「子供たちに語るヨーロッパ史」 ジャック・ル・ゴフ 著
子どもたちに語る中世 第1章 中世 - 期間について:≪よき≫中世と≪悪しき≫中世
中世は普通紀元1000年から1500年と考えられているが、実際には少なくとも500年早く、紀元500年(5世紀)頃にはじまった。
476年にローマ皇帝がローマから放逐された。それはローマ帝国の終焉であるとともに古代の終焉であった。
さらに5世紀ごろには、異民族の『大侵入』が始まり、さらには4・5世紀以降にローマ皇帝たちがキリスト教に改宗し異教(ローマの宗教)は終わりを告げた。
中世がいつ終わったかについては、まだ盛んな議論がある。教科書には、「ルネッサンス」の始まる1500年に終わったと書かれているが、著者を含めた一部の歴史家の意見では中世は18世紀まで続いたとされている。その理由は社会生活にをすっかり変えてしまう3つの出来事、すなわち
中世という言葉は、ルネッサンス期に現れた。その意味は理想化された古代と近代の間、つまり優越性が信じられた二つの期間の間である。
たしかに<悪しき>中世は存在する。しかし、古代にくらべれば中世はたしかに進歩と発展の時代であった。
また、古代ローマ文明はヨーロッパの南部に展開したにすぎないが、5世紀以降の北方、西方、東方も政治的、宗教的な共通空間となり、ヨーロッパを形成していった。
子どもたちに語る中世 第1章 中世 - 期間について:≪よき≫中世と≪悪しき≫中世
過去を知ることは、現在をもっともよく理解するためにも、わたしたちがどこで過去とつながり、どこで過去と隔たっているのかを知るためにも大切です。
中世は普通紀元1000年から1500年と考えられているが、実際には少なくとも500年早く、紀元500年(5世紀)頃にはじまった。
476年にローマ皇帝がローマから放逐された。それはローマ帝国の終焉であるとともに古代の終焉であった。
さらに5世紀ごろには、異民族の『大侵入』が始まり、さらには4・5世紀以降にローマ皇帝たちがキリスト教に改宗し異教(ローマの宗教)は終わりを告げた。
中世がいつ終わったかについては、まだ盛んな議論がある。教科書には、「ルネッサンス」の始まる1500年に終わったと書かれているが、著者を含めた一部の歴史家の意見では中世は18世紀まで続いたとされている。その理由は社会生活にをすっかり変えてしまう3つの出来事、すなわち
- 科学の進歩
- 産業革命
- 政治革命(フランス革命など)
中世という言葉は、ルネッサンス期に現れた。その意味は理想化された古代と近代の間、つまり優越性が信じられた二つの期間の間である。
たしかに<悪しき>中世は存在する。しかし、古代にくらべれば中世はたしかに進歩と発展の時代であった。
<美しき>中世もあり、とくに子どもたちが夢中になるようなものとして生きつづけています。騎士、城塞、大聖堂、ロマネスク美術やゴシック美術、色彩(たとえばステンドグラス)、、そして祝祭。ほとんど忘られていることですが、中世では女性は男性より劣ったものとされながら、社会のなかで正当で、平等で、名誉ある地位を獲得、あるいは力ずくで手にしました。
また、古代ローマ文明はヨーロッパの南部に展開したにすぎないが、5世紀以降の北方、西方、東方も政治的、宗教的な共通空間となり、ヨーロッパを形成していった。
中世こそヨーロッパ誕生の時だったのです!