2024年04月14日
何年かぶりにヤマトシロアリを発見です!
ヤマトシロアリはどこにでもいるシロアリで、森で適当に朽木を割ればかなりの確率で見つかりますが、今回見つけたのはそこそこ成熟したコロニーの巣の中心部になります。
シロアリの巣は朽木内にあると思われがちですが、朽木は食事場所で、巣の中心部は土の中にあるのです。
それを見つけるのはとても難しくて、アリの巣探しで土を掘ることが多い僕でも、ヤマトシロアリの巣は過去に数回しか見たことがないのです。
巣の中心部から見つけた女王とオスアリです。
まだ最大サイズではありませんが、女王の腹部は大きく肥大しています。
こちらはオスです。
シロアリはこのように夫婦で暮らしています。
そして、よく見るとシロアリではない同居人もいますね。
好白蟻性のシロアリハネカクシです。
交尾中のシロアリハネカクシ。
ヤマトシロアリはどこにでもいるシロアリで、森で適当に朽木を割ればかなりの確率で見つかりますが、今回見つけたのはそこそこ成熟したコロニーの巣の中心部になります。
シロアリの巣は朽木内にあると思われがちですが、朽木は食事場所で、巣の中心部は土の中にあるのです。
それを見つけるのはとても難しくて、アリの巣探しで土を掘ることが多い僕でも、ヤマトシロアリの巣は過去に数回しか見たことがないのです。
巣の中心部から見つけた女王とオスアリです。
まだ最大サイズではありませんが、女王の腹部は大きく肥大しています。
こちらはオスです。
シロアリはこのように夫婦で暮らしています。
そして、よく見るとシロアリではない同居人もいますね。
好白蟻性のシロアリハネカクシです。
交尾中のシロアリハネカクシ。
色や形など、いつ見ても可愛いハネカクシです。交尾中のシロアリハネカクシ。 pic.twitter.com/LSH82xcuP4
— AntRoom 島田拓 (@AntRoom_taku) April 13, 2024
2024年04月13日
長い冬も終わり暖かい春になりました。
春から秋は、季節によって見つけたいアリ、行きたい場所が山ほどあるので、時間があればできる限り山に通いたいです。
今年からは一歳の息子もアリ探しデビューです
今年で中学生になった息子は、今でもアリが一番好きで、相変わらず見つけるのが上手いです。
アリ好きの息子がキイロケアリの巣を発見。
しばらくすると「ハネカクシがいる!」と言うので見に行きました。
可愛い好蟻性ハネカクシの一種がいました。
これはいいハネカクシですね〜。
アリが近くに来ると腹部先端を持ち上げてアリに向けます。
この仲間はトビイロケアリやハヤシケアリからも見つかりますが、キイロケアリからは初めて見つけました。
こちらはトビイロケアリの巣から見つけた種。
どれもよく似ていて僕には違いが分かりません。
飼育をすると、アリが巣に運んできた小昆虫を食べる様子を観察できます。
ハネカクシを吸虫管で吸っているところを妻が撮影していました。
この写真を見て、どこかで同じような写真を見た気がしたので探して見ると。
ありました!
13年前に同じく妻が撮影した、アリヅカムシを研究するJoeさんとアリヅカムシを吸っているところ。
同じ吸虫管、同じ態勢で、同じことをしていますね。
今思えば物心ついたころから、ずっと自分の好きなことだけを続けていて、幸せな人生だなと思いました(笑)
2024年04月07日
沖縄に生息するリュウキュウアメイロアリ。
生息地では最もよく見るアリですが、いくつか面白い好蟻性生物の寄主になっているので、見つける度に巣の隅々まで調べます。
巣内で根の汁を吸っているキノカワハゴロモの幼虫たち。リュウキュウアメイロアリの巣で根の汁を吸っているキノカワハゴロモの幼虫たち。
— AntRoom 島田拓 (@AntRoom_taku) March 8, 2024
アリは甘露をもらうために世話をしている共生関係。
危険が迫ると、働きアリがアゴで咥えて巣の奥へ運びます。
好蟻性のハガヤスデも歩いています。 pic.twitter.com/JY0baSXtyL
アリは甘露をもらうために世話をしている共生関係。
危険が迫ると、働きアリがアゴで咥えて巣の奥へ運びます。
他にも好蟻性のハガヤスデも歩いています。
さらにこの巣を調べたところ赤く輝く小さな昆虫が!?
