COSTELLOG

エルヴィス・コステロに関するニュースから、どうでもいい小ネタまで。

祝・2024年 ELVIS COSTELLO & STEVE NIEVE 来日公演決定!
4/8(月) すみだトリフォニーホール(東京)SOLD OUT!
4/9(火) すみだトリフォニーホール(東京)SOLD OUT!
4/11(木) ザ・シンフォニーホール(大阪)SOLD OUT!
4/12(金) 浅草公会堂(東京)SOLD OUT!
SMASH - ELVIS COSTELLO & STEVE NIEVE

前回の来日から8年間の軌跡を振り返るべく、遡り更新中!
↓こちらの記事のリンクを随時更新しています。
http://blog.livedoor.jp/ayako445/archives/52498312.html

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これは賛否両論…というか、リリース当時は The Juliet Lettersに匹敵する、いやそれ以上の拒絶のされ方だったのではないかと。当時メーリングリストなどでやりとりしていた海外のファンの人たちの一部では「sNorth」とか言われてた…("snort"は「フンと嘲笑う」といった意味)。金髪美女のジャズシンガーと結婚して、こんなスムースジャズのレコードなんか作っちゃって、みたいな。特にUKでは音楽誌などでも散々酷評され、コステロはブチ切れて「イギリスは嫌いだ、二度と戻らない」などと暴言を吐き、お母さんに怒られたりしていました。

しかし日本ではそこまで悪く言われていなかった気がするし、私も決して嫌いではないどころか、かなり愛聴しました。コステロ史上、こんなに率直でピュアなラブソング集は他にありません。当時は「あまり個人的なことと結びつけてほしくはない」などと話していましたが、一つの愛の終わりから、新しい愛に出会うまで…などという、自らの心の動きを表現したとしか思えない歌の連続で驚かされます。

ここで少し下世話な話となり恐縮ですが、コステロがケイトと離婚したのが2002年9月。実はその前の3月にグラミー賞でダイアナと出会っています。そして確かその年の11月か12月にダイアナとの交際が報じられ、翌年の春には婚約が発表されました。このアルバムのレコーディングは2003年4〜5月頃だったとされていますので、時期的にもそりゃそうだという感じで。

「君は僕を置き去りにした」と歌うYou Left Me In The Darkから数曲、Fallenぐらいまでは愛を失う過程を描いた悲しい内容、しかしWhen It Singsでほんのり明るい気持ちが芽生えたかと思えば、Stillでは「一刻も早くキスしたい」などと一気にラブラブモード、Let Me Tell You About Herでは幸せを隠しきれなくて友だちが引いてしまうほどです。最後はI'm In The Mood Againで新しい人生のスタートを感じさせます。個人的なことと、どうしたって結びつけずにいられませんよね。

音楽的には、一部でスムースジャズなどと言われましたが全然そうではありません。Someone Took The Words Awayでソロをとるかのリー・コニッツをはじめ、錚々たるジャズミュージシャンが参加してはいるものの、ジャズとはいえないと思います。むしろクラシックの歌曲に影響を受けたと本人は語っていました。このことについて、だいぶ後になりますが、高橋健太郎さんがさすがとしか思えない考察をされていたのが印象的でした。Togetterにまとまっていたのを発見したので貼っておきます。私のツイートも拾われていました💦

2003年、北を北を目指したポップソング・ライター、エルヴィス・コステロ(高橋健太郎さん考察)

ミュージックマガジンの連載でも論じられていたのですが、今その号を探し出す時間がないのでまた今度。私は普段、氏の評論や文章の大ファンというわけではないのですが、音楽評論ってこういう考察のためにあるんじゃないかと思いました。世界で一番、Northの音楽を理解している方かもしれません。

…と、そんな知識や理論は抜きにしても、心地よく温かい気持ちになれる素敵なアルバムだと思います。メロディの展開の仕方、豪華過ぎないホーンやストリングスのアレンジ等、新鮮だけれど優しくて。秋にリリースされたこともありますが、寒くなると聴きたくなるんですよね。まあ気持ち良過ぎて途中で寝落ちしたりもするんですが。私が好きなのは、新しい恋に落ちた気持ちがみずみずしく伝わってくるようなWhen It Sings、そして聴くとニューヨークの風景が浮かぶI'm In The Mood Againあたり。

