さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

遠目に立てるかどうか、立ち上がりに要注目 Jマロニー、武居由樹戦迫る

2024-05-01 00:01:51 | 関東ボクシング



いよいよ5月突入、あれこれ話題があって、どれから取り上げたらええのやら、という有様です。
勝利の数だけ敗北があり、世界戦の数だけ公開練習がある、それがボクシング界の倣いですが、こう立て込むと、取材する皆様方も大変でしょうね。


とりあえずWBOバンタム級チャンピオン、敵地のはずの日本でも好感度高し、誰やとえらい違いや...というのも今更ですが、ジェイソン・マロニー来日、そして公開練習の模様。








来日した様子など、こうもまあ誰やらのときと印象が違うものかね、と。
ていうか、要はこちらの受け止め方が違うということなんですが。
遠いとこからようこそ、しっかり疲れ抜いて、試合頑張ってや~、なんて、素直に思っ(てしまっ)た次第です。

公開練習の記事、八重樫東トレーナーの試合を見たマロニー陣営の話が、他のマスコミでは曲解されているみたいですね。
この辺はさすが専門誌というか、格の違いを見せました、ボクシングビート。


さて、試合予想みたいなことも書いていかんと、もう当日が来てしまうわけですが...この試合に関しては、ジェイソン・マロニーのキャリアと技巧、質の高さと安定感、そしてモラルの高さは、キックボクシングから転向後、国際式プロボクシングのキャリア僅か9戦目の武居由樹にとり、高い壁であろう、という見方がされています。
予想される展開としては、マロニーが武居の遠い間合いを何らかの方法で崩して、正確なジャブ、軽いコンビなどで捉え、強打して打ち返されるリスクを考えて慎重にポイントを重ね、徐々にボディなどにも攻撃の的を散らしていき、武居の反撃をクリンチなどで断ってクリアに勝利する、というところでしょうか。


それはよくわかる話ですが、ではその妥当とされる予想が覆るとしたら?その可能性は?ということも、ちょっと考えてみます。

鍵になるのは、試合が始まって、両者の間合いがどうなっているか、でしょう。
武居が思うように遠目に立てるか、それともマロニーが入って詰めるか、或いは巧く引き寄せるか?
まずは立ち上がりに要注目、だと見ます。

武居が巧い相手に見せる、キックボクシングでも遠いのやないかという間合いが取れたら、それこそマロニーがどれだけ巧かろうが関係ないわけです。
遠く離れたスタートが出来て、ジャブの射程自体から外し、マロニーの巧さを封じながら、ロングのパンチで先制打を決めて優勢に立つ、という展開になれば、不利の予想は一気に覆るでしょう。

また、武居は単に局面ごとに最大出力を出して倒す、という試合ばかりでここまで来たわけでもありません。
ブルーノ・タリモ戦のような、アタマもらって切って、仕方なく足使って捌いて終盤まで持っていく、という、自身のメインイベントでやっていたらキツかった(試合後の評も含め)試合を経験しています。
またOPBF獲得試合でも、強打の効果前提であったとはいえ、ボクシングの攻防でも冴えを見せ(ワンツーに相手の目を寄せて、死角から右フックを振り下ろす、など)単にトリッキーでパワーがある、というだけではないところも見せています。

試合に向けての報道では、武居の特徴が偏って伝わることを期待している?かのような、大橋秀行会長や八重樫東トレーナーのコメントが目に入ってきますが、マロニーが武居を軽視するようなところが僅かでもあれば、その間隙を突いて、マロニーの耐久力を越えた武居の強打が決まる可能性は高まります。
また、最近の試合では打ち合いになることが多く、若干巧さが目減りしている感もある。それがマロニーの現状でもあります。


ただ、仮にマロニーが危機に立ったとしても、そこから先がまた、簡単ではない、という想像もします。
ひょっとしたら、その先にこそ、武居のキャリア不足が響く展開があるのかもしれない、と。
マロニーの闘志、粘り強さは、高いモラルによって裏付けられていて、それは過去のどの試合を見ても明らかです。
武居由樹の強打が、それをも込みで、全てを打ち砕いて無に帰すだけのものかというと、そこまでとは言えないか...いや、どうなりますか、ね。



ということで、結局はどうなるか、やってみないとわかりません、というのが結論なわけですが(笑)。
そんなこと言ったらどんな試合でもそうやないか、という話ですが、まあとにかく、このカードは色々と対照的過ぎるくらいで、あれこれ見どころの多い試合になることは間違いないでしょう。
闘志と技巧の王者、強打とセンスの挑戦者の激突。本当に楽しみです。ある意味、メイン以上に、と言えるかもしれませんね。



