Ignorance

The right word is not uncertainty but "Unknowledge"

終了

2014-03-05 12:45:37 | Weblog
終了

『自由主義の二つの顔』

2006-09-24 19:08:53 | Weblog
ジョン・グレイ『自由主義の二つの顔』2006ミネルヴァ書房
John Gray , Two faces of Liberalism ,2000

これで積読解消か(笑)、詳細は訳者解説でも見よ。
こういう意見の変わる人は大好きだ。ちゃんと研鑽してる証でもある。
意見の無い、それ以前に無内容、頬かむり、
誰もが分かってる事を新発見したと繰り返す、なんかより遥かにすばらしい。

『アル・カイーダと西欧』2004
Al Quaeda and What it means to be Modern2003
も出ていたらしい。気付かんかった。

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権丈善一『医療年金問題の考え方 再分配政策の政治経済学Ⅲ』2006 慶応義塾大学出版会

どこも面白いのだが、5章「公的年金における世代間格差をどう考えるか
-世代間格差論議の学説史的考察-」、特に『負け太り』が楽しい。

『自然主義の可能性』

2006-09-02 16:44:14 | Weblog
ロイ・バスカー『自然主義の可能性』晃洋書房 2006年7月

Roy Bhaskar ,The Possibility of Naturalism: A Philosophical Critique of the Contemporary Human Sciences ,3rd edition,1998,1989,1979

Critical Realismのネタ元。

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ところで、『社会的選択と厚生経済学ハンドブック』を開いたら、
目次や各章に、著者ではなく、訳者の名前がデカデカと書いてあって、
なんと厚顔無恥なのかと驚く。

Putnam『事実/価値二分法の崩壊』

2006-07-24 23:12:09 | Weblog
『事実/価値二分法の崩壊』2006 法政大学出版ウニベルシタス
Hilary Putnam , The collapse of the fact/value dichotomy,2002

こんなにおもしろくていいのか。

訳書なんかでPutnam転向を「哲学の話題として解説してもらう」よりは、
はるかにわかりやすい。

The Quality of Life

2006-05-07 00:55:40 | book
Martha Nussbaum (ed.),The Quality of Life ,1993

マーサ・ヌスバウム/アマルティア・セン編
『クオリティ・オブ・ライフ The Quality of Life ―豊かさの本質とは―』
里文出版、ISBN:4898062466 、240頁、 3,150円 

一世を風靡したThe Quality of Lifeの翻訳がでたみたい、未見。

追記:えらい薄いので驚いたら、第1部だけの訳(ページ数で全体の1/3)だった、買わず。

市民のための疫学入門

2006-05-03 13:15:05 | book
津田敏秀『市民のための疫学入門』2003緑風出版

前掲書が良かったので買いました。おまえらも買え。

著者のwebサイトは、ttp://tsuda.civil.okayama-u.ac.jp/tsuda/

医学者は公害事件で何をしてきたのか

2006-04-30 01:25:12 | book
津田敏秀『医学者は公害事件で何をしてきたのか』2004年岩波書店

追記:水俣50年とかいう記事があふれているが、そいつらはこの本を読んでないのか??

公害問題とかではなく、科学論とか統計(仮説検証)の話として(あるいは社会『科学』一般)薦める。

でも、「風邪です」と空虚な概念で会話することに疑念を覚えたことが無い人には無理かもしれない。

「国際的」だとか「最新の」と付いた疫学理論が出てくるが、
結局は、ただの公衆衛生(食中毒だとか、コレラだとか)である。
水俣病という風土病ではなく、食中毒と分かった時点(1956年11月3日熊本大学医学部発表)でどう対策をとるのか。

もちろん、この本は、その後50年間の紆余曲折を検証している。

御用学者だけでなく、メディアでの風説の流布をみると(『水俣50年』って馬鹿か)
21世紀なのに、19世紀の公衆衛生と統計学の発展に見劣りするって、どういうことか?と驚く。

基本は、19世紀レベルの科学知識(仮説と検証、すなわち中学生程度の数学)で対処できることが、わかってますかね>>嬉しそうに現実問題に参入している流れ者(法学とか社会学とか哲学とか経済学とか、経済学とか、経済学とか...)。

この本を読んでいて頭をよぎったのは、公害とか環境ではなく、
社会科学一般の事例としての、2001年頃のリフレ談義(笑)やザ・モデル(いちご)。

そんなことよりも、この本に戻れば、
50年揉めてきているのに、誰も未だにちゃんと統計調査してないらしい。
これまでの裁判や対策費や研究費や施設・研究所って、いったい何をしてきたのか?
こういうことなので「水俣50年」という阿呆な感想文をたくさん見ることになるのでしょう。
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追記 2006年9月1日環境相の私的懇談会「水俣病問題に係る懇談会」が提言書をだした。
制度の見直しは懇談会の役目ではないという役所の主張に折れたらしい。
(よくある役人のコントロール)
曲学阿世の徒は何のために懇談会の委員になったのか??
それ以前に、認定基準はおかしいという最高裁の判決もでているのだが。

OrientalismとOccidentalism

2006-02-20 19:46:25 | book
森山 尚美 &Peter Wetzler
『ゆがめられた昭和天皇像―欧米と日本の誤解と誤訳』原書房 2006

