、どのような選択が有り得るのか。
 
感想は、追って、また。 
 
4月27日 全国公開。
 
 
解説

かつてビルマと呼ばれたミャンマーで、2021年2月1日早朝、国軍によるクーデターが発生。ミャンマーの現代史においては3回目となるクーデターだ。1回目は初めての軍政時代を導入した1962年3月、2回目は第二軍政期のきっかけとなった1988年9月である。そして2011年、長きにわたる軍事政権から民主化に大きく舵を切った。その後の10年、市民は自由と民主主義への希望を抱き始めていた。しかし今回のクーデターにより、一夜にして世界は転覆した。軍は前年の総選挙での不正を口実に、アウンサンスーチー国家顧問ら民主派政権の幹部を拘束、非常事態を宣言して全権を掌握。反発した市民の抗議デモは武力闘争に発展し、人々の自由と平穏な暮らしは崩れていった。3年が経つ現在でも一部少数民族と連携し、国軍との戦闘が激化している。地元人権団体によるとクーデター後、4500人近い市民が国軍に殺害され、計約2万6000人が拘束、避難民は約230万人にのぼる。

ミャンマーでは半世紀にわたる軍事政権が終わりを迎えた2011年以降、言論の自由が拡大。映画監督コ・パウは自由な時代の映画製作に勤しむ一方、COVID-19により外出が困難になると、家族で製作したコメディ動画をSNSへ投稿。総フォロワー数は100万人を越え、厳しいロックダウンに苦しむ市民を元気づけた。そんな中、軍事クーデターが勃発。コ・パウら芸能人は街に出て抗議デモを先導したことで指名手配される。国軍の残虐行為は次第にエスカレートしていき、デモ隊を機関銃で一掃するなど容赦ない弾圧に乗り出す。国軍から追われる身となったコ・パウは、民主派勢力の支配地域に逃亡し、ジャングルでの潜伏中に短編映画『歩まなかった道』(2022)を製作。そして現在も潜伏生活を続ける中で、自らのリアルな姿を撮影したセルフドキュメンタリー映画『夜明けへの道』を製作した。
人間としての尊厳を失った市民が、常に監視され、自己表現が制限される社会。現在でもミャンマーの人々は毎日、人道に対する罪を目撃し続けている。増え続ける死者数と高まり続ける拘留者率は、まさにディストピアである。軍に都合が悪い情報を発信するものはすべて処罰の対象となるため、国内外に情勢を伝えることは困難だ。それでも、ミャンマーに目を向けてほしい、そして民主化の時計の針を巻き戻すまいと、命がけで公開する本作はコ・パウ監督の今なお続く闘いと決意の実録映画だ。

作の興行収入より映画館への配分と配給・宣伝経費を差し引いた配給収益の一部は支援金とし、
コ・パウ監督らを通じてミャンマー支援にあてられます。
[配給: 太秦株式会社]

 

コ・パウ(監督)

1975年1月5日、ミャンマー中部マグウェ生まれ。
ミャンマーを代表する俳優・映画監督。1998年に脚本家として映画界に入り、その後俳優としても活躍。悪役などを演じて有名になる。2007年にはビデオドラマの監督でデビュー。俳優としては400本近くに出演したほか、多くのビデオ映画を監督し、15本の長編映画を製作している。コメディ映画からアクションのほか、社会問題に切り込む作品も製作しており、作風は広い。僻地の小学校に赴任した熱血教師の奮闘をコミカルに描く『涙は山を流れる』(2019)で2019年のミャンマーアカデミー賞(監督賞)に選ばれ、主演俳優のミンミャッはこの映画でアカデミー賞を受賞した。2021年2月1日ミャンマーで軍事クーデターが勃発すると、仲間の芸能人とともに抗議デモに参加。2月17日には国軍から追われる身となり、民主派勢力の支配地域に逃亡。潜伏中のジャングルで短編映画『歩まなかった道』(2022)を制作、今回セルフドキュメンタリー映画『夜明けへの道』を制作した。現在も軍への抵抗活動を続けている。

「この映画の制作の動機は、私たちアーティストも独裁者の革命の中で、自らの人生、成功、家族全員の生活を代償に払ってきたことを知っていただきたいのです。
この革命は大きな成果を上げています。最後まで進むべきだと感じています。もう後戻りはできないということを理解していただきたい。」

 

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2号棟に住んでいた

2024-04-17 | Weblog

私はこの都営住宅の2号棟三階に住んでいた。

ほぼ十年間。

思い出の場所である。

いま、その1号棟2号棟だけが、解体撤去されている。

建て直しなのだろうとは思うが、端っこからやっていくということか。

 

ちょっとした高台の三階なので、今まで住んだ場所で一番高いところだったかもしれない。

 

この案内ボード自体が、ひび割れていてボロボロだ。

 

「なくなっていた」ということにそれほどのショックがあるというわけでもないのだが、喪失感といっていいのだろうとも思うし、不思議な気がしている。

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「小泉八雲『怪談』出版120年」と、そのロゴマーク

2024-04-16 | Weblog

本2024年は、明治時代に来日し、日本の文化や精神世界を世界に伝えた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン、18501904年)の没後120年となる。

そして、あのハーン作品でもひときわ有名な『怪談』は、没年に出版されたので、こちらもちょうど120年。

ハーンが最も充実した日々を過ごした松江、それは私も『神々の国の首都』の中で、描いています。

そして、小泉八雲記念館から届いた報せがあります。

松江市は、この記念すべき年に、「統一ロゴマークを使用し、PRを進めることと致しました」という。

このロゴマーク等のデザインを、使用品の有償・無償を問わず、多くの方に使っていただくことで、広く小泉八雲『怪談』出版120年をPRすることを目的としている。ロゴマーク等のデザインの著作権は(一社)松江観光協会に帰属します。使用にあたっては、小泉八雲『怪談』出版120年ロゴマークの使用に関する要綱に定めている事項を守り、適正に使用してください、とのことである。

詳細は以下を御覧ください!

https://www.kankou-matsue.jp/travel/establishment/kwaidan120

 

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