日本の風景 世界の風景

日本と世界各地の景観を、見直します。タイトルをクリックすると、目次(1)(2)(3)になります。

日本の風景 世界の風景(目次1)

2010-02-20 | 貧困の起源
貧困の起源
りんごの高級品指向 大根の有機栽培 葉たばこの等級審査 高級肉牛のブランド化 
出稼ぎの終わり 道の駅の終着駅 禁煙

日本の風景 世界の風景(目次2)

2010-02-20 | 世界地理
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2009年を考える
松島の世界遺産申請
岩手・宮城内陸地震から1年
異説四川大地震
巣鴨のソーラー発電

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山形県から、世界を考える
山居倉庫(山形県酒田市)で、世界の食料を考える
世界遺産指定をねらう高麗館で、平泉の世界遺産登録失敗を考える

新庄市
新庄市は限界都市
新庄市の財政危機と米価
新庄デスティネーション
新庄とジャスコ
新庄市の債務30%超過の危機
新庄市のこれから

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日本の神様&仏様
大地 アダムとイブ おしん さざれ石 おひなさま 羽根谷 大船観音 三越天女像 浅草阿弥陀如来 長野如是姫 伊達政宗 大望の像 魂石 平和の詩 考える人 百尺観音 母の像 仙台観音 善光寺 鎌倉の大仏 伊能忠敬 二宮金次郎


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三富新田(さんとめしんでん)
下富新田の開発 三富新田 下富新田の景観破壊

百瀬川扇状地 
滋賀県百瀬川扇状地の概要 扇頂の水門 水無川の水 水無川の堰 扇央のサル 扇央の宅地 扇央の森林 扇央の水田 扇端の井戸 扇端の泉 扇端集落 天井川と百瀬川トンネル ■天井川の終点 ■天井川解消の落差工 遊水池工事は難航  琵琶湖今津浜  JR湖西線

養老山地の扇状地 
岐阜県小倉谷 扇状地の説明 ■扇状地の整備改修 
小倉谷の扇頂 小倉谷の扇央 小倉谷の扇端 ■小倉谷は津屋川と合流 小倉谷は濃尾平野には流れない 
石津の扇状地 盤若谷の扇状地 ■羽根谷の扇状地

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日本の風景、世界の風景(目次3)

2010-02-20 | 世界地理
建築
岩出山中学校「風の翼」 白石市体育館&音楽ホール
番外
デジタルTV故障 中越沖地震 ます寿司 巨神に大仏 総理乱心 座礁船 ■大和郡山市の金魚養殖 稗田と若槻の環濠集落
金沢市
中六商店 塔島糸店 黒田香舗 ウメサ食品 石黒薬局 近江市場 金沢城再建 兼六園 APA金沢駅前ホテル 
東京
皇居 神田川の釣り船 靖国神社 新宿高野フルーツ 日本橋川に青空を 秋葉原 上野でアルミ取引 西郷隆盛像 年末ジャンボ宝くじ 表参道のブランド品を軽井沢で買う 新宿アルタ 東京駅の「金の鈴」 新東京タワー ■浅草
エネルギー 
紙がなくなる 南極の寒冷化 東京電力刈羽原発 東通原発 秋田空港跡風力発電
ウィンドファーム立川  
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ヨーロッパ
アイスランド アイルランド アルバニア アンドラ イギリス イタリア ウクライナ オーストリア オランダ ギリシャ クロアチア サンマリノ スイス スウェーデン スペイン スロバキア スロベニア チェコ ■デンマーク
バルト3国
エストニア ラトビア リトアニア




鳩山友愛サブレー630円

2010-02-07 | 世界地理
鳩山民衆サブレーが商品タイトルだが、鳩山友愛サブレーが良いと思うが。




かつて、こんな土産品もあった。短命の内閣だった。


飲食店の禁煙

2010-01-04 | 貧困の起源
「喫茶店」というのは、たばこを吸いながら、お茶を飲み、人生の至福の時を味わう店である。
飲食店組合長と市長の連名で、「飲食業店舗内における禁煙について」という法的根拠の希薄な文書が当店に届いた。当店にPTA婦人部の喫煙撲滅隊が再三出撃し、理不尽にも、喫煙客の来場を妨害した。予想どおり半年で倒産した。
生活のため、酒類提供業者つまり「飲み屋」の許可を得た。「飲み屋」は喫煙が自由である。店の入口にはビールと徳利を並べたが、店の中には酒は置かず、喫煙自由の「コーヒー飲み屋」として、限りなく喫茶店に近い店を再開できた。