あと、これはボーナストラックなので反則かも知れませんが、Impatienceが私の大のお気に入りです。ジ・インポスターズの面々にホーンセクションやマーク・リボーも参加している豪華な一曲。North本編の音楽とは全然違いますが、ユニークでかっこいいです。もう一曲のボーナストラック、Too Blueは完全にジャズで、これも楽しくて大好き!ちょっとびっくりするのは、この2曲のピアノはコステロなんですよね。すごく流暢で、こんなに弾けるんだ…と初めて知りました。ちなみに本編の曲のピアノも、大部分はスティーヴですが、数曲コステロが弾いています。

リリース当時のツアー以降はライブで頻繁に演奏される曲は多くありませんが、去年スティーヴと二人の公演で少し復活していたので、今回の来日でも可能性はあると思います。最も多く演奏されているのはStillですが、それ以外が聴けたら嬉しいなあ。

https://elviscostello.info/wiki/index.php?title=North

You Left Me In The Dark
Someone Took The Words Away
When Did I Stop Dreaming?
You Turned To Me
Fallen
When It Sings
Still
Let Me Tell You About Her
Can You Be True?
When Green Eyes Turn Blue
I'm In The Mood Again

Impatience (Japan and UK)
Too Blue (Japan)
North (digital download)
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When-I-Was-Cruel-400x400

https://www.elviscostello.com/discography/when-i-was-cruel/

ここからが、私にとっての「真の」コステロ・リアルタイムとなります。Brutal YouthからPainted From Memoryあたりも一応リアルタイムではあったのですが、それらはCDショップをぶらついたり雑誌を見たりしていて(あ、コステロの新譜が出たんだ)と知って買いました、という感じ。コステロに本格的にハマった私が、何週間も前から情報を入手し、発売日を楽しみに待ち構えて買いに走ったのはこのアルバムが最初です。

コステロがリズムボックス等を使って一人でレコーディングした曲がベースになっているのですが、そこに加わる演奏は、まだバンド名がクレジットされていなかった現ジ・インポスターズの面々。All This Useless Beauty〜Painted From Memory〜For The Starsとバラード主体のアルバムが続いたこともあり、世間一般的には「ロックなコステロが帰ってきた!」的に歓迎されていた記憶があります。

ただ、ロックなコステロといっても、それまでとは一味も二味も違う音であることが、素人耳にもはっきりと感じ取れました。強い印象を与えるのが、ドラムマシンやサンプリングを駆使したサウンド、リズムの多彩さ、そしてディストーションかかり、歪んで暴れて時には泣き叫ぶコステロのギター。私は当時コステロの何をわかっていたわけでもありませんが、それらの変化を「現在進行形のコステロだ!」と嬉しく思ったものでした。

そういうわけで個人的にものすごく愛着があり、何度も何度も繰り返し聴いたアルバムですが、最近はあまりどっぷり浸る機会がありませんでした。で、今回久しぶりに通して聴いてみたら……これ、めちゃくちゃカッコいい!Spooky GirlfriendやWhen I Was Cruel No. 2など、当時すごく新しく感じた曲が、20年以上経っても全然古く感じないクールさ。Tear Off Your Own HeadやDissolve、Daddy Can I Turn This?はなんというか、アメリカのオルタナティブロックみたいな印象で、コステロのキャリアで後にも先にもありそうでない気がします。15 PetalやDustでのジャズ・パッセンジャーズのホーンアレンジも新鮮。とにかく曲数が多い(多過ぎるかも…)こともあり、うまくまとまらず書ききれません。コステロとデイヴィーの弾くベースのことだとか詞の世界とか、もっともっと語りたい…

そして、一番のお気に入りはなんと言ってもEpisode Of Blonde!トム・ウェイツの影響も感じさせる?ムードある音とラテンぽいリズム、まくし立てるコステロの声がたまりません。もう一度ライブで聴きたいなあ…でもさすがに今回の来日では難しいかな。今回このアルバムの中でほぼ間違いなくやりそうなのはWhen I Was Cruel No. 2。昨秋のヨーロッパツアーのオープニングでした。あと、45はバンドでもソロでもやりがちな曲なのであり得そう。全体的にこのアルバムは最近のコステロ&ナイーヴの実験的なモードに合ってる気がするので、渋いサプライズを期待してしまいます。

https://www.elviscostello.info/wiki/index.php?title=When_I_Was_Cruel

45
Spooky Girlfriend
Tear Off Your Own Head (It's A Doll Revolution)
When I Was Cruel No. 2
Soul For Hire
15 Petals
Tart
Dust 2...
Dissolve
Alibi
...Dust
Daddy Can I Turn This?
My Little Blue Window
Oh Well
Episode Of Blonde
Radio Silence
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久々の来日で、タワレコも頑張ってくれています!いや頑張ってるのはユニバーサルか?どっちでもいいですありがたいです。

【エルヴィス・コステロ】 来日記念パネル展を実施!さらには、抽選でサインが当たる!

