Triple Field blog

祭谷の個人的日記。コンセプトは脳天気であります。

猫は出てこなかった

2015年11月23日 | 演劇・映画
相変わらず生死不詳なブログですが、忘れたころに帰ってくるのが当方のスタンダードとお許しください。
今回は劇団あとの祭りさんの第34回公演、「フォックス・アンダーソンの事件簿」観てきました。登場人物も伏線も、悲喜も機微も多くてなかなか感想のフォーカス絞るの難しい。

夜間大学を舞台にした、みんな社会人だけど学生でもある人たちのお話。舞台が学校なので皆さん盛大に学生の顔です。学内でコスプレ決めて長物を帯に手挟んで歩く「銃剣道同好会」、いつでもどこでもスモーク背負って現れては霊視だの降霊だのを押し売る「心霊研究会」。本職の探偵でありつつ夜学に通い、学内で起こる事件を手掛ける主役・フォックス・アンダーソン。

私こういう、学生の持つ一種の万能感というか、やっちまうなら今のうち!と言わんばかりのバカ騒ぎ大好きですよ。ただ、舞台が夜間大学で、昼間は働いてる学生ばかりなんだと思うとちょっとしんみりしなくもない。学生の無茶が大目に見てもらえるのは、あくまで学生のやることだから、つまり一人前とみなされないが故の免責という、皆そこはかとなく見ないふりの悲しさもね。

普段は忙しさにかまけてか講義も勉強もおざなり(そのくせやりたい放題)な学生たちに大概キレ気味な先生が登場するんですが、なんだか親近感。作中、ある学生が「大人になりたくないから学生やってる!」みたいなこと言った時ゃァ私だってキレたくなりましたよ。大人になれよぉおおお!そして一緒に責任背負ってよ!大人が好きで責任持ってると思うなよ!でかい顔してのほほんと文句ばかり垂れちゃあ試験の時だけ神妙な面で情報聞き出そうなんて小細工を弄するクソガキどもをタコ殴りにせず、どうにか教育のご正道を守って接しようと努めるのは、いずれお前らも大人に、こちら側の人間になると思えばこそじゃー!

でも、作中の先生はそれでも学生の人生に向き合ってたなー。自分、専業教師でないとはいえ学生たちのことあまり把握できてないなあと反省しました。

治りかけ

2015年05月20日 | 日記
子供の好き嫌いを治すのに、細かく刻んで料理に混ぜて、意識させないように食べさせると少しずつ慣れると聞いたことがあったんですが、どうにも納得いかなくて。気づかないで食べててなぜ好き嫌いが治るんだろうかと密かに疑問でした。

私はビールが好きじゃなかった。ビールをおいしいと思ったことがない上、お酒を飲む習慣もなければ飲まなきゃいけない羽目に陥ることもなかったため、慣れることもないまま私の中でビールは「まずいもの・きらいなもの」に分類されていました。

しかし昨年、義姉上と「何か変わったもの食べようぜー」とビールスープを作ったら、これがおいしかった。これとわかるほどビールの味もしないし、珍しくて面白い上に材料をそろえるのも作るのも簡単で、以来しょっちゅう作って食べていたら、先日出席した同僚の結婚式で、乾杯の時だけと思って一口含んだビールの味が違って感じられてびっくり。

いつもの抵抗感がない。まずいものを我慢して飲みこむ感じが薄れている。
 
これか!これが好き嫌いの矯正か!何十年と生きてきたけど実感したの初めてだ!
なんであれ口に入れてれば慣れるものなんですねえ…意識がビールの味を認識してなくても、味覚は感知していたのか…気づかなかった… 

ブログ引っ越しました

2014年12月05日 | 日記
長い間使っていたOCNブログがサービス終了するということで、gooブログへ引っ越しました。かれこれ数年は触れてもいないサイトからのリンクもつなぎ直しました。そして11月24日、劇団あとの祭りさんの第33回公演「朝ごはんのある風景」を観てきまして感想書こうかなと初めて編集画面に入ったわけですが、二つ前の記事が一年前の観劇の感想で、そうか、半年ペースか。
引っ越しても以前と同じように続けますので、お付き合いくださる方にはありがたく、常に瀕死の当ブログへようこそおいでくださいました。よろしくお願いいたします。

実は、ここ2年ほどオフラインで日記書いてまして。毎日じゃないし、その日にあった事実を書いているとも限らないのですが(それは日記か?)、ブログから足が遠のいてました。

2年前、博士号をとった時に医局から記念の万年筆を頂いて、そこからなんとなくペンとインクにはまりまして、あれよあれよという間に机の中に万年筆~つけペン用のボトルインクが30本。万年筆そのものは高いのでそうそう買えませんが、単価の安いインクがいつの間にか増えるこの現象を文具好き業界では「インク沼」と呼ぶそうで、「はまる」という動詞にふさわしいですね。