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外来資本の軽食喫茶店は、飲食店組合に加盟せず、喫煙客を多数集めて商売繁盛となった。
喫煙は健康に悪いのは一面の真実である。しかし、喫煙によってストレスを解消して病気にかからず、健康を維持している、たばこ好きがいるのも真実である。

たばこを吸いたい者は吸えばいいのである。それで爽快な気分になれば、たばこのプラスの効果が作用していると思う。
たばこをいくら吸ってもまずくて、気持ちが晴れないならば、たばこをやめればよい。たばこをやめて爽快な気分になれば、たばこはマイナスの作用をしていたことになる。

喫煙者は肺ガンにかかりやすいそうである。肺ガン患者の2~3割は喫煙が原因であることは明白である。あとの7~8割は、喫煙と無関係である。
喫煙者は、肺ガン以外のガンにもかかりやすいそうだが、80歳、90歳になった老人にまで、禁煙を強制することはないと思う。生きている楽しみがなくなる。

喫煙も禁煙も個人の自由である。
外来資本が、広い店である利点を生かし、喫煙者と禁煙者の分煙を可能にしたのは、うらやましい限りである。これからの飲食業の進むべき道であろう。

道の駅は赤字駅

2009-12-31 | 貧困の起源
市場で規格外となる野菜・果実が、「道の駅」では新鮮かつ有機野菜のイメージがあり、高値で大量に売れる。
道の駅での売値は、生産農家の談合による統一価格である。商品ケースの設置場所、商品の色・形の良いのが売れ、そうでない商品は売れない。




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道の駅は赤字経営
道の駅は、休憩所、トイレ、産地直売所を核とし、主要道路沿線に建設された。
1991年に「道の駅」が岐阜・山口に実験的にスタート、1993年から本格的開始となった。2009年末には日本各地の主要道路沿いに約1000か所つくられた。

その運営は
(1)自治体が設立した第3セクターに運営実務を任せ、自治体が赤字を補填している。運営主体の第3セクターには経営責任がない。そのため、売上の向上や、経費の削減努力などの経営意識が乏しくなり、赤字は増加する。

(2)運営主体の自治体あるいは第3セクターが、営業を民間会社に委託し、運営や売上の実務は委託先企業が行う。
自治体・第3セクターには一定の賃貸料収入がある。しかし、収益管理は委託先であるため、その金額は少ない。実質的運営にあたる民間企業のメリットが大きい。民間還元型の運営となる。

(3)自治体が第3セクターに管理運営を全面委託し、自治体は資本的な事業投資、経営に係わる助言・助成を行い、株主的立場に徹する。
運営主体は営業収支、販売促進、コスト管理面等の全てに経営責任を負っているため、民間企業としての営利優先の考えに徹した営業努力が求められる。

道の駅は、建設当初は、地元農産物の売り上げが好調であり、日本の農業の救世主となるかのように喧伝された。
しかし、運営主体はどうであれ、農産物は同一時期に収穫が集中するものであり、同一種類の農産物が道の駅に積み上げられる。

農産物の種類が乏しく、しかも高い価格では売れない。
そこで、客の要望に応える形で、他産地の農産物を早生種として売ったり、スーパーマーケットから買い入れて売ったりする。
値段も安くはできない。それで2度とは来ない観光客に、高く売る。

モラルハザードは一人二人にとどまらない。
大束200円のほうれん草をは、虫食いがひどくてほとんど食べられないのを、見えないように中にしばって売る。
昨日の売れ残りの手製パンの日付を書き換える。
閉店間の、手垢にまみれた、売れ残り商品を売っている。しかも定価で。
こんな商売では商店は倒産する。しかし、道の駅は存在する。

農家は、道の駅は自己資本をつぎ込んでいないから、店が潰れても痛みを感じない。そして、観光客は2度とは来ないから、何でもできるのである。
道の駅の運営者は、観光客の口コミの怖さを知っていない。

道の駅は、大都市にあった産地直売所が、数年で潰れたのと同じ経過をたどっている。初心に戻ってよい商品を売ることは、ごまかしのうまみを知った者には、無理なのであろう。
農産物は道の駅の外側駐車場のテント、店の中は農家の古民具展示場になる日は、遠くない。

