あび卯月☆ぶろぐ

あび卯月のブログです。政治ネタ多し。
お気軽にコメントなさってください☆

中川昭一氏の功績

2009-10-06 01:51:09 | 政治・経済
中川昭一・元財務大臣が急逝した。
我が国の保守系政治家としてはトップレベルの議員だっただけにただただ残念という外ない。
中川氏のこれまでの実績等については以下の通り。


----------------
・中川氏は、農林水産大臣としてポジティブリストを導入し、中国等から無差別に輸入される毒菜に一定の歯止めをかけた。

・中川氏は、財務大臣として金融援助をIMFに一本化し、韓国やアイスランドなどから申し込まれた二国間融資は全て断った。

・中川氏は、政調会長として、自民党内の人権擁護法案推進派の意見を断固として撥ね付けていた。

・中川氏は、拉致問題に早くから取り組んできた政治家の一人であり、拉致議連の会長もつとめた。

・中川氏は、経済産業大臣の時、親中派の二階俊博が打ち出した「東アジアEPA(経済連携協定)」構想に意義を唱えた。

・中川氏は、毎年靖国神社に参拝することも欠かさない。

・中川氏は、非核三原則の堅持は当然”としながらも日本の核武装の是非について繰り返し“論議すべし”と言及した。

・中川氏は、日教組に対し「日教組の一部活動家は(教育基本法改正反対の)デモで騒音をまき散らしている」「(デモという)下品なやり方では生徒たちに先生と呼ばれる資格はない。免許剥奪だ」と、その活動を強く批判している。

・中川氏は、官憲(役人、特に警察関係)による慰安婦募集の強制性を認めた1993年の「河野談話について早期に見直しを検討・すべきだとの考えを示した。

・中川氏は、中国の脅威に対抗するために、インドやオーストラリアとの連携を促進するための議員連盟「価値観外交を推進する議員の会」の旗揚げに貢献した。

・中川の勉強熱心は有名で、官僚にとっては渡した原稿をそのまま読んでくれない、扱いにくい大臣だったとのこと。

・中川氏は、郵政解散後の造反組リーダーであった平沼赳夫とは銀行員時代から兄弟のような間柄で、郵政民営化には賛成ながらも、造反組には半ば同情的だった。

・中川氏は、政界きっての親台派として知られている。農水大臣再登板の際には、中華民国総統であった李登輝から祝意が寄せられている。財務大臣辞任についても、台湾メディアは同情的だった。

・中川氏は、2007年に保守派の議員で集まる勉強会「真・保守政策研究会」を設立するにあたってのまとめ役となった。

----------------


特に人権擁護法や外国人参政権に反対していたことは特筆に価しよう。
中川氏の死は民主党政権が推進するこれらの法案に真っ向から対抗できる人材を失ってしまったことを意味する。


さらにこの稿で私が強調したい中川氏の功績はIMFへ一千億ドルの融資を行いストロスカーン専務理事から
「人類の歴史上、最大の融資だ」
「この献身(commitment)はこれまでにIMF加盟国によってなされた中で抜きん出て大きな資金貢献であり、 世界経済と金融の苦境に対する日本による多国間協調路線の継続的な献身を明確に示すものである」 (拙訳)
との讃辞を送られたことだ。

これは別に讃辞を送られたこと自体を功績といいたいわけではない。
褒め言葉を貰っても国益に叶わないと意味が無い。

IMFの融資を私が高く評価するのはこれが日本にとって大きな利点があったからだ。
この融資について、よく「IMFに一千億ドルもの血税を使うべきではない」「そんなお金があるのなら国内にまわせ」というような批判が見られたが、これが如何に的外れな批判であったかを含め、以前、書いたことの繰り返しになるが、いま一度述べておきたい。


IMFに融資された一千億ドルは日本政府が保有する外国為替資金特別会計(以下、外為特別会計)から拠出された。
外為特別会計は我が国の外貨準備を管理している政府会計の一つで、これらの資金は日本政府が政府短期證券を民間金融機関に発行することで調達される。
つまり、元々の財源は民間からの借り入れであり、血税ではない。

また、外貨準備は主に米国債など眠っているマネーであり、米国債なのだから国内に廻すこともできない。
米国債を国内に流通されるには円に替える必要があり、そんなことをすれば10円以上の円高は避けられないし、ドル崩壊の危険性もあるからだ。

また、世界一の対外純債権国(つまり、世界で一番外国にお金を貸している国)の日本は各国がデフォルト(債務不履行)に陥れば最も被害をこうむることになる。
どういうことかというと、日本が金を貸している国がデフォルトして「お金が返せません」となると、日本はお金を回収する手立てがなくそのまま貸した分損をすることになる。
この意味で二国間融資は危険であり、上の箇条書きでも紹介したように中川大臣がアイスランドなどから申し込まれた二国間融資を全て断ったことは正しい判断と言えるのだ。

一方、IMFを通じて融資した場合、債務国(お金を借りている国)はIMFに融資を返済する義務を負う。
日本はIMFを通じて借金を返済してもらえるのだ。
さらに、為替リスクもIMFが負い、IMFが定めるSDR金利も支払われる。

まとめてみると、IMFへの一千億円の融資は寝ていた資金をリスクゼロでIMFに提供し、多くの国のデフォルトを防ぎ、結果的に債権国である我が国の国益になる。
さらに「人類史上最大の融資」と謝辞まで送られるという完璧な施策になる。