そもそも万年筆はつけペンと比べていちいちインク壺にペン先を突っ込む必要がなく、一度インクを吸引すればしばらく保つのが長所なんですが、私は気付いてしまった。自分、いちいちインク壺にペン先をつっこむ動作が好きだ。ハンドライティングはキーボード打つより遅く、そこにインクをつける動作が加わることによって定期的に休符が入る。どうやら私はそのスピードとリズムがとても好きだ。

というわけで近頃、つけペンでノートに日記書いてます。考えるスピードと書くスピードは大体同じなので、後から読み返して字が汚いところは「ああ、この日は思考が勢いづいて手が追いすがってるな」とか、字をひとつひとつ書いてると思しき日は「ああ、この辺は思考がゆっくりだな」とわかることもあり。そしてなにしろ自分の言葉で自分の本音なので、辛かった時のことが吐き出してあるページをたまたま開いてしまったりすると当時のトラウマが臨場感たっぷりにリプレイされて一人グヘァなどと意味不明の奇声を発する羽目になる。やめて自分、まだそれは生傷なの。

fix = 踏みとどまらせる

2014年04月19日 | 日記
どんだけ英語できないんだよという話ですが、いつまでたってもexpectとexceptの区別がつきません。英語論文を読もうとしてこの単語に出くわすたびに、思いだせるのは「あー、またおなじみのわかんない単語だ…」ということだけ。そんなくだらないエピソード記憶ばかり反復強化されて、肝心の語意が覚わらない。ここ数年、この二語だけで一体何度辞書を引いたことか。電子辞書の履歴上位、不動の二大巨頭です。

さて英会話教室。どうやら語学の先生は、生徒がどんなアホな質問をしてもそう簡単には怯まないらしいのにつけこんで、最近はわからない単語を見つけたら決まり文句「What does word mean? 」を言ってみてます。すると先生が言い換えや例を示して教えてくださる。すると私はそれを「こんな風に教えてもらったエピソード記憶」として覚えられる、こうなると忘れない。ありがたいことです。

ただし、先生は日本語訳を教えてくれるわけではないため、意味を飲み込んでからそれを日本語に変換する作業は自前なわけで。現在、我が脳内で「represent」は「看板しょってる」。「representative」は「看板しょってる人」。この理解でおおむね間違ってないはずだ。あえて辞書は引かぬ!


はやくDVDほしい

2013年11月30日 | 演劇・映画
劇団あとの祭りさんの第32回公演、「鬼の妻」観てきました!今回も笑いあり涙あり、恋に裏切りに追いかけっこと内容特盛で駆け抜けるような舞台でした。

公式ブログの通り、身長26mの鬼と恋に落ちて結婚して、そのまま家庭を営んじゃった女性の物語です。舞台の中の時間がわりと長くて、娘が生まれて成長して結婚して、父親&娘夫婦で三世代同居してたり。母と娘のダブルヒロイン。

母世代と娘世代で、ロマンチックなシーンが二回あってすごいお得感があったなー。きっとこれから先、じゃがりこ見るたびに思い出すんですよ、もう別れたはずの恋人が来てくれたあのシーン。彼がじゃがりこを鼻に刺してたせいで大切な言葉が聞こえなくて、もう一度言ってと涙声でヒロイン②が走っていったあのシーンですよ。言葉にすると奇妙なのに、舞台の上ではすごく素敵に見えて、劇って不思議。

今回、設定が破天荒なのに、庶民のリアルな生活感を失わない描写(演出っていうのかな?)にとても惹かれた。もちろん、鬼という特異な存在故にいろんな組織から追われたり、鬼の血を引く娘が特殊能力を発揮するド派手な見せ場もありましたよ、ええ、すごい迫力で。きっと、以前の自分ならそういうシーンにすっかり目を奪われてただろうなと。特別な運命を持った特別なヒロインの活躍に、試練込みで憧れたり。

このあたり、自分のものの見方が変わったのか、それとも作品の意図した通りの受け取り方なのかよくわからないんですが…今回、現実には起こり得ないムチャな状況下で、身の丈通りの衣食住と悩みを保っている登場人物たちの身近さが非常に印象深かった。実感があるっていうか、いるいるこういう人、わかるわその気持ち、っていう既視感。こういうのを親近感って言うのかなあ。好きだなあ。

きっと私は早苗さんのことを忘れない。「普通、女はね、そういう生き方は選択しないの」と言い放った憎まれ役。けど、あなたのような人生を選ぶ女もなかなかいないと思うんだ、チュニジアで20年以上もハエの研究を続けるなんて。あなたはヒロイン①に夫と別れろと迫ったけど、あなたは仕事と別れようとは思わなかったのですか。がんばれ早苗さん、もう十分がんばった早苗さん、あなたが自分の人生の価値に気づく日が早く来ますように。

---------------------------------------------
2013/12/2追記
これまで、カテゴリーが「日記」一択だった当ブログですが、今回「演劇・映画」カテゴリーを新設しました。過去記事も演劇や映画について語ったものはカテゴリー変更してありますので、需要のある方はご利用ください。…そんな人いるんかいな。