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ビッグマッチが全世界に展開 画期を成す一ヶ月となるか

2024-04-30 00:00:50 | 井上尚弥



そんなことで、ビッグマッチが相次ぐファイトウィーク突入、なんですが、さらに言うならビッグマッチ月間、ともいうべきなのが、明日から始まる5月ですね。
ざっと書き出したX投稿を拝借。






日本に井上尚弥という突出した存在がいるので、日本で軽量級のビッグマッチが行われるようになり、サウジアラビアでは国策によるビッグマッチ招致が当たり前になりました。
そこへダウンアンダー、豪州もティム・チューやジョージ・カンボソスの健闘により、デビン・ヘイニーや今回のワシル・ロマチェンコのように、米大陸におけるスターボクサーが訪れて闘う試合が行われています。


アメリカ一極集中の時代を「昔」と言い切って良いかはともかくも、6月1日のアルツール・ベテルビエフvsディミトリー・ビボル戦まで含めて、驚くほどワールドワイドに、世界各地でビッグマッチが展開されています。
先のヘイニー、ガルシア戦の一連などに象徴されるように、もうアメリカが、真っ当な形でボクシングのメッカたり得ない現実を「露呈」した今、時代はこの先、さらなる激動と共に、さまざまに変わって行くのかもしれません
その端緒というか、決定的な岐路となるのが、ひょっとしたらこのひと月なのかもしれません。


そして、日本もその一翼を担っているのが、嬉しいし誇らしい気持ちになりますね。
それこそ「昔」なら、指をくわえて他人事として見ているだけだったわけですから。
井上尚弥、ルイス・ネリー戦というカード自体には色々思うところがありはしますが、他にも注目カードが並びますし、日本のボクシングも世界において、ひとつの「極」としての存在をアピール出来たら良いな、と思います。




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次回は技巧のサウスポー相手 松本圭佑、次戦は藤田裕史と

2024-04-28 07:12:42 | 関東ボクシング


強敵、ないしは上位相手の試合が続いた日本フェザー級チャンピオン、松本圭佑の次戦決定。
6月25日、Leminoフェニックスバトルで、井岡ジムのサウスポー、藤田裕史と。






藤田裕史、関西リングをベースに闘う技巧派で、会場で何度か試合を見ています。
もう随分前から見た覚えありで、デビューは2010年、もう34歳になるんですね。
元々は地元の姫路木下ジム所属で、後に井岡ジムに移籍しています。

ゆったりとしたリズムで闘い、受け身の試合運びで相手の裏を取る回りで良さが出る選手、というのが、当初見た頃の印象。
目に見えて速いとか強打者ではなく、相手の展開構築を崩すのが勝ち筋でした。
サウスポーですが、スイッチヒッターと言っても良いほど、頻繁に構えを変えていた印象があります。

丸岡航平(VADY→江見)に8回判定勝ちした試合は会場で見ました(後に知りましたが、丸岡にはデビュー戦で敗れていて、これが雪辱戦でした)。
これはまさに上記のような「回り」の試合でした。あと、西谷和宏と引き分けの星があります。

ただ、井岡ジムに移籍してから、柳に風と受け流す感じから、脇を空けて両手を掲げ、構えて出ながら捌く、という感じに変わった(変えられた?)ように。
以前ほど柔軟ではないが、積極的に行く方へ比重を置いている。
前田稔輝に判定負けした試合では、引かずに構えて、打ち終わりを左で捉えてダウンさせてもいます。
ただ、両手を顔から離してプレッシャーかけるのに使うので、前田の速いパンチを目で外しきれず、挽回を許して敗れました。



松本側から見て、言葉を選ばす書けば、マッチメイクとしては、ここらでひとつ楽なのと、格下と、というものです。
スピード、パワー、体格など、松本が明らかに上回るので、まともに行ったらひとたまりもないでしょう。
以前の柔軟で受け身の闘い方でも、若干変えた今のスタイルでも、どちらでも難しい、というのが正直な印象です。

しかし、長きに渡って自らの巧さと、同時に限界も踏まえた上で、どう闘うかをしっかり考えてくるであろうベテランの出方がどういうものか、それには興味あり。
その辺を注目してみよう、と思ってもいます。
また、松本の側にも、減量の不安があり、油断が生じないとも限りません。もちろん、そうでない場合、藤田には苦しいでしょうが。