しかし、マスコミはこのことを詳しく報じなかった。
国民に「中川大臣がIMFに一千億ドル資金融資したことを御存知ですか」と問うて「はい」という返事がどれほど返ってくるだろうか。
それどころか、時事通信はストロスカーン専務理事の謝辞をバッサリと削って報道した。
はじめから、中川昭一大臣が居た麻生内閣は潰されるよう仕向けられていたように思う。


中川氏や麻生元首相がマスコミに嫌われた原因として保守本流だったことに加え財政出動派だったことも大きい。
マスコミは概して緊縮財政派で過去の報道をみても財政出動派の政治家には厳しい態度で臨んでいる。

それで、麻生内閣嫌いの朝日新聞と組んで読売新聞までもが麻生内閣を潰しにかかった。
読売新聞は中川大臣の首を取るため美人記者の異名を持つ越前谷知子記者を使い、サミットで中川大臣に酒を呑ませた。
越前谷記者は記者会見の直前「記者会見は面白いことになるわよ」と云いふらし本当に面白いことになった。
これがあの泥酔会見の真相だといわれている。
真偽の程は定かではないが、あの会見が中川氏の首どころか命を奪った遠因になったことは確かだろう。

余談だが、中川大臣が泥酔会見をやったとき、各国のメディアが取り上げたが、中でも最も騒いだのがCNNをはじめとしたアメリカのメディアだった。
実はアメリカにも約十年前のダボス会議で泥酔して二階から落ち、会議を欠席したミッキー・カンターUSTR(米国通商代表部)代表がいる。
サミットではフランスのサルコジ大統領も泥酔したことがあるし、ロシヤのエリツィン大統領に至ってはいつも泥酔していた。
日本のメディアは気を使って当時この不祥事をほとんど報道しなかった。
欧米諸国もこれら白人仲間の不祥事は取り上げなかったが、黄色人種日本人の不祥事は嬉々として取り上げて叩いた。
日本も白人国家の恥は報道しなかったが自国の恥は白人と一緒になって叩いた。
白人国家がやるように自国の恥は隠すものだが、我が国は例外で親の敵を取ったように喜んで叩く。
つまり進歩的な国ということか。


中川昭一議員を失った自民党はますます厳しい再建を余儀なくされる。
私はもはや(というか、はじめから)自民党に期待していないので、真正保守派が集まって新しい党を作ってくれたらその支持に回ろうと思っていた。
平沼赳夫氏もそのつもりだったようだ。
中川氏を失ったことはこの可能性も失ったことになりはしないか。
返す返す残念だ。

はからずも親子二代にわたり不幸な最期を迎えてしまった中川氏だが、あなたの功績は忘れない。
いまはゆっくりと御父上と大好きな酒を傾けてください。


******
註:

冒頭の写真は「中川昭一のアルバム」より
http://waranote.blog76.fc2.com/blog-entry-1797.html

中川氏の実績についての箇条書きは以下のサイトから転載(一部加筆訂正)。
http://2chcopipe.com/archives/51287086.html

ストロスカーン専務理事の発言についてはAFPの記事を参考にした。
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5jROjJU...

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
泣ける (yas)
2009-10-19 21:11:49
中川さんの動画を見ていると泣ける・・・
http://www.youtube.com/watch?v=OG2N6kwYV2g&feature=related

でも「ここでなんとかしないと!」とも思う。
 
>yasさんへ (あび卯月)
2009-10-24 22:34:33
コメントありがとうございます。

中川昭一さんを失ったことは返す返す惜しいことだったと感じます。
民主党政権の左派が日本をめちゃくちゃにしようと画策しているいま、良質な保守派の再建が急務ですね。
Unknown (もも)
2015-11-11 20:22:14
凄い。

ミャンマーの件から、こちらを知り、少しずつ読んでいます。内容が凄いです。

義父が猛烈な勉強家で、ほぼあび卯月さんと同様な話をします。同居していないので、義父が言いたいことを、私の知識が足りず、よく分からなかったりするのですが(会話で、例えば、ミャンマー問題の背後にある歴史の全てを知ることは不可能ですよね)、こちらを読んで、ようやく理解できました。

あび卯月さんって、一体何者!(笑)

ここまで分かっていたら、逆に、世の中分かってない人だらけで、苛立ちませんか?義父はよく苛立ってますよ(笑)

これらかも読ませていただきます。
>ももさんへ (あび卯月)
2015-11-15 21:13:34
コメントありがとうございます。

すっかり放置してしまっているブログなのですが、そのように過分なお言葉を頂き恐縮に存じます。

何者といいますか、単なる市井にすぎません(笑)
よって、私も無知で分からないことばかりなのですが、確かにそんな自分よりも世の中には分かっていない人が多いなと感じることしばしばです。(偉そうに)
学生の時分と違って半分は諦めていますが。

しがらみとイデオロギーの壁をぶち破って様々なことをメディアがもっと伝えてくれればいいのですけどね。(最近のミャンマーの件でも表面的な報道ばかりで残念でした)

近年はツイッターばかりで発言しており、しかもアホなことばかり書くようになってしまったので、申し訳ない限りなのですが、このブログにある過去の記事を暇つぶしにでも覗いてくだされば嬉しく存じます。
同時に種々、青臭いことも書いていて恥づかしくもあるのですが。

たまにはこのブログも更新しうようと思います。
今後とも宜しくお願いいたしますm(__)m

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。