2024年04月03日

津な軽食堂 かっちゃ

時々訪問する豆富ハンバーグの『鎌倉六弥太』で、少し前から話題になっていたのが、隣のビルに出来るという『かっちゃ』です。

青森料理の店とのことで、3月上旬にオープンと聞いていました。

開店は遅れることの方が多いのですが、気が付くと2月中にオープンしたようです。



今日は春の嵐、朝から風雨が強く生憎な天気です。

遠くへ行くのも大変だし、予報でもだんだん雨も強くなると言っていました。

写真左は鎌倉駅ホームから、西口のホーム沿いの道を写したものです。

『かっちゃ』は『鎌倉六弥太』の隣にあることが分かります。



店頭の様子ではどうやら営業しているような雰囲気です。

こんな時に行くには便利な立地、今日はチャンスかもしれません。

西口改札を出て、抹茶アイスの『茶茶』の前を通って線路沿いの道に出ました。



写真右はかっちゃの店頭。

弘前ねぷたの暖簾の横の『呑めます』という文字に目がいきました。

その下に日本酒の銘柄も書かれています。


木の板戸に手をかけましたが、なかなか開きません。

すると中に人の気配がして、引き戸を開けてくれました。


「開店は11時30分になってたけど。」

「今ちょっと準備に時間がかかっていて。」

現在は修正されていますが、当時のインスタには11時30分とありました。

(鎌倉駅ホームから)    (かっちゃ店頭)
かっちゃ ホームからかっちゃ 店頭











中にいたのは着物姿の女性。

『かっちゃ』とは、青森の言葉でお母さんの意味と聞いています。

この人が『かっちゃ』であることは間違いありません。


「傘はどこに置いたら?」

「ここに掛けておいてください。」

傘立てでなく、入口横のコンクリートの壁の縁に傘をかけて、中に入りました。

コの字のカウンターの外から見えない席に座ります。

そのほかにテーブル席もありました。


なかなか文字では表しにくいのですが、着物姿のオーナーの女性は、やさしい津軽弁で話しています。

飲食店には、いろいろな地方から来ている人も多いのですが、ずっと方言でしゃべってくれる店はほとんどないので、何か新鮮です。



注文は席にあるQRコードを読み取ってメニューを出し、そこから選ぶという方式らしいのですが、ガラホなので、目の前にある紙のメニューから選びます。


「今、ご飯を炊いてますので。」

ということでご飯ものは後で頼むことにしました。

---------------------------------------------------

かっちゃのお品書き

黒石やきそば(ご当地B1グルメ)   900円

八戸せんべい汁           1000円

けの汁                800円

身欠きにしんの和え物         800円

わらびの醤油漬け           700円

かんかい(乾き物)          700円

たまたら               700円

かっちゃの「りんごにんにくカレー」  600円

塩むすび               300円

---------------------------------------------------



「『いがめんち』をください。

このメニューには入っていませんが、インスタに写真とともに『いがめんちもレギュラーメンバーでいるはんで♪』と書いてありました。


「最近イカが高くなっちゃって、手に入らないんです。」

ちょっと残念!


「だったら『黒石やきそば』をもらおうかな。」

「あ〜、やきそばは終わっちゃって。」


「『わらびの醤油づけ』などはいかがですか?」

「じゃ、とりあえずそれで。」


順序は逆ですが、おつまみを頼んだので飲み物を追加します。

「『田酒』があるって書いてあったね。」

「『田酒』も昨日ちょうど終わっちゃんです。」


「そうなんだ。」

「『陸奥八仙』もおいしいですよ。」

昼飲みなので半合を頼みました。

(店内)          (メニュー)
かっちゃ 店内かっちゃ メニュー













まずは『陸奥八仙』がきました。(写真左)

『陸奥八仙』は細長い陶器の器に入っています。

--------------------------------------------------

陸奥八仙(フルーティー)   1200/600円

メロンやバナナのような香り 厚みのある味わい

--------------------------------------------------


たしかにフルーティーな飲み口。

軽くて飲みやすく昼飲みにはぴったりかもしれません。



そして『わらびの醤油づけ』(写真右)

先ほど触れたとおりオーナーは津軽の出身。

津軽半島の付け根あたりにある『津軽富士』とも呼ばれる『岩木山』の近くということです。

山菜も豊富で、この蕨も家の方が採取してきたもの。


柔らかくやさしい味です。

器の端に乗せてある黄色い辛子を付けると、ちょっと味変出来てまたおいいしい。

蕨がなくなるころには陸奥八仙もなくなりました。


「お酒で、ほかに何かいいものは?」

「そうですね。『如空』これも八戸のお酒ですけどおいしいですよ。」

--------------------------------------------------

如空(甘口)   900/500円

しっかりとした中にもほのかな甘さ
--------------------------------------------------


これも半合で頼みました。

(陸奥八仙)        (わらびの醤油漬け)
かっちゃ 八仙かっちゃ わらび













蕨に続くつまみも頼みます。

「ニンジンを湯がいて、たらこをまぶしたのがありますけど。たらこは塩漬けじゃなくて生のたらこを使ってます。」



まもなく『人参のたらこ和え』が運ばれました。

まだ、湯気が立っています。

ほんのり温かく、人参の甘さとたらこの食感がちょうどいい。


甘口の『如空』を飲んでいると、入口が開いて60代〜70代くらいの女性が3人入ってきました。


「この間は有難うございました。ご紹介いただいた〇〇さんにも先日来ていただきましたよ。」

このグループは角のテーブル席に座りました。


そして、『八戸せんべい汁』を頼みます


「この間いただいた『田酒』またいただこうかしら。」

「『田酒』がちょうどなくなってしまって。」


「あら、そうなの。」

「この『稲村屋』もおいしいですよ。」

--------------------------------------------------

稲村屋(辛口)  1500/800円

米の旨味をしっかりと出した味わい
--------------------------------------------------


「『田酒』と『稲村屋』はどっちが珍しいのかしら?」

「『田酒』はいつでも手に入ります。『稲村屋』の方が珍しいかもしれませんね。」

グループに『稲村屋』を出すと、女将は厨房に入って『八戸せんべい汁』を作っているようです。


ワンオペなのでちょっと大変です。


津軽三味線のBGMを聞きながら女将が出てくるのを待ちました。


やがてカウンターにせんべい汁のどんぶりが並び、グループに運ばれます。


戻った女将さんに最後に頼もうと思っていた『かっちゃの『りんごにんにくカレー』を頼みました。


「ずっと1人でやってるんだ。」

「週2日お手伝いをお願いしているんですけどね。後は時々娘が手伝ってくれます。」



カレーが運ばれました。(写真右)

600円のミニサイズです。


この店のオープン前に店の前に貼ってあったのがこのカレーだったと思います。


「肉は入ってないんだよね。」

「ええ、入ってません。」

とりあえず一口。

最初は甘さを感じました。

さわやかな甘さであっさりとしているのですが、何とも言えない旨味もあります。

ニンニクはそれほど正面には出てきませんが、旨味は青森ニンニクからなのかもしれません。

ともかく後味のいいカレーでした。


「ホタテの稚貝などおいしいものもあるんですが、あまり長く持たないので、仕入れる時期が難しいんです。」



洒落た感じのお店ですが、津軽弁満載のアットホームな雰囲気で郷土の味が楽しめます。

ただ2月末にオープンしたばかり、いろいろ試行錯誤でやっていくようなので、毎日のインスタチェックが必要です。

(人参のたらこ和え)    (りんごにんにくカレー)
かっちゃ 人参のたらこ和えかっちゃ カレー











++++++++++++++++++++++++++++++++++

●御成町「津な軽食堂 かっちゃ」(青森料理)
 電話 不明
  鎌倉市御成町13ー40 ヒラソル1階
 営業時間 11:30〜14:30
       17:00〜22:00 
定休日  不明
  https://www.instagram.com/tsunagarusyokudo_kattya
 ペット可(時々、かっちゃのワンちゃん「テンちゃん」がいます)
 ※2024年25日オープン

++++++++++++++++++++++++++++++++++









< にほんブログ村 ↓>

にほんブログ村 グルメブログ 神奈川食べ歩きへ




このブログは日本でただひとつの湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ『オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉』の附属ブログです。
『湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ』は他にないので、多分「日本一」だと思います。(笑)

よろしければ合わせてお読みください。




<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>

〜 メルマガの登録は下記からおねがいします!! 〜

<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>







chefcomi at 11:00|PermalinkComments(0) 鎌倉 | 食堂

2024年03月20日

古民家カフェ ユキノシタ

鶴岡八幡宮の近くに古民家カフェが出来たと聞きました。

鎌倉第一の観光スポットの近くで、駅からも小町通りからも遠くない距離です。

散歩がてら覗いてみることにしました。


いつもは小町通りを通ることが多いのですが、今日は参拝のメインストリートである段葛を通ってみることにします。

鎌倉駅から若宮大路に出て、二の鳥居の狛犬の間を抜けて段葛を進みました。

先日、雨が降る寒い日に見た時には、ほとんど誰も歩いていなかった段葛ですが、今日は晴れて気温も平年並み。

桜はまだ冬のままの状態ですが、ぼちぼち歩いて行く人も見えました。(写真左)




段葛の終わりは八幡宮の入口、ここには三の鳥居が聳えています。(写真右)

三の鳥居の前、八幡宮の前を横切るのは横大路という道になります。


今回の古民家カフェは横大路、写真で言えば、車の進む方向にあるとのこと。

横浜横須賀の朝比奈ICの方から鎌倉に入る道なのでけっこう車通りは多い!