オキナワコバネヒゲブトアリヅカムシーーーーーー!!!!嬉しすぎる発見‼︎
— AntRoom 島田拓 (@AntRoom_taku) March 7, 2024
とても珍しいオキナワコバネヒゲブトアリヅカムシを12年ぶりに発見‼︎‼︎‼︎
広大な森で1.5mmの虫を見つけて、一人で大興奮していました(笑)… pic.twitter.com/jC0Au41DrG
2012年に初めて発見してから、12年ぶりに見つけることができました。
広大な森で1.5mmの虫を見つけて、一人で大興奮(笑)
寄主のリュウキュウアメイロアリの巣を見つけるたびに、ずっと探していたにも関わらず、12年前に一度見つけて以来全く見つからず、ついに再び出会うことができました。
しかも見つけた場所は前回とほぼ同じで、ここにしかいないのかと思ってしまいます。
12年前に見つけた個体は「アリの巣の生きもの図鑑」P.40で紹介されています。
1mmちょっとしかない小さなアリヅカムシ。
巣の中心部で暮らしています。
アリに襲われることはありません。
とても嬉しい再会でした。
リュウキュウアメイロアリは、普通種とは言えコロニー規模もそれほど大きくならないのに、多くの好蟻性生物がいるのがいつも不思議。
コロニー規模が大きくなるアリの方が、様々な生物が入り込んでいることが多いからです。
リュウキュウアメイロアリの場合はコロニー規模ではなく、生息数が多いことが好蟻性生物にとっては寄主になりやすかったのかもしれませんね。
リュウキュウアメイロアリの巣には、実は他にもさらに珍しい好蟻性生物を過去に一度見つけていて、それも長年探し続けています。
2024年04月06日
カメルーンで丸山さんが見つけたヒラタハナムグリの一種。
全身所々から長い毛が生えていて、ものすごくかっこいい種。
こちらは日本のヒラタハナムグリ。
シロアリの巣で暮らす好白蟻性昆虫です。
日本のヒラタハナムグリと比べて倍くらい巨大なことにも驚きました。
髪の毛みたいですね。
どんな暮らしをしているのか気になります。
2024年04月02日
日本のアリを飼育していると、冬場は活動が鈍くなり、幼虫の成長も止まり、女王アリも産卵をしなくなるので観察していて少し寂しい時期です。
秋以降にクロオオアリやムネアカオオアリなどの飼育を始めた方は、アリの数も増えないし、エサもあまり食べないし、アリの飼育って退屈だな、なんて思っている方もいるかもしれません。
暖かい室内で飼育をすれば幼虫の成長や産卵が再開されるのかというと、実はそう単純ではなく、すぐには再開されません(再開時期は早まりますが)。
アリたちは、春から秋まで子育てやエサ集めに大忙しだったので、冬休みだと思ってゆっくり休ませてあげましょう。
冬場の管理ではエサは少なくて問題ありませんが、一番気をつけることは乾燥です。
気付いたらケース内の水分がなくなっていることがあるので十分気をつけてください。
そして、待ちに待った産卵の再開です!
多くは3〜4月から活動が再開されます。
産卵した卵を、大切に世話をする女王アリ。
働きアリもこれからの時期、エサ集めや子育てに忙しくなります。
美しい卵
働きアリから口移しでエサをもらう女王アリ
こちらは活動再開したクロオオアリ。
まずは越冬した幼虫たちが大きくなり繭を作り、その後女王が産卵を始めます。
これからの時期は、産卵する女王アリや、成長する幼虫たちのために、多くの栄養が必要となります。
春に与えるエサの質や量で、今後の働きアリの数に大きく差が出てきます。
栄養が不足してしまうと、女王の産卵数が減少したり、せっかく産卵した卵や、幼虫を食べてしまう事があるのです。
何より重要なのが昆虫です!
