桜谷慎一の STRATEGIC REVIEW

デザイン、アート、テクノロジー、インフォメーション。『情報を構造化する』仕事の源泉

デスクトップが広告媒体になるリッチメディア広告システム

2007年10月24日 | interested ?
インターネットブラウザが93年に発明されて以来、バナー広告に代表される新たなデジタル広告の手法が数多く世に出ています。しかし、積極的なバナー広告は「土足マーケティング」とも呼ばれてクリックスルーレートも著しく低下し、メールマーケティングも数多くの個人情報漏洩事件や迷惑メールのおかげで効果が激減しました。

Macutelogoいまや家庭でも、オフィスでも、大画面のコンピュータディスプレイに溢れています。国内だけでも6000万台もあるディスプレイが新たな広告スペースになり、バイラルマーケティングのツールになるとしたら、、、と考えて開発したのが、スクリーンセーバーにリッチメディアコンテンツを配信するシステム『M/acute|エムアキュート』です。

M/acute |エムアキュートはウィルスや個人情報漏洩とも無縁な、セキュアで表現力豊かな新しいタイプの広告手法として開発されました。
M/acuteは、まったく新しい発想の、テレビや新聞などマスメディアのような強力なメッセージ伝達力を持ち、同時にインターネットによるバイラルマーケティングを実現する革新的なスクリーンセーバーです。

過去にもスクリーンセーバーに広告を配信するシステムは、古くはポイントキャストがありましたが、Firewallを通らなかったり、トラフィックが大きくてネットワークリソースを圧迫したり、ユーザ登録が必要だったりとハードルが高く、配信できる情報も限定的でした。

なぜいままたスクリーンセーバーに着目したか、その理由は。
  • 家庭でも企業内でも使うことができ、気に入ったスクリーンセーバーを複数のPCに入れるユーザが多い
  • 個人情報保護法の施行により、企業内でもスクリーンセーバーの使用が推奨されている
  • 企業内では個人の趣味で選んだスクリーンセーバーでも容認されている
  • パソコン黎明期からあるアプリケーションなので、インストールに対するユーザーの抵抗が少ない
  • 以前より多くのウェブサイトで、壁紙と並んでスクリーンセーバーは提供されてきたので、馴染みがある
  • テレビに似た受動的メディアであるため、不要な情報が流れていても拒否されない
  • 一度気に入ると他と入れ替える気になかなかならない


これまでのネット広告は、PCの前に座っているユーザ本人だけが対象でしたが、M/acuteならユーザの周りにいるネットを使っていない人も広告ターゲットになり、接触頻度が著しく高い『看板』としてリーチさせることができます。

スクリーンセーバーに広告が現れても、ユーザ本人が見ないのではないかと思われがちですが、そうではありません。調査の結果、電話やちょっとした書類整理、同僚や家族との会話などでPCの利用が中断するとスクリーンセーバーが立ち上がり、ユーザー自身が見ていることも実は多いのです。
それに、トイレ、タバコ休憩、ランチなど席を離れた場合、戻ってくると必ず眼に入るのがこのデスクトップ広告なのです。

他社のシステムは、決められたデザインの中で部分的に文字や静止画が更新されるというのものがほとんどですが、M/acuteは、デスクトップ全体に広がるリッチメディアコンテンツをタイムリーに配信することができるので、いきなり画面全体をガラッと変えてしまうことができます。その他にも、

・何回見られたか視聴率がわかり、広告効果が測定できる
・画面のコピーやデータの保存はできない
・画面上のリンクからウェブページに誘導

CTRやコンバージョン率で評価できるネット広告の強みと、従来のマスメディア広告で重要視されるインプレッションやさらにはクリエイティビティも加味した広告システムがM/acuteです。それは言うなれば、
ホームページの手前でウェブ・ブランディング
と表現できるでしょう。

また、スクリーンセーバーを5つのレイヤーで構成しているので、クリエイティブの面からも様々なコンテンツを組み合わせた表現もできますし、運営の面からも更新タイミングの異なるコンテンツを容易に管理できます。

Macute1_3


主な導入実績
財団法人日本盲導犬協会
株式会社クリーク・アンド・リバー社 Creative Village
HIGH-TIDE | ハイタイド:あなたの投稿作品をスクリーンセーバーで公開しよう!

