2008年09月02日22:532回試験

昨日は旧61期の2回試験合格発表でした。

今回,我々と同期の新60期で前回不本意な結果となった方々も受験していたため,ちょっとドキドキしながら報告を待っていました。

私の修習地では,それなりの不合格者が出てしまっていたのですが,今回の再受験では無事に全員合格したそうです。

元々,「なんで落ちたの?」っていう人達ばかりだったのでそんなに心配はしていなかったのですが,やはりホッとしました。

研修所で優秀だった人(任官志望者など)がなぜか2回試験に落ちるということは今も昔もある話ですが,特に近年は,弁護士志望であっても,「落ちる」ことへのプレッシャーが昔より全然大きいんじゃないですかね。そうなると,本番で「何か」をやらかしてしまうというのは人間である以上しょうがないことと思います。

今回,不合格率が相変わらず高かったようですけど,それだけを取り上げて「質の低下」とか言うのだけは本当に納得いかないです。2回試験が弁護士の質まで計れる試験になったというのでしょうか。

アホらしいですね。



2008年07月02日22:37採点基準

判タ1267号216頁に,面白い裁判例が掲載されていました。

新司法試験における受験者の答案及び当該答案を採点した考査委員が付した素点の記載された文書が,行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律14号7号柱書の事務支障情報に該当するとされた事例(大阪地判H20.1.31)

平成18年度の試験についての開示請求なので,私も受験した第1回新司法試験ですね。開示を求めた科目は労働法のようです。なぜ労働法だけなのかがよく分かりませんが。

判決文の一部を引用すると,

「受験生の中には,法曹になるために必要な学識及びその応用力を身に付ける勉強よりむしろ,断片的な知識の習得に走ったり,合格者や高得点の者の答案を無批判に暗記対象とするなどして,高得点をとるための受験技術を磨く者が出るようになることは経験則上明らかである。」

これは・・・。

判決を書いた裁判官自身の経験則ですかね(笑)。

 



2008年06月24日22:00「報酬」

今日,一人で処理していた案件が1つ片付きました。

私の登録地はそこそこ田舎なので,新人でも法律相談が回ってきます。で,3月くらいの法律相談で,とある案件が来ました。事案としては単純なのですが,相手が行方不明だったりなどなど,面倒くさそうな要素満載でした。

私の事務所では,個人受任は自由で,しかも着手金とかは依頼者と相談して決めてよいことになっています。受け取ったお金は多少経費を事務所に入れますが,個人で貰う事ができます。もちろん事務所基準はありますけど,事案によっては低額で受けることも可能です。なにせ「イソ弁」ですから。

それで,結局,受任することに。

その案件が,いろいろ調べたり,交渉したりして,なんとか依頼者の希望通り処理できました。

はじめて,自分の手で,正真正銘の「報酬」を受け取りました。

金額的にはそれほど多くはないんですけど,なんというか,ものすごーく嬉しかったです。依頼者の前では「良かったですね。」なんて平静を装っていたので,依頼者には,私の個人事件第1号とは知らず,

「いやー,先生に頼んでほんと良かったですわ。」

と言われちゃいました。

今日は1人で祝杯です。依頼者と,自分のために。

多分,これからどんどん事件も増えて,中には○○な事件も出てくると思いますけど,今日のこの気持ちを忘れたくないと思って,ついブログに残しちゃいました。

 

ただ,この報酬,今年度分の市民税・県民税で消えちゃいますけど・・・(笑)。



2008年05月12日23:40楽しい弁護士

久しぶりの更新です。

書きたいことはたくさんあるのですが,プライベートなことを書くと特定されてしまいますし,事件に関することを書くと守秘義務の関係で危ない橋を渡ることになりますので,なかなか気を使うなーと思いつつ,全然日記を書けませんでした・・・。

とりあえず近況報告としましては,とても充実した毎日を送っているのかなーと思います。

仕事のほうは,順調とはいえないかもしれませんが,何とかやっています。

こういう言い方は依頼者の方に失礼ですが,「楽しい」ですね。今やっている事件はどれも,当然,今までやったことのない事件なわけで,その度に,いろいろと調べたりするわけですが,そうやって日々勉強していくことは非常に楽しいです。

また,最近は1人で法律相談もやるようになりましたけど,短い時間ではありますが相談者の話を聞いて,自分なりにアドバイスをして,最後は晴れやかな顔になって帰っていくのを見ると,こんな私でも役に立てたのかなーと思って嬉しく思います。

同時に,まだまだ勉強不足で自信が生まれない自分が悔しくて,いろいろ本を買いあさって勉強している毎日です。本代だけで相当の出費となり,貯金が全く増えません(涙)。確定申告が楽しみです。