車を気にしながら狭い路側帯を進みます。

(段葛の道)        (三の鳥居)
ユキノシタ 段葛ユキノシタ 三の鳥居













横大路の進行方向、右側少し歩くと、見慣れない看板がありました。

看板には家のイラスト、その周りを『Y・U・K・I・N・O・S・I・T・A』とアルファベットが囲っています。


その下には、メニュー表もありました。

ちょっとややこしいのは、今回の『古民家カフェ ユキノシタ』の少し手前に『カフェ 雪の下』という店があること。

混同しないよう気をつけてください。



看板とメニューを確認して、砂利の敷き詰められた細い路地を進みます。

すぐ後ろで声が聞こえました。


「いい感じね。ここじゃないかな。」

女性の2人連れです。



突き当りに趣のある木造家屋。(写真右)

玄関もあるのですが、その先の庭の入口に板に手書きの案内が見えました。

「CAFEの入口はこちらです ENTRANCE →』


石畳に沿って歩いていきます。

廊下に沿ったガラス戸のところにまた案内の板。

『入口はコチラです 土足でおあがりください。』

ちょっと戸惑いますが、書いてある通りにガラス戸を開け、靴のまま中に入りました。

(入口の路地)       (古民家カフェ入口)
ユキノシタ 路地ユキノシタ 店入口

















中から女性スタッフが出てきました。

「1人ですが大丈夫ですか?」

「はい。どちらでもどうぞ。」


正面に庭の見えるテーブル?に席を取ります。

庭に近いと言うだけで、あまり考えず座ったのですが、椅子の前にあったのは古い箪笥を利用したテーブルでした。


間をおかずに入ってきたのは、入口ですぐ後ろだった2人連れの女性。

2人は部屋の真ん中付近に座ったようです。


庭には白い砂利が敷き詰められ、何種類かの樹木が見えました。

正面の梅は、残念ながら盛りを過ぎていましたが、まだ少し花を残しています。

梅の右には、枇杷や柚子などの木も見えました。



この店は席が決まったら中央のレジで注文するシステム。


入口の看板には

---------------------------------------------
当店はキャッシュレス決済のみとなります。
---------------------------------------------

とありました。



財布を持ってレジに向かい聞いてみます。

「クレジットカードでも大丈夫でしすか?」

「はい。大丈夫です。」


レジのところにあるメニューを見ました。


-----------------------------------------------------

FOOD

ユキノシタ スパイスカレー
動物性の食材を使用せずに作ったユキノシタ自慢のオリジナルスパイスカレー
1800円


海藻ソーセージと枝豆ディップのオープンサンド
鎌倉の名店アルシュタットの海藻ソーセージを使用した、チーズとろける焼き立てサンド
1300円

-----------------------------------------------------


フードメニューは2種類でした。


ユキノシタ自慢の『オリジナルスパイスカレー』を注文します。

ドリンクメニューからはビールを追加しました。



そして財布からVISAのカードを取り出します。

「こちらの上に乗せていただけますか。」

読み取り機の上にカードを置きました。


2300円のレシートを受け取り席に戻ります。

私が最初のお客でしたが、その後次々と来店客が続きました。


外国人のグループ以外に男性客はいません。

1人で来たお客さんは、40代くらいの女性だけでした。

(古民家の店内)      (整備された庭先)
ユキノシタ 店内ユキノシタ 庭














ほぼ満席の店内は、何となくざわざわとしています。


こちらにはカレーとビールが運ばれました。

「カレーの中にスパイスの塊があるかもしれませんが、これは食べないでください。」

「あっ、はい。」

カルダモンなどがそのまま入っているとのことです。


カレーには大根、にんじん、玉ねぎなどの入った根菜のピクルス、そして紫キャベツのマリネの2つが小さい器に入ったものが付いていました。


メニューにもあるとおり『動物性の食材を使用せずに作った』カレー。

見た目にもさらっとした印象です。

ご飯はカレーに合う固めに炊けていました。


一口食べてみます。

クミンの香を感じます。




ん!

ここで、さきほどからちょっと気になっていた違和感が増してきました。

椅子の真ん中が少しへこんでいる上に、テーブル代わりの箪笥の高さが高い!

皿を箪笥の上に置いたまま食べるのが、ちょっと難しいので、皿を持って食べることにしました。




皿が熱いのですが、仕方ありません。

食事を続けます。


その後は入れ違いにいろいろなスパイスが香ってきました。

コクとか旨味とかではなく、めくるめくスパイス。


辛さはあまりありませんが、まさに『オリジナルスパイスカレー』と言っていいカレーでした。

食べた後身体が浄化されたような気がします。


量的なものもあるのかもしれませんが、まったく胃にもたれません。

ヴィーガンの人は毎回この感覚なのでしょうか?


あるはずのカルダモンの塊にはまったく気が付きませんでした。

カレーもビールもなくなったので、もう一度レジに行きコーヒーを注文します。(写真右)

深煎りの東ティモールとのこと。

深煎りですが、柔らかい口当たりの飲みやすいコーヒーでした。



ティータイムで楽しみたいときには『珈琲クリームとバナナ、カシスのサンデー』や『深煎り珈琲ゼリー』などのスイーツもあるようです。




会計は終わっていますが、帰りにちょっとレジに寄ってみます。

先ほどレジでもらったショップカードはここのものではなく、『サカノシタ』のものでした。


「この店のショップカードはありますか?」

「すみません。まだ、出来てないんです。」


「この『サカノシタ』とは何か関係があるんですか?」

「オーナーが同じなんです。」

「それで、何となく雰囲気が。」


「似ていますか?」

「そうですね。」


『サカノシタ』は長谷、坂の下にある人気の古民家カフェです。

『サカノシタ』は築100年、こちらは80年だそうです。

以前は『Cafe坂の下』という名前で、ドラマのロケ地になるほど有名なカフェでしたが、昨年の6月に閉店、その後オーナーチェンジし『サカノシタ』として雰囲気はそのままに再オープンしています。



満席の客席を縫って外に出ました。

『Cafe坂の下』や『サカノシタ』の系譜の古民家カフェ、八幡宮からも近く、すでに知られてきているようです。

(カレーとビール)     (コーヒー)
ユキノシタ カレーとビールユキノシタ コーヒー









++++++++++++++++++++++++++++++++++

●雪ノ下「古民家カフェ ユキノシタ」(カフェ)
 電話 0467−33−6105
  鎌倉市雪ノ下1−13−13
 営業時間 月・水〜金 10:00〜17:00
      土・日・祝 10:00〜18:00 
定休日   火曜日
  https://www.instagram.com/yukinosita.kamakura/
 ※2024年2月1日グランドオープン

++++++++++++++++++++++++++++++++++








< にほんブログ村 ↓>

にほんブログ村 グルメブログ 神奈川食べ歩きへ




このブログは日本でただひとつの湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ『オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉』の附属ブログです。
『湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ』は他にないので、多分「日本一」だと思います。(笑)

よろしければ合わせてお読みください。




<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>

〜 メルマガの登録は下記からおねがいします!! 〜

<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>





chefcomi at 11:00|PermalinkComments(0) 鎌倉 | カフェ

2024年03月06日

鰻のおかむら

以前にも触れたのですが、さまざまな飲食店が増える中、鰻店だけは増えないだろうと思っていました。
肝心な鰻はしらすうなぎが減少しているし、その生態系にも不明な部分が多く、卵からの養殖は出来ていません。

さらに鰻職人も少なくなっていると聞いています。


そんな中、北鎌倉に『明月川』が出来、今回、由比ヶ浜にまた新しく鰻店がオープンすると聞きました。

今度の店は茅ヶ崎からの移転とはいえ、鎌倉の鰻店が増えるのは喜ばしいことです。

店は御成通り商店街を抜けて、由比ヶ浜通りに出てすぐのところとありました。




鎌倉駅西口を出て商店街を進みます。

閑散期の2月半ばですが、御成通りは賑わっていました。


写真左は、御成通りの終わり付近、アーケードの向こうは由比ヶ浜通りになります。

行けば必ずわかるとたかをくくっていたので、ミサキドーナツの近くということしか頭にありませんでした。

しかし、ミサキドーナツを過ぎ、しばらく長谷方面に歩きますが、それらしきものは見当たりません。




アイパッドを開き、店のURLを開けました。

店へのアクセスは下記の通りとあります。

鎌倉駅西口下車→御成通りを南方面→由比ヶ浜通りに突き当たる→横断歩道を渡り右折→左手に【鰻のおかむら】



ポイントは『横断歩道を渡り右折』と『左手に【鰻のおかむら】』でした。

先ほどは、横断歩道を渡らず由比ヶ浜通りを進んでしまいました。


横断歩道を渡ってすぐが『AWキッチン』、写真右はそのすぐ隣、左手の路地の入口です。

半球の杉玉の下に『う』の字をイラスト化したロゴがあり、営業中の札がかかっていました。



いい雰囲気の入口ですが、ちょっとわかりづらい。

『営業中』は確かのようなので、狭い路地を進んでいきました。

(御成通りの終わり)    (鰻おかむら 入口)
鰻おかむら 御成通り終わり鰻おかむら 入口












路地の先にメニューが見えます。

その向こうには、短い白い暖簾がかかった入口がありました。(写真左)


暖簾には鰻の『う』の字が『ひょっとこ』のデザイン。

『ひょっとこ)火男』は真っ赤な炎を噴いています。



引戸を開けて中に入りました。

写真右は、店内から入口付近を写したものです。


オープンは1月28日、開店祝いの花が所狭しと置かれていました。


出迎えてくれた女性スタッフに聞きます。

「予約してないんですが。」

「お一人ですか?」


「ええ。」

「こちらでもよろしいでしょうか?」

案内されたのは厨房の前の3席あるカウンター席、すでに男性客1人が座っていました。


1つ空けて反対側に席を取ります。


メニューを見ました。

---------------------------------------------------------

お食事

うな重
弓     4500円
毬    5000円
江戸毬  5600円
(昔ながらの製法で仕上げた、ふっくらとした特徴のうな重。朝取れのきも焼付き。要予約。1日12食限定。)

二段重 蒲焼一枚半と白いごはんを別々に
風月 6300円
花鳥 7300円

特製二段重 うなぎとごはんを2層に重ね、〆はうな茶漬けで
ふたえ   7500円
こうはく  7500円

お子さま丼
ひな   3000円
(10歳未満のお客さまに限ります)

丼もの
うな玉丼 3000円
きじ丼  2600円

---------------------------------------------------------



『毬』5000円のうな重を頼みます。


するとスタッフが言いました。

「申し遅れましたが、うなぎが出来るまで40分ほどかかります。お時間は大丈夫でしょうか?」

「ええ、大丈夫です。」


鰻屋で、鰻の出来るまでをゆったりと待つ贅沢を味わうことにしました。

「先に板わさと・・・麦焼酎をお湯割りで。」

「はい。有難うございます。」


「それまで、ちょっと外を見てきていいですか?」

「はい、もちろんです。外へ出て右奥には縁側もございますのでよろしければ。」

(入口の暖簾)       (店頭入口付近)
鰻おかむら 店頭入口IMG_3826












もう一度暖簾をくぐり外に出ました。

フェンスの向こうは江ノ電の線路があります。

しばらく見ていると、線路が鳴る音がして電車がやってきました。

手を伸ばせば届きそうな距離で江ノ電が通り過ぎていきます。(写真左)