Elvis Costello(エルヴィス・コステロ)|タワーレコード限定の来日記念キャンペーン!

詳しくは上記サイトをご覧いただければと思いますが、まずは先日リニューアルオープンしたタワーレコード渋谷店にて、4月2日(火)〜4月15日(月)まで、4月3日発売予定の来日記念盤「The Boy Named If (Alive At Memphis Magnetic)」発売を記念したパネル展が開催され、同アルバムを購入した人の中から抽選で1名に直筆サイン入り7インチが当たるという企画もあるそうです。パネル展ってどんなだ?まさか画伯のアートを展示しちゃったりしないだろうな…と戦々恐々としつつ、楽しみにしております。

そして4月2日からタワレコ店舗およびオンラインで、来日記念盤を含む対象商品をお買い上げの方はもれなく、ポストカードが貰えるようです。ポストカードって、これ?↓

postcard

…これをもらって嬉しいか?わからない。嬉しいかも知れない。何でもいい、貰えるものは貰いましょう!
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さあさあ、来日公演まであと2週間を切りましたよ!コステロご一行様は既にオーストラリアに到着している模様。皆さんテンション上がってますか?……などと問いかける私のほうは、もう緊張感高まり過ぎて、楽しみを通り越してしまっています。ああ無事に当日を迎えられるのかどうか…… そんな不安を吹き飛ばすべく、がんがん更新して勢いをつけたいと思います。

setlist

ここへきて、やっとレコード会社も盛り上げようという姿勢を見せ始めています。まずは先日、3月13日にコステロ来日に向けての「予習用プレイリスト」なるものが公開されました。


当初、Digster Japanなどという謎のアカウントのツイートで流れてきたので、何者かと思いましたが、要はレコード会社=ユニバーサルジャパンの販促のためのプレイリストを専門に担う会社のようです。Spotify、Apple Music、Youtubeそれぞれに上がっている「予習用プレイリスト」のリンクは以下になります。

Apple Music
https://umj.lnk.to/TheSetlist_ecsn/applemusic

Spotify
https://umj.lnk.to/TheSetlist_ecsn/spotify

Youtube
https://umj.lnk.to/TheSetlist_ecsn/youtube

ご覧いただければわかる通り、異常に渋〜い選曲になっています。こういうセットリストって普通、ベストヒットみたいのじゃないの?と思っていたので度肝を抜かれました。一体どういう基準で選曲したんろう…とちょっと調べたところ、どうやら昨年秋のコステロ&ナイーヴのヨーロッパツアー、それも最終日の1日前の2023年10月2日ジュネーヴ公演のセットリストをほぼそのまま参考にしているようです。未発表曲やカバーなどはもちろん省略されていますが。

https://www.elviscostello.info/wiki/index.php?title=Concert_2023-10-02_Geneva

コステロの場合、同じセットリストは二度とないと言ってもよいぐらい毎回違いますので、この通りにやることはないでしょうが、コステロ&ナイーヴ公演ということで、全体的には参考になるんじゃないかな?と。なので、なるべくネタバレを避けたい方は凝視しないほうがいいかもしれません。いや、全っ然違うものになる可能性もありますが。個人的には、聴きたい曲がいっぱい入ってるのでこれだと嬉しいなと思う反面、サプライズがあって欲しいのでこの通りじゃイヤ。毎日できるだけ違うセットリストを期待したいです!
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For-The-Stars-400x400



うーーん、「何を書いていいかわからないアルバム」3枚目、いや4枚目かな?そもそも、コステロのオリジナルアルバムとしてクレジットすべきかどうか迷ったのですが。一応、ジャケットに一緒に写ってますからねえ。

