19日に収用裁決がなされ、辰巳の会がどのような反応をしめすか、市民のみなさんのみならず、県・国の担当者、メディア関係者などのみなさんがチェックされているのだと推察します。
ブログ担当者がいま非常に多忙で、対応できずにいますが、近く対応しますので、しばらくはマメにチェックをお願いします。
(H)
きょう石川県河川課を訪ね、中村河川課長、椿川ダム建設室長に提出した抗議・要請文は後掲のとおりです。
おもに椿川室長とやりとりしましたが、辰巳ダム予定地および周辺に活断層はないとしているという「地質調査報告書」(財団法人土木研究所)は用意してこない、こちらがとことん追求するまで、今回問題となっている断層がこの報告書の調査対象になっていないことを認めようとしないなど、きわめてふまじめな態度でした。
結局、この断層が活断層でないと判断したのは、椿川室長だとのことでした。
土木研究所の中立性自体が疑問ですが、その調査・評価さえ受けていない断層だったということです。
椿川室長は、「こんな断層は活断層であるわけがない」「そんなことは私ら、みればすぐ分かる」と、何の根拠もしめさず強弁をくりかえしていました。
(この段落、個人的感想)
もちろん私たちは辰巳ダム建設を阻止しようと努力しているわけですが、力およばずダムができてしまうということも残念ながら、ありえます。
そのときに、万万万が一にも今回みつかった断層が活断層であっては取り返しのつかない大惨事を招きかねないわけで、「万が一にも活断層ということはありませんね」「ぜったいにまちがいのない調査をしたのでしょうね」と念押しにいった市民をはじめから敵視して情報を出さない、説明責任を果たそうとしない...
土木研究所がこの断層を調査していないことを認めさせるまでに30分ほどかかりました。どうせ認めざるをえないことなのに、姑息、とはこういうことを指していいます。
カッコ悪いですね。恥ずかしいですね。
やれやれ、いつの時代のお役所なのかと、あきれた次第です。
(H)
2009年9月29日
石川県知事
谷本正憲様
兼六園と辰巳用水を守り、ダム建設を阻止する会
代表 碇山洋
ナギの会
代表 渡辺寛
犀川の河川整備を考える会
代表 中登史紀
辰巳ダム工事現場での断層の存在判明に関する抗議と要求
このたび、私たちは、辰巳ダム本体側部を支持する地層に少なくとも2つの断層が存在することを発見し、県の現場担当者もそれらが断層であることを認めた。もしこれらが活断層であれば、最悪の場合、湛水時に断層が動いてダムが破損・崩壊し下流域に大惨事を起こすことになる。しかるに、担当者の説明によると、県はこの断層について当然なされるべき調査を行っていない。活断層であるか否かも不明であるばかりか、各地層の形成年代さえ不明という有り様である。
「県民の生命と財産を守るため」と称してダム計画を立てておきながら、下流に壊滅的な被害を与える危険性について何らまともに向き合おうとせず、漫然とダムを建設する県行政の怠慢・退廃に驚きを禁じ得ない。
また、石川県は、この断層の存在も、必要な調査を行っていないことも、いまだ公表さえしていない。辰巳ダム工事現場の仮排水路崩壊のときも県は私たちが発見し公表するまで事実を隠していたが、隠蔽体質が何ら改められていないことが明らかになった。
私たちは、県民の生命と財産を危険にさらして恥じるところなく、ただ自らの保身と組織の温存のために情報を隠蔽してダム建設を強行する谷本知事と辰巳ダム関係職員にたいして、怒りをもって厳しく抗議するとともに、以下のことをつよく要求する。
(1)ただちに辰巳ダムのすべての工事を止めること。これは、地層・断層の調査のために絶対不可欠である。
(2)すでに構造物によって見ることができなくなっているところを含め、今回明らかになった断層以外に、断層がなかったのかどうか、明らかにすること。
(3)第三者的立場にある複数の専門家によって構成され辰巳ダム反対派市民が参加する調査委員会をつくり、徹底的な調査を行うこと。必要であればすでにつくった構造物の全部または一部を撤去して、遺漏のない調査とすること。また、調査の全過程において完全な情報公開を行うこと。
(4)今回明らかになった断層だけでなく、ダム堤体にかかる地層に活断層が一切存在しないことが最終的に確認されるまで、工事を再開しないこと。
(5)活断層が存在することが明らかになれば、当然のことであるが、ダム建設を中止し、原状回復すること。
(6)断層の存在をいつ誰が確認したか、いつ誰が何を根拠に活断層でないと判断したかを明らかにすること。
(7)断層の存在を公表しないことをいつ誰が決定したかを明らかにし、処分すること。
(8)この問題に関する説明会を緊急に公開で開催すること。
ことは文字通り県民の生命・財産に関わる重大事である。過去の経緯や体面などにこだわらず、谷本正憲知事が上記の要求に真摯に応えられることを期待する。
以上
辰巳ダム工事現場に現れた断層。めぐりめぐっていただいた写真です。
本体モロなのだが、問題ないのか?