それはともかく,弁護士っていう仕事は,少なくとも現時点では,自分に合っている気がします。

 



2008年04月04日00:18嗚呼

久々の日記でこんな記事を紹介するのもあれなんですが・・・

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2008/04/20080403t13043.htm

 

それにしても,女性院生の証言が物凄く的確ですね。さすがロー生です。

 

それにひきかえ,Aの尋問は・・・。

 

マンガに出てくる法学部生みたいですよね。

 

 



2008年02月10日23:46国選

日弁連会長選挙は思いのほか接戦だったようで。あんまし興味はなかったですけど一応投票はしました。

増員と国選弁護についてなんですが。

地域によってはまだまだ弁護士が少ないところもあるわけで,国選弁護のなり手がいない,さらには当番弁護,被疑者国選まで導入されている今となっては,地方弁護士の負担は相当なものです。

「国選は経済的には赤字なので若手でもやりたがらない人が多い」みたいな話を聞きますけど,こういう考え方を持つ若手ってどうかと思いますね。だって,我々は,修習の1年間,税金で飯食わしてもらって勉強までさせてもらったわけですから。数百万円分は恩返ししないといけないでしょう。

と,今ならこういう風に考えることが出来ますが,果たして修習給与が貸与になったら,よほど動機付けがない限り,国選をやらない若手が増えていくかもしれませんね。そうなってしまうと,ますますせっかく増員しても国選などなり手がいないか稼げない弁護士が片手間にお粗末な弁護しかしないという事態も十分にあり得ると思います。

増員を見直すのもいいですが,修習給与貸与制についても見直す必要があるのではないでしょうかね。

 

 



2008年02月05日22:15餃子

冷凍食品の餃子が世間を賑わせていますね。私も餃子は好きで冷凍ものを食べることもたまにあるので,ちょっと気をつけないといけないですね。

昨日,近くのラーメン屋に行ったのですが,ラーメンと一緒に思わず餃子も食べてしまいました。こう毎日毎日ギョウザギョウザうるさいと,逆に食べたくなるのが人情ってもので。

んで,ふと店内の張り紙を見たら,

「    当店の餃子について

野菜は国産のものを使用しています。

肉は,デンマーク産のものを使用しています。

皆様ご安心してお召し上がりください。  」

と書いてありました。 

 

デンマーク産の肉を使っているとは・・・。

ある意味,衝撃の事実でした。

何であえてデンマーク??みたいな。

もう心は完全に,中国産よりデンマーク産を探そう!って感じになってしまいました。

そこで,今日,近所のスーパーに行ったのですが,デンマーク産の肉はありませんでした。

週末は少し遠出をしてもっと大きなスーパーに行ってみようと思います。

「デンマーク産」を見つける旅に出ます。

 



2008年01月30日21:22レクサス

マツダのアテンザがフルモデルチェンジしましたね。

http://www.atenza.mazda.co.jp/?bt=1

外観がプジョーに激似ですね。去年モデルチェンジしたデミオもそうでしたけど。

最近の新車を見ていると,個人的には,マツダとニッサンには個性を感じません。ニッサンはルノーとの提携以来そっち系のデザインになっていますし。ティーダなんてまさにそうですよね。けっこう売れてるらしいですけど。いや,ルノーは好きなんですけどね。

私的に好きなのはスバルですね。明確なポリシーを持って車を作っていると思います。いろいろ条件が揃うならば,レガシィツーリングワゴンが欲しいところです。新型フォレスターにはガッカリしましたけど。

なんでいきなり車の話をしているかといいますと,現在,購入を検討してまして。年明けから,休日になるとあっちこっちに試乗に行ってます。

私はもうホンダの全盛期から20年来のF1オタクですから,購入するのはホンダなのです。これはもう中1の時から決まっています。車種も決まっています。でもせっかくなので,毎週日曜日には試乗に行くのです。

この前の日曜日は,レクサスに行ってきました。噂どおり,接客レベルは相当なものですね。私は友人と一緒に行ったのですが,他のお客さんは(たまたまかもしれませんが)年配の金持ちっぽい人ばかりで,明らかに俺ら浮いてない?みたいな。それでもレクサスディーラーはものすごく紳士な対応で。思わず弁護士名義の名刺を渡してしまった自分が悲しい(笑)。

でもまあ,試乗した結果としては,一生レクサスは買わないなーという印象でした。

 

 



2008年01月29日23:31合格者増員

また最近,合格者増員を見直そうという動きが出ていますね。

その理由として,「弁護士の受け入れ先がない」という理由なら,理解できます。やはり依然として都市部志向の強い合格者が多いようですから。

ただ,地方においては,まだまだ弁護士が足りない地域があることも事実でしょう。日経か何かの記事に島根県弁護士会の話が載っていましたが,弁護士増員とともに,地裁支部への裁判官や検察官の常駐という課題が残されているようです。