江ノ電を見送って、奥に進みました。

砂利が敷き詰められた庭に面して真新しい縁側、そしていくつかの個室が見えます。(写真右)


新築の建物ですが、和モダンのお洒落な造り。

家族やグループでも、個室ならゆっくりと鰻を楽しめそうです。

(店先を江ノ電)      (縁台と個室)
鰻おかむら 店先を江ノ電鰻おかむら 縁台と個室















店に戻ると、ちょうどスタッフが呼びに出るところでした。

「お料理が出来ております。」


カウンターの上に先に頼んだ板わさなど一式が用意されています。


「ここは茅ヶ崎にあった『おかむら』さんですよね。」

「はい。茅ヶ崎にはいらしていただいたんですね。」


「ええ。」

「では、中に女将もおりますので。」




席に戻り板わさに手を付けようとすると、中から小柄な大女将が出てきました。


「茅ヶ崎に来ていただいたんですね。有難うございます。」

「ええ、まあ。」

行ったことがある程度で、そんな大げさなお客ではありません。

ちょっと気が引けます。



人の好さそうな大女将と話しました。

『鰻のおかむら』さんは、茅ヶ崎で50年営業を続けてきたのですが、店舗の老朽化が進み、建て替えにはセットバックと裏の県避難路の確保が必要で、この場所では建物が大幅に縮小してしまうということになったとのこと。

そこで十数年に渡り新店舗を茅ヶ崎で探したそうです。

ただ、茅ヶ崎では条件に合うものは見つけることが出来ませんでした。


その後、移転先を鎌倉に変え、紆余曲折がありましたが、ようやくこの場所に1月28日にオープン。


ただ、昨年の11月20日、店主の岡村進さんが開店を待たずして亡くなってしまったとのことです。

今は2人の息子さんが店を受け継いでいます。


現在の店舗は茅ヶ崎の24席の1・5倍、の規模になっているとのこと。



大女将と話しながら、板わさや掬い豆腐、お新香、そして茶碗蒸しなど食べていると、40分ほどの時間はあっという間に過ぎていました。


「お待たせしました。」

カウンターに鰻重が置かれます。

朱色の重箱はモダンなデザイン。

後から知ったのですがこの輪島塗の重箱は『ABAKE』というイギリス・ロンドンで設立された、グラフィックデザイン集団のデザインとのこと。


「この山椒をかけてお召し上がりください。」

ひょうたん型の山椒の容器を振ってきれいな焼き色がついた鰻にかけました。

鰻重のうなぎに箸を入れます。


ふっくらと柔らかい!

鰻と同じ面積に切り取ったご飯と共に口に入れました。

この瞬間が至福!

魚沼産のコシヒカリというお米に、鰻のタレもちょうどよく滲み込んでいます。


肝吸いを挟みつつ、しばらくぶりの鰻を堪能しました。


最後に出てきたのは緑色の四角い塊。

大女将が解説してくれます。

「村田屋さんの葛氷です。少しお待ちいただくとだんだん柔らかくなってきますので。」

茅ヶ崎にある『御菓子司 村田屋』の名物で、葛で作られた氷菓。

いくつかの種類があるそうですが、今回のものは抹茶でした。


葛で固まっているので溶け方はゆっくりです。


冷たくてもっちりしていますが、時間が経つごとに食感が変わっていくのが面白い。

お茶を飲んで、ちょっと贅沢なランチを終わりました。


敢えて目立つ看板もないため、駅から近いのですが隠れ家感のある老舗の鰻店。

スタッフの応対も丁寧です。

急ぎ場合は事前予約で待ち時間が短縮されるのですが、今回の40分は十分価値がありました。



「ごちそうさま。美味しかったです。」

「それはよかったです。また、是非おいでくださいね。」

大女将のやさしい声に送られて、由比ヶ浜通りに続く細い路地に出ます。

(板わさと焼酎)      (鰻重の毬)
鰻おかむら 板わさで待つ鰻おかむら 鰻重








++++++++++++++++++++++++++++++++++

●由比ガ浜「鰻のおかむら」(鰻店)
 電話 0467−33−6363
 鎌倉市由比ガ浜2−4−40
 営業時間
 昼  11:00〜15:00(L.O.14:00)
 夜  16:30〜20:30(L.O.19:30)
定休日 木曜日(祝日の場合は翌日休)
  https://unagi-okamura.com/

++++++++++++++++++++++++++++++++++









< にほんブログ村 ↓>

にほんブログ村 グルメブログ 神奈川食べ歩きへ




このブログは日本でただひとつの湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ『オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉』の附属ブログです。
『湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ』は他にないので、多分「日本一」だと思います。(笑)

よろしければ合わせてお読みください。




<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>

〜 メルマガの登録は下記からおねがいします!! 〜

<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>





chefcomi at 11:00|PermalinkComments(0) 鎌倉 | うなぎ

2024年02月21日

2ND FLOOR

まだ、冬の盛りですが、今日は天気も良く風もありません。

フレンチの店が最近オープンしたというので、しばらく行っていない材木座方面に行ってみようかと思います。

材木座はちょっと微妙なエリアで、バスを使うほどでもありませんが、歩くと20〜25分くらいかかります。


今日は歩くのも目的なので、まずは若宮大路に出て、南へ向かいました。

写真左ではカーキャリアの奥に見える、鎌倉野菜で有名なレンバイを越し、横須賀線高架の手前を左に曲がります。


しばらく歩いて、和菓子の『大くに』などがある大町四つ角を右に折れ、水道路と呼ばれる道を南に進んで行きました。

周辺には昔ながらの店が点在しています。



九品寺の手前に半分シャッターの開いた店を見つけました。

どうやらここが行こうとしていた店のようです。



開店時間前なので半分シャッターが閉まっているのでしょうか?

もう少し散歩を続けます。


やがて、道の先に海が見えてきました。

材木座海岸です。(写真右)


車が走っているのがR134、この下のトンネルをくぐると材木座海岸海水浴場に出ます。

夏は賑わいますが、今は静かです。


さて、そろそろお昼も近づいてきました。

引き返せば店はもう開いているかもしれません。

(横須賀線高架)      (材木座海岸入口)
2ND Flooor 横須賀線高架2ND Flooor 材木座海岸












その時『蕎麦 土手』の向こうに、グレーのお洒落な建物を発見しました。(写真左)

道に面して、すべてガラス張りになっています。



ちょっとこの場に似合わない感じですが、何の店でしょうか?

ガラスの反射で見えづらいので近づいてみます。

建物左側には服や雑貨などが並んでいますが、右側の下にはメニューの黒板がありました。



お洒落過ぎて、私が入る雰囲気ではないようです。

道を引き返し、当初の店まで戻りました。


しかし、店のシャッターは先ほどと同じ位置のまま。

はて、どうするか?


鎌倉まで戻るのも面白くないので、ちょっと違和感を抱いたあのお洒落なビルの店に行ってみようと思います。


写真左は、もう一度戻ってきたお洒落なビルの全景です。

メニュー黒板があったのは建物の右側ですが、人の姿が見えたのは建物の左側でした。

左側のドアを開けて中に入ります。



中にいた女性スタッフに声をかけました。


「あの、ここで食事が出来るんですか?」

「ああ、それでしたら入口はこちらになります。」

一度外に出て、右のドアのところに案内してくれました。


メニュー黒板の上のガラスには『2ND FLOOR』とあります。

「この階段を上ってください。」


入ってすぐに階段がありますが、このフロアには壺が置いてあったり、テーブルと椅子が1組置かれていたり、ずいぶん贅沢に使ってありました。

写真右は階段の途中から1階部分を写したものです。

1階のこのテーブルでも食事が出来るのでしょうか?

(2NDFlooor店頭) (階段途中から)
2ND Flooor 店頭2ND Flooor 2階から












階段を上がると、スペースが2つありました。

大きな楕円形のテーブルがあるフロアと、キッチンとカウンター、2人がけのテーブルがあるフロア。

スタッフの姿の見えたキッチンのあるフロアに向かいます。(写真左)



どちらにも先客はいないようです。


「あの、予約はしていませんけど、大丈夫ですか?」

「はいどちらでもどうぞ。」

2人がけのテーブルに席を取りました。

スタッフは全部で3人、男性1人に女性が2人です。




床には木の板が敷かれています。

壁はグレイで、テーブルも椅子も木製でした。

後で聞いた話では、元は薬局の建物、天井の梁はその時のものが残されているそうです。




女性スタッフが、手に持った小さなメニュー黒板をテーブルに立てました。

--------------------------------------------------

LUNCH MENU  11:00〜14:00

・鎌倉野菜のポトフ        2500円
(鎌倉野菜・鶏団子・白いんげん豆)+鎌倉野菜サラダ カンパーニュ ドリンク
・全粒粉の自家製カヴァテッリ
 カリフラワーとケールのソース  2800円
+鎌倉野菜サラダ ラタトゥイユ スープ ドリンク
・ファラフェルサンド       2600円
+ラタトゥイユ スープ ドリンク
(フムス ファラフェル アボカド トマト 茄子 タヒニヨーグルト) 
・スパイスカレー チキン     2500円
         ラムキーマ   2500円
         合いがけ    2700円
+鎌倉野菜サラダ ココナッツヨーグルト ドリンク

--------------------------------------------------



カレーが2500円!