2001年の作品なので、私は既に本気のコステロファンになっていたはずなのですが、これはリアルタイムではスルーしてしまっていました。コステロが全面的にプロデュースして、スウェーデンのメゾ・ソプラノ歌手アンネ・ゾフィー・フォン・オッターがポップスを歌うというアルバムです。コステロはギターやボーカルでも結構多くの曲にクレジットされています。

コステロ自身の曲に加え、レノン&マッカートニーやブライアン・ウィルソン、ABBA、ロン・セクスミスなど、必ずしも超有名曲ばかりではない名曲たちが美しいメゾ・ソプラノで歌われている…のですが、すみません、私はこのクラシック歌手らしい唱法がどうもあんまりしっくりこなくて。いえ、あくまでも個人的な好みの問題です。文句なく美しい声だし、派手過ぎないアレンジと演奏もいい感じだし、客観的には良いアルバムだと思います。

収録曲の中で、この作品のために書き下ろされたNo WonderとFor The Starsはファンの間で隠れた(?)名曲と評判でして、私もかなり好きです。コステロ本人も気に入っているようで、たま〜にライブで歌ったりして驚かせてくれます。No Wonderは日本でもやりましたね。またサプライズを期待したいところです。

https://elviscostello.info/wiki/index.php?title=For_The_Stars

No Wonder
Baby Plays Around
Go Leave
Rope
Don't Talk (Put Your Head On My Shoulder)
Broken Bicycles / Junk
The Other Woman
Like An Angel Passing Through My Room
Green Song
April After All
You Still Believe In Me
I Want To Vanish
For No One
Shamed Into Love
Just A Curio
This House Is Empty Now
Take It With Me
For The Stars
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2023年にリマスター&ライブ音源&未発表曲てんこ盛りの「THE SONGS OF BACHARACH & COSTELLO」がリリースされ、あらためて注目された感のあるこの作品。言わずと知れた、故バート・バカラックとの共作アルバムです。1996年に映画「グレイス・オブ・マイ・ハート」の挿入歌God Give Me Strengthを共作したことから始まったコラボレーションがさらに発展し、この名作が生まれるに至りました。そしてその友情はその後も長く続くことになります。

一般的には作詞・コステロ、作曲・バカラックと思われているふしもありますが、Words & Music: Burt Bacharach & Elvis Costelloとクレジットされているように、実際にはコステロが作曲に関わった部分もかなり多いとのこと(コステロはそれをとても誇りに思っているようです)。PCもメールもまだ普及していなかった90年代、多忙な二人はFAXを通じて譜面をやりとりした、という逸話も有名。

バカラックらしい美しく洗練された旋律やアレンジに、コステロの情熱的かつ巧みなボーカルが乗って、どの曲も本当に素晴らしい完成度です。大袈裟でなく本当に捨て曲なし!と思いますが、私が特に好きなのはアルバム前半のIn The Darkest Place、Toledo、I Still Have That Other Girl、This House Is Empty Nowあたり。1999年2月のスティーヴと二人での来日公演(←私がコステロにハマるきっかけとなった)では前年に出たこのアルバムからかなり多くの曲が歌われたのですが、特にこれらの曲を生で聴いた感動がすごく鮮明で、今でもはっきり思い起こせます。そしてやっぱりGod Give Me Strength!2013年のSpinning Songbook Tourで来日した際、WOWOWの中継が入った東京最終日に、スタンディングの客席に降りてきて練り歩きながら熱唱したのが忘れられません。

長年、スティーヴと二人の公演で演奏される確率はかなり高めのアルバムですが、今回はどうなるかな。バカラック追悼の意味でもぜひ、と願っています。

https://elviscostello.info/wiki/index.php?title=Painted_From_Memory

In The Darkest Place
Toledo
I Still Have That Other Girl
This House Is Empty Now
Tears At The Birthday Party
Such Unlikely Lovers
My Thief
The Long Division
Painted From Memory
The Sweetest Punch
What's Her Name Today?
God Give Me Strength
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Brutal Youthに続いて(Kojak Varietyをとばして)リアルタイムで買ったアルバム。これはもう、一曲目のThe Other End Of The Telescopeを聴いた瞬間からぎゅうっと心を掴まれました。なんていい曲なんだろう!と。今でも大好きです。コステロのバラードの中でも1、2を争うんじゃないかな。ただし1位も2位も複数あるんだけど。