Herbert Bixの翻訳と原書とがあまりに違いすぎること(悪意のある超訳)と、
歴史家はどう書くべきかという本。下の『マオ』なんかとも共通する(笑)。
これまでの昭和天皇関連本の経緯や業界事情がでてくるのも面白い。
(いま読みたいと思うのは、Hugh Byasの Japanese Enemy, The - His Power and His Vulnerability(1942)とGovernment by Assassination(1943)の翻訳と、
懐かしいバーガミニ)


Bixのこれまでの仕事から、いわゆるprogressive scholarであると、Wetzlerは評価/解説する。
(「progressive scholar」を検索しても何がなんだか分からんので、この本を読むしかない)

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Bixは、例の百姓一揆の著作では、自分立場やアプローチを序文で
高らかに語っているそうなので、昭和天皇でも手の内を丸出しにすべきであった。
ある意味分かり安いので、そういう人たちの本だと思えばよい。

3年経って文庫化する際にデタラメ訳を直さないのは、学術書だとすれば、
オカシイのだが、「歴史を政治化するのが好き」な御仲間の共同作業だと
思えば失笑。

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ちなみに昔、小学生の頃にバーガミニ『天皇の陰謀』を図書館で発見して読んだが、
あまりのデタラメぶりに驚くとともに、世界ではこんなものが大手を振って
歩いてるのかと心配になったことがある。

『空間の謎・時間の謎』

2006-02-10 15:43:37 | book
内井惣七『空間の謎・時間の謎』中公新書

この著者のものは、どれも買いなのだが、興味を引いたのは、
目次にもあるように「カントはスキップ」とあったところである、
要は、さっさとBarbourへ進みたいということなのは、パラパラと見ればわかる。

はるか昔、Machのリバイバルを耳にしたことが、日本語で
ちゃんとした啓蒙書で読めるのはありがたいことだ。

ユン チアン『マオ 誰も知らなかった毛沢東』

2006-02-05 06:40:42 | book
Jung Chang , Mao the unknown story

いいツッコミだと褒められて、「書評のお手本を書いてあげた」という馬鹿を
みかけたが、「思想形成史や成長過程がない」、
都合のいい「エピソードを並べている」とあったのには笑う。
(ポルポトの伝記も書いてるPhilip Shortが決定版だって誰がどう決めたんだ。
 (EconomistのMao書評?) 判りにくいとか疑問だとかというのは、
たんに前提知識に欠けるだけのことだ。)
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確かに、この本は、えらい細かい具体的な話が多くて面白い半面ウンザリ
することも多かったが、大筋では、別に意外でもなんでもないので、
これはこれで好い。「衝撃」だとか「Changはやりすぎ」だというのは、
モノを知らないお人好し(オリエンタリズム(笑))。
伝記なんだから、悪逆非道な人物という結果は事実なんだし。

もちろん専門家は、あんな本はダメだというだろうが、
それなら代わりの本を書けばいいことだ。(書けるものならやってみろ)。
妙な庇い方をすれば、あの程度の乱雑なレベルの低い状態でしか出版できない
状況から脱出できなかったんだろうとか、前回の成功体験で(ワイルドすわん)、
ノンフィクションを甘く見ていたと、想像がつく。
もしその筋の専門家と名乗っていれば、資料の囚人のまま、いつまでも出版できんだろうし。

たしかに、歴史家としての資料操作についての疑いはある。
ttp://www.lrb.co.uk/v27/n22/nath01_.html
これによると、他の歴史家が検証できない資料に依存するという、
致命的な欠陥があるらしい。結局は、今後の研究によるのだが、
ものすごく困難だと思われる(これから見つかる、まともな資料ってあんの??)。

そんな事よりも、目を向けるべきは、毛沢東の伝記なんかではなく、
世界史上の定説をひっくりかえすような「陰謀史」や「外交史」が出てくる所にある。
日本人ならば、張作霖爆殺がスターリンの謀略と書いてるのに驚かねばならないし、
盧溝橋から上海に飛び火した経緯にも注視しなければいけない。他にも、いろいろ。

追記:いろいろとこの本に対する批判を読んだが、たいていがつまらなかった。
  「なんとか橋の戦い」という誰でもできるありふれた指摘でしかなかった。
   この本に限らず、歴史モノで注意が必要なのは『陰謀史観』である。
   新説/奇説を問わず、定説でも疑わしいものは多々ある。
   かといって『陰謀史観』を弾圧していては、楽しみがなくなるし、
   (学術書/小説の区別、常識的な推測/陰謀史観の区別をもちだしても、
    厳密に適用できるわけがない)、新説/新解釈を駆り立てる原動力が削がれる。
   でも、NHKの大河ドラマや歴史番組で、陰謀史観や偽書をもち挙げられる
   のは、困ったものではある。

   まとめ:『陰謀史観』は、あらゆる全ての歴史学者に多かれ少なかれ観測されるものである。

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まあ確かに、圧倒されて何がなんだか解らずに読み終わってしまうかも知れないので、
(訳者もかつて「ワイルドスワン」を訳したときに指摘されてたように、中国のことを知らないらしいし)
そういう場合は、章毎にテーマを掲げて短くまとめている。
北海閑人『中国がひた隠す毛沢東の真実』2005、から始めるのが良いでしょう。