一般的には安くないような気もしますが、このラグジュアリーな雰囲気を考えれば妥当なのかもしれません。



さて、ちょっと最近体重が増加しています。

野菜をたくさん摂れそうな『鎌倉野菜のポトフ」を頼むことにしました。



飲み物は備え付けのリストにありました。

ワインはスパークリングワインと白と赤。

いずれもグラスは1000円です。


そのほか『よろっこビール』、『自家製梅酒』や『カボスのカクテル』なども載っています。

食事と共に頼むと+500円で飲めるとのことでした。




ワインが運ばれます。

グラスの横に置いてくれた瓶にはウサギの絵。

フランスのワインで『クリストフ・リンデンローブ マタン・フー』とありました。(写真右)

(店内)          (ワイン)
2ND Flooor 店内22ND Flooor ワイン











『鎌倉野菜のサラダ』が運ばれます。(写真左)


「鎌倉野菜はレンバイですか?」

「はい。」

フルーティで爽やか、スッキリとしたワインと共に食べていきます。


「ここは何でお知りになりましたか?」

スタッフが聞いてきました。

「あのう、実はこの道の手前に、フレンチだったかイタリアンだったか店がありますよね。最初はそこに行こうかと思っていたんです。」

先ほど書いたようないきさつを話しました。


「この店も見ましたけど、ちょっと敷居が高い感じがあったので。申し訳ないけど。」

「いろいろ意見を言っていただくと有難いです。」


ついでにちょっとつぶやきます。

「それにしても、よくここにこんなお洒落な店を出すなぁ。」


聞けばこの『2ND FLOOR』は1階の衣料や雑貨などを扱う『ART&SCIENCE』が運営するレストランとのことで、『ART&SCIENCE』は代官山や青山、京都や福岡などにも店があるそうです。


他はみんな都会のような気がしますが、中心部ではない郊外店もあるとのこと。

「そうね。最近は鎌倉も由比ヶ浜通りや腰越など、昔ながらの場所に出店するところも増えているからね。」


センスのある人は、材木座に何か感じるところがあるのかもしれません。



オープンキッチンで、シェフが寸胴鍋からスープレードルで何かを皿に取り分けています。

まもなく、それが運ばれてきました。(写真右)


「お待たせしましたポトフとパンになります。」

横にはケールのスプレッド?が置かれます。

「こちらはお好みでお使いください。」


ポトフの皿には鶏のつみれのほか、大根やカブジャガイモ、ニンジン、ブロッコリー、ゴボウ、白いんげんなどが見えます。

そして真ん中には季節を感じる菜花の緑。

とろとろに煮込まれた根菜は口の中で溶けるほどでした。


ちょっとケールを入れてみます。

青汁の苦さをイメージしていましたが、ほんのりとした苦味は野菜を引き立ててくれます。


味は基本薄味です。

このポトフは煮込み料理かスープか?

たぶんこれはその境目あたりでしょうか。


野菜が多いので、さっぱりとしてヘルシーな感じです。


最後はパンで残りを掬ってランチは終了しました。

皿を片付けに来たスタッフにコーヒーの注文を追加します。



コーヒーを飲みながらシェフと話しました。


「ここはイタリアンがベースなんですか?」

「いえ、私はイタリアンをやっていましたが、今は特にジャンルはありません。」


「ディナーはアラカルト?」

「今、ディナーはやっていませんが、3月ごろから始めるかもしれません。」」


「その時はイタリアン?」

「そうですね。」



ちょっと贅沢な雰囲気の中でのランチを終わります。


ポトフ2500円、ワインは500円になっていました。

コーヒーの650円を足して全部で3650円の支払いです。


「有難うございました。」

スタッフの声に送られて階段を下りました。

※2023年10月13日オープン

(鎌倉野菜のサラダ)    (鎌倉野菜のポトフ)
2ND Flooor サラダ2ND Flooor ポトフ










++++++++++++++++++++++++++++++++++

●材木座「2ND FLOOR(セカンド フロア」(ノンジャンル)
 電話 0467−61−1855
  鎌倉市材木座6−3−29  2階
 営業時間  11:00〜19:00
定休日   火曜日、水曜日
  https://arts-science.com/stores/2nd-floor/
 ※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

++++++++++++++++++++++++++++++++++








< にほんブログ村 ↓>

にほんブログ村 グルメブログ 神奈川食べ歩きへ




このブログは日本でただひとつの湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ『オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉』の附属ブログです。
『湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ』は他にないので、多分「日本一」だと思います。(笑)

よろしければ合わせてお読みください。




<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>

〜 メルマガの登録は下記からおねがいします!! 〜

<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>





chefcomi at 11:00|PermalinkComments(0) 鎌倉 | カフェ・レストラン

2024年02月07日

ブラッスリー 航

北鎌倉駅近くにあった『ブラッスリー航』が移転オープンしたと聞きました。

駅からは少し遠くなったようですが、私は以前北鎌倉に住んでいたので探すのに苦労はしないはずです。



ちょっと舐めていたようです。

1回目は探し当てることは出来ませんでした。



しばらく経ったのでリベンジに向かうことにしました。

地図では、横須賀線線路沿いで大船方面に向かって左側となっています。

HPには北鎌倉駅臨時改札より徒歩5分とあり、簡単な地図が載っていました。


写真左は北鎌倉駅臨時改札口です。

写真では見づらいのですが、一番向こうには線路沿いの道を塞ぐ、手掘りの隧道が見えています。



今回は、隧道とは反対に臨時改札を出てホームに沿って大船方面に歩いて行きました。

狭い道ところはギリギリ自転車や小さなバイクが通れるくらいの幅しかありません。

さらに進み、ピンクのトンネルを越えて行くと踏切が見えてきました。


店の地図で見ると、線路を越えて行くのはこの道のようですが、あまりにもシンプルな地図なので確信が持てません。

踏切を越さずにそのまま少し進みます。


『臨時改札より徒歩5分』が過ぎたあたりで、線路の反対側を見てみました。

赤っぽい屋根の建物の下に、丸い座布団らしきものがいくつか置かれた、真新しい縁側が目に入ります。

ここに違いありません。


ただ、この付近に向こうに渡る道はありません。

先ほどの踏切に戻りました。(写真右)



踏切には古めかしい名前が付いています。

銘板にある文字は『権兵衛踏切』

このあたりの地主である『小泉権兵衛』さんから取っています。

昔は、踏切の向こうの左側に小泉さんの立派な洋館がありました。


近くに住んでいたので、この道は生活道路、ただ、それも半世紀前のことです。

踏切の向こうもだいぶ変わってしまいました。


昔の倍以上に広くなった道路から右側に折れる路地に入ります。

たぶん、これしかない!

(北鎌倉臨時口)      (権兵衛踏切付近)
ブラッセリー航 臨時口ブラッセリー航 権兵衛踏切から













店の地図はアバウトですが、ともかく店の場所は先ほど線路の反対側から確認しています。

線路沿いに近づくように歩いて行くと、空き家のようなところに、黒板に書かれたメニューとブラッスリー航の店名看板とオープンの表示が見えました。

その横に細長い路地があります。(写真左)


最後に石の門があり、表札には『橋本』とありました。

ちょっと戸惑いながら中に入ります。


写真右は、庭に面した縁側、さきほど線路の向こうから見えたのはこの景色です。

ガラスの向こう、店内には人影も見えました。


縁側に沿って進んで行くと、正面の小さなテラスにテーブルがあり、その横が出入口になっていました。

その先には横須賀線の線路が見えます。


中に入ったところにキッチンとレジ。

若い女性スタッフが対応してくれます。


「予約してないんですが、大丈夫ですか?」

「はい。ご案内いたします。」


奥に進んで案内されたのはカウンターの端。

先ほどの狭い路地の正面に当たるところでした。



スタッフがメニューを持ってきてくれます。

-----------------------------------------------

LUNCH MENU  11:00〜14:00

Aアボカドピュレのエクレア   2000円
B本日のパスタ         1900円
Cシーフードグラタン      1850円
Sチキンのフリカッセ      2300円
  +
鎌倉野菜の葉っぱのサラダ
蜂蜜のヴィネグレット
  +
デザート

焼きメレンゲとアイスクリーム

自家製シュークリーム  +150円

本日のケーキ      +300円

-----------------------------------------------



しばらくメニューを眺めてから、スタッフを呼びました。

「『シーフードグラタン』をください。それから、デザートなんですが糖分が少ないのはどれになりますか?」

「まあ、どれもそれほど変わらないと思いますが・・・。」

「そうですよね。じゃアイスクリームで。」

白ワインも追加します。

(店への路地)       (縁側)
ブラッセリー航 路地ブラッセリー航 縁側正













写真左は、座ったカウンター席から撮ったものです。

杉の一枚板のカウンターには、古い小さな箪笥や年代物のランプなどが置かれていました。

庭に面したカウンター席やテーブルの配置などは、以前、北鎌倉駅近くにあった時の『ブラッスリー航』と似ているような気がしました。


前の店は築100年でしたが、この店は築60年の古民家を改築とあります。

オーナーは建築の仕事をしていたとのことで、ホームページには『オーナー自ら設計をする。』とありました。



サラダを持ってきてくれたスタッフに聞いてみます。

「入口に『橋本』という表札があったけど、ここはオーナーのご実家なんですか?」

オーナーの名前は、『橋本航季さん』と聞いています。


「いえ、あの表札は改装が終わった後、オーナーが新しく取り付けたものです。」

「個人の家みたいでちょっと紛らわしいよね。」

「オーナーに言っておきます。」(笑)



写真右は、持ってきてくれたサラダになります。

深い緑色の野菜は香味のある鎌倉野菜。

掃き清められた禅寺の庭のようなお皿にこんもりと盛られていました。


食べる前からサラダから香りが立っています。

かかっているのは、はちみつのヴィネグレット。

優しい甘さを感じるサラダでした。

(カウンター席から)    (鎌倉野菜の葉っぱのサラダ)
ブラッスリー航 店内1ブラッスリー航 サラダ2











正面の路地に女性客が見えます。

こちらに向かって進み、正面で右に横切って行きました。


2人の女性客は入口を入って、私の横のカウンター席に座ります。

「いい感じじゃない。」

「そうね。」



ワインを飲みながら待っていると、まもなくシーフードグラタンが運ばれました。(写真左)

小さなパンも付いています。


大きなホタテにムール貝、海老にアサリなどが存在感を見せていました。

しっかりと繊維を感じるホタテ、グラタンはそれほど濃厚ではなく食べやすい感じです。



何組かお客さんは入れ替わりますが、店内はゆったりとした雰囲気が漂っています。

時折、横須賀線の電車が行き過ぎますが、それもまたいいBGMになっていました。




最後にラテとデザートが運ばれます。(写真右)

シックな黒い長方形のお皿の端に焼きメレンゲ、その上にアイスクリームが乗せられていました。


アイスの上に乗る今日のソースはハチミツと生姜。

蜂蜜の甘さと生姜の刺激。


しばし、糖分のことは忘れてアイスクリームを味わいます。



このあたり、鎌倉街道を挟んで西側にはこの『ブラッセリー航』と同じ経営のフレンチ『航北鎌倉』や『幻菫庵』『ギャラリーネスト』などの有名店はありますが、東側は特に特徴があるわけでもない普通の住宅です。

