同行者が余りにもつまらないし、出張に行けば現地の人と語り合うのを習慣にしているのでキャバクラに行って来た。
ミナミで一番有名なキャバクラをチョイスしたわけだが、一人で入るには些か敷居が高い店構えだ。
普段はキャバクラなど余り行かない。
その理由としては、面白くないからだ。
高い金を払って何をしに行くのか全く分からない。
昔は、1000円キャバクラなどもあり、それなりに楽しかったが、
付き合いで昨年行ったキャバクラは、金をどぶ川に捨てるようなものだった。
ミナミに何かを期待出来るかは分からないが、とにもかくにも行ってみたのだ。
店内は、100人以上が入れる大箱でDJもいる。
限りなく広い店である。客層は金持ちそうな者から普通の客まで色々だ。
程なく、スタイルも良くそこそこ可愛い女の子がついた。
もちろん出て来る言葉は関西弁である。
「東京でキャバクラとか行かへんの?」
「う~ん、付き合いか仕事でしか行かへんなぁ。オモロないし。」
「そうなん?面白くないん?」
「まあ、そうやね。金払っておきながらこっちから喋らんとアカンし、金払っておいてこっちが楽しませようとしてるみたいで、
そんなとこにワザワザ自分で金払って行かへんやろ。」
「えぇぇぇ!そんなんアカンで!東京から来た人、そんなん言うん、よう聞くんやけど、ホンマやねんなぁ。」
「残念ながらそうなんちゃうかな。」
「信じられへんわ。うちは、お金貰って働いてるプライドあるから絶対に横についた人を楽しませる自信あるし、もし、お客さんと会話してて、無言な時間出来たら後でメッチャ凹むもん。そんな子には、自分が何でお金貰ってるかとか、働く厳しさとか、立場を教えるためにもチェンジせんとイカンよ。チェンジ!」
「をぉ~なるほど、エライ熱いなぁ。その通りやね。中々言われへんけどね。」
「何で言われへんの?お金を払って方が偉いねんから当たり前のことやん。」
「いやぁ、まあ難しいもんやで。しかし、プロ意識高いねぇ~いつから夜、働いてるん?」
「17の時から働いてるねんよ。」
「って、思いきり違法やんけ!」
「まあ、何かバレへんかってんよ。」
まあ、そんな出だしの会話をしながら楽しい時間は過ぎて行った。
しかし、楽しい時間は過ぎるのが早いもので、女の子が店員から呼ばれた。
どうやら時間ごとに女の子は変わっていくものらしい。
「もし、良かったらもう少し隣にいさせてくれへん?」
そう、女の子が僕に問いかけて来た。指名してくれということらしい。
「チェンジで。」