また、HIGH-TIDEでのウサギスクリーンセーバーが窓の杜で取り上げられています。
窓の杜ー今日のお気に入り

M/acute|エムアキュート

ECO/EGO比

2007年10月18日 | interested ?
エコとエゴは、日本語でも語感としてキレイ←→キタナイという印象を持つけれど、アルファベットで書くと、EGOの真ん中のGの『-(マイナス)』を取り去るとECOになって面白いなぁと考えてました。
シャノンの情報理論でS/N比(Signal/Noise比)というのがあって、あるいはWIREDという雑誌がWIRED/TIRED(イケてる/イケてない)と物事を対比させたように、ECO/EGO比という考えはなんかいいかも。

たとえば、iPod/CD
CDは物理的流通が伴い、CO2をまき散らすトラックが動かないといけないし、不要なCDは素材としてリサイクルが極めて困難。
対するiPodに代表される携帯音楽プレーヤーは極めてECO。

コンビニ/自動販売機
飲料用自動販売機は極めてEGO。
全国にある飲料自販機は266万台あります。1台あたりの1ヶ月の消費電力量は144kWhで、これは一般家庭の消費電力量302kWhのおよそ半分。
つまり、飲料用自動販売機は126万世帯分の電力を消費していることになります。驚く無かれ、これは大阪市や横浜市の世帯数に匹敵する数字。いまやコンビニの登場でいつでも飲み物が買える時代になっているのに、2兆7千万円の年間売り上げがあるからといって都市まるごとをまかなえる電力を消費するのは経済のEGOと言えます。

みなさんの考えるECO/EGO比の大きいものってなんですか?

ブログとアフィリエイトの合体は、自家中毒に陥るのか?

2007年10月18日 | diagnoses
10月10日の同じ日にあったふたつのニュースがどうも気になってしょうがない。

ニフティ、オンライン版ブログ評判分析サービス「BuzzSeeQer」--法人向けに提供

「プレスブログ」のエニグモ、第三者割当増資を実施

「プレスブログ」についてはこういう記事も過去にありました。

So-net blogでプレスリリースを紹介すると原稿料がもらえる!

ブログが個人の趣味嗜好、興味のリアルタイムな反映であり、投稿として書かれた企業や商品の評判を測定してトレンドを見出すというニフティのサービス。似たようなサービスを展開しているところがもちろん他にもあります。

一方、ブロガーに対し投稿ネタとしてプレスリリースを流し、企業や商品の宣伝をしてもらうというエニグモのサービス。

これって捻れた情報構造を生み出し、正しい評判を測定するのがもはや不可能であることを示しているように思えてならない。
こういう状況下で分析評価された評判は、結局お金をかけて宣伝ができる企業が発信した情報が増幅されていき、ブログというとてもパーソナルなメディアが、実は集合体としてマスメディアと変わらない機能をもつという皮肉な事態を引き起こしてしまう。

こうなってくると、評判がいいと言われる情報をいち早くキャッチしてそれを紹介する人が多くのアクセスを獲得するということになり、メジャーなものに飛びつく傾向が強くなるのではないだろうか。
そうやって情報のウェイトが偏っていってしまうと、ロングテールそのものも消えていってしまう危険性を感じます。

ネット民主主義を主張するわけではないが、ネットでつながる「通縁」によってマイノリティという概念が無くなったはずなのに、より強固なマスやメジャーが出来上がっていく。

それが、分散ネットワークにおいて情報の自己組織化と言えるのか、はたまた単なる自家中毒なのか。。。

地球環境保護を啓蒙するスクリーンセーバー『限界点に向かう地球:The Earth's Limit』

2007年03月02日 | interested ?
昨年、第1回エコアート大賞コミュニケーション部門で入選した『The Earth's Limit:限界点に向かう地球』をようやくリリースしました。

タイミング的にもアル・ゴア前副大統領の「不都合な真実」が話題になっていますが、The Earth's Limitも地球環境の危機的状況を日々意識することが各人の小さなアクションを誘発できるという考えで作成したものです。

The Earth's Limit:限界点に向かう地球

「砂漠化」「森林の減少」「CO2の増加」「人口増加」という4つの指標についてそれぞれのビジュアルを作成し、その中の「砂漠化」バージョンを現在公開中です。

コピー/配布は自由ですので、興味があればぜひ使ってください。

投稿画像を共有するスクリーンセーバー

2007年02月08日 | interested ?
ユーザーからの投稿作品をスクリーンセーバーとして共有するWeb2.0なサービスを始めました。

HIGH-TIDE
http://www.high-tide.jp/

以前はクリエイター向けだけだったのを、アート業界バージョン、犬バージョン、猫バージョン、そしてうさぎバージョンの5種類になり、投稿もしやすくなりました。

日めくりカレンダーを想像してもらうとわかりやすいですが、新しく投稿された画像を次々とスクリーンセーバーに表示させることができるサービスです。

投稿もスクリーンセーバーの使用も全て無料ですので、どんどん活用してください。
詳細は上記のサイトに書いてありまますが、個人情報も不要ですし、スクリーンセーバーに表示される画像は保存もコピーもできないようになっています。通常のウェブサイトの画像と違い、容易に複製ができないよう著作権保護機能を装備しています。

自慢の作品やペットの写真をどんどん投稿してください。

同じ仕組みのスクリーンセーバーを、社会貢献の一貫として財団法人日本盲導犬協会にも提供していて、そちらはすでにスクリーンセーバーの利用者が4万人を越え、1日で延べ30万回見られているという、スクリーンセーバーとしては前代未聞の規模で展開しています。