私の研究の仕事は、森林のなかにいろいろな計測器を置いて気象や生物活動についてのデータをとることが根幹となっています。特殊な計測器を使った特殊な観測は、大抵最初は思い通りには行かず、トラブルが続出します。それに森林の中でいろんな計測器をずっと置きっ放しにして測り続けていると、当然予想されることですが、いろんなものが次々に壊れます。
実は私は、計測システムが言うことをきかなかったり、測器が次々壊れたりするのが、そんなにキライではありません。いや、これはやっぱり語弊があるか。うまくいかなかったり壊れたりするのはそれはまぁいやですが、うまくいってないシステムを工夫して測定可能な状態にしたり、壊れたのをどこが壊れたか究明して対処しあるべき状態に戻したりする作業が、つまりフィールド観測でのトラブルに対処することが、結構(かなり)好きです。
女性ですから、もともと機械に強いほうでもなく、研究をはじめたときには、こういう装置をこれからちゃんと使っていけるのかが、一番の不安で自信がなかったことです。困ったときには誰かの助けを借りなければ絶対にダメだ><と思い込んでいました。けれどもそれも17年前の話。以後何度も何度もいろんなトラブルに直面し、助けてくれる人も誰もいないまま、経験を積んだ今では、自分でいうのもなんですが、踏んだ場数の多さ、トラブルに対する耐久力、トラブルとその対処法をかぎ分ける勘のよさは、同業者のなかでも結構いい線いってるのではないかと思います。
実際、フィールドでもトラブル発生時の緊張感、分析、対処、そしてうまくいったとき達成感とちょっとした快感といったら、大きなトラブルも、小さなトラブルも、アポロ13号のミニ版のようです。そして、研究という仕事の、本来の大目的をも忘れてしまうほど、私にたしかな手ごたえを感じさせてくれます。
そしてそんな私の目は、論文の数ではなく、研究界での知名度でもなく、しゃべりのうまさでもなく、着想のよさでもなく、人をどのようにうまく使うかでもなく、「観測」という現場で百戦錬磨の腕をもつ研究者をこそ、一目置くべき尊敬すべき存在として認識してしまいます。
たぶん、一番苦手に思えたことが、努力により結構苦手でなくなってきたことが、私にこんなことでひみつの喜びを感じさせるのでしょうか。
けど、あんまりトラブルが楽しいなどと仲間に言うのは気が引けるので、普段はだまって楽しんでいる次第です。
実は私は、計測システムが言うことをきかなかったり、測器が次々壊れたりするのが、そんなにキライではありません。いや、これはやっぱり語弊があるか。うまくいかなかったり壊れたりするのはそれはまぁいやですが、うまくいってないシステムを工夫して測定可能な状態にしたり、壊れたのをどこが壊れたか究明して対処しあるべき状態に戻したりする作業が、つまりフィールド観測でのトラブルに対処することが、結構(かなり)好きです。
女性ですから、もともと機械に強いほうでもなく、研究をはじめたときには、こういう装置をこれからちゃんと使っていけるのかが、一番の不安で自信がなかったことです。困ったときには誰かの助けを借りなければ絶対にダメだ><と思い込んでいました。けれどもそれも17年前の話。以後何度も何度もいろんなトラブルに直面し、助けてくれる人も誰もいないまま、経験を積んだ今では、自分でいうのもなんですが、踏んだ場数の多さ、トラブルに対する耐久力、トラブルとその対処法をかぎ分ける勘のよさは、同業者のなかでも結構いい線いってるのではないかと思います。
実際、フィールドでもトラブル発生時の緊張感、分析、対処、そしてうまくいったとき達成感とちょっとした快感といったら、大きなトラブルも、小さなトラブルも、アポロ13号のミニ版のようです。そして、研究という仕事の、本来の大目的をも忘れてしまうほど、私にたしかな手ごたえを感じさせてくれます。
そしてそんな私の目は、論文の数ではなく、研究界での知名度でもなく、しゃべりのうまさでもなく、着想のよさでもなく、人をどのようにうまく使うかでもなく、「観測」という現場で百戦錬磨の腕をもつ研究者をこそ、一目置くべき尊敬すべき存在として認識してしまいます。
たぶん、一番苦手に思えたことが、努力により結構苦手でなくなってきたことが、私にこんなことでひみつの喜びを感じさせるのでしょうか。
けど、あんまりトラブルが楽しいなどと仲間に言うのは気が引けるので、普段はだまって楽しんでいる次第です。