みなさん、必ず虫を与えてください。
コオロギ、レッドローチ、ミルワームなどの小昆虫を与えます。
甘い餌は、アントサプリでも昆虫ゼリーでも、果実でも、水で薄めたメープルシロップでもなんでもいいです。
とにかく虫が重要です。
「働きアリがなかなかな増えない」というご相談があった場合の原因で最も多いのが虫を与えていないことです。
鮭や煮干しや赤虫を与えるのも良いのですが、これらはおやつ程度と考えて、主食にはやはり新鮮な虫なのです。
アントサプリと虫、これだけで新女王が誕生するまで飼育をすることができます。
特にこの時期、春先はコロニーを成長させられるか、とても重要な時です。
去年の若いコロニーは、働きアリの体は小さく、数も少ないのですが、これらの個体の多くは夏前後に寿命で死んでしまうことが多いのです。
この時、新たに羽化した働きアリがたくさんいるはずで、世代交代できるので問題ないのですが、春に動物性たんぱく質が不足すると、せっかく産んだ卵を食べてしまったり、幼虫も育たないことがあります。
そうなると新たに羽化する個体もいないため、夏ごろには働きアリがいなくなってしまう危険があるのです。
このような状態になってしまうと、再び状態を立て直すのはかなり難しくなってしまいます。
春に栄養の高い食料をたくさん与えて、夏前には新しい働きアリがたくさん羽化する、これが長期飼育するためにとても重要なのです。
こちらは活動を再開してしばらく経ったとても状態の良いコロニー。
越冬した幼虫が大きくなり、一部は繭になっています。
そして、新たに産んだ黄色い卵もたくさん。
ミルワームやレッドローチをたくさん食べて、女王や働きアリの腹部も大きく膨れている。
これが春ごろの状態のとても良いコロニーです。
クロオオアリやムネアカオオアリの場合、去年結婚飛行を終えた若いコロニーでも、この春からエサをしっかり与えれば、夏ごろには働きアリ50〜100匹以上のコロニーへと成長して、体の大きな兵隊アリも育ちます。
これからアリ飼育の楽しい季節になります。
秋以降にクロオオアリやムネアカオオアリなどの飼育を始めた方は、アリの数も増えないし、エサもあまり食べないし、アリの飼育って退屈だな、なんて思っている方もいるかもしれません。
暖かい室内で飼育をすれば幼虫の成長や産卵が再開されるのかというと、実はそう単純ではなく、すぐには再開されません(再開時期は早まりますが)。
アリたちは、春から秋まで子育てやエサ集めに大忙しだったので、冬休みだと思ってゆっくり休ませてあげましょう。
冬場の管理ではエサは少なくて問題ありませんが、一番気をつけることは乾燥です。
気付いたらケース内の水分がなくなっていることがあるので十分気をつけてください。
そして、待ちに待った産卵の再開です!
多くは3〜4月から活動が再開されます。
産卵した卵を、大切に世話をする女王アリ。
働きアリもこれからの時期、エサ集めや子育てに忙しくなります。
美しい卵
働きアリから口移しでエサをもらう女王アリ
こちらは活動再開したクロオオアリ。
まずは越冬した幼虫たちが大きくなり繭を作り、その後女王が産卵を始めます。
これからの時期は、産卵する女王アリや、成長する幼虫たちのために、多くの栄養が必要となります。
春に与えるエサの質や量で、今後の働きアリの数に大きく差が出てきます。
栄養が不足してしまうと、女王の産卵数が減少したり、せっかく産卵した卵や、幼虫を食べてしまう事があるのです。
何より重要なのが昆虫です!