アンダーでは帝尊康輝が、WBOアジアパシフィック、スーパーミドル級王者のユン・ドクノに挑戦。
そう言えば帝尊、野中悠樹に勝って日本のスーパーミドル級王者になったんじゃなかったでしたっけか。あのタイトル、どうなったんでしょう。


アンダーでは、以前取り上げたアマチュアの世界ユース選手権優勝、坂井優太がデビュー戦。
あと、アマチュアの有力選手が相次いでデビュー戦とのこと。

大橋ジム、アマチュアの有望選手がどんどん入ってきますね。
ひとつのジムで抱えきれるんやろうか、と思うくらいですが、それはもう古い認識かもしれず。
何しろ毎月Leminoで興行があり、隔月のFOD配信興行もあり。
これが続くとなれば年に18回、主催だったり共催だったりしながら、カードを組んでいくことになり、試合の場もどんどん「提供」できるし、逆に「せねばならない」とも言えましょうね。

その中から、井上尚弥の再来、後継、まあ何でも良いですが、それに少しでも近い選手が出てくれば、というところでもありましょう。
もちろん、それが極めて難しいことは、大橋会長も承知の上でしょうが。


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事なきを得た? ロドリゲス西田戦、元通りにABEMAで配信

2024-04-27 00:04:48 | 関西ボクシング



亀田の名古屋の興行にまつわるどたばたの影響、そのしわ寄せを食ったものか、いったんABEMAではなくてTravelTVでの配信を、社長さん自ら公言したという、5月4日のエマヌエル・ロドリゲスvs西田凌佑戦ですが、結局ABEMAでの配信が改めて発表されました。






日本にも井上拓真(WBA)、中谷潤人(WBC)とふたりのバンタム級王者がいて、昔ならこれで幸福感に満ちていたことでしょうが(笑)今はなお、このロドリゲス(IBF)とジェイソン・マロニー(WBO)が相次いで来日し、試合してくれて、しかもさらなる日本人王者誕生の期待も大きいわけですから、時代も変われば変わるものです。
以前も少し書きましたが、ファイティング原田以降、六車卓也(WBA)の王座奪取まで、二人目の王者がなかなか出ず、世界の頂を眺めるだけ、という風だった時代からすれば、信じられないというか。

その合間に挑んだ桜井孝雄や金沢和良、村田英次郎に磯上修一、ハリケーン・テル等々、今ならこのうち何人かは王者になっているのかもしれません。
或いは渡辺二郎とて、それこそすんなり転級して、挑んでいたことでしょう。
一時、盛んに待望されたアルバート・ダビラ挑戦が実現していたら、ジムの後輩六車、そして辰吉丈一郎に先んじて、バンタム級王座獲得を成し遂げていたのかもしれません。

王座ひとつの価値が相対的に目減りしている反面、選手には徐々に良い待遇、練習環境に情報が与えられ、そして転級の決断も然るべき時に下されるのが当たり前になりました。
もちろんボクシング界全体を見渡せば、良し悪し含めた話ではあるんですが、個々の選手にとっては、良い面があるのは確かです。



さて、相次いで来日する王者のうち、おそらく実績評価で上を行くエマヌエル・ロドリゲスへの挑戦ですから、西田凌佑には厳しい予想が立ちます。
しかし、西田とて大森将平に比嘉大吾、大橋哲朗といった国内のライバル、そしてメキシカンのクリスチャン・メディナを下した実績があり、なおかつまだ底を見せていない感もあって、けっして軽視できない挑戦者です。
この試合が、悪いですがボクシング配信においては新興、色々不備も心配なところよりも、実績のあるABEMAに「戻った」形で配信されるというのもまた、良い話だと言えましょう。

ホントに、我々の見えんところで色々あったのでしょうけども...あの社長さん、大々的に他の試合の合間に発表したは良いけども、それでは困るやないか、とあちこちから突き回されたんやろうなあ、と容易に想像がつきます。
ABEMAとの関係も、おそらく多少なりとも揺らいだんでしょう。しかし、とりあえず事なきを得た?という感じでしょうか。
まあ何しろ、ひとまず落ち着くところに落ち着いた、ということで、西田には後顧の憂い無く?王座奪取を目指してもらいましょう。
もし王座奪取なれば、何もそこに落ち着くことはいらんのやで、という気もしますが、それはまあ、今は余計なことですね...。



