哲学ではないです。
人間は、必然性がなければ学ばない、とある学者らは言いました。
学ぶべき状況にいなければ学ばない、と言い換えてもいい。
これが何を意味するのかと言うと、つまり我々はいくら真面目に学校教育を受けても、全く学んでいないのだ、ということです。
あなたがたは「先生にあてられないために」必死で目をそらしたり、顔を俯かせたり、あるいは寝たふりをしたことがあるのではないかと思う。そして、そのときの不安や嫌な感じを、今でも思い出せるのではないでしょうか。
あなたがたが授業で学んでいたのは「それ」です。
授業の内容ではないのです。「あてられない方法」なのです。「先生がテストに出す問題の傾向」なのです。
別に授業に限らず、学校なんてそんなもので、例えば、はぶられない方法、いじめられない態度、そういうのを嫌というほど学んだと思う。日本史やら世界史やら古典やら英語やら数学やら、そんなものは大して学んでいないのですよ。受験でやったこと、今いくつ覚えてますか。わたしは殆ど覚えていません。
我々が学校で学んでいることなんて、その程度なんです。
問題は、その程度しか学べない学校が、社会に出て企業に入っても制度として組みこまれていることだ。まるで学校にいなければ学べないとでも言うかのように。必要なのは学校というシステムではなく、学ぶべきだという文脈なのに。
人間は学ばない。