みなさん、必ず虫を与えてください。
コオロギ、レッドローチ、ミルワームなどの小昆虫を与えます。
甘い餌は、アントサプリでも昆虫ゼリーでも、果実でも、水で薄めたメープルシロップでもなんでもいいです。
とにかく虫が重要です。
「働きアリがなかなかな増えない」というご相談があった場合の原因で最も多いのが虫を与えていないことです。
鮭や煮干しや赤虫を与えるのも良いのですが、これらはおやつ程度と考えて、主食にはやはり新鮮な虫なのです。
アントサプリと虫、これだけで新女王が誕生するまで飼育をすることができます。
特にこの時期、春先はコロニーを成長させられるか、とても重要な時です。
去年の若いコロニーは、働きアリの体は小さく、数も少ないのですが、これらの個体の多くは夏前後に寿命で死んでしまうことが多いのです。
この時、新たに羽化した働きアリがたくさんいるはずで、世代交代できるので問題ないのですが、春に動物性たんぱく質が不足すると、せっかく産んだ卵を食べてしまったり、幼虫も育たないことがあります。
そうなると新たに羽化する個体もいないため、夏ごろには働きアリがいなくなってしまう危険があるのです。
このような状態になってしまうと、再び状態を立て直すのはかなり難しくなってしまいます。
春に栄養の高い食料をたくさん与えて、夏前には新しい働きアリがたくさん羽化する、これが長期飼育するためにとても重要なのです。
こちらは活動を再開してしばらく経ったとても状態の良いコロニー。
越冬した幼虫が大きくなり、一部は繭になっています。
そして、新たに産んだ黄色い卵もたくさん。
ミルワームやレッドローチをたくさん食べて、女王や働きアリの腹部も大きく膨れている。
これが春ごろの状態のとても良いコロニーです。
クロオオアリやムネアカオオアリの場合、去年結婚飛行を終えた若いコロニーでも、この春からエサをしっかり与えれば、夏ごろには働きアリ50〜100匹以上のコロニーへと成長して、体の大きな兵隊アリも育ちます。
これからアリ飼育の楽しい季節になります。
2024年03月31日
新型のアリ飼育ケースの販売を開始!(実用新案出願中)
商品名は分かりやすく「部屋付き石膏飼育ケース」にしました。
長年販売をしている、石膏飼育ケースに仕切りで部屋を作ったものになります。
アリは部屋がない、平らな石膏飼育ケースでも飼育ができるのですが、本来部屋を作るアリにとって、これは快適なのだろうか?と思い続けていて、以前から考案していたものを、ついに形にすることができました。
これは、ただ仕切りで部屋を作っただけではなく、アリ飼育歴約30年の経験を活かして、アリが快適に暮らせることを最優先最大限に考えて製作しました。
アリを長期飼育するのであれば、蟻マシーンが最もオススメではありますが、価格的にも置き場所的にも、何コロニーも飼育をしている方が、何台も使うにはあまり簡易とは言えませんでした。
たくさんのアリを、場所も価格も押さえて飼育をするとなれば、石膏飼育ケースや試験管などで飼育をする方が多いと思いますが、それら簡易なものの中では、最高の巣が完成したと自信を持っています。
詳しい仕組みをご紹介させていただきます。
まずはこちら。
壁を交互に付けることで、アリたちは右へ左へとくねくね歩くことになります。
これは、動物園で働いていた時代に学んだことなのですが、地中性の動物を飼育するとき、何もない広い巣箱ではなく、このように壁を作って巣の奥まで歩数を増やすことで、より深くに入っていると思わせて、ストレスを減らして安心感を与える方法です。
巣穴を作るアリにとっても、同じような効果が得られるのではないかと考えました。
壁には矢印の場所に直径8mmの穴が開けてあります。
中心部に用意した二つの大部屋。
ここが巣の中心部になることを想定して作っていて、左側の部屋には床を作っています。
他の場所の床は石膏ですが、この部屋だけを床にした理由は、床からの水分を遮断するためです。
アリの巣と言うのは上から下まで続いていて、深さによって湿度や温度が異なり、卵、幼虫、繭などの置き場所を、毎日だけではなく、時間帯によっても変えています。
この床のある部屋は、やや乾き気味に置くことの多い、卵や繭部屋などに使えるように作りました。
この床部屋は、繭を置くだけではなく、多くのアリにとって人気の居場所になることが多いです。
繭の多くを床部屋に置くメダマハネアリ。
床部屋で暮らすツヤクシケアリ。
トゲアリも床のある部屋で子育てをしています。
クロトゲアリも床のある部屋で子育て。
うっすら茶色いのは、幼虫が吐き出す糸を塗り付けているため。
アシナガキアリとシロオビアリヅカコオロギ。
床部屋に卵と繭を置くキノボリアギトアリ。
床部屋で過ごすことが多いクロオオアリの女王。
床部屋で暮らすクロオオアリの若いコロニー。
床部屋で子育てをするクロオオアリ。
床部屋で子育てをするバルバルスクロナガアリ。
日本のクロナガアリも、幼虫は床部屋に置いて子育てをしています。
これからの季節は、結婚飛行を終えたばかりで働きアリのいない新女王の飼育にもオススメです!
