こんな記事で検証されていた.
プロ野球・検証2007年 テレビ視聴率.
http://www.sankei-kansai.com/04_sports/spo120903.htm
TVで野球の情報を隔離するようになって2年.昨年1年野球から離れて今年は触れる気さえ起きなかったので現状に疎くなっていた.疎くなった情報を補完するには非常によい記事だった.
まず大前提として「巨人が優勝しても視聴率は上がらなかった」という事実がある.よくTVで聞いた「巨人が優勝すれば野球人気が復活する」という言葉は見事に外れたようだ.
ただ地元球団がある地域では野球人気はまだあるそうだ.しかし巨人戦の差し替え放送ができないため放送できず,更には差し替えても赤字.踏んだり蹴ったりだ.それに加え,球団の無い地域では野球人気が完全に下火になっているとある.
この2年でそこまで野球を取り巻く事態は一気に悪化したようだ.
「地元で人気があるならば何とでもなるじゃないか?」と思うだろう.しかしプロ野球はそう甘くない.近鉄が潰れたときに「選手の年俸を0にしても数億(数十億?)の赤字」と報道されていた.つまり運営にかかる経費が半端じゃないのだ.
だからこそプロ野球組織はプロ野球中継の広告価値を破格の1試合1億円という価値を保ち,TV中継スポンサーから多くの収入を得る必要があるのだ.
しかしその価値が無くなってしまった以上,節約する以外に球団を運営する手段は無い.試合数が変わらない以上,減らすことができるのが人件費.つまり選手の年俸だ.
もし国内だけであれば各球団オーナーが談合して給料を下げれば良かったのだが,MLBという日本の2流選手にアホみたいな年俸を出す団体がいるので,そんなに安くもできない.今でさえあれだけ引き抜かれているのだから.
すると人気の低いチームの選択肢は「経費節減弱小球団」か「赤字強豪球団」しかなくなる.人気の無いチームが下位に沈んでいるのを見ると,前者が選択されているのだろう.
弱小球団ができるだけならまだマシだ.ただTV中継減による影響は直接の収入減だけでなく間接的にも影響する.野球の広告価値が下がれば,その価値を見込んで球団名をつけている親会社にとっても球団保持の価値がなくなる.つまり「身売り」へつながる.
悲しいことに落ち目で,しかも赤字体質のものに投資するような物好きはそうそういない.つまりその先に待つのは「身売り」でなく「消滅」となる.
これまでにも何度も書いたが,プロ野球の人気というのはいまだに日本では圧倒的に高い.だから今すべきことはプレーオフなどで無理矢理TVでの露出を増やしたりすることでなく,今の人気を保ちながら新たなファンを獲得する地道な活動を続け,その間に現在の赤字体質や野球組織の改革を行うことだ.
しかし改革元年以降一向に進まない改革は,年を追うたびにその改革という言葉への期待をなくし,今では改革という言葉さえ聞こえなくなった.各球団の人気獲得策は,何も変わらない状況の中で苦し紛れにあれこれやっているようにしか見えない.
こんなことを書いておいてなんだが,もう手遅れだと思う.それはお友達だったはずのこういったメディアからこういう記事が出てくることが象徴しているように思う.少なくとも2年前の関西のメディアからこんな記事は出てこなかっただろう.
のんきに年俸吊り上げをしている選手の姿は球団からは悪魔にしか見えないだろう.
プロ野球・検証2007年 テレビ視聴率.
http://www.sankei-kansai.com/04_sports/spo120903.htm
TVで野球の情報を隔離するようになって2年.昨年1年野球から離れて今年は触れる気さえ起きなかったので現状に疎くなっていた.疎くなった情報を補完するには非常によい記事だった.
まず大前提として「巨人が優勝しても視聴率は上がらなかった」という事実がある.よくTVで聞いた「巨人が優勝すれば野球人気が復活する」という言葉は見事に外れたようだ.
ただ地元球団がある地域では野球人気はまだあるそうだ.しかし巨人戦の差し替え放送ができないため放送できず,更には差し替えても赤字.踏んだり蹴ったりだ.それに加え,球団の無い地域では野球人気が完全に下火になっているとある.
この2年でそこまで野球を取り巻く事態は一気に悪化したようだ.
「地元で人気があるならば何とでもなるじゃないか?」と思うだろう.しかしプロ野球はそう甘くない.近鉄が潰れたときに「選手の年俸を0にしても数億(数十億?)の赤字」と報道されていた.つまり運営にかかる経費が半端じゃないのだ.
だからこそプロ野球組織はプロ野球中継の広告価値を破格の1試合1億円という価値を保ち,TV中継スポンサーから多くの収入を得る必要があるのだ.
しかしその価値が無くなってしまった以上,節約する以外に球団を運営する手段は無い.試合数が変わらない以上,減らすことができるのが人件費.つまり選手の年俸だ.
もし国内だけであれば各球団オーナーが談合して給料を下げれば良かったのだが,MLBという日本の2流選手にアホみたいな年俸を出す団体がいるので,そんなに安くもできない.今でさえあれだけ引き抜かれているのだから.
すると人気の低いチームの選択肢は「経費節減弱小球団」か「赤字強豪球団」しかなくなる.人気の無いチームが下位に沈んでいるのを見ると,前者が選択されているのだろう.
弱小球団ができるだけならまだマシだ.ただTV中継減による影響は直接の収入減だけでなく間接的にも影響する.野球の広告価値が下がれば,その価値を見込んで球団名をつけている親会社にとっても球団保持の価値がなくなる.つまり「身売り」へつながる.
悲しいことに落ち目で,しかも赤字体質のものに投資するような物好きはそうそういない.つまりその先に待つのは「身売り」でなく「消滅」となる.
これまでにも何度も書いたが,プロ野球の人気というのはいまだに日本では圧倒的に高い.だから今すべきことはプレーオフなどで無理矢理TVでの露出を増やしたりすることでなく,今の人気を保ちながら新たなファンを獲得する地道な活動を続け,その間に現在の赤字体質や野球組織の改革を行うことだ.
しかし改革元年以降一向に進まない改革は,年を追うたびにその改革という言葉への期待をなくし,今では改革という言葉さえ聞こえなくなった.各球団の人気獲得策は,何も変わらない状況の中で苦し紛れにあれこれやっているようにしか見えない.
こんなことを書いておいてなんだが,もう手遅れだと思う.それはお友達だったはずのこういったメディアからこういう記事が出てくることが象徴しているように思う.少なくとも2年前の関西のメディアからこんな記事は出てこなかっただろう.
のんきに年俸吊り上げをしている選手の姿は球団からは悪魔にしか見えないだろう.