(ダム本体=黄色い重機が乗っている。断層がみえるのは左岸側。写真右手が下流。)
(H)
辰巳ダム裁判の第8回口頭弁論が、9月25日(金)14時20分から、金沢地方裁判所で開かれます。
平日の日中ですが、ご都合のつくかたはぜひ傍聴においでください。
以下のような演劇公演があります。ぜひご観劇を。
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[公演名]
激団トラベルボンバーズ第七回公演 「宵月(よいづき)」
[日時]
9月19日(土) ---- 20時 開演
9月20日(日) 14時 19時 開演
9月21日(月) 14時 19時 開演
※開場はすべて、開演30分前です。
[場所]
メロメロポッチ(金沢市近江町市場内、市姫神社口)
TEL : 076-234-5556 mail:morimero@hotmail.com
[あらすじ]
幕末の加賀藩を舞台とした今回の演劇のあらすじは、
12代藩主前田斉広(なりなが)が、今の兼六園に竹沢屋敷という立派な
隠居所をつくるところからはじまります。
そして息子斉泰(なりやす)に、江戸に元服し13代藩主の命を
徳川幕府に受けに行く際、元筆頭老中の松平定信翁に竹沢屋敷の
庭の命名を請うことを依頼します。
そこで初めて「兼六園」という名前が付きました。
しかし、元兼六園管理所長の下郷稔さんもおっしゃられるように、
当時の庭は六つの景勝を兼ね備えているとは言えないものでした。
そして斉泰が将軍の娘、溶姫を娶った後、江戸の加賀屋敷で火災が
発生します。折からの飢饉と竹沢屋敷建設と斉泰の結婚の儀と出費が
かさんだ加賀藩は、竹沢屋敷をばらしてその材料で江戸の加賀屋敷を
再建しようとします。竹沢屋敷をばらした後の庭を兼六園として
復活させようとする斉泰。しかし、六つの景勝を整える工事もなかなか
ままならぬものがあり、当時日本はまさに、江戸時代最も深刻といわれた
天保の飢饉のさなか、外国船の度重なる来航のため、鎖国か開国か、
佐幕か尊王か、揺れに揺れている状況にありました。
尊王攘夷に傾倒する斉泰の息子慶寧(よしやす・14代藩主)。
京都、高司家(天皇家の血筋)より迎えた母と、徳川幕府の将軍の娘を
妻に迎えた斉泰の葛藤。明治維新の際、遅れてきたゾウとまで言われた
加賀藩は本当に遅れてきたゾウだったのか、
それとも・・・果たして加賀藩が本当に残そうとしたものは・・・
[料金]
一般前売2000円 当日2500円
学生前売1500円 当日2000円
[前売券取扱]
メロメロポッチ フェアトレードショップ・al(076-246-0617)
今伴(有松・076-242-3210) サイペ(芳斉・076-263-1388)
[後援]
FM石川 MRO テレビ金沢 石川テレビ 北陸朝日放送
辰巳ダムの工事現場の様子の動画が、YouTubeにアップされていました。
周囲とは隔絶した独特の環境で、希少種をふくめ生物多様性に富んだ豊かな自然が、無惨に破壊されています。
<!-- 辰巳ダム 工事の様子 -->
辰巳ダム裁判1周年記念集会における宮本博司さん(元国交省職員。前淀川水系流域委員会委員長)の講演『ダムによる治水を超えて』をYouTubeにアップしました。
ダム建設の裏も表も知った宮本さんならではの、迫力と説得力のあるお話です。感動します。
9分割してのアップです。
<!-- 宮本博司『ダムによる治水を超えて』 -->
その2 http://www.youtube.com/watch?v=aOlnV8aOgCY
その3 http://www.youtube.com/watch?v=ageRrSIJ6ls
その4 http://www.youtube.com/watch?v=vrQkAZEFEvE
その5 http://www.youtube.com/watch?v=6AnUjpcrblQ
その6 http://www.youtube.com/watch?v=zakbLdggenU
その7 http://www.youtube.com/watch?v=ZKScfRRuNsk