多くのアリは、新女王は働きアリが羽化するまでは餌は与えなくても大丈夫ですが、このようにチューブにゼリーを入れて与えることもできます。
プラスチック素材の床は、このように一部にあると環境に変化を作ることができるのです。
しかし、このプラスチックと言うのはメリットもあればデメリットもあります。
吸水性がないということは、下からの水分は遮断できても、結露をしたときや、液体の餌をアリが運んできたときや、排泄物が出たときは逆に水滴が付いて濡れてしまうのです。
そのようになったときは、アリたちは石膏部分に繭を移動させていました。
床が一部分だけと言うのも重要ポイントだと思っていて、やはりアリの飼育には土や砂と同じように、吸水性のある石膏が最適なのです。
石膏が最適なのは吸水性だけではなく、もう一つ理由があると思っていますが、これについては目で見ているだけでは分からない部分で、いずれ科学的に証明できないかと考え中です。
いろいろ考えて作った巣ではありますが、もちろんこんな感じで隅っこで暮らすこともあり、どこでどう暮らすかはアリ次第となります。
クシケアリの一種は、隅っこでしばらく生活をしていたのですが・・・。
一週間ほど経つと、中心部の大部屋で暮らし始めたのです!
巣の中心部になることを想定した部屋を、気に入ってもらえたようで嬉しかったです。
この大部屋は、ぐるっと一周少し高さのある壁で囲っていて、穴の位置も少し高めにしてあります。
これはアリが壁に囲まれることで落ち着くため、と言うこともありますが、別の理由があります。
それは、繭を作るために床材が必要になる一部のアリ(ハリアリの仲間など)を飼育するときに、床材を入れられるようにしました。
今までの仕切りのない石膏飼育ケースでは、床材を入れる場合は全面に敷くことになってしまいますが、このように仕切ったことで、一部分にだけ床材を入れることができるのです。
キノボリアギトアリの新女王を飼育するために、床材を入れて水で湿らせます。
床材を入れた部屋と、左の床部屋が主な生活場所。
幼虫が繭を作り始めると、予想外の行動が見られました。
予想では床材を敷いた部屋で、繭作りをさせると思ったのですが。
左の床部屋で繭作りを始めて、隣の部屋から土を運んできて繭作りをさせたのです。
このように床材を入れる部屋を作っても、アリたちが別の場所へ運び出してしまうこともあります。
こちらはアピカリスオオハリアリですが、土を全て隅っこへ運んでしまいました。
このように、アリたちが別の場所に運んでしまうこともありますが、その辺はアリ任せです。
アリたちが快適に暮らせるようにいろいろ考えましたが、最終的にどの部屋をどうやって使うかはアリ次第となりますが、今のところ多くのアリが思った通りの使い方をしてくれています。
この巣の仕組みのメリットはこれだけではありません。
壁ができたことで、壁も居場所になるのです。
アリは巣内でも地表だけではなく、壁や天井も居場所に使います。
この部屋の壁もアリたちは居場所に使うため、今まで無駄だった何もない空間に居場所ができ、飼育できる数が圧倒的に増えたのです。
そして何より、アリたちが通路を歩いたり、部屋を使い分けたりするのは観察していてとても面白いですね。
クロオオアリのコロニーですが、下の隅にはトイレを作り、左下では餌のミルワームを解体して、中心の二つの大部屋が子育てや女王部屋になっていて、今までの平面では見ることのできなかった、アリ本来の暮らしを観察することができます。
アリが暮らしやすいことを最優先に考えた結果、飼育をする人間にとっても、最高の飼育ケースになったと思っています。
部屋付き石膏飼育ケースには、餌場を取りつけて飼育をしてください。
もちろん、石膏飼育ケース連結用タイプであれば、今お使いのケースに連結したり、何台でも繋げて増築することができます。
給水のための穴を加工しても大丈夫です。
ここまではアリの暮らしを最優先に考えましたが、飼い主である人間のことも考えた部分があります。
この部屋は取り外しが可能なのです!