道の駅が赤字経営に陥っても、道路付帯施設として、最終的に自治体の補助金によってカバーされる。事実、そうだから、道の駅は倒産せず、いつまでも赤字経営が続いているのである。




葉たばこの等級審査

2009-11-27 | 貧困の起源
葉たばこ収納価格は専売公社の等級審査で決定された。
前夜、審査官を旅館から料理屋に連れ出し、酒を飲み、多少のカネを渡した。
効果テキメンで、ともに飲み食いした者の葉たばこは1等か2等。
しかし、審査官がクルマで審査当日に来る時代になると、4等5等の捨て値ばかり。
葉たばこ栽培から酪農に、一斉転換が進んだ。



葉たばこは日本専売公社(現在のJT)の完全統制品であった。
契約農家にだけ種子が渡され、栽培途中で抜き打ち検査があった。農家は葉数の増えるたびに、栽培本数と葉数を数え、畑の端に表示しておかなくてはならなかった。
12月~2月の指定日に、葉たばこ全部を専売公社に収納したが、この時の等級審査により、葉たばこ農家の現金収入が大きく変化した。
葉たばこ農家は、葉たばこ耕作組合に加入していた。等級審査時の贈収賄工作は組合総ぐるみとして露見した場合、大事件になり、もみ消しは困難であった。そのため、いくつかの有力農家が、毎年、審査官に金品を送った。
しかし、実は審査官は受け取った金品を、葉たばこ耕作組合あてに返していた。組合幹部がそれを農家には返さず、横取りした例が多かった。噂になっても、証拠の残ることではなかった。

1949年の日本専売公社の設立時から、60年代の葉たばこ耕作組合に疑惑の目が向けられたものだが、政治家-葉たばこ耕作組合-専売公社の結びつきは強固であり、1985年の日本専売公社の民営化まで続いた。
特に1960年代は、葉たばこ農家の収納価格の不明朗な問題、政治家の圧力による葉たばこ農家の増加と生産過剰など、信じたくない話がどこからも聞こえてきた。

松川葉とか東山葉は、キセル(煙管)たばこ煙管たばこ「ききょう」の原料として、葉を密着して切り刻むことができるように、収納直前には一枚一枚の葉を、手でのして、しわを完全になくさなくてはならなかった。早朝から深夜まで、家族総出の単純な、重労働であった。手の指からは指紋も掌紋も消え、葉たばこのヤニが染みこんだ。
たばこ製造工程で切り刻んでしまうのに、葉一枚ずつをのすことを強制し、しかも、のし具合を等級審査基準とする、専売公社の姿勢に批判が強まった。
1979年、専売公社は煙管たばこ「ききょう」の製造販売をやめ、中国からの輸入販売に変更した。しかし、中国産煙管たばこは「ききょう」の香りと味の良さには及ばなかった。
1985年に「ききょう」の後継たばことして「小粋(こいき」の製造販売を開始した。「小粋」用の松川種・だるま種などの栽培農家には機械化を支援したり、等級間の価格格差を縮小したりした。民営化とともに、栽培農家への高圧的姿勢は消えた。

たばこ1箱300円を500円に値上げするらしい。2兆円の増税となる。たばこ購入者が減ると、2兆円の税収増とはならない。
たばこの需要が減ると、葉たばこ生産農家が、JTから栽培契約の打ち切りか、購入価格の引き下げを要求されると、政府から葉たばこ栽培農家に補償金が支払われることになるだろう。

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昭和57年度 日本専売公社検査結果(会計検査院)

結論:国内産葉たばこについて過剰在庫386,925t(昭和57年度末)の解消

日本専売公社における国内産葉たばこの在庫量は、標準在庫量24箇月分に対して37箇月分となっていて13箇月分過剰になっており、このため年間に固定することとなる資金を計算すると約2840億円となる。 そして、在庫量の中には品質の劣っているものが多量に含まれている。
日本専売公社では、国内産葉たばこの過剰在庫の解消を図るため、廃減作による生産調整を行うこととしたが期待どおりの進展をみせず、また、品質の劣っている葉たばこについてまで買入れを余儀なくされているため原料の効率的な使用を妨げる要因となっている。
このような事態は、日本専売公社の資金を固定するばかりでなく多額の経費を負担することとなるので、過剰在庫を解消すべく各般の対策を講ずる要がある。
過剰在庫の問題に関し、昭和58年11月29日、日本専売公社総裁に対して意見を表示した。その全文は以下のとおりである。