その8 http://www.youtube.com/watch?v=t0efc7lssXA
その9 http://www.youtube.com/watch?v=S3C9If_GKPA
辰巳ダム事業認定取り消し訴訟の提訴から1年あまりが過ぎました。
この節目に、ダム計画中止の答申をまとめた淀川水系流域委員会の委員長を務められた宮本博司さんをお招きして、集会を開催します。
辰巳ダム裁判1周年記念集会
『ダムによる治水を超えて』
7月11日(土) 14時~16時
石川県教育会館2階 (香林坊大和ウラ)
特別講演: 宮本博司さん(前淀川水系流域委員会委員長)
弁護団報告: 辰巳ダム裁判の現状と展望
参加費: 500円
主催=辰巳ダム裁判原告団、辰巳ダム裁判を支える会
お誘い合わせのうえご参加ください。
また、下記URLからチラシを取り出せるので、印刷して、あるいはURLをメールで送るなどして、集会告知にご協力ください。
チラシ→ http://nagi.popolo.org/dam/saiban/2_tirasi.pdf
管理者(stoptatsumidam@mail.goo.ne.jp )あてメールで送付先、必要枚数をお知らせいただければ、印刷したものをお送りすることもできます。
4月28日、石川県収用委員会に提出した抗議文は、以下のとおりです。
2009年4月28日
石川県収用委員会御中
辰巳ダム裁判原告団共同代表
碇山 洋
ナ ギ の 会 代 表
渡辺 寛
犀川の河川整備を考える会代表
中登史紀
(いずれも地権者)
結審強行に抗議し審理のやり直しを要求する
4月21日に開かれた県収用委員会の犀川辰巳治水ダム建設事業第1号事件に関する第4回審理において、湯澤邦夫会長は、引き続き意見を述べたいなどの声が地権者から次々とあがるなか、「当収用委員会が裁決をするにあたり必要または参考となる事項について皆様方から意見をお聞きするなどいたしましたので、本日の第4回審議を持ちまして…(中略)…結審することといたしたい」と一方的に宣言し、審理を突然終了した。
「審理」といいながら、委員同士の意見のやりとりは文字通りただの1回もなく、ごく一部の地権者の意見を聞いただけでの結審という暴挙である。
(審理=事実や条理をくわしく取り調べて処理すること;広辞苑)
湯澤会長は、結審してよいかどうか他の委員の意見を聞くこともなく、用意した原稿を読み上げて結審を宣言した。どのような意見陳述があろうとも今回で結審することを前もって決めていたわけで、地権者の意見に真摯に耳を傾け十分な審理を行おうという姿勢をはじめから完全に欠落させた、強権的態度のきわみである。
重大なのは、審理は公開で行われなければならない(土地収用法第62条)にも関わらず、意見書の提出や口頭での意見陳述を受けただけで、第1回から第4回にいたるまで実質的な審理はまったく行われていないことである。(委員同士の意見のやりとりは、文字通り、一度もなかった。)会長が結審を宣言した以上、収用委員会での今後の議論は裁決の会議に移り、実質的な審理はその場で行われることになるはずである。すなわち、本来は公開で行われるべき審理を、実際には、非公開(法66条)の裁決の会議の場で行うということである。
非公開の裁決の会議において実質的な審理を行えば、まさしく密室審理であり、脱法行為そのものである。また、裁決の会議において審理を行わずただちに裁決を行うようなことがあれば、地権者等からの文書・口頭での意見をすべて黙殺することになり、文字通り「はじめに裁決ありき」の審理抜き裁決となる。
いずれの場合も、審理の密室化、形骸化であり、脱法行為というしかない。
このようなことが行われるなら、石川県収用委員会への県民の信頼は地に落ち、土地収用制度ひいては公共事業に対する信頼をもゆるがせることになる。
われわれは、今回の強引な結審に対して厳しく抗議するとともに、結審を取り消し、あらためて審理を再開し、地権者等の意見を十分聴取するとともに実質的な審理を公開の場で堂々と行うことを、湯澤邦夫会長はじめ収用委員会につよく求めるものである。