通常の石膏飼育ケースの上に置く仕組みとなっています。
開発当初は、石膏に埋め込んで製作をしたのですが、石膏はいずれ汚れて交換が必要になり、埋め込み式だと一緒に捨てることになってしまいます。
上に乗せることにしたことで、石膏飼育ケースだけ新しくすれば、プラスチック素材である部屋部分は洗って繰り返し使用することができるのです。
洗うときは、ぬるま湯にしばらくつけて流す程度にして、変形しますので熱湯は使用しないでください。
また洗剤や石鹸もアリに有害ですので使用しないでください。
このケースにもデメリットもあります。
それは、快適すぎて蟻マシーンに引っ越しをさせにくいと言うこと。
今までは石膏飼育ケースを、チューブで蟻マシーンに繋げることで、アリたちはすぐに蟻マシーンへ引っ越しをしますが、部屋ができて居心地がよくなったことで引っ越しには時間がかかってしまいます。
すぐに蟻マシーンに引っ越しをさせたい方は、今までの平面の石膏飼育ケースがオススメです。
↑このことからも、やはりアリにとっては、平面よりも部屋があった方が良いと言うことですね。
アリのサイズ別に大と小の2タイプを販売します。
アリの大きさを4タイプに分けましたので、飼育をされるアリによって、どちらかをお選びください。
超小型種と小型種は小、大型種は大でしか飼育できませんが、中型種はどちらでも飼育ができます(オススメは大です)。
・超小型種(体長1〜1.5mm)
ヒメアリ類、トフシアリ類、コツノアリ類、ヒメオオズアリなど。
・小型種(体長2〜3mm)
ケアリ類、オオズアリ類、ウロコアリ類など。
・中型種(体長4mm〜)
ヤマアリ類、クシケアリ類、クロナガアリ、アシナガアリなど。
・大型種(体長10mm〜20mm)
クロオオアリ、ムネアカオオアリ、ケブカアメイロオオアリ、ミカドオオアリ、アピカリスオオハリアリ、キノボリアギトアリなど。
部屋付き石膏飼育ケース(大)
中型種〜大型種用となります。
ケースの構造上、蓋部分と壁とのすき間に幅1mm高さ3mmの隙間ができてしまうのですが、この隙間は小型な個体が入り込んでしまう危険があったので、この隙間も突起を作って埋めています。
部屋付き石膏飼育ケース(小)
超小型種〜小型種〜中型種用です。
超小型種が入り込める隙間をなくすために、あえて部屋と壁に隙間を作っています。
もう少し隙間を狭くしようかとも考えたのですが、中型種まで飼育を可能にするためには、これ以上狭くすると隙間に挟まってしまう危険があったため、安全な幅まで広げています。
これによって超小型種、小型種、中型種のアリを飼育することができます。
同じく、一部屋だけ床のある部屋を作っています。
通路や部屋も狭くしていますので、大型種は飼育できませんのでご注意ください。
トビイロケアリ。
トフシアリ。
一般的に飼育をするアリとしては、最小サイズのキイロヒメアリも飼育可能。
キイロヒメアリサイズになると、蓋と壁のわずかな隙間でも通れる場所があったりもしますが、飼育に問題はありません。
そしてもう一つ新商品があります!