国内産葉たばこの在庫量について
貴公社では、製造たばこの主要原料である国内産葉たばこについては、たばこ専売法(昭和24年法律第111号)の規定により、貴公社の許可を受けた耕作者から、廃棄するものを除き、収穫したすべての葉たばこを収納することとなっているが、その在庫量は昭和57年度末において使用量の37箇月分に当たる386,925tとなっている。
しかして、貴公社では葉たばこが原料として使用されるまでに要する2年間程度の熟成期間等を考慮してその標準在庫量を24箇月分と定めているが、52年度末における国内産葉たばこの在庫量がこれを上回る30箇月分となっていたことなどから、昭和52年度決算検査報告において特に掲記を要すると認めた事項として掲記したところであり、これに対して、貴公社においては、過剰在庫の解消策として葉たばこの生産調整等を図ってきているほか、葉たばこの品質向上を図るため各種の措置を実施してきているが、その後の生産調整等の実施状況について調査したところ、次のような事態が見受けられた。

1 生産調整について
貴公社では、国内産葉たばこの過剰在庫の解消を図るため、その基本的手段として極力廃減作による生産調整を行うこととしたが、たばこ耕作農家に対する配慮等から急激な対策を採り得ないまま、53年から56年までの間に5,530haの自然廃減作による生産調整を行うにとどまり、その結果、耕作面積は64,550haら59,020haになっていた。
57年においては、生産調整を更に促進するため、廃減作するたばこ耕作者43,027名に対し、1a当たり15,000円の臨時葉たばこ生産調整奨励金72億円(交付対象面積4,799ha)を交付するなどして4,943haの廃減作を行い、耕作面積を54,077haとした。しかし、この面積では年間の葉たばこ使用量に見合った生産量となるにとどまり、過剰在庫の減少には寄与しないものとなっている。 しかも、この面積は59年まで固定させることになっているため、この間、自然廃減作が生じてもその分を他の耕作者に増反させることとしており、過剰在庫の解消のための生産調整が期待できない状況となっている。

2 用途区分葉について
貴公社では、耕作者が収穫した葉たばこを、品質等級にかかわりなく、使用不能と判断したもの以外は全量買い入れることになっている。この中には、品質の特に劣ったもの(用途区分葉)が含まれている。
製造たばこの高級化、多様化の傾向が強まってきているため、用途区分葉は、使用することに制約がある。それにもかかわらず、正常葉として買い入れている。用途区分葉は、その使用量を上回る収納量になって、52年度末在庫量の16,980t、57年度末においては105,576t、つまり国内産葉たばこ在庫量の27%を占めるる。
用途区区分葉の在庫量は58年度の使用計画からは、40箇月分の在庫が生じる。このような事態により、貴公社の葉たばこ全部の57年度末在庫量は386,925tで、標準在庫量24箇月分を13箇月分上回り、37箇月分となっている。552年度に比べ過剰在庫の事態は依然として解消されず、。むしろ増える状況となっている。さらに用途区分葉も、毎年増加している状況である。
葉たばこ全部の過剰在庫となっている分は約2840億円相等であり、また、保管寄託料相当額は約30億円と多額に上っている。
このような事態を生じているのは、たばこ耕作農家の経営に与える影響を考慮して積極的な生産調整を講じなかったこと、用途区分葉の発生の抑制が十分でなかったこと、製造たばこの輸出についての努力が十分でなかったことなどによるものである。
ついては、製造たばこの売行きの停滞や、たばこの喫味上外国産葉たばこをある程度使用せざるを得ないことなど種々の困難な事情はあるにしても、過剰在庫を解消すべく各般の対策を講ずる要があると認められる。

会計検査院法第36条の規定により、上記の意見を表示する。






ブランド牛の限界

2009-11-26 | 貧困の起源
肉牛1頭を2年肥育して、300万~500万円で売れた。個別出荷で儲け、産地のブランド化を怠った。
BSE問題以降、非ブランド肉牛は1頭100万円以下の安値安定、1頭200万円以上の赤字となった。
肉牛は畑の堆肥つくりのため1頭だけ残し、あとは投げ売り。



高級ブランド牛肉の例
牛肉生産農家は単独では肉牛給量が不足し、商品的流通は不可能である。ブランド牛肉の指定を受けることはできない。
生産者組合をつくると、ブランド牛肉としての生産出荷が簡単である。組合規約には肥育方法が細かに書いてあるが、どんな肥育をしても、そしてブランド牛肉でなくても、おいしい部位の肉はおいしい。

三重県の高級ブランド牛肉(松阪周辺がブランド牛生産地域)
松阪牛   黒毛和牛 松阪牛協会
伊賀牛   黒毛和牛 伊賀牛生産協議会
鈴鹿山麓牛 黒毛和牛 一本松畜産組合
北伊勢和牛 黒毛和牛 宇賀新田肉牛組合

岩手県の高級ブランド牛肉(岩手県のほぼ全域がブランド牛生産地)
前沢牛    黒毛和牛  前沢牛協会
岩泉短角牛  日本短角牛 株式会社岩泉産業開発
山形村短角牛 日本短角牛 久慈農協短角牛肥育部会
江刺牛    黒毛和牛  江刺農協(奥州市)
岩手奥州牛  黒毛和牛  いわて奥州牛協会
キロサ牧場牛 交雑種   キロサ肉畜生産センター(岩手町)
いわて牛   黒毛和牛  いわて牛普及推進協議会
岩手短角和牛 日本短角牛 いわて牛普及推進協議会
岩手しわ牛  黒毛和牛  岩手中央農業協同組合肉牛専門部会
岩手東和牛  黒毛和牛  花巻農協東和支部
岩手北上牛  黒毛和牛  花巻農協

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肉牛肥育コストはなぜ高い
仔牛1頭の価格100万円以上
松阪牛や近江牛のような高級ブランド牛肉を肥育する農家は、仔牛産地の繁殖牛専門農家から、生後1年目の血統の優れた仔牛を買い入れる。仔牛の価格は100万円~200万円。他のブランド牛肉産地の、仔牛仕入れ値は30万円~50万円。

飼料(えさ)は1年1頭50万円以上
高級ブランド牛肉の飼料(えさ)は、生育段階で配合が微妙に変わる。各生産農家の秘密でもある。量的にも季節的にも、日本国内産の大豆・とうもろこし・牧草などは不適当であり、アメリカなどから輸入した飼料を与える。2年の肥育で100万円はかかる。労賃も含めると、1頭500万円が最低希望価格になる。
低価格ブランド牛肉は、仔牛30~50万円。飼料は価格第1に選び、自家製の飼料も与えるので、2年の肥育で50万円。1頭100万円が赤字・黒字の分岐点である。労賃を入れると、1頭200万円が最低希望価格。

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ジャスコグループのオーストラリア輸入牛肉
イオン(株) 2004年1月8日


「トップバリュ グリーンアイ タスマニアビーフ」緊急大放出!!
これからも、安心でおいしい牛肉をお届けしてまいります

イオン株式会社は、タスマニア島(オーストラリア)のイオン直営牧場より牛肉を緊急輸入し、1月10日(土)より7日間、「トップバリュ グリーンアイ タスマニアビーフ」拡販キャンペーンを実施いたしますのでご案内申し上げます。

当社は、米国でBSE感染牛が見つかったことを受け、国内産牛肉やプライベートブランド(PB)「トップバリュ グリーンアイ タスマニアビーフ」の販売に力を入れてまいりましたが、米国産牛肉の輸入停止措置に伴う牛肉の供給や価格に対するお客さまのご不安を少しでも解消し、「トップバリュ グリーンアイ タスマニアビーフ」の品質とおいしさをより多くのお客さまに知っていただこうと、今回、通常の2倍にあたる100トンを緊急輸入し、これまでと変わらないお値打ち価格にて販売してまいります。

オーストラリアのタスマニア島にあるイオン直営牧場では、成長ホルモン剤・抗生物質および肉骨粉・遺伝子組換え飼料を一切使用せずに肉牛を肥育し、オーストラリア・タスマニア州政府がそれを証明しています。また「トップバリュ グリーンアイ タスマニアビーフ」は、自然の穀物を与え、通常の輸入牛肉の約1.5倍にあたる200日間以上という長期穀物肥育を行い、柔らかい肉質とおいしさを追求した商品です。その品種は、日本人好みの霜降り牛になりやすいブラックアンガス種の血統を受け継いでいます。

当社は、イオン直営牧場内での各工程の安全管理と品質管理について、国際レベルの自主基準を設定し遵守することで、「トップバリュ グリーンアイ タスマニアビーフ」の素牛農家とイオン直営牧場を対象に、このほど第三者認証を取得いたしました。この取り組みは、2002年6月より導入している「SQF2000」という第三者認証システムを用い、安全と品質が確保されていることを、第三者機関に認証いただいたものです。

なお、当社は、イオンの自主基準に基づき、米国産牛肉の販売、およびPB「トップバリュ」における牛由来成分の使用を見合わせております。また、輸入牛肉のセーフガードが発動された昨年8月以降も、「トップバリュ グリーンアイ タスマニアビーフ」の店頭価格を据え置いております。当社は、今後もお客さまに、安心でおいしい牛肉をお届けしてまいります。

   記

1. 実施期間 2004年1月10日(土)から1月16日(金)
2. 実施店舗 イオン(株)直営「ジャスコ」「マックスバリュ」等331店舗
3. 取扱い商品例
   ヒレステーキ用 100g  398円
   ロースステーキ用 100g 398円
   ももひとくちステーキ用 100g 248円
   ももかた切りおとし 100g 198円
4. 売上目標 2億円

出稼ぎの終わり

2009-11-26 | 貧困の起源
20世紀の出稼ぎ労働者は、21世紀には期間工と呼ばれる。
2008年の金融危機が「世界のトヨタ」を襲撃、会社は期間工を真っ先にクビにした。
自動車産業のクビ切りが急であり、次の職場がない。
寮も追い出され、田舎に帰らなくてはならないが、農家の主人・跡取りはまだまし。
2男3男になると親元に帰省しても、完全な邪魔物扱いである。家を飛び出て、次は大都会のホームレスである。

 
     (金ヶ崎。トヨタ組立工場)


失業保険法(1947年制定)が生きていた時代
半年間出稼ぎに行き、残り半年を失業保険金で生活のできた時代である。
半年を都会の自動車工場や土木建築現場の出稼ぎに行き、残り半年は故郷に戻って失業保険金で生活することができた。厳密には、故郷で野良仕事をすることは失業状態ではないので、失業保険を受給する資格はないのだが、誰もそんな違法状態をとがめる者はいない。
農業の赤字を、出稼ぎと失業保険金で補填するのである。出稼ぎ農家は、みかけ上、裕福な生活ができた。
耕耘機、田植機、稲刈り機のような農機具を買い、さらにTV、冷蔵庫、洗濯機も買うことができた。さらにはハワイに優雅な旅行を楽しむ出稼ぎ家族もいた。
出稼ぎで成り立つ農業とは、経済学的には破綻した産業である。そして、家庭の破綻に至る出稼ぎ農家も少なくはなかった。

雇用保険法(1974年制定)の時代
6か月以上出稼ぎを続けないと、失業保険金をもらうことができなかった。
農繁期に農業、農閑期に出稼ぎという生活パターンは成り立たなくなった。
農繁期の、それも非常に忙しい時だけ農村に戻り、1年の大半は出稼ぎ、という通年出稼ぎが多くなり、農村社会には老人子どもだけが残されて、農村社会は崩壊した。
農村社会再建のため、出稼ぎ者には「出稼ぎ手帳」が交付された。通年出稼ぎをせず、半年の出稼ぎをくり返す者に交付された。出稼ぎの終わった時点で、失業保険は支給されないが、一時金として50日分の「短期雇用特例特例被保険者特例一時金」を支給される。半年間、1日1万円の出稼ぎをしていれば、50万円を手にできるのである。つまり、6か月の出稼ぎで、8か月の賃金を得るシステムである。
しかし、失業保険法時代のように、6か月の出稼ぎで12か月の賃金を得る制度と比較すると、法的には合理的になったとしても、明らかに出稼ぎ労働者いじめである。

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日本の農業政策の基本は、文字通り「農業基本法」(1961)にある。法律そのものは変更・廃止されたが、その基本は生きている。
出稼ぎあるいは兼業に依存する小規模農業をやめ、アメリカ型の大規模専業農家による農業への転換である。
出稼ぎで農家の生計が成り立つのは、産業としての農業ではない。そんな農業は盆栽や市民農園レベルの、趣味の農業なのである。

政策的に農業を保護するのであれば、かつてのEUのように、農業を環境保護の手段と位置づけ、農家には環境保護費用を支出する以外はないであろう。
農業生産者の組織化は人民公社のような、生産力低下につながるであろう。
法人の農業進出は、利益の最大になる農業のみに特化し、農業の多様性は失われるであろう。
農業を自立させるのであれば、かつての食糧管理制度のような、農産物の高価格維持政策による、農家の所得保障も考えられる。しかし、食糧管理特別会計の再現など、財政難の政府ではできない。

出稼ぎ(期間工)は月収30万円の時代から、20万円の時代になっている。
10万円の経費節減は、1千人の出稼ぎ労働者を使う工場では年間120億円の人件費の節減になる。
さらに、本社・地方の営業正社員を呼び集めて、出稼ぎ労働者の単純労働をさせる具体的計画が、どの大企業でも進行している。
給料分を稼げない営業マンの、一方通行の転勤がすぐ目前にせまっている。
農業労働者の「出稼ぎ」という労働形態は、消滅寸前である。



大根の有機栽培農業

2009-11-25 | 貧困の起源
農村後継者有志が有機農業組合を結成、大根の有機栽培を始めた。
無肥料・無農薬の有機栽培では、長さ20cmの奇形大根ばかり。当然、全く売れなかった。
肥料・農薬を使っても「有機栽培」であると、組合を解散してから知らされた。




有機農産物の日本農林規格(平成12年制定。平成21年最終改正)

有機農産物の定義(第2条)
(1)農業の自然循環機能の維持増進を図るため、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させるとともに、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用した圃場において生産すること。
(2)採取場において、採取場の生態系の維持に支障を生じない方法により採取すること。


有機農産物に使用禁止にならない肥料・農薬など(第3条。別表1、別表2)

別表1(使用できる肥料及び土壌改良資材。一部省略)
植物及びその残渣由来の資材
発酵、乾燥または焼成した排泄物由来の資材
食品工場及び繊維工場からの農畜産物由来の資材(化学的処理を行わない資材)
屠畜場または水産加工場からの動物性産品由来の資材
発酵した食品廃棄物由来の資材
バーク堆肥
グアノ
乾燥藻およびその粉末
草木灰(天然物質に由来し、化学的処理を行わない資材)
炭酸カルシウム
塩化カリ
硫酸カリ
塩化ナトリウム
食酢
乳酸

別表2(使用できる農薬。一部省略)
除虫菊乳剤(除虫菊抽出のピレトリン乳剤も可)
なたね乳化剤
マシン油
澱粉水和剤
脂肪酸グリセリド乳剤
硫黄燻煙剤
水和硫黄剤
石灰硫黄合剤
シイタケ菌糸体抽出物液剤
炭酸水素ナトリウム水溶液(重曹炭酸水素ナトリウム・銅水和剤も可)
硫酸銅(ボルドー剤調整用に限る)
生石灰(ボルドー剤調整用に限る)
天敵生物農薬性フェロモン剤
クロレラ抽出物液剤
ワックス水和剤
食酢
炭酸水素カリウム水溶液

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野菜は収穫時期が全国ほぼ同一だから、出荷量が増えると、価格が暴落する。主産地が台風に襲われ、収穫業が激減しない限り、野菜は価格が暴落することは宿命である。
有機栽培のダイコンも、市場流通外であっても、値下がりする。無肥料・無農薬の本格的有機栽培の野菜は、ダイコンの形・色・大きさなど、外見が悪く、さらに値下がりする。
本当の有機ダイコンを安定的に出荷することは、非常に困難である。有機農業に成功した農業グループは、日本農業大賞や朝日農業賞をもらっても、数年後には消滅しているのが現実である。
次は数年前の新聞記事だが、今でもくり返される話。
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大根1万トンを出荷制限

農林水産省は2006年10月21日、ダイコンの市場流通量が増加し、卸売価格が下落しているため、需給調整として東北、関東、近畿、九州の産地で計11,605トンを処分すると発表した。
好天で生育が進み出荷量が集中しているほか、気温が高めで推移し、鍋物などの需要が低迷していることが安値の原因とみている。さらに、11月下旬には茨城県でハクサイを8830トン、千葉、熊本、青森、福島、山口、兵庫の各県でダイコンを計2775トン処分し、出荷量を制限する。

東京都中央卸売市場の2006年10月20日の卸売価格は、ハクサイが1kg当たり29円で、平年(最近5年間の11月の平均)と比べ約37%安、ダイコンは42円と約41%安だった。8800トンのハクサイの処分を決めた全国農業協同組合連合会(全農)茨城県本部では、
「適度な価格で安定供給していくためのやむを得ない措置。価格浮揚につながってほしい」
と話している。なお需給調整を実施した農家には、交付金が支払われる。

(四国新聞 2006/11/21)