(今度こそ)アトラクションズ名義では最後のアルバム。他のミュージシャンへの提供曲が多く、セルフカバーアルバム?と捉えられたのか、Brutal Youthの時に比べると世間の盛り上がりはいまひとつだったような記憶があるのですが、実はものすごく充実した作品です。演奏はアトラクションズらしい激しさは影を潜めているものの、緩急の効いた円熟のパフォーマンスで曲の美しさを際立たせています。また、随所に効果的に使われている管弦楽器が、派手ではないけれど耳に残ります。

そしてコステロのボーカルはもしかしたら全作品の中で最高峰かも、と思わせる素晴らしさ。The Other End Of The TelescopeやAll This Useless Beauty、Why Can't A Man Stand Alone?など、バラードの美しさが一際目立ちますが、Complicated ShadowsやStarting To Come To Meのようなアップテンポの曲も、細かいところまでコントロールして歌っているような完成度の高さを感じます。

アルバムのタイトルの通り、本当に「美しい」作品です。全編を通してスティーヴのピアノが印象的で、二人のライブで映える曲も多いと思うので、今度の来日でも期待したいところです。

https://elviscostello.info/wiki/index.php?title=All_This_Useless_Beauty

The Other End Of The Telescope
Little Atoms
All This Useless Beauty
Complicated Shadows
Why Can't A Man Stand Alone?
Distorted Angel
Shallow Grave
Poor Fractured Atlas
Starting To Come To Me
You Bowed Down
It's Time
I Want To Vanish
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せっかく前作でリアルタイムになったのに、このアルバムは当時認識していなくて、後追いです。1995年のリリースですが1990年頃レコーディングされた作品で、コンフェデレイツ、ルード5の錚々たるバンドメンバーがバックを固めています。Almost Blue以来のいわゆるカバーアルバムですが、選曲が一筋縄ではいかない……というか、渋い。初めて聴いた頃は今よりさらに音楽知識がなかったため、あまりピンときませんでした。

1991年のルード5との来日ではこの中の曲を色々やったみたいなので、思い出の曲がある方も多いかもしれませんが、私は残念ながらそういうのもなく…。ただ一曲、モーズ・アリソンのEverybody's Crying Mercy は2003年のフジロックフェスティバルで聴いたのがすごく印象に残っており、その後でこのアルバムを買って、これだったのか!となりました。最近この曲が久々にライブのセットリストに復活しているのですが、おそらく歌詞の内容からして、昨年来の中東情勢に対する反応かなと勝手に思っています。もしかしたら今回の来日でも聴けるかも?ちなみにフジロックで歌った2003年は、今思えばイラク戦争勃発の年でした。

自分の中に少〜しずつ様々な音楽が蓄積されていくにつれて、このアルバムの良さがわかってきたような気がします。先人たちに対するコステロの憧れ、敬愛の念が伝わる、ある意味とてもピュアな作品。しみじみいい曲揃いだな…と、つい最近聞き直して噛み締めています。Everybody's Crying Mercy以外では、I Threw It All Away、Must You Throw Dirt In My Face、Running Out Of Fools、Please Stay、そしてDaysが好き。このアルバムの収録曲に限りませんが、コステロのカバーで聴いてから原曲を知った曲というのが私には山ほどあって、本当にコステロに感謝です。

https://elviscostello.info/wiki/index.php?title=Kojak_Variety

Strange
Hidden Charms
Remove This Doubt
I Threw It All Away
Leave My Kitten Alone
Everybody's Crying Mercy
I've Been Wrong Before
Bama Lama Bama Loo
Must You Throw Dirt In My Face
Pouring Water On A Drowning Man
The Very Thought Of You
Payday
Please Stay
Running Out Of Fools
Days
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ああ、やっと私のリアルタイムのアルバムに辿り着きました!私が遅まきながらやっと洋楽を聴き始めた頃、世の中はブリットポップの全盛期でした。それらのCDを求めて大手輸入レコード店に通うようになった流れで、このアルバムは横浜のHMVで買ったと思います。クラシックに道を外したコステロがロックに戻ってきた!みたいな感じで世間(世間?)は盛り上がっており、ベスト盤ぐらいの知識しかなかった私も、わかりやすくコステロらしいコステロだ!と嬉しかったものです。