石膏飼育ケースの上に置くと巣内を暗くできる遮光カバーです。
これを置くことで、アリが暮らす部屋の中を暗くすることができます。
アリ飼育では、室内程度の明るさであれば、しばらくすれば慣れて普段通りの生活をしてくれいます。
AntRoomで飼育しているアリたちも、明るい室内で飼育をしています。
しかし、室内の明るさも、使っている照明器具の種類や、カーテンを開けたときの日光の入り具合など家によって様々です。
また、アリは明るいところよりも暗い場所を巣にしたり、暗い方を好むのも事実。
一日のうち、観察するとき以外の時間も明るくしておく必要はありません。
給水口加工してある石膏飼育ケース用に、穴あきの遮光蓋も制作しました。
蟻マシーン2号ミニ用も販売します。
普段の使用だけではなく、引っ越しをさせるときも暗くすることで早く引っ越しをします。
巣内を暗くして飼育することについては、必ずしも良いとは限りません。
常に暗くしていると、観察しようと明るくするとアリたちが驚くことがあります。
アリの飼育で大切なことは「よく見る」ことだと思っていて、どれくらい産卵したか?幼虫はどれくらいいるか?巣内に食べ残しはないか?など、細かい変化を観察して、それに合わせて世話をすることが大切なのです。
部屋が明るすぎる場合や、引っ越しをさせたい場合や、新女王や神経質な種類の飼育などでの使用をオススメします。
うちでは視力が良いクワガタアリなどに使用しています。
観察で遮光カバーを外すときは、石の下のアリの巣を見るときのようなワクワク感があります。蟻マシーン用の遮光カバーも販売開始。
— AntRoom 島田拓 (@AntRoom_taku) March 31, 2024
主に視力が良いクワガタアリやメダマハネアリなどに使用しています。
観察で遮光カバーを外すときは、石の下のアリの巣を見るときのようなワクワク感があります。 pic.twitter.com/mFYaETtzsy
結婚飛行を終えたばかりのクロナガアリの女王が入荷しました。
元気な女王たちをお送りいたします。
タネで飼育をできるクロナガアリは、とても飼いやすいため初めてアリを飼育される方にもオススメです。
また、タネで飼育ができるため小昆虫を餌に与えるのが苦手な方にもオススメです。
エサ場、エサ皿、エサの種子、水分補給用のシリンジ、飼育説明書と、クロナガアリの飼育に必要なものがすべて入ったクロナガアリ飼育セットもご用意いたしました。
こちらのセットでは部屋付き石膏飼育ケースも選択可能。
【到着してからの飼育】
クロナガアリは石膏飼育ケースに入れてのお届けとなります。
発送前に石膏に給水済みですので、到着してからしばらくは何もしなくて大丈夫です。
直射日光の当たらない場所に置き、日々増えていく卵や、成長していく幼虫の観察をお楽しみください。
5月になると、サナギが羽化して働きアリが誕生しますので、ここから本格的な世話をスタートします。
働きアリが羽化したころに、一度石膏に給水して、エサの種を数粒巣の中に入れます。
そして、石膏飼育ケースにエサ場を連結します。
エサのタネは、一度に大量に与えてしまうと、巣の中で発芽してしまいますので数粒ずつ与えるようにします。
・大きさ
女王アリは9mm、働きアリは3〜5mmと中型のアリです。
通常のアリは、1つの巣に女王アリは1匹ですが、クロナガアリは複数の女王アリが協力して巣を作ります。
・生息地
本州〜九州に分布しています。
・食性
アリとしては珍しく、タネを専門に食べるアリです。
虫をエサに与えるのが苦手な方でも飼育をすることができます。
・体色
女王アリ、働きアリ共に黒色です。
飼育温度について
これらの日本のアリは寒さにはとても強いため、冬は室内であれば無加温で飼育することができます。
暖かい室内で飼育をすると、冬でも活動する姿を観察できます。
アリ飼育で、もっとも気を付けないといけないのが、夏場の高温と、水分不足の乾燥です。
アリは1年中温度や湿度が一定の地中で暮らしているのです。
夏場は30℃以上にならないように気をつけましょう。
特に、直射日光などの当たる窓側などには置かないようにしてください。
また、石膏飼育の場合は、定期的な水分補給も忘れないようにしてください。
飼育容器について
販売中のアリたちは、石膏飼育ケースに入れてお届けしますので、チューブでエサ場などを連結することで、そのまま飼育をすることができますが、部屋の使い分けなど、アリ本来の姿を観察するためには蟻マシーンや部屋付き石膏飼育ケースがオススメです!
働きアリの数が増えてきたら連結タイプで増築することが可能です。
2024年03月30日
2024年03月29日
現在、東京都ではクロナガアリの結婚飛行が行われています!
この湿度と気温は一気に飛びそうですね。
一年ぶりの光景に、アリ好きの息子も大喜びしています。東京都のアリ好きの皆様。
— AntRoom 島田拓 (@AntRoom_taku) March 29, 2024
クロナガアリが結婚飛行をしています!
歩いているクロナガアリの女王を拾えるのはこの時期だけです。
下を見ながら歩きましょう🐜
一年ぶりの光景に、アリ好きの息子も大喜びしています。
#結婚飛行速報 pic.twitter.com/FuYZJ0xIkF
去年は3/24に行われたので、大体同じような感じですね。