このような場所に、比較的価格帯の低いブラッスリーが出来るとは、昔を知る人間にはちょっと驚きでした。

実際に繁盛しているのを見ると、オーナーのセンスに今更ながら感心します。

(シーフードグラタン)   (デザート)
ブラッスリー航 グラタンブラッスリー航 デザート








++++++++++++++++++++++++++++++++++

●山ノ内「ブラッスリー航」(カフェ・レストラン)
 電話 0467−33−6313
鎌倉市山ノ内703ー3
 営業時間 
 LUNCH  11:00〜14:00 LO
 CAFE   14:00〜16:00 LO 15:30
 DINNER 17:00〜16:00 LO 20:00
定休日 月曜 ※祝祭日の場合は翌日

  ※ ディナーは水〜日曜日ですが
  不定休です。お問い合わせください。
  https://koo-brasserie.com/

++++++++++++++++++++++++++++++++++








< にほんブログ村 ↓>

にほんブログ村 グルメブログ 神奈川食べ歩きへ




このブログは日本でただひとつの湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ『オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉』の附属ブログです。
『湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ』は他にないので、多分「日本一」だと思います。(笑)

よろしければ合わせてお読みください。




<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>

〜 メルマガの登録は下記からおねがいします!! 〜

<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>





chefcomi at 11:00|PermalinkComments(0) 鎌倉 | カフェ&レストラン

2024年01月24日

Olive

松の内も終わり、鎌倉にも日常が戻ってきました。

正月の運動不足の解消と、最近行っていない場所がどうなっているのか見てみたいと言うことで、由比ヶ浜通りを歩いてみることに。


鎌倉駅西口から御成通り商店街を進みます。

最近、観光客の人たちもこの商店街に来ることが多いので、そこそこの混み具合でした。


御成通りを突き当り右折して、由比ヶ浜通りに入ると人通りは少なくなります。(写真左)

最近はこの通りにも、お洒落な店がたくさん出来てきましたが、全体的には地味な雰囲気のままです。


長谷に近づいてきました。

人気のラーメン店『らーめんHANABI』の向こうに四角い建物が見えます。(写真右)

道路を隔てて反対側にはフレンチビストロの『パパ・ノエル』も見えました。

(由比ヶ浜通り)      (オリーブ 建物)
オリーブ 由比ヶ浜通りオリーブ 建物














建物の前に来ると、道に沿って石碑が並んでいます。

真ん中にある大きな樹木はタブの木でしょうか?



『庚申塚』と書かれた石碑と『主馬盛久頸座』と書かれた石碑があります。

主馬盛久頸座と書かれた石碑には説明も書かれていました。



主馬盛久とは平家の御家人平盛久のこと。

平盛久は、壇ノ浦の戦い後逃亡していましたが、ついに捕らえられて鎌倉に送られ処刑されそうになりましたが、京都清水寺の観世音菩薩を深く信仰しており、処刑のときになると、持っていた経巻から光が発散し、処刑人は目が眩んで振り上げた刀を落とし、太刀も2つに折れてしまった。


とあります。

龍口寺での日蓮上人の話に、ちょっと似ているような気もしますが・・・・・。


その向こうには新しく出来たオリーブなどの植栽。

緑の向こうには胡蝶蘭など色とりどりの花が見えていました。


祝い花には『祝開店 OLIVE 様』と書かれています。


鎌倉にオリーブがつく店はオリーブオイル専門店の『フレッシュオリーブ』や『鎌倉オリーブの木』などがあるのですが、ここは関係なさそうです。

(庚申塚)         (オリーブ店頭)
オリーブ 庚申塚オリーブ 入口1














ドアはガラスが嵌っているのですが、網目になっているので、中は少し見えづらくなっていました。

思いきってドアを開けます。


入ってすぐに2人掛けと4人掛けの木のテーブルが2つ。 

その向こうは仕切りがあるので見えません。


外からは暗く見えましたが、中は眩しいほどの明るさです。

室内のコントラストをが目立ちました。



まもなく、女性スタッフが現れます。


「予約はしてないんですが。」

「どうぞ、どちらでもけっこうです。」


奥からは先客のおしゃべりが聞こえてきます。

また、カウンター席は壁に向かっていたので視界が悪い。


入ってすぐのこのスペースに決めました。


「どうぞこちらで。」

スタッフは、2人掛けではなく、カトラリーなどがセットされた4人掛けのテーブルを勧めてくれます。


「じゃ、混んできたら替わりますね。」

ちょっと気が引けましたが、4人掛けのテーブルに座りました。

スタッフがメニューを持ってきてくれます。



-----------------------------------------------------

LINCH

フレシュディップサンド&ミニスープ
   または
ローストビーフサラダ&ミニスープ付
(+800円で自家製アイスクリームとコーヒー)

    2200円


本日のスープ

季節の野菜料理

お魚料理  または
お肉料理(+1500yen仔羊のロースト)

自家製アイスクリーム又はハーブティー

    3800円

-----------------------------------------------------



「LUNCHはこの2つからということだね。」

「はい。こちらのランチはかなりボリュームがあるので、男の方でもおなか一杯になると思います。」

量は聞いていないのに、3800円のランチのボリュームの話になりました。


一般的な話なのか、こちらの身体や年齢を見て心配してくれたのかは不明ですが、そう言われるとやはり気になってきます。


「じゃ、最初の方でお願いします。」

「サンドイッチとローストビーフのサラダがありますが、どちらにされますか?」

「ローストビーフの方で。」




飲み物はドリンクリストから選びます。

白のグラスワインが3種類。

-----------------------------------------------------


山梨県甲州市 キスヴィンワイナリー 甲州2021   1000円

山梨県甲州市 グレイス甲州 2021         1300円

山梨県甲州市 98WINEs芒白 2022      1350円

-----------------------------------------------------


この中から一番軽そうな『キスヴィンワイナリー 甲州2021』を頼みました。


「あの、プラス800円で自家製アイスクリームとコーヒーとあるんですが、コーヒーだけでもいいでしょうか?ちょっと血糖値が高いもので。」

「はい。伝えておきます。」


間もなくワインを持って現れたのは、黒服の男性スタッフです。

「山梨キスヴィンワイナリーの白ワインです。」


ワインを注ぎながら付け加えます。

「それから、コーヒーのことですが、コーヒーだけでお飲みいただけます。」


すっきりとフルーティーなワインを飲みながら次を待ちました。

ときどき現れる顔は日本人のような感じもするのですが、衝立の向こうから聞こえるのは英語がほとんどです。



「『大浦ゴボウ』のスープです。」

今度は女性スタッフが持ってきてくれました。(写真右)


和風の器に入っているスープは白い泡に覆われています。

「泡はミルクの泡になります。」

『大浦ゴボウ』とは千葉県の大浦町で採れる太い牛蒡。

ほのかな甘みとうま味があり、和風の味わいのスープでした。

(店内)          (牛蒡スープ)
オリーブ 店内1オリーブ 大浦牛蒡スープ













そして次に出てきたのは、ローストビーフサラダ。(写真左)

ローストビーフのピンクと、上に乗るハーブの緑のコントラストが鮮やかです。


「糖分のお話がありましたので、ドライフルーツはお好みでどうぞ。」

小さな器には干しブドウと赤いベリー系のドライフルーツが入っています。

試しに1つずつ食べてみました。


想像よりずっと糖分の気配は少なく、さわやかな酸味。

ただ、かけるのは半分で我慢しました。


ローストビーフの下には細かく刻んだキャベツなどの野菜。

そのほか塩味を感じるブルーチーズ、甘さと酸味のドライフルーツ、ナッツなどが、赤身で適度な脂の乗ったローストビーフを引き立てます。

最後にラテにしてもらったコーヒーがきてランチを終了しました。(写真右)


「いかがでしたか?」

横に今まで出てこなかった人物が立っていました。

ここのシェフのようです。

「美味しかったですよ。ただ、サラダだけだとやっぱりちょっと少なかったかもしれない。ここは夜はどうなるんですか?」

「ちょっとお待ちください。メニューを持ってきますね。」


シェフが持ってきてくれたメニューには、単品のものがいくつか載っていました。


「夜はアラカルトなんですね。」

「何品かお取りいただいて、シェアをしてワイワイ盛り上がっていただければと思っています。」


話を聞くと、ここは現在一時休業している焼き肉の『USHIWAKAMARU』と同じ経営。

知らなかったのですが、葉山の老舗喫茶『珠屋』の経営も引き継いでいるとのことでした。


テーブルでの支払いを終え外に出て、店頭の祝い花を見ると『珠屋』と書かれたものがありました。



量的にはちょっと物足りなかったのですが、ヘルシーな内容だったので身体が軽いような気がしました。

まだ、3800円のランチのボリュームが気になっています。

(サラダプレート)     (コーヒー)
オリーブ サラダプレート2オリーブ コーヒー









++++++++++++++++++++++++++++++++++

●長谷「Olive」(創作料理)
 電話 050−5592−6081
  鎌倉市長谷1−7−2
 営業時間 火〜土 11:30〜14:30(14:00LO)
          17:30〜20:30(20:00LO)
定休日   日・月曜日
  https://www.instagram.com/olive.kamakura
 ※2024年1月6日オープン

++++++++++++++++++++++++++++++++++








< にほんブログ村 ↓>

にほんブログ村 グルメブログ 神奈川食べ歩きへ




このブログは日本でただひとつの湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ『オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉』の附属ブログです。
『湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ』は他にないので、多分「日本一」だと思います。(笑)

よろしければ合わせてお読みください。




<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>

〜 メルマガの登録は下記からおねがいします!! 〜

<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>






chefcomi at 09:00|PermalinkComments(0) 鎌倉 | 無国籍

2024年01月10日

真とみ

目白山下においしいお蕎麦屋さんがあると、ある飲食店のオーナーから聞きました。

目白山下は、湘南モノレールの湘南江の島駅の1つ手前の駅になります。


ただ、目白山下駅は湘南モノレールの駅の中でもマイナーな駅です。

乗降客数も1日200人以下。

こんなところで飲食店が成り立つのでしょうか?