さて、懸念されるのが例によっての長丁場、という点ですが。
なんか、詳細なタイムスケジュールが出ています。






今まで散々、文句言いまくってきた部分ですが、これだけ詳細なスケジュールが事前に出るというのは、有り難いですね。
第一試合開始は14時から、と明記されているし、メインも終わるのは早くて20時頃だろう、と思っていましたが、そんなことはないようです。
合間に挟まるイベントも、無茶に長くは無いようです。試合がKO続きだったら待ち時間は生じますが、それはまあしょうがないといえばそうですし。
もちろん、順番にすいすいやってもらうのが一番ですが、こうして事前にわかっていれば、気の持ちようからして違いますからね。

アンダーカードもずらっと出てます。静岡の高橋ナオトこと(←誰もそんなことは言っていない)佐野遥渉あたり、短い間隔ですが、ひょっと出たりせんやろかと思ってましたがそれはない模様。残念。
しかしテルのび太が出ますね。これはささやかながら(失礼!)良い話、です。


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またもパワーの差、歴然 高山涼深、1位古谷を3回に仕留める

2024-04-26 00:00:06 | 関東ボクシング


昨日はLeminoフェニックスバトル、日本スーパーフライ級タイトルマッチなど、楽しく見ておりました。
全7試合、うち6試合がKO。ひとつの判定試合がまた好ファイトで、充実した内容でありました。
簡単に感想。


メインの日本スーパーフライ級タイトルマッチは、強打のサウスポーにして人気ラーメン店の店長という高山涼深に、1位の古谷昭男が開始早々から右で打っていくスタート。
先手を取って少しでも相手を怯ませ、食らいつく余地を切り拓く、という意志が見える古谷の闘いぶり。

対する高山、強振せずとも威力充分、という感じの左ストレートを決める。しかし古谷は左のレバーパンチなど、空いたところをしっかり打つ。
古谷の右は、ダックし切れない高山の側頭部に当たったり、ガードの外から巻く軌道で、浅いながらアゴに届いていたりする。
これでもう少し一打の威力あらば...というのが残念なところ。


逆に言えば、高山からすれば、相手が違えばピンチを招いていたかもしれない、という立ち上がり。
また、ちょっと身体全体に切れが無く、足取りも重いような印象でもあり。

2回も高山が出て、手数増やして圧していく。古谷は果敢に右を打ち返すが、ヒットの数が同じ場面でも、どうしても圧される。
古谷の右に対して、高山がしっかり反応していないところがあり、気にはなったが、高山スリーパンチまで返して優勢。
3回、古谷の右が伸び、ジャブも飛ぶが、高山が攻めて左から右の返し、上下に決まって古谷、ダウン。
ダメージの蓄積は早くもあって、追撃の連打、高山の右フックが頭部へ、次にアゴへ入って、古谷二度目のダウン。レフェリーがここで止めました。


高山涼深、けして絶好調とも、切れ味を感じたというわけではないですが、国内レベルではまたしてもパワーの差、歴然たるものあり、というところを見せつけた勝利でした。
とはいえ、世界へという話を、実況アナが盛り上げようとして、解説の長谷川穂積がやんわりと、東洋から世界へ近づいていけば、と応えていたように、今すぐに世界へ、というほどの何かは感じませんでした。
短い試合ながら古谷昭男の健闘でもあったのでしょうが、やはり打たれるタイミングや角度が悪く、上のレベル相手だと、という印象が強いです。
そういう試合でも、変わることなく、厚みのある攻撃力一本で、全てを飲み込んでしまえるかというと、そういうコンディションが作れるのかどうかも、ちょっとわかりません。

OPBF王者のケビン・ジェイク・カタラハは、昨年11月、名古屋の興行に出る予定が流れ、それ以降も試合をしていませんが、WBO王者田中恒成との対戦の可能性があるらしく、王座が空位になれば、高山の空位決定戦出場となるのかもしれません。
そこで、日本人とは3戦全勝のジェイアール・ラクイネルあたりとの対戦があれば、一段上の試合で試されることになるでしょうね。



ライト級の変則トーナメントは、齋藤対決となった齋藤陽二vs齋藤眞之助戦、前者が先に倒し、後者が倒し返すダウン応酬の末、齋藤陽二が最後に倒して2回KO勝ち。
短くも激しい試合で勝ち上がりを決めました。
ところが続く今永虎雅が、中国のマ・シャンを遠い位置からの強打で圧倒、初回で倒してしまう。こちらも強烈な勝ちっぷりでした。

