SEIGOFUKUDA『新歓旅港』
福田誠吾 - WELCOME PORT TRIP -
時期であたらしい気分が増えて踏み出して◯
地元でいたらしい気配が掠れて眺め回して◯
時間できたらしい事物が紛れて分け知りて◯
地域でふさわしい空気が辿れて吸い込んで◯
自己でえたらしい直観が冴えて歩み続けて◯
呼ばれている気のせいで旅立てる空の開け◯
住まれている所のせいで生活する日の進み◯
編まれている糸のせいで縦横する目の強み◯
選ばれている誰のせいで応答する声の発し◯
書かれている字のせいで読解する智の遊び◯
道はこれからどのように関われるだろうか◯
光はこれからどのように射しこむだろうか◯
印はこれからどのように役たてるだろうか◯
風はこれからどのように吹きくるだろうか◯
花はこれからどのように咲きだすだろうか◯
整然としているようで板の敷き詰められた◯
雑然としているようで石の研ぎ澄まされた◯
毅然としているようで心の動き働かされた◯
自然としているようで時の移り交わされた◯
忽然としているようで音の潜み鳴らされた◯
泉がみえたならどのような水がわいている◯
港がみえたならどのような波がよせている◯
緑がみえたならどのような木がはえている◯
町がみえたならどのような人がそこにいる◯
風がみえたならどのような色がついている◯
思考のあたり先見の閃光あればいい千里眼◯
探訪のわたり高低の風景そびえたつ建築物◯
睡眠のわかり現実の隙間そりかえる白昼夢◯
展望のまわり大気の屈折うきあがる蜃気楼◯
偶然のとなり複数の写真はりあわす外連味◯
天を揺れる旗はどこまでも見えるだろうか◯
地を蓄える土はどこまでも肥えるだろうか◯
海を越える船はどこまでも浮かぶだろうか◯
形を変える雲はどこまでも流れるだろうか◯
刻を告げる鐘はどこまでも響けるだろうか◯
たかめすぎない昂揚を信じながらの決定で◯
まぶしすぎない太陽を感じながらの出発で◯
めざしすぎない方向を転じながらの直感で◯
とざしすぎない内面を興じながらの余裕で◯
きびしすぎない安全を念じながらの続行で◯
それぞれの断片にいくつかの旅情がとける◯
それぞれの浮遊にいくつかの気丈がやどる◯
それぞれの環境にいくつかの信条がまわる◯
それぞれの背景にいくつかの人情がともる◯
ぞれぞれの言語にいくつかの熱情がのこる◯
通過し合えるような既視感が確かに美しく◯
影響し合えるような緊張感が僅かに楽しく◯
感化し合えるような期待感が仄かに嬉しく◯
浸透し合えるような季節感か微かに眩しく◯
歓迎し合えるような空気感が静かに優しく◯
平安是福
へいあんこれふく
SEIGOFUKUDA
福田誠吾
NIHONGO POP ART
順理則裕
じゅんりそくゆう
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福田誠吾
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今案意楽
こんあんいらく
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福田誠吾
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詩歌管弦
しいかかんげん
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福田誠吾
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夢幻泡影
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天禄永昌
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