竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻15 歌番号1080から1084まで

2024年03月28日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻15
歌番号一〇八〇
原文 満多幾左以尓奈利多万者左利个留止幾加多波良乃
尓与宇己多知曽祢美多末不个之幾奈利个留止幾
美可止於保武佐宇之尓志乃比天多知与利多万部利个留尓
於保武多以女无者奈久天多天万川礼多万日个累
読下 まだ后になりたまはざりける時、かたはらの
女御たち嫉みたまふ気色なりける時、
帝、御曹司に忍びて立ち寄りたまへりけるに、
御対面はなくてたてまつれたまひける

原文 左可乃幾左以
読下 嵯峨后

原文 己止志个之志波之者多天礼与為乃万尓遠計良无川由者以天々波良者无
和歌 ことしけし しはしはたてれ よひのまに おけらむつゆは いててはらはむ
読下 事しげししばしは立てれ宵の間に置けらん露は出でて払はん
解釈 人の嫉妬での噂が激しいので、しばらくの間、御曹司の外で立っていてください、宵の間に置くでしょう露は、皆が寝鎮まるころに、私が御曹司を出てうち払いましょうから。

歌番号一〇八一
原文 以部尓由幾比良乃安曾无万宇天幾多利个留尓川幾乃
於毛之呂加利个留尓左計良奈止多宇部天
満可利多々武止之个留本止尓
読下 家に行平朝臣まうで来たりけるに、月の
おもしろかりけるに、酒らなどたうべて、
まかり立たむとしけるほどに

原文 可八良乃比多利乃於本以万宇知幾三
読下 河原左大臣

原文 帝累従幾遠満左幾乃徒奈尓与利加个天安可寸和可留々飛止遠徒奈可无
和歌 てるつきを まさきのつなに よりかけて あかすわかるる ひとをつなかむ
読下 照る月をまさきの綱に撚りかけてあかず別るる人を繋がん
解釈 照る月を、神祀りの真拆(まさき)の葛(かづら)の綱で撚りかけて引き留め、まだ、飽き足りない宴から罷り帰って行く人を繋ぎ止めたいものです。

歌番号一〇八二
原文 可部之
読下 返し

原文 由幾比良乃安曾无
読下 行平朝臣(在原行平)

原文 可幾利奈幾於毛比乃川奈乃奈久者己曽万佐幾乃加川良与利毛奈也万女
和歌 かきりなき おもひのつなの なくはこそ まさきのかつら よりもなやまめ
読下 限りなき思ひの綱のなくはこそまさきのかづら撚りも悩まめ
解釈 限りなく貴方を思う長い綱が無いからこそ、その長い真拆の葛の綱を撚り作るのが大変でしょう、(でも、末永く貴方を思う私には真拆の葛の綱は不要です。)
注意 清輔集「たち難き思ひの綱につながれて引き返さるることぞかなしき」を引用する。

歌番号一〇八三
原文 与乃奈可遠於毛比宇之天者部利个留己呂
読下 世の中を思ひ憂じて侍りけるころ

原文 奈利比良乃安曾无
読下 業平朝臣(在原業平)

原文 春美和比奴以末者可幾利止也万左止尓徒万幾己留部幾也止毛止女天无
和歌 すみわひぬ いまはかきりと やまさとに つまきこるへき やともとめてむ
読下 住みわびぬ今は限りと山里につま木こるべき宿求めてん
解釈 この世に住むのが嫌となった、今はもうこれまでと、山里に薪を伐る、その言葉のような、妻と籠るような宿を探したいものです。

歌番号一〇八四
原文 和礼遠志利可本尓奈以比曽止於无奈乃以比天者部利
个留可部之己止尓
読下 我を知り顔にな言ひそ、と女の言ひて侍り
ける返事に

原文 美川祢
読下 みつね(凡河内躬恒)

原文 安志比幾乃也万尓於比多留志良加之乃志良之奈飛止遠久知幾奈利止毛
和歌 あしひきの やまにおひたる しらかしの しらしなひとを くちきなりとも
読下 あしひきの山に生ひたる白樫の知らじな人を朽ち木なりとも
解釈 葦や檜の生える山に生えた白樫、その言葉の響きではありマシンが、貴女は知らないようですね、私が朽ち木、その言葉の響きのような、馬の口に木を噛ませる、その口木のように口が堅いと男とは。

コメント
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