師走の平日、湘南モノレールは空いていました。

乗客の多くは湘南白百合の生徒のようです。

湘南白百合は最寄りが目白山下駅だと思っていたのですが、彼女たちは手前の片瀬山駅で降りてしまいました。

目白山下駅で降りたのは、私のほかは中年男性が1人だけです。


写真左は、湘南モノレール目白山下駅です。

周囲に店は見えません。


周辺をうろうろしてみましたが目的の店は探せません。

仕方がありません、店に電話してみることにしました。


「今、目白山下駅なんですけど、お店はどちらになりますか?」

「坂道を少し上ってください。右側に白いカフェの旗がありますから、そこを曲がってください。行き当たりが店になります。」


「カフェの旗っていつも出てるんですか?」

「はい。出ています。」

写真右が、そのカフェの旗になります。


確かに白い旗で『NAMINORI COFFEE ROASTER』と書かれていました。

(目白山下駅)    (カフェの旗)
真とみ  目白山下駅真とみ  カフェの旗2














白い旗を確認し右折します。

飲食店などなさそうな道を少し歩くと、間もなく、左側のガレージにカフェメニューを見つけました。

その横の階段の上に白い家があります。


壁に先ほど見た白い旗に書かれていた『NAMINORI COFFEE ROASTER』の看板が見えました。

ただ、木戸は閉まっていて階段の下には『CLOSE』と書かれた案内板があります。



道の先を見ました。

どうやら行き止りのようですが、フェンスに『手打ちそば 真とみ』という看板と左向きの矢印がありました。(写真左)


看板の左側の路地を進みます。

その先にも階段があり、横に『年越し蕎麦 ご予約承ります』の看板。

階段を上って行きます。



正面に古い民家、横には紫の日除け暖簾。(写真右)

引戸は閉まっていますが、すでに来訪は電話で告げてあります。

ゆっくりと引き戸を開けました。


玄関から店内が見え、奥の厨房に人影があります。


「すいません。先ほど電話したものですが・・・・。」

「どうぞ、お入りください。」

靴を脱いで中に入りました。

(案内看板)    (真とみ入口)
真とみ  案内板真とみ  入口














店内はけっこう広く、厨房の周りにLの字にカウンターが見えました。(写真左)



2人掛けのテーブルが3つ。

その1つに座りました。


まだ先客はいません。

頭に手ぬぐいを巻いた店主が持ってきてくれたメニューを見ました。



-----------------------------------------------

冷たい蕎麦

せいろ        965円
ごまだれせいろ   1135円
海苔せいろ     1210円
きのこせいろ    1630円 
天麩羅せいろ    1925円
鴨せいろ      1980円
すだち鬼おろしぶっかけ蕎麦    1500円
白海老のかきあげせいろ      1760円

温かい蕎麦

かけ蕎麦       965円
花巻そば      1265円
鴨南蛮蕎麦     1980円

-----------------------------------------------




そのほかに小板、ニシンの甘露煮、だし巻玉子などのおつまみや天麩羅もありました。

蕎麦一品とつまみでもいいのですが、メニューの右下にコースがありました。

-----------------------------------------------

目白山ランチコース

前菜 五種 旬野菜天麩羅
蕎麦 せいろまたはかけ     2800円

ソフトドリンク
甘味のセット          + 400円

ランチビール          + 500円

-----------------------------------------------



「すいません。この『目白山ランチコース』をお願いします。それからランチビールも。」


店主は正面の厨房に戻り調理を始めます。

どうやら1人で切り盛りしているようです。




テーブルに座ると、ちょうど厨房と向き合う形になります。


「ご主人はずっと鎌倉なんですか?」

「今はこの近くに住んでいますが、その前は東京のそば店にいました。」


「東京の蕎麦店と言うと。」

「『川上庵』という店です。」


『川上庵』は東京や軽井沢にある有名な蕎麦店で、星野リゾートのハルニレテラスにある『せきれい橋店』には行ったこともあります。

鎌倉にある『松原庵』などの店とは同じグループになり、『株式会社フォンス』という会社に属しているとのこと。



「お待たせしました。」

まずは前菜とビールが運ばれました。(写真右)

前菜は、いぶりがっこのポテトサラダ、ナスの肉味噌、鯛のカルパッチョ、鴨のロースト、香のもの。


どれも丁寧に作られていて、店主の真面目さが感じられます。


食べながら店主と会話を続けました。


長野の出身の『株式会社フォンス』の代表が、まず立ち上げたのは軽井沢の 川上庵本店。
(ハルニレテラスの川上庵ではありません)

その後、和食の『酢重』、ベーカリーカフェの『THE CITY BAKERY』『松原庵』など多くの店を展開しているとのことです。


由比ヶ浜の『松原庵』は松に囲まれた古民家を改装したものですが、『真とみ』のご主人も雰囲気のある古民家を探してここに出店したそうです。

※オープンは2022年8月31日


話していると入口にお客さんが入ってきました。

予約のお客さんのようで、入口横の個室に入ったようです。

(店内)   (前菜)
真とみ  店内真とみ  前菜2
















前菜をつまみにビールを飲んでいると、蕎麦と天麩羅が運ばれました。

万願寺、ゴボウ、ナスなどの野菜がカラッと揚がっています。


蕎麦は二八蕎麦、ちょうどいいコシと滑らかなのど越し。

新そばの風味も感じられます。


「どこの蕎麦なんですか?」

「北海道です。」


「最近は北海道産の蕎麦粉を使う店が多くなっていますね。」

「川上庵のオーナーは長野の出身なんですが、蕎麦は北海道産の蕎麦を使っています。」



2人連れの男女が入店し、テーブル席に座りました。

言葉遣いからは仕事関係の人のようです。


2人の注文が終わった後、こちらには蕎麦湯が運ばれました。


「このレンゲでタレを掬って、お好きな濃さでお飲みください。」

蕎麦猪口から少し蕎麦つゆを掬って、もう1つ持ってきたくれた蕎麦猪口に入れ、蕎麦湯を足していきました。

この方式だと自分好みの濃さで飲むことが出来ます。

納得のいく蕎麦湯は、これが初めてかもしれません。


通りすがりの人は、まず、行く事のない隠れ家蕎麦店に満足して店を出ました。

(そば&天ぷら)   (蕎麦湯)
真とみ  そば&天ぷら真とみ  蕎麦湯







++++++++++++++++++++++++++++++++++

●片瀬目白山「手打ちそば 真とみ」(蕎麦)
 電話 0466−22−0550
  藤沢市片瀬目白山 1−4
 営業時間 昼 11:30〜15:00
       夜 17:00〜21:00    
  定休日  火曜日
 https://shintomisoba.com/
  https://www.instagram.com/shintomi.craftsobaworks/

++++++++++++++++++++++++++++++++++








< にほんブログ村 ↓>

にほんブログ村 グルメブログ 神奈川食べ歩きへ




このブログは日本でただひとつの湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ『オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉』の附属ブログです。
『湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ』は他にないので、多分「日本一」だと思います。(笑)

よろしければ合わせてお読みください。




<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>

〜 メルマガの登録は下記からおねがいします!! 〜

<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>




chefcomi at 11:00|PermalinkComments(0) 藤沢 | 蕎麦・うどん

2023年12月13日

LIFE Sea Southern

下馬の交差点から長谷に向かう道を由比ヶ浜通りと言います。

昔からの道ですが、最近はおしゃれな店が増えてきました。

その由比ヶ浜通りに、『LIFE Sea Southern』という東京からのイタリアンがオープンしたそうです。


一度、通りかかったのですが、その時は店休日でした。



今日はどうでしょう?

鎌倉駅西口に降ります。


写真左は、鎌倉駅西口を写したものです。

横須賀線も混んでいましたが、改札口を出ても駅前は予想以上の人出でした。

夏のような気候のせいかもしれません。




写真右は西口を出てすぐ、東西地下道の横にある時計台広場。

時計台の横の紅葉に小さい秋を感じました。

今年は、今日のような暑い日が多く、秋の気配をあまり感じなかったのですが、季節は確実に進んでいるようです。



ちなみに、この時計台は大正5年に建てられた旧駅舎にあったものです。

「とんがり帽子の時計台」として市民に親しまれてきたのですが、昭和59年駅舎が建て替えられる際にここに移設されました。

(鎌倉駅西口)       (時計台広場)
LIFESea Southern 西口LIFESea Southern 西口時計台











『LIFE Sea Southern』は由比ヶ浜通り、六地蔵の少し先になります。

店に行くには、西口からはいくつかのルートがあります。

いつもは、市役所前の交差点を左折して御成小学校の横を進むのですが、今日は御成通りの商店街を歩くことにしました。


写真左は、御成通りを写したものです。

この通りも、予想以上に混雑していました。


御成通りの突き当りを左折して、由比ヶ浜通りに入ります。

六地蔵を過ぎると、左側に『THE BANK』が見えてきました。(写真右)


店の案内には『老舗bar『THE BANK』のすぐ近く』とあります。


『THE BANK』は昭和3年に鎌倉銀行由比ガ浜出張所として建てられたもので、平成12年にBARとして復活しました。


この先には、干物の『ヨリドコロ』、ベーカリーカフェの『パンとエスプレッソ』、ラーメンの『一閑人』イタリアンの『オリヂナルジョーズ』など人気店が集まっています。


『オリヂナルジョーズ』の横の新しい建物が『LIFE Sea Southern』になります。

(御成通り)        (THEBANK)
LIFESea Southern 御成通りLIFESea Southern THEBANK












写真左が『Sea Southern』の店頭です。

メニュー看板が出ています。


同じ建物の外付けの階段の途中にも『OPEN』の札が出ていました。

1階の店に入ると女性スタッフと目が合います。


「1階でも2階でもいいんですか?」

「2階はアパレルの店になっています。」


同じ経営ですが、2階はアパレルブランド『JAMES&CO』が入っているとのこと。


1階は、入って右に2人テーブルが5つ、真ん中の4人掛け、そし左側に4人掛けのテーブルが1つ。

2人掛けの1つに席を取ります。



店内を見渡しました。

入ってすぐ左には」ワインセラーが置かれています。

真ん中には台が置かれていました。

その上に、皿やカップなどの雑貨、積み上げられているのはオーナーの相場正一郎氏の本、そしてシナモンスコーンとパウンドケーキ。

白い天井と壁、木の床に木のテーブルと椅子。


すっきりとお洒落な空間になっています。


台の上のオープン時のチラシを持ち帰りました。

ヘルシー&アウトドアをコンセプトとした、地元密着型の健康派イタリアンレストランと書かれています。


ここのスタッフの写真もありました。

オーナーの相場正一郎氏の弟の義文シェフと、マーガレットハウエルカフェでシェフを勤めた緑川シェフです。

最初に声をかけたのは緑川シェフ、義文シェフは奥のキッチンかもしれません。

(店頭)          (店内)
LIFESea Southern 店頭LIFESea Southern 店内











先ほどの女性シェフ(緑川シェフ)がメニューを持ってきてくれました。


------------------------------------------------

Today’s Plate Menu 11:00〜18:00

Meal Plate     2200円
サーモンソティー パプリカレモンソースと魚貝のリゾット

Today’s Plate   2200円
里イモとミートソースのグラタンプレート

Southern Salad Plate  1800円

Set Drink 11:00〜15:00
お好みグラスワイン   +700円
コーヒー/レモンハーブTea/ +300円


本日のアラカルト
グラータチーズとプチトマトのカプレーゼ     1000円
フライドポテトとサワークリームハーブディップ   800円
マンテカート(塩ダラとジャガイモのクリーム煮)のクロスティーニ 600円
和牛のトリッパ煮込み バゲット付        1200円
イタリア名物 レバーペーストのクロスティーニ   600円
LIFE 特製ソーセージグリル         1300円
牛キューブ ロールグリル(200g)      2400円
ハイライフポーク ロースグリル(200g)   1800円
キャロットラペ&紫キャベツのマリネ盛合わせ    650円

------------------------------------------------



選択は大きく分けて2つ。

たっぷり1人前が1つのプレートか、アラカルトをいくつか選ぶか?



初めてなのでワンプレートの中から『Meal Plate』を選び、お好みグラスワインの白を追加しました。



待っている間にも入店客は増えていきます。

カップルが5組、後は女性の1人客が1組。


その後も入れ替わりなどがあってほぼ満席状態が続きます。





若い女性スタッフがワインを2本運んできました。

白とロゼです。

ロゼもよかったのですが、最初に決めていた白のグラスワインに決めました。

トスカーナのワインとのこと。



しばらくしてメインが運ばれました。

写真左が、そのプレートです。

ロースト野菜と生野菜のサラダの下に大きなサーモンソテー、紫キャベツのマリネ、トマトリゾットなどが盛り合わさっています。

『LIFE Sea Southern』の定番プレートと書かれていました。

シャキシャキとした鎌倉野菜と、うま味の増したロースト野菜をを食べて、サーモンソテーにかかります。


シンプルにソテーされたサーモンに爽やかなパプリカレモンソース。

薄味なのでサーモンの味がしっかりと感じられます。


実は今まで、生のサーモンを焼いたものがちょっと苦手でした。

理由は生臭さです。

ところが、このサーモンソテーには、皮目のところまで全く臭みを感じません。

骨もなくおいしいソテーでした。



リゾットはトマトベース。

魚貝のコクも加わり美味です。


最後に+300円でコーヒーを追加しました。(写真右)


気が付くと真ん中の席には若いカップル、左側の4人テーブルには中年の男性が座っています。


入店しようとしたカップルが満席を理由に断られていました。


コーヒーも飲み終わったので真ん中にあるレジに向かいます。


レジには女性シェフがいました。


「カードを作りますか?」

カードが増えて管理が難しくなっているのでちょっと考えていると・・・・。


「今度いらしたときにこのカードを見せていただけば、コーヒーくらいは無料にさせてもらいますよ。」


欲にかられて頷いてしまいます。

※もちろんある程度の注文が必要です。


作ってもらったカードを持って店を出ました。

(Meal Plate)  (コーヒー)
LIFESea Southern プレートLIFESea Southern コーヒー








++++++++++++++++++++++++++++++++++

●由比ヶ浜「LIFE Sea Southern」(イタリアン)
 電話 0467−33−6313
  鎌倉市由比ヶ浜1−10−9  1階
 営業時間  9:00〜18:00
定休日   火 ※不定休有り。詳細は公式インスタグラム参照
  https://www.instagram.com/life_sea_southern/

++++++++++++++++++++++++++++++++++








< にほんブログ村 ↓>

にほんブログ村 グルメブログ 神奈川食べ歩きへ




このブログは日本でただひとつの湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ『オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉』の附属ブログです。
『湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ』は他にないので、多分「日本一」だと思います。(笑)

よろしければ合わせてお読みください。




<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>

〜 メルマガの登録は下記からおねがいします!! 〜

<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>








chefcomi at 11:00|PermalinkComments(0) 鎌倉 | イタリア料理

2023年11月15日

看門茶寮

小津安二郎監督の作品に『麦秋』という映画が有りました。

映画の始めの方に、北鎌倉の谷合を横須賀線の電車が通っていくシーンがあります。

その横須賀線とほぼ平行する形で鎌倉街道が走っています。

鎌倉街道は、ほとんどの観光客も知っていますが、横須賀線を挟んで反対側の線路沿いの細い路地のことを知る人は少ないと思います。(写真左)

この道は、人や自転車の道として使われていて、ちょうどホームの真ん中あたりには『緑の洞門』と呼ばれる手彫りのトンネルがありました。

ただ、2015年4月に崩落の危険性があるとのことで、通行止めになり現在に至っています。
(写真右)

通行止めが続いていることについては、一言で言えば、こじれているとしか言えないので、ここで触れることはやめておきます。


駅から洞門の北側に行く人には、ホームの北寄りに臨時改札口があります。

ある日、少し前にこの臨時改札を出たところに、看板を見つけました。

何の看板かはっきりわからなかったのですが、最近になって飲食店の看板であることがわかり『看門茶寮』という店名であることも判明しました。


この場所に飲食店?

北鎌倉で降りる観光客はほとんどが鎌倉寄りの改札口から、円覚寺、明月院、浄智寺、東慶寺などの名所に向かいます。

鎌倉寄りの改札口から、先ほどの看板のある場所に行こうと思っても、緑の洞門のところで行き止まり。

ここに行くには、ピンポイントで臨時口を出るか、鎌倉街道にに一度出て、はるか遠回りしなければなりません。


つまり、飲食店の立地としては、あまり適地とは言えないような気がします。

(改札と線路横の路地)   (緑の洞門通行止め)
看門茶寮 駅改札と路地看門茶寮 通行止め













気になるので、一度覗いてみたいと思います。

臨時口には係員のオジサンが1人立っていました。

-------------------------------------------------------

●開閉時間
朝6時30分〜夜21時30分
●北鎌倉隧道通行禁止のため、
円覚寺方面へは行けません。

ICカードのみご利用いただけます。

-------------------------------------------------------



写真左は臨時口を出たところにある看門茶寮の看板です。

けっこう大きい!!

近づくと『看門茶寮』と書かれた上に小さく『CAFE』とあるのが見えました。

その横に案内の矢印。

CAFE『看門茶寮』すぐそこです!

ここから歩いて
1.左に8歩
2.階段に向かって25歩
進むとお店があります。

そして赤く太い矢印。

案内板を見るまでもなく、正面左側に看板を出した一軒家がありました。


何度か書いていますが、数十年前とは言え、この近くに住んでいたので、『階段に向かって25歩』の階段がどこに続くものかも知っています。

さて、25歩進んで看門茶寮の入口に着きました。

(看門茶寮看板)      (看門茶寮入口)
看門茶寮 看板看門茶寮 入口













門をくぐると、ウッドデッキがあります。(写真左)

左側の壁には日本画風の器のイラスト、その前には、まだむいたばかりの干し柿が吊るしてありました。

ガラス戸を開けて中に入ります。

手前にはススキとカラー(海芋)が生けてあり、木の床の上に10席ほどのテーブル席がありました。

正面奥のキッチンに女性スタッフが2人見えます。(写真右)


「いいですか?」

「はい。」

2人席の1つに腰掛けました。

まだ、先客はいません。

(ウッドデッキ)       (キッチン)
看門茶寮 干し柿看門茶寮 キッチン













若い方のスタッフが持ってきてくれたのはラミネートされたメニューが2枚。

1つがランチでもう1つがドリンク系になっていました。

ただし、ランチは『本日の茶寮セット』の1種類。(写真左)

------------------------------------------------------

・御飯
・春菊のかき玉汁
・味噌煮込ハンバーグ
・ひれ肉のレモンジンジャー煮
・鯖塩焼 ・ミニ南瓜コロッケ
・マカロニサラダ
・里芋のおかか煮
・人参と蓮根のきんぴら
・かぶのりんご酢和え
             1200円(税込み)

------------------------------------------------------


選択肢はないのですが、おかずの種類は9種類と豊富です。

これとドリンクメニューの中からグラスワインの白を頼みました。


「ハロウィンなので、カボチャのメニューも入っていますよ。」

キッチンからもう1人のスタッフが言いました。




ちょっと聞いてみました。

「あの、ここは雲頂庵さんがやってるんですか?」

「はいそうですが、調べて来られたんですか。」

「いえ、昔、近くに住んでいたんで何となくそうかなと。」


先ほども触れましたが、『階段に向かって25歩』の階段は、円覚寺の塔頭『雲頂庵』に続いています。
 




何だか干物を焼くようないい匂いが漂ってきました。

そして、しばらくすると『本日の茶寮セット』が運ばれます。(写真左)

総菜が少しづつ、プレートいっぱいに盛られていました。


まずは春菊のかき玉汁をいただきます。

少し癖のある春菊が、優しいかき玉といいバランスです。


いい匂いの正体は焼いたサバでした。

奥にある取っ手の付いたオレンジの容器には味噌煮込ハンバーグが入っています。


その右下がハロウィンメニューの南瓜のコロッケ。

白い器はマカロニサラダ、旬の里芋のおかか煮も、素朴ないい味になっています。

ごはんもふっくらと炊けていました。



全体的に身体によさそうなメニュー。

おいしく頂きます。


12時が近くなると来店するお客さんが出てきました。

最初は近所の人、容器を持ってきてテイクアウトのようです。


次は年配の女性が2人、そして、中年のご夫婦。



店内が賑やかになってきました。

こちらは、入店したお客さんの注文が終わるのを待ってレジに向かいます。


「ごちそうさま、美味しかったです。」

「有難うございます。」


「朝からやってるんですね。早くから利用する方がいるんですね。」

「けっこういらっしゃいます。」


「朝から夜までじゃ、大変ですね。」

「シフトでやってますから。」



私が気が付いたのは2〜3週間前でしたが、2月からのプレオープンで、グランドオープンは5月20日。

現在はリピーターの方も多いようです。


私の懸念ははずれたようです。

支払いを終えて外に出ました。

しばらくぶりに、『雲頂庵』に行ってみたいと思います。


『麦秋』で横須賀線を撮った場所とは反対側になりますが、『雲頂庵』のある尾根道からは北鎌倉を見下ろすことが出来ます。

(メニュー表)       (『本日の茶寮セット』)
看門茶寮 メニュー看門茶寮 ランチ








++++++++++++++++++++++++++++++++++

●山ノ内「cafe 看門茶寮」(カフェ)
 電話 0467−23−0700
  鎌倉市山ノ内521−4
 営業時間 7:00〜20:00
 定休日  不定休
  https://www.instagram.com/cafe_kanmonsaryou

 ※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

++++++++++++++++++++++++++++++++++












< にほんブログ村 ↓>

にほんブログ村 グルメブログ 神奈川食べ歩きへ




このブログは日本でただひとつの湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ『オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉』の附属ブログです。
『湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ』は他にないので、多分「日本一」だと思います。(笑)

よろしければ合わせてお読みください。




<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>

〜 メルマガの登録は下記からおねがいします!! 〜

<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>







chefcomi at 11:00|PermalinkComments(0) 鎌倉 | 和カフェ

2023年11月09日

かわ名

時々訪問する、横須賀線線路沿いにある英国風のカフェ、『ガレージブルーベル』のオーナーから聞いたのが、隣にお蕎麦屋さんが出来るということでした。

「ご夫婦でやるということですが、お店を開くのはここが初めてらしいですよ。」


駅からそれほど離れてはいませんが、道を行く観光客も少なく、目立たない場所です。

大丈夫でしょうか?



その店がオープンしたようです。

覗いてみましたが、店名ロゴはあるもののメニュー表も『OPEN』の札もありません。

その日はそのまま引き返しました。


『ガレージブルーベル』のオーナーに聞いてみると、メニューや『OPEN』の札がなくても、シャッターが閉まっていなければ開店しているとのことです。




夏が終わらないまま、暦の上では晩秋を迎えてしまいましたが、観光地鎌倉の人出はいつもの秋に戻ってきたようです。



写真左は小町通りの様子です。

最近は、黄色い帽子の小学生や外国人が目立ちます。


混雑する小町通りを進み、傘屋さんのところで左折、踏切の手前を右折して線路沿いを歩いて行きました。


写真右は、線路沿いの道を写したものです。

飲食店などありそうもなく、初めてだとちょっと不安になりますが、かまわずに進んでください。(笑)

(小町通り)        (線路沿いの道)
かわ名 小町通り2かわ名 線路沿いの道













写真左は、今回の店『かわ名』の店頭です。

先に触れたように店名のほかには、メニュー表も『OPEN』の札もありません。


壁もドアも落ち着いたモノトーン。

店名ロゴを照らすライトの横の、細長い窓だけがアクセントになっています。


写真は、進行方向とは反対側から撮ったものですが、向こう側の赤いポストのある建物が『かわ名』を紹介してくれた、英国喫茶『ガレージブルーベル』になります。



今日は店休日ですが、営業しているときは店頭に英国旗が出ています。

建築は新しいのですが、オープン時の古民家の雰囲気を残しており、スコーンと紅茶でゆったりと過ごす人も多い人気店です。





『かわ名』の中に入りました。

店内もやはり色調はモノトーン。(写真右)


シンプルで落ち着いた空間には絵などが飾られていて、奥にはキッチンが見えます。

ただ、一か所、入って左側にある開店祝いの胡蝶蘭だけが賑やかな印象になっていました。

※10月12日 グランドオープン


テーブル席が3つと壁に向かったカウンター席が4つ。

スタッフはオーナーと奥さんの2人です。


「こちらか、カウンター席のどちらかでお願いします。」

真ん中にある、2人がけのテーブル席に座りました。


まだ、先客はありません。

(かわ名店頭)       (モノトーンの店内)
かわ名 ブルーベルとかわ名 店内














笑顔の奥さん持ってきてくれたメニューを見ます。

--------------------------------------------------------

コース 小町     3500円

季節のすりながし
前菜盛合わせ
旬野菜の天ぷら
せいろ又はかけそば
甘味

冷たい蕎麦

せいろ          950円
ごまだれせいろ     1120円
海苔せいろ       1150円
鴨せいろ        1910円
天せいろ        1890円


温かい蕎麦  
  
かけ蕎麦         950円
花巻蕎麦        1150円
鯛わかめ蕎麦      1380円
鴨南蛮         1950円
天ぷら蕎麦       1890円
牛のせ蕎麦       1910円

--------------------------------------------------------



「お鍋も始めましたので。」

見せてくれた、もう1つのメニュー表には、おすすめの一品が載っていました。


--------------------------------------------------------

國権 特撰大吟醸(一合)    2960円

ミニきりたんぽ鍋        1860円

揚げ餅となめこおろしそば    1350円

--------------------------------------------------------



鍋もよさそうですが、今日はまだ夏のような気候です。

『小町コース』とビールの小瓶を頼みます。





最初の品が来ました。

「『さつま芋のすりながし』です。」

すりながしでよく見かけるのは、漆器のお椀に入ったものですが、出てきたのは陶器で出来た器です。

細長い猪口のような形で、下には3本の足、細い取っ手が付いていました。

さて、どうやって?

迷っていると奥さんが声をかけてくれます。


「そのまま飲んじゃってください。」

取っ手を持ち上げて飲んでみました。


まったりとして、ほのかに甘いすりながしです。





次に出てきたのは前菜の盛合わせ。

箱に入っている前菜を奥さんが説明してくれます。


「こちらから、いぶりがっこの入ったポテトサラダ、小松菜の煮びたし、鴨のロースト、かまぼこ、そして、鯛の漬けになります。」

「鯛の漬け?」

ちょっと鯛にしては色が濃いように見えます。


「大分の『りゅうきゅう』と言う料理です。」

『りゅうきゅう』とは、鯛や鯵、鰤などの切り身を醤油、酒、ミリン、ショウガ、ゴマなどを合わせたタレにつけ込んだもの。

大分の漁師が琉球(沖縄)の漁師に教えてもらったからとの説もあるそうです。


何故、大分かと言えば、こちらのご主人は蕎麦を大分で修行したとのこと。




順に食べていきます。

いぶりがっこの入ったポテトサラダの食感も面白いし、小松菜の煮びたしの味加減も絶妙でした。


初めて店をオープンすると聞いていましたが、味のレベルは高いと感じます。

※味オンチが偉そうなコメントで申し訳ありません。

(すりながし)       (前菜盛合わせ)
かわ名 すりながしかわ名 前菜












賑やかな声がして、入口からお客さんが入ってきたようです。

ただ、ここと入口近くのテーブルの間には、仕切りがあるため声で女性客とはわかりますが、顔は確認出来ません。

この人たちも、コースを注文したようです。




「1人ですけど。」

続いて入ってきたのは、中年の男性客でした。


奥さんがカウンターに案内します。

「こちらでよろしいですか?」

男性客は、4つあるカウンター席の一番右端に席を取りました。





こちらにはお蕎麦が運ばれます。

「おそばです。天麩羅は、ピーマンと茄子、ラディッシュにゴボウ、サツマイモになります。」

ゴボウは一度炊いてから揚げてあり、サツマイモも上げる前に一度火を通してあるとのことです。


まずは、かけ蕎麦に可愛らしい容器に入った七味をかけました。

蕎麦は葱が乗るだけのシンプルなものです。

蕎麦つゆの色は、ちょっと濃い目ですが、出汁のうま味を感じました。


蕎麦はちょうどいい硬さ。

つるつると食べていきます。

風味豊かなおいしい蕎麦です。



柔らかいゴボウの天麩羅は味がついているので、そのままいただきます。

ふわふわの茄子や、ほんのり甘いピーマンなどは、皿の横に付いた塩で食べていきます。


天麩羅の旨い蕎麦屋はいい蕎麦屋というのが持論ですが、今のところ間違いはありません。




「デザートの抹茶アイスです。つぶつぶは蕎麦の実で、きな粉が少しかかっています。」

入れ替えてくれた煎茶と一緒に味わいました。



1人で来ていた男性は、早くもせいろの蕎麦を食べ終わっています。

「有難うございます。950円になります。」




トイレを借りました。

もちろんトイレもモノトーンのモダンな空間でした。



帰ってくると、さきほど男性客が座っていた場所には、女性の1人客が座っています。

まもなく奥さんが女性客に運んできたのは、『伯楽星』という日本酒の瓶と何種類もの猪口。

女性が猪口を選び終わるのを待って、会計をお願いしました。



エビスの小瓶とコースで4020円。

満足なランチでした。


このほか単品としてイカ刺しのワタ和えや津軽鴨のロースたたき、牛すじとふろふき大根、自家製つくねの照り焼き、広島産牡蠣の紫蘇巻き天ぷらなど、酒の肴になりそうなメニューも豊富です。

21時(20時L.O.)までやっているので、夜も楽しめそうです。

(かけそばと天麩羅)    (抹茶アイス)
かわ名 かけそばと天麩羅かわ名 抹茶アイス







++++++++++++++++++++++++++++++++++

●小町「かわ名」(蕎麦)
 電話 0467−40ー3223
  鎌倉市小町2−4−14
 営業時間
  11:00〜15:00(LO 14:30)
  17:00〜21:00(LO 20:00)
  定休日  月・火・水曜日 
  https://www.instagram.com/soba.kawana/

++++++++++++++++++++++++++++++++++












< にほんブログ村 ↓>

にほんブログ村 グルメブログ 神奈川食べ歩きへ




このブログは日本でただひとつの湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ『オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉』の附属ブログです。
『湘南・鎌倉の食べ歩きメルマガ』は他にないので、多分「日本一」だと思います。(笑)

よろしければ合わせてお読みください。




<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>

〜 メルマガの登録は下記からおねがいします!! 〜

<オーナーシェフ&料理人ガイド 湘南・鎌倉>









chefcomi at 18:03|PermalinkComments(0) 鎌倉 | 蕎麦・うどん
Archives
Recent Comments
Categories
Blog Pet
BlogPeople
にほんブログ村


ブログランキング・にほんブログ村へ


訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

ブログラム
『blogram』に参加しました。 blogram投票ボタン
あじさい