何も知らんもので、次の準決勝でこの両者が当たるのかと思ったら、両者共に「アジアのランカー」と対戦、しかし現時点で誰か決まっていない、ということらしく、色んな意味で拍子抜けしました。
7月18日と日程だけは出ていますが。
全部で6人傘下の変則トーナメントということは、まあ仕方ないにしても、今からどんな選手が参加するものやら。
これが三代大訓や吉野修一郎だったらびっくりですが、あり得ないですしね。ひょっとしたら宇津木秀か、仲里周磨か、ということは...やっぱりあり得ませんよね。



セミの日本ユース、ミニマム級タイトルマッチは、大橋ジムの佐伯侑馬と、松田ジムの宮澤蓮斗が、判定ながら目の離せない攻防を繰り広げました。

初回、2回と宮澤が、小さい防御動作からの右カウンターで佐伯を捉えるが、サウスポー佐伯も徐々に挽回、プレスかけてヒットを重ねる。
ポイントは互角か、やや佐伯かというところまで来ていたが、失点した回でもボディ攻撃を怠らなかった宮澤の粘り強さが報われ、6回に宮澤の右フックで佐伯、ダウン。
7、8回と際どい攻防、ラストは佐伯が取ったが及ばず、2-1で宮澤。ダウンの分だけ宮澤、という納得の採点が多数を占め、安堵した次第です。

センス抜群、のみならず闘志に溢れた若手対決。より粘り強く、より冷静だった宮澤に軍配が上がりました。
いやこれは本当に、未見の方おられたらもったいないです。Leminoで当分、無料アーカイブが置かれているはずですので、是非どうぞ。


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豪華パンフ/そりゃWOWOWを勧めます/もひとつU-NEXTも(笑)

2024-04-24 00:00:13 | 井上尚弥



最近はパーフェクトガイドなども含め、季刊誌として存続?している感のあるボクシングマガジン、増刊が出ました。
5月6日のプレビュー号、ということです。






さっそく買って一読しましたが、ベテラン宮崎記者の井上尚弥インタビューでは、井上がクールに、フラットに、ルイス・ネリーの長所と短所を見て取っていることに感心しました。
また、これはちょっと映像で見たんですが、スパーリングパートナーの若い方がえらく良い選手で、これとやってたら、ネリー相手でも余裕で対応出来るんではないか、という気もします。

何しろ井上の側の備えは万全だと見て良いでしょうね。問題はあれこれと枷をかけ、代打選手という保険も用意したことで、ネリーの調整が万全になるように、こちら側がお膳立てしてやっている感さえある、というところですが。
本当に、こんな馬鹿な話あるのかな、と改めて思います。
それも含めて勝負ちゃうんかい、と。それが出来ない奴など、そもそも井上と闘う資格ないやろう、と。
まあ、今更言っても仕方ないことだと、わかってはいるんですが。


それはさておき、昔は会場で、内容的には適当なものでも、有料のパンフレットを売っていたものですが、税込み1480円でこの充実した内容は充分「買い」です。
会場に行けない人でも、これをパンフレットだと思って買って、心の準備をしてからAmazonを見れば、大いに楽しめるんではないでしょうか。
...なんか、完全に回し者と化してますが(笑)。


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さて、ドーム二日前の5月4日、府立ではロドリゲスvs西田戦、ホールでダブル日本タイトルがあり、おそらく配信時間が一部重なる、と昨日書きましたが、日本時間翌5日は、カネロvsムンギア戦がWOWOWで生中継されます。
で、これはDAZNでもライブ配信されます。平行してやるんですね。
あちらではPBC+Amazonと、DAZNの共同興行ということで、両方で放送配信されるらしく、日本でもそのままの形になるわけですね。

で、DAZNの方はPPVです。2500円也。ほぼWOWOWの月額料金と同じですね。
これは月額料金とは別に払うことになります。
もし、WOWOWにもDAZNにも入っていない人がいて、この試合お金払ってでも見たい、というのなら、当然WOWOWをおすすめします。
ていうか、DAZNに入ってても、ですかね。WOWOWならTV放送でもネット配信でも見られ、しかも別料金なしで二週間後のロマチェンコ、カンボソス戦も見られますしね。
他にも映画とか色々ありますし。

しかしDAZN、本当に何考えてんのか、さっぱりわかりません。
こんなことして、商売になるとでも思っているんでしょうか。まあ、何ごともうっかり間違えてしまう人は一定数、いるのかもしれませんが。

ちなみにDAZN、こちらは本気の勝負なんでしょうが、ウシクvsフューリー戦もPPVです。3000円也。
これはフューリーが無事、リングに上がることが確定したら、購入しようかと思っています。
ただ、真夜中スタートでメインは未明から早朝、というのは、どうにもこうにも...まあ、MotoGPでもカタールやアメリカ開催だと、こちらは真夜中なんで、それと同じではあるんですが。


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さて、ドーム決戦が終わってもいろいろとあるわけですが、これもライブで見られます。
ホンマにええ時代になったものです...。





以前もちょっと触れましたが、京口紘人、フライ級転向後、真価を問われる最初の試合、というところです。
U-NEXTも、WOWOWに負けずお値打ちですね。あ、また回し者になってますが。


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次は25日/国技館、配信無料/ABEMAに戻った?5月4日は配信重複

2024-04-23 00:00:14 | 関東ボクシング



金、土、日の3日連続配信が終わり、次はというと木曜日。
25日、ホールで高山涼深の防衛戦です。Leminoにて無料ライブ配信。





高山涼深のパワーは、スーパーフライ級では抜きん出たものがありますが、体調の面で不安があれば、古谷昭男がその間隙を突くこともあり得るか、というところ。
あと、今永虎雅らが参戦する例のライト級トーナメント(えらく変則ですが)の初戦もありますね。ある意味、注目しています。



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で、スーパーフライ級といえば、昨日、井岡一翔vsフェルナンド・マルチネス戦が発表されました。
ABEMA配信ということで、PPVという名のお布施をいくら収めなならんのか、と心配(笑)していましたが、無料ライブ配信とのこと。
昨年、こんなカードでこんな額を取られるのか、と驚いた時のことを思うに、ちょっと意外ではあります。

大きな驚きと言えるのは、会場が両国国技館ということです。これは...思い切りましたねえ、と。
まあ、二団体統一戦ですから、そのお題目をもってして、という意味で、勝負に出たのでしょうね。
7月には、井上東京ドームの次のAmazon配信試合が来るんではないか、という気もしますし、賑やかなひと月になるやも、ですね。


予想としては、マルチネスが考えなく、今までどおりのショート中心、攻撃で押し切るボクシングをしてきたら、井岡を利するだけ、というところです。
遠目から飛び込み打ち、みたいなのを織り込み、井岡の巧さを出させない距離の確保をしながら、要所で攻める、という組み立てをマルチネスが練ってきたら、井岡も苦しいところでしょう。



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木曜の配信が終われば少し空いて、ゴールデンウィークの終盤まで、ライブ配信の試合はありません。
5月4日、エマヌエル・ナバレッテvs西田凌佑は、いまだに報道向けの会見が無いのか、当初のABEMAからTravelTVへと配信が変わった、という話について、正式に記事になったものを見ていません。
と、ボクシングモバイルの試合日程を見ると、ABEMAの配信、と表記あり。元に戻った?なんだかよくわかりませんが。

で、この日はU-NEXTで、坂井祥紀vs豊嶋亮太の再戦、川満俊輝vs安藤教祐のダブル日本タイトルマッチがあります。
大阪の方は12時半から第一試合らしいですが、ABEMAになろうがTravelTVになろうが、おそらく長丁場ですんで、時間被りは避けられないでしょうね...。


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井上彪、健闘も敗れる 西田凌佑、決戦は二週間後

2024-04-22 00:00:21 | 関西ボクシング



昨日はDAZNのPPVは見ずに、午後からの六島ジムYouTube配信だけを見ていましたが、当然、情報は色々入ってきました。
あの辺のクラスで、元々パンチ力のある選手が3ポンド以上オーバーし、再計量せずリングに上がれば、そりゃ馬力やパンチ力の差が出るだろう、という感じの内容と結果だった、のですかね。

YouTubeにハイライトは出ていますが、さすがにアホらしいて見る気がしません。
それよりもジョン・ラミレスが負けたらしいので、それは見ようと思っています。DAZNにアーカイブが置かれるのを数日待つことになりますが。

しかしDAZNて、その時々の都合でやることがまちまちで、PPVのあとアーカイブ置いたり置かなかったりするんですよね。
ホント、こういうところ好きじゃないです。元々何かにつけて適当で、最近は財政も苦しいせいか、メインコンテンツのはずのサッカーにまつわる話でも、色々と不足が言われているようですが。




さて、住吉で行われたWBOアジアパシフィック、ライトフライ級タイトルマッチは、ジェイソン・バイソンが井上彪に判定勝ち。
数字上はけっこう接戦になっていて驚きましたが、内容的にはパンチの威力、精度、キャリアの差が如実に出ていて、バイソンのクリアな勝利でした。

ジェイソン・バイソンは、山中竜也を倒した試合では右アッパーの強打が光りましたが、改めて見るに、アジアパシフィックの王者、というには少し力不足の選手でした。
それは先日のタノンサック・シムシー、ミエル・ファハルドの試合と比べれば、誰にでも分かることだと思います。
まあ、細かいことを言わずとも、ぱっと一見した感じで、説得力が違うというか、納得感がないというのか。

とはいえ、キャリアがかなり違う相手に、井上は5戦目の選手としては健闘したとも思います。
ただ、バイソンを本当に脅かす攻撃というのは僅かで、ボディブローのヒットも実況解説が言うほど、強く深く打ち込めていたかというと、質量ともに不足あり。
それに倍するヒットを下に上にと返されてもいました。
終盤、8回と9回は取ったかと思いますが、それ以外、どの回が井上に行ったものか、正直よくわかりませんでしたね。



エマヌエル・ロドリゲス戦を二週間後に控えた西田凌佑は、リング上でミット打ちなどを披露していました。
これを公開練習に代える、ということなのか、別にジムで取材に応じるのかはわかりませんが、それもひとつの方法なのかもしれません。
調整としては一番大事なときではないかと思います。見た感じ、顔色は良さそうでしたが。

何しろ相手が相手だけに、予想と言えば不利になりますが、少しスピード落ち加減、ちょっと打たれるようにもなった上に、試合間隔も空きがちと、不安を言えば言えるロドリゲス相手に、サウスポーの西田が長い距離を維持出来れば...という期待も、当然持っています。

東京ドームの2日前に、こちらはこちらでかなりの注目カードです。ドームのラインナップと比べても見劣りしない、と言えるでしょう。楽しみですね。


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単純に巧くて強い 奈良井翼、進境示すKO奪取

2024-04-21 00:00:25 | 関西ボクシング



三日連続のライブ配信、金曜夜のU-NEXTYouTube配信は、メインを務めた堀池空希の素質に感心しました。
日本のウェルター近辺で、これほど攻防共に良さを見せた新人、最近いたかなあ、と思うくらい。
まあ、初回KO勝ちで、相手も戦績の浅い相手ですから、何もかも良く見えただけ、かもしれませんが...正直に言うと、これ、かなりの「タマ」かも...と、ちょっと心が沸き立ちました。
今後、注目したい選手です。



さて昨日は、府立地下から二週連続のライブ配信。
しかも、共に関西のジムの日本チャンピオンがメインイベンター。
下町俊貴に続き、原優奈にも勝って欲しかったところですが、結果は厳しいものでした。


日本ユース王座戦では亀田京之助に、日本タイトルでは坂晃典に、いずれも大阪のリングで敗れている奈良井翼は、三度目の正直とばかり?気合い充分。
そして、気合いだけでなく、ボクシング自体にも、しっかりと防御に気を配った、練られた部分が見えました。


初回、原優奈は遠目の間合いからジャブ突くが、奈良井が微妙な間合いで見て、踏み込むときはコンパクトなワンツーをしっかり。
原がジャブで抑えることが出来ず、右ショートクロス、左フックなどをヒットさせた奈良井が取る。
2回、奈良井が良いリズム。ワンツー(下から上)、左フックの返し。終盤、原もジャブから右へ、しかし奈良井返す。奈良井のヒットがより正確。

3回、原は少し目先を変え、ジャブから右ボディストレートを伸ばす。しかし奈良井が右クロス被せ。
奈良井はワンツーの間合いに原を捉えた感じ。原、ジャブ突いて出るが、奈良井が身体の軸を回して外し、左ボディブロー。奈良井。


奈良井が外して当てるリズムに乗っている。4回早々、原のワンツーを外した奈良井、左フック。原ダウン。
立った原に、奈良井また外して左フック。しかし原もワンツー、コンパクトに返してくる。


ここまで意外なほど(失礼)防御から攻撃への流れが良かった奈良井、好機を迎えて、その配分が少し狂うか?
ならば原にも挽回、凌いで逆転を期すチャンスはあるか?とも見える。

しかし原が出て保たそうとするところ、少し間を置いた奈良井が外して左フック。さらにワンツー、左ボディ。

攻撃力はすでに上位の力があった奈良井だが、間を取って外し、当てる。防御も良くなっているからこそ、この組み立てが光る。
また、打ち方自体もバランスが良くなり、無駄な力が入っていないフォームになっていて、パンチ力がより生きている。

打たれた原が、もっとこい、というジェスチャー。いつも飄々と闘う原が、違う貌を見せている。それ自体が...と言える展開。
この回終盤、奈良井のワンツー、二度。奈良井10-8。


5回、ジャブの応酬。原のジャブも良いが、正確なのは奈良井も同じ。
原はダメージ抱えつつ出て、奈良井をロープ際に追うが、ミスの後ワンツーで倒され、二度目のダウン。
立ったが奈良井が詰めて、最後はまたワンツー。三度目のダウンと同時にレフェリーが止めました。



試合全般を通じて、上記の通り、奈良井が良くなっているなあ、という印象ばかりが残りました。
原優奈の方は、別段いつもより悪いとかいうこともないように見えました。もちろん、特に良いということもなかったのでしょうが。
少なくとも、これほどの完敗を喫するとは、想像出来ませんでした。
しかし、ジャブを丁寧に外され、思うようにリズムに乗れない僅かな間に、奈良井の鋭い攻撃を断続的に受けてしまった内容は、まさに完敗でした。

もしこの試合を、両者の過去の試合ぶりなどの事前情報、予備知識を持たない、例えば海外のファンなどが見たら、単に奈良井翼が巧くて強い、という以外、何も思わないのではないか。
そんな試合内容だったと思います。


正直、私は、奈良井翼の攻撃面の良さはわかっていても、防御面にこれほどの目配りが出来て、丁寧に外せて、それ故に攻撃の良さが今までに増して生きる、今回のような闘いぶりは、想像していませんでした。
もし今後も、今回の試合運びに通じる闘いを続けられるなら、今後もかなり期待していいのではないか、と思います。
鮮やかなほどの進境を示した、新王者の誕生でした。奈良井翼に脱帽、そして拍手です。



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もはや驚きも無い ライアン・ガルシア計量失格、試合は「欠陥商品」と化す

2024-04-20 07:45:13 | 海外ボクシング


早朝からこんなニュースが飛び込んできました。
ライアン・ガルシア、3.2ポンドオーバーで計量、タイトル獲得資格を失う。
でも、試合自体は当然のように、やる方向らしいです。






まあ、何の驚きも無い話ではありました。むしろ納得というか。いかんのですけどね、こんなこと言ってちゃあ。
とりあえずPPV購入は見送りです。欠陥商品ですもんね。
そのうちアーカイブは置かれるでしょうし、ハイライトならYouTubeでも見られるでしょう。
いやもう、それも要らん、という向きもおられるでしょうね。


アメリカのスターボクサーは、計量パス出来なくても、罰金というのか、報酬を一部減額されはするでしょうが、試合自体は出来てしまう、というのが一般的です。
また、それで評判が落ちて、次の試合が出来なかったり、干されたりということも無い。
最近ではシャクール・スティーブンソンがそうでしたが、計量をパス出来ず、再計量に向けて落とす努力もしない。損なだけだから。
当日の体重設定についても、試合の直前ではなく、8時間とか10時間とか、えらく猶予があるので、痛くも痒くも無い。

しかしあちらでは、少々目方が違おうと、自分たちが応援するボクサーが出さえすれば、ドーピングがあろうが体重が合わなかろうが、細かいことなんて誰も気にしないようで、それで観客が減って報酬額が落ちて、どうにもならんという話も、一向に聞きません。


日本でもその辺は似たようなもので、特に実害はないと言えるでしょうか。
世間から見れば少数のファンが怒るくらいで、後楽園ホールの客入りが多少悪くなるくらいですかね。
出場停止も6ヶ月とかでおしまいですし。
先日の堤駿斗が、ABEMAからの契約を切られ、他も引き受け手がなくなって、当面スターとしての待遇を失う、ということは起こらないわけですし。


かつてオルランド・サリドレイモンド・ベルトラン戦で「被害」にあった粟生隆寛が、先日の堤(習志野高校の後輩ですね)の件について、厳しい意見を発していたそうですが、洋の東西を問わず、このモラル崩壊は目に余るものがあります。
結局「やらかし」ても、罰や処分に実害がないから、いい加減な話が横行する、という意味で、東西通じていますが、ではその現状に歯止めをかける力がどこにあるかというと、その部分がどうにも弱いんですよね...詳しい評判なんて知らないですが、ニューヨーク州のコミッションにも、そういう力が無いのか意志が無いのか、わかりませんが、試合を許可はするわけでしょうし。

まして日本では...以前から何度もこの辺についてはあれこれつべこべぐちぐちと書いてきましたが、本当にいつまで経っても変わらないし、改まらないですね。困ったものです。


コメント (4)
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