それに,地方でも,都市部に近いところから徐々に埋まっているのが現状だと思います。私の所属する弁護士会は,都市部ではないもののその近隣であり,現修習生の話を伺う限り,昨年とは比べ物にならないほど状況がかなりひっ迫した状況になっています。特に新と旧とが併存している現状では,なおさらのようです。ボス弁曰く,「62期からはもう保証できない」そうです。

もっとも,ロースクールを経た新試験組は,旧試験組と異なる点として,ロースクールでのつながりがあります。ここでいう「つながり」というのは,もちろん同期生もそうですし,何より,ロー時代の先生とのつながりのことです。あくまで私の主観ですが,人格の問題を別にするとw,就職に苦労していた同期には,都市部のいわゆる大規模ローの人が多かったです。つまり,「つながり」がないんですね。そういう人は,なかなか苦労するかなと思います。

で,話を最初に戻しますが,増員反対の理由として,他に,「2回試験不合格者の増員は合格者増員が理由だ」みたいなのがあります。

これは,ちょっと賛同しかねます。

59期までは,2回試験に「追試」という制度がありました。これは,1科目のみ不合格の場合,「合格留保」となり,その科目のみ再試験を認め,そこで合格すればOKという制度です。

この追試制度は,新旧60期から廃止されました。60期からは,1科目でも不合格の科目があればそれで即不合格となります。そして,2回試験終了と同時に研修所から追い出され,合格発表も郵送あるいは研修所の掲示板(登庁印を押す場所にある掲示板です)にて発表,という形になっています。

で,ここからがポイントなのですが,従来の追試があったときと,追試が廃止されて以降の評価の仕方が,違うらしいのです。どういうことかというと,追試があった時代なら「このくらいは合格にしよう」というレベルだったものが,現在では不合格になるらしいのです。根拠としては,私が2回試験発表後のクラス懇親会に出席した際,ある教官が,「○○さんは,追試があるときだったら救済されたんだけどねぇ。」と話をされていたことなどにあります。

これに加えて,別の観点からの話があります。

59期では,刑弁での合格留保者が多くいました。これ自体は,そもそも59期刑弁の問題がかなりの難問だったことがあるようです。

で,新旧60期を見ますと,59期の反省が生かされたのか,刑弁の不合格者はそれほど多くありませんでした。

ただ,新60期刑弁では,過去の日記に書いたとおり,「無罪+一部情状」の問題が出題されたところ,過去の即日起案でそういう問題は皆無でした。ですので,そもそもそういう出題があり得るのかという技術的な面で考えすぎた人もいると思います。実際,私もそうでしたから。教官からは「刑弁は無罪だ!」としか教わっていなかったので,無罪主張を延々と(50頁くらい)書いた上で,残り1時間で迷った上で「やっぱ記録上は空気を読んで道交法違反は情状弁護だろ」と決断して書いただけです。

それはともかく,60期では,民弁の不合格者が多くいました。その理由として,聞くところによると,大多数の人が弁護士になるという現状を考慮し,弁護科目で厳しく判定すべき,という考慮がなされているようです。

新60期の民弁科目は,問題自体,相当難問だったと思います。我々は,集合修習において民弁即日起案を3回行いましたが,1回目は59期2回試験問題(不動産の即時取得w),3回目は58期2回試験問題(レーモン)でした(2回目は不明。年月日からおそらく56期か57期2回試験問題。賃貸借の増改築禁止特約の問題です。)。それらと比較しても,相当難しい問題でした。過去の日記でも書いたとおり,債務不履行責任と瑕疵担保責任の相違を問う問題であり,しかも,「空気」を読んで起案の書き方についても考慮しないといけない問題でした。実際,私の同期で知り合いの優秀な方で,即日起案では民弁でAを2回とった人が民弁で不合格になっています。また,とある資料を読む限り,旧60期も「空気」を読む必要がある問題だったようです。

以上を要するに,

合格者増→2回試験不合格者増,という因果関係が本当にあるのか,全く調査せずになされた安易な発言を鵜呑みにしていろいろ戯言をほざく人は,政治家ならともかく,同じ法曹実務家であれば,事実認定能力に欠けたアホ実務家である,といわざるを得ないということです。

 



2008年01月22日21:40管理職

コナカが元店長に残業代を遡って支払うとの和解をしました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080122-00000090-mai-soci

私は倒産法選択なので労働法は良く分からないのですが,修習のときに,労基法上,管理者というのは実質的に判断されるもので,世の中の会社で名目上は管理者となっていても実質的には違うんだ,そうやって残業代をごまかしているんだ,という話を聞いたことがありