燕のため風花のため

短歌や文化のみち二葉館(名古屋市旧川上貞奴邸)の文学ボランティア活動(春日井建の蔵書整理)を紹介します

ボランティア集会

2023-06-11 | 文学ボランティア・メモランダム
コロナ渦で、長らく中止になっていた、年一回のボランティア集会が久々に開かれた。
登録をして、活動しているボランティアが一堂に集まった。
ときどきお目にかかっていた方もいらっしゃったが、ほとんどは4年ぶり。
皆さん、お元気なご様子で、うれしく思う。

ボランティアの際の注意事項などの説明のあと、
質問時間になると、つぎつぎと質問されて、熱心な様子も昔と同じで、
あらためて、私もまた一生懸命にやりたいなという気持ちにさせられた。

そのあとは、皆さんとゆっくり館内を観てまわった。
いつも一緒に活動をしているSさんと観ながら、あれこれと話がはずむ。
貞奴さんをモデルにして、朝ドラとか無理かなと、言ってみたり。

こうやって少しずつ日常が戻ってくるのを実感できた一日となった。


文学ボランティア

2021-06-22 | 文学ボランティア・メモランダム
今週から雨模様になるかなと思っていたが、
曇りときどき晴れという感じの天候。


事務所に着いて、名簿に印鑑を押していると、電話が鳴る。
トークイベントの申し込みだったが、すでに予約で満席となっているようだ。
今回は先日も書いたが、コロナのため定員30名となっているので、
参加したくてもできない方が大勢いらっしゃるだろうと思う。


昼食のあと、一緒にボランティアをしているSさんと展示を見て回る。
Sさんもしのぶ会の配信をみてくださっていたので、
あのときの遺影なんだね、とすぐに気がついてくださる。

岡井先生が中日新聞連載の「けさのことば」を休載されたとき、
写真と共にインタビュー記事が大きく載った。
その記事を私に送ってくださっていたので、今回、それも展示されている。
Sさん自身は、記事をくださったことを忘れてみえて、
ああ、そうだった~?と言われたが、
資料収集協力もボランティア活動のひとつといえばひとつなのだろう。

前回の年譜に数年分が追加されている。
2013年3月16日の二葉館での、岡井先生の講演会の写真が、とても素敵だ。
また先日もブログに書いたが、
角川の『歌人』という写真集の二枚も入れられている。
フォトグラファーの永石勝さんのクレジットを添えて。

担当スタッフさんとデザイナーの方が、この二枚をとても気にいってくださり、
年譜に載ることになったようだ。
大きくて重い本だったが、持ってきてみて、よかった。

今回展示の写真は奥様がお撮りになったものが多いなかで、
こうした写真があることも、展覧会を多彩なものにしているように思う。



作業は先月の続き。
角川短歌3月号(1983年)は塚本邦雄特集。
執筆は岡井隆が『青き菊の主題』、春日井建が『されど遊星』を担当している。

同じく5月号には春日井建の「ヴェニス断片」。
歌集『青葦』の「ヴェニス断片」の初出である。

モーターランチ白波分けて突きすすむ春の水路は薄煙りつつ

上記の歌は歌集には、「薄煙り」が「仄煙り」となっている。
歌誌の歌の、「薄」に鉛筆で、「仄」と走り書きがしてある。
推敲されたのであろう。

他の歌にメモはないが、比較すると
「運河しろがね」は「運河みづがね」に、
「青き薔薇」は「ま青き薔薇」にそれぞれ推敲されている。
※薔薇にルビ、さうび。
※歌集では正字。

淡い鉛筆の跡を何度も眺めた。
春日井先生の推敲には、今もこうして教えられることがあるのだ。
肉筆の貴重さを思う。



昨日は夏至だった。
日がながくなっている。
コロナも少し落ち着いているので、
Sさんとも来月の予定をいつも通りにいれる。
来月にはオリンピックもはじまる。
どんな7月になっているのだろう。

「岡井隆の歌業 没後一年を偲んで」展

2021-06-10 | 文学ボランティア・メモランダム
岡井隆先生がお亡くなりになったのは、昨年7月10日。
今日は、一周忌前の月命日になるのだなと、真夏日となった空を見上げる。
「岡井隆の歌業ー没後一年を偲んで」のオープニングとなる。



二葉館に着くと館長さんが、お忙しい中、ご案内してくださる。
階段をあがると、遺影がみえてくる。

先日5日のしのぶ会の遺影や展示物が、
奥様と未来短歌会のご厚志とご協力をいただき、
二葉館に展示されることになった。
YouTubeでみていたが、
間近でみると、一段と素敵な写真だった。


今回は、「歌業」ということで、
短歌、歌集を中心として、原稿、色紙、スケッチなどが展示されている。
なかでも前回の展示にはなかった、スケッチがすばらしい。
歌集『暮れてゆくバッハ』にも数々のスケッチが収録されていたが、
それよりも、おそらくもう少し前にお描きになったものだろう。
奥様のスケッチも展示されており、ともにたのしむことができる。


加藤治郎さんによって、展示の全歌集は四期に分類されている。
「現代短歌 特集 追悼岡井隆」の、
「メール対談 岡井隆の歌集を読む 加藤治郎VS大辻隆弘」での分類と同じである。

この対談では、大辻さんは、五期とされていた。
私は大辻さんの分類に近い印象をもっていたが、
『瞬間を永遠とするこころざし 私の履歴書』では、
岡井先生はご自身の人生を四区分されていて、
それは加藤さんのものと重なる。

また、歌集は通説では34冊だが、36冊とする説もあるとして、
どうカウントするかということと合わせて、
加藤さんは、区分も今後さらに検討されていくとよいと思われているようだ。
この展覧会をまたきっかけにして、議論されれば、うれしい。


ちょうど、中日新聞社の取材が入られていた。
5日のしのぶ会も、翌日カラー写真と記事が掲載されていたが、
東京まで取材に行かれたとのこと。
そんなご苦労がと思いつつ、今回の記事もたのしみである。

しのぶ会の展示物が届き、展示は予定より一部屋多くしたそうだ。
二葉館スタッフの方も、担当となられてはじめての企画だったが、
とてもがんばってくださった。
ほんとうに有難いと思う。

コロナがまだまだ案じられるが、
来館して、たくさんの方々にみていただくことができればと願うばかりである。



岡井隆をしのぶ会

2021-06-05 | 短歌
6月5日2時から、岡井隆をしのぶ会がYouTubeで配信された。
緊急事態宣言が延長になり、急遽配信に変わったらしい。
献花に行きたいと思っていたので、とても残念でならない。

会場のしつらえが、よく葬儀にあるような祭壇と違い、
木々の緑がバックに配置されていて瑞々しく、
いくつものガラス器に活けたお花やキャンドルなどモダンな印象。
そして大きな遺影とその両端に少し小さめの遺影がふたつ。
どの遺影も岡井先生らしいと思う。

天皇陛下と皇后さまの白い盛花を中央に、
ほか皇族のお花があり、お別れの会なのだなと実感する。

献花するはずだったカーネーションは青の濃淡の二色が準備されていたようだ。
途中バーチャル献花というシーンが流れて、
濃い青色の花を献花したつもりでみる。
会場には行けなかったが、雰囲気は充分に伝わってきた。
ご準備に携われた方々に感謝したい。

いつも一緒にボランティアをしているSさんも、
終了後にみましたよ、と連絡をくださる。
直接会場で献花ができなかったのは残念だが、
こうして配信によって、多くのひとがみてくださったのではないかなと思う。


あらためて、ご冥福をお祈りした日になった。

文学ボランティア

2021-05-25 | 文学ボランティア・メモランダム
名古屋にも緊急事態宣言が出されて2週間ほどだが、まだまだ収まる感じがない。
けれど一年前を思うと、マスクはちゃんと買えるし、トイレットペーパーなど物資の不足もないので、そうした不安がないことは助かるかなと思う。不織布のマスクを洗って何度か使っていたことが思い返される。今から思うと滑稽だが、切実だったのだ。



ボラティアも通常通り。
今日も展覧会用に本を持ってくる。
全集4冊、なかなか大きい。
担当スタッフの方と打ち合わせをして、午後からは雑誌の内容チェックの作業。


角川7月号(1989年)では、岡井隆、篠弘、中野嘉一の鼎談。
中野嘉一は明治40年生まれ、愛知出身だったと、はじめて知る。
長い収録だがおもしろい。

この号では、迢空賞の発表があった。
塚本邦雄の受賞。
岡井隆は、『禁忌と好色』で1983年に受賞しているので、
塚本のほうがあとだったのかと意外だった。
受賞の言葉が、かっこいいなと思う。
受賞式の6月30日は、昨年初秋画しつつあったバスク地方への旅に出ているので、
フランス西端の美しい港ビアリッツで夕映をみているだろうというような文面で、
しびれるとはこういうことを言うのだろう。


次のボランティアに来るときには、
岡井先生の展覧会が始まっている。
たのしみなことだ。

岡井隆の歌業 没後一年を偲んで

2021-05-11 | 文学ボランティア・メモランダム
2020年7月10日にご逝去された岡井隆先生の没後一年を偲んで展覧会が開かれる。
今日も、展示用の本を搬入。
パンフレットも出来上がっていた。

前回のパンフレットは朱色がメインだったが、
今回はタイトルのデザインはそのままに、濃い目の青磁色が配色されている。
岡井先生が湖で佇み、白鳥をご覧になっている写真を添えて。


コロナ感染拡大が案じられるが、
なんとか展覧会と予定されているトークイベントが無事におこなわれることを祈るばかり。

今回のイベントは、定員がきっちり30名です。
これまでは二階から観覧ができましたが、今回はできませんので、ご承知おきください。
6月18日(金)10時から電話申し込みにて、受付です。

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岡井隆の歌業 没後一年を偲んで
2021年6月10日(木)ー7月25日(日)
10:00~17:00
文化のみち二葉館2階展示室

トークイベント
2021年7月4日(日)
13:30~15:00
講演第一部 「岡井隆の歌集」加藤治郎
  第二部 「岡井隆の後ろ姿」大辻隆弘
文化のみち二葉館一階大広間 ※入場無料(要入館料)
定員30名
※6月18日(金)10時~電話申し込み
※新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中止または変更になる場合があります

文化のみち二葉館
名古屋市東区橦木町3丁目23
電話&FAX 052-936-3836
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
緊急事態宣言が発令された場合、休館になる場合もあります。
お出かけの際は、ご確認ください。

今回も古い資料をお持ちの方々に、ご協力をいただいている。
そうした貴重な展示をぜひみていただきたいと思う。

文学ボランティア

2021-04-27 | 文学ボランティア・メモランダム
栄から高岳にかけての街路樹、ヒトツバタゴの白い花が満開。
花の時期にこれまで合わなかったようで、
この街路樹がヒトツバタゴだとは知らなかったのだ。
こんなにきれいだとは思わなかった。
人に会わない生活が続いているので、思いがけず人に会ったような、うれしさが湧く。



6月からの展覧会のために、何冊か岡井隆先生の本を持ってくる。
買って、ほとんど開いていなかった角川の『歌人』の写真集を持ってきた。
春日井建先生が掲載されているのだと思って購入したら、載っていなかったのだ。
使っていただけるかどうかわからないが、お蔵入りしていた本がお役にたてば、うれしい。



ボランティアのSさんとは、久しぶり。
お互いに近況を話したりしていて、終活めいた話になる。
そうだ、来月はなんとしても春日井先生のご命日なので、お墓参りに行きたいと思う。



打ち合わせをしたりして、作業はそれほど進まず。
歌誌の内容のチェック。
「角川」の平成4年6月号に、春日井先生の「幸運」が掲載。
歌集に収められる時に、入らなかった歌が数首目につく。
また「角川」昭和63年5月号に、寺山修司論を書かれていた。
エッセイ『未青年の背景』(雁書館)、現代短歌入門の章の21「チェホフ祭」の世界、を詳細にした評論。こうした文章が埋もれたままで残念なことだ。








文学ボランティア

2021-03-26 | 文学ボランティア・メモランダム
高岳駅からの早咲きの桜はほぼ終わっている。
二週間前にここをたまたま通ったときが見頃だったようだ。

本当は今週火曜日にボランティアの予約をしていたが、
手帳には金曜日と予定を誤って書きこんでしまっていた。
おかげでSさんと会えずに、ひとりでのボランティアになってしまった。


文学担当のスタッフの方が変わられたので、ご挨拶。
また微力ながら、お手伝いができればと思う。

今日は展覧会の資料になるものがないか、
昭和30年あたりの「短歌研究」を調べる。
久しぶりにこの年代に触れたが、
当時のスリリングな企画から熱気が伝わってきて、心の中で何度もうなってしまった。
雑誌が蔵しているものは単に情報だけではないとあらためて感じた。

初燕

2021-03-18 | 日日雑感
3月に入ってから、あたたかな日が続く。
コロナの感染状況も少し落ち着いてきたので、
気持ちにも少し余裕がでてきた。
ヘアサロンに行き、三か月半ぶりに髪を切ってきた。

桜の開花もかなり早いようだ。
すっかり春の気分でいると、するどい飛翔が目にとまった。
一瞬、錯覚かと思ったが、燕が飛んでいる。
今年はじめての燕だ。
いままでで一番早いように思う。
早く燕に会えて、うれしい。
なによりの春のプレゼント。

文学ボランティア

2020-11-20 | 文学ボランティア・メモランダム
晩秋に入ったがあたたかな日が続く。
今年はコロナの影響もあって、なかなかボランティアに来なかった。
日程的には、今日が今年最後になるだろう。
来年は少しでもコロナが収束することを祈るしかない。


作業は先月に続き、書庫で城山三郎さんの蔵書の整理。
書架から本を下ろして、ラベルの順番を調べて、並べ替える。
そして、また書架へ戻す。
一番上の棚は、脚立にのり作業する。
なかなかの重労働で、本屋さんの棚卸しは大変だろうと思う。

ただ城山さんの本に触れる機会が少ないので、それがたのしい。


いつも一緒のSさんとお互いに、来年またね!と声をかけあって別れる。