福島の自主夜間中学が新聞で紹介されました。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/eq2011/information/20130919-OYT8T00573.htm
引用------ここより
自主夜間中学、学んで元気…福島で月2回
ボランティアが先生 大人の塾
教師役のボランティア女性(左)からアルファベットの書き方を教わる渡辺さん(福島市で)
東京電力福島第一原発事故後、多くの人が避難生活を送る福島県で、学ぶ意欲を持つ大人たちがボランティアによる塾「自主夜間中学」で学習に励んでいる。
アルファベットから学び直す70歳代の男性は、「学ぶことで元気が出る。原発事故を乗り越えるきっかけになる」と話している。
8月下旬の午後6時過ぎ、福島市中心部の交流施設の会議室で、教科書を開いた生徒と教師役のボランティア計約10人が数人ずつ向かい合い、英語や歴史などを寺子屋形式で教わっていた。顔ぶれは、仕事帰りの20歳代から70歳代までの様々な年齢の人たち。一見して教師と生徒との見分けが付きにくいが、生き生きとした表情でテキストに向き合っている姿は共通していた。
「g、p、qは形が似ていますが、別の字です」
福島市の渡辺宏司さん(74)はこの日、アルファベットの書き取りを練習していた。娘ほど若い女性ボランティアに教えられ、横線入りの英語練習帳は鉛筆書きで真っ黒になっていた。
渡辺さんは中学卒業後、自動車塗装や古紙回収などで生計を立ててきた。「生活していくだけで精いっぱいだった」という半生。原発事故後は、日常生活で被曝ひばくの不安を抱えてきた。「わからなかったことがわかり、新しいことを知ることでストレスが軽くなる。仲間と会うのも楽しみ」と話す。
運営するのは、市民団体「福島に公立夜間中学をつくる会」代表の大谷一代さん(50)。文部科学省によると、公立中学の夜間学級は全国に35校あるが、福島県にはない。
大谷さんの亡くなった弟は、中学時代に不登校を経験した。「満足に学習できなかった人が学べる場が福島にも必要」と、大谷さんは2010年8月に同会を設立。市などに夜間中学の開設を働きかけたが、実現しなかった。そこで教員経験のある知人らに呼びかけ、11年1月にボランティア塾を始めた。
直後に起きた震災で教室の施設も被災し、休校に追い込まれた。原発事故で避難して通えなくなった生徒もいる。それでも「勉強したい」という声が相次ぎ、同年5月から再開した。
授業は原則月2回、午後6~8時。参加は無料。運営費の年約5万円は寄付で賄う。大谷さんは「勉強は大人になってからでも遅くない。学ぶ喜びを感じて豊かな人生にしてほしい」と話している。問い合わせは、大谷さん(090・2025・5287)。
(2013年9月19日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/eq2011/information/20130919-OYT8T00573.htm
引用------ここより
自主夜間中学、学んで元気…福島で月2回
ボランティアが先生 大人の塾
教師役のボランティア女性(左)からアルファベットの書き方を教わる渡辺さん(福島市で)
東京電力福島第一原発事故後、多くの人が避難生活を送る福島県で、学ぶ意欲を持つ大人たちがボランティアによる塾「自主夜間中学」で学習に励んでいる。
アルファベットから学び直す70歳代の男性は、「学ぶことで元気が出る。原発事故を乗り越えるきっかけになる」と話している。
8月下旬の午後6時過ぎ、福島市中心部の交流施設の会議室で、教科書を開いた生徒と教師役のボランティア計約10人が数人ずつ向かい合い、英語や歴史などを寺子屋形式で教わっていた。顔ぶれは、仕事帰りの20歳代から70歳代までの様々な年齢の人たち。一見して教師と生徒との見分けが付きにくいが、生き生きとした表情でテキストに向き合っている姿は共通していた。
「g、p、qは形が似ていますが、別の字です」
福島市の渡辺宏司さん(74)はこの日、アルファベットの書き取りを練習していた。娘ほど若い女性ボランティアに教えられ、横線入りの英語練習帳は鉛筆書きで真っ黒になっていた。
渡辺さんは中学卒業後、自動車塗装や古紙回収などで生計を立ててきた。「生活していくだけで精いっぱいだった」という半生。原発事故後は、日常生活で被曝ひばくの不安を抱えてきた。「わからなかったことがわかり、新しいことを知ることでストレスが軽くなる。仲間と会うのも楽しみ」と話す。
運営するのは、市民団体「福島に公立夜間中学をつくる会」代表の大谷一代さん(50)。文部科学省によると、公立中学の夜間学級は全国に35校あるが、福島県にはない。
大谷さんの亡くなった弟は、中学時代に不登校を経験した。「満足に学習できなかった人が学べる場が福島にも必要」と、大谷さんは2010年8月に同会を設立。市などに夜間中学の開設を働きかけたが、実現しなかった。そこで教員経験のある知人らに呼びかけ、11年1月にボランティア塾を始めた。
直後に起きた震災で教室の施設も被災し、休校に追い込まれた。原発事故で避難して通えなくなった生徒もいる。それでも「勉強したい」という声が相次ぎ、同年5月から再開した。
授業は原則月2回、午後6~8時。参加は無料。運営費の年約5万円は寄付で賄う。大谷さんは「勉強は大人になってからでも遅くない。学ぶ喜びを感じて豊かな人生にしてほしい」と話している。問い合わせは、大谷さん(090・2025・5287)。
(2013年9月19日 読売新聞)