ブルース・トーマスとの仲が修復されておらず、ベースはニック・ロウが半分ぐらい弾いてたりしますが、ほぼアトラクションズな作品と捉えられていたと思います。キャッチーなメロディと、キレのあるタイトでかつキラキラしたバンドサウンド。なんとなくブリットポップの流れにも合っていた感があるし、日本で最も売れたコステロのCD、というのもうなずけるような。

ですが、このアルバムを聴けば聴くほど好きになっていったのは、その「帰ってきたロックなコステロ」を象徴するようなPony St.とかSulky Girlなどの激しめの曲ではなく(もちろん嫌いじゃありませんが)、London's Brilliant ParadeやStill Too Soon To Know、そしてFavourite Hourなどのミドル〜スローテンポの曲たちだったりします。それまでコステロが探究してきた様々な音楽、特にJuliet Lettersの経験なくしてはこういう曲たちは生まれなかったのでは?という気がするのです。決して「帰ってきた」わけじゃなく、この時点での最新型のコステロです。

スティーヴと二人のライブで聴ける可能性がありそうなのは、前述のミドル〜スローナンバーでしょうかね。これらも結構レアなので、やってくれたらラッキー。というか私はたぶん泣きます。

https://elviscostello.info/wiki/index.php?title=Brutal_Youth

Pony St.
Kinder Murder
13 Steps Lead Down
This Is Hell
Clown Strike
You Tripped At Every Step
Still Too Soon To Know
20% Amnesia
Sulky Girl
London's Brilliant Parade
My Science Fiction Twin
Rocking Horse Road
Just About Glad
All The Rage
Favourite Hour
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コステロが弦楽四重奏団と共演?!と、当時はかなりの問題作扱いだったと聞いております。ロックミュージシャンがクラシックなんかに手を出しやがって…という偏見は今よりもっと強かったのではないかと。私はこの時点でもまだリアルタイムのファンとはいえず、正直なところそんなにみっちり聴き込んできたわけではないのですが、これは間違いなく名盤だと思っています。

キャリアの長いロック歌手がちょっと何か目先の変わったことをやってみました、という程度のコラボレーションではないのです。純粋なクラシック音楽への関心から、ブロドスキー・カルテットのコンサートに足繁く通うようになり、そのうち親交を深め、がっぷり四つに組んだ真の共作。正規の音楽教育を受けていないコステロですが、ブロドスキーのメンバーと意思疎通ができるようにこの時点で楽譜を勉強したそうです。この経験がその後の様々な冒険にもつながっていくのだなあと。

ちなみにこの作品は現在までに世界中の数多くの弦楽四重奏団などによって演奏されており、クラシック音楽の世界ではかなり人気の定番作品となっているようです。詳しくは下記のリンクをご参照ください。ロックミュージシャンの余技といったレベルのものではない、ということがおわかりいただけるかと思います。

https://elviscostello.info/wiki/index.php?title=Performances_of_The_Juliet_Letters

そんな話はともかく、理屈抜きで素直に感動してしまう良い曲がたくさん入っています。それまでのポピュラーミュージックの文法とはまったく違う枠組みの中で、コステロの作曲のセンスがさらに炸裂しているような。I Almost Had A Weakness、Taking My Life In Your Hands、Jacksons, Monk And Roweあたりの、思わずはっとさせられるメロディの展開、複雑さ、そしてそれを歌いこなす歌唱力…。脱帽です。

そして代表曲ともいえるのがThe Birds Will Still Be Singing。コステロのお父さんが生前この曲をとても気に入っていたそうで、お葬式ではブロドスキーのメンバーが演奏してくれたというエピソードが自伝に書かれています。私も大好きな曲です。このアルバムの中で、ブロドスキーとのコンサート以外で演奏されたのはこの曲だけ。それもかなりレアですが、もしもライブで聴けるとしたらこれかなと思います。

https://elviscostello.info/wiki/index.php?title=The_Juliet_Letters

Deliver Us
For Other Eyes
Swine
Expert Rites
Dead Letter
I Almost Had A Weakness
Why?
Who Do You Think You Are?
Taking My Life In Your Hands
This Offer Is Unrepeatable
Dear Sweet Filthy World
The Letter Home
Jacksons, Monk And Rowe
This Sad Burlesque
Romeo's Seance
I Thought I'd Write To Juliet
Last Post
The First To Leave
Damnation's Cellar
The Birds Will Still Be Singing
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