英語の原題はNow you see me Now you see me (it), now you don't. というのはマジシャンの決まり文句と言われていて 「はい、ありますね? ほら、消えた」のような感じです。 このままではわかりづらいってことでグランド・イリュージョンになったのでしょう。 では実際にグランド・イリュージョンという言葉がセリフ内で出てくるかというと 全然出てこなくて近いのはone giant illusionという言葉が一回。 this grand trickが一回(記憶モード)です。 ただ、これらを字幕でグランド・イリュージョンと表現するなら この映画を象徴する語句として使うことも出来そうです。
The closer you look, the less you see. 何度も表現を変えてセリフに登場しますがこれはまさにその通りですね。 マジックを見せているとお客様から「こんなに近くで見ているのに不思議」と 言われることがあります。けど近づくと見える範囲が狭くなりますから 案外色々なものが見えなくなります。 実際にはその場合、マジックに引っかかりやすいか否かは時と場合に寄りますが、 演じる側としては「当たり」の場所を近くで見られても問題ないような技術と 少し離れて視界を広くとって見られても大丈夫な技術の両方を 身につけていないといけないわけです。
もう一つ、マジックをやっていたら覚えておくと良さそうな言い回しに 劇中でモーガン・フリーマンが言っていた・・・、 彼は私の中では日本のいかりや長介と呼ばれているのですが (二人とも味のある良い役者さんです)、まぁ、それは置いておいて When a magician waves his hand and says "This is where the magic is happening." the real trick is happening somewhere else. という表現。いわゆるミスディレクションの説明です。 何だか、英語でマジックするときに覚えておくと便利そうなどと思いました。 実はこれは(映画内の話でなくて実際の話として)ある瞬間の空間的意味だけでなく、 時間軸上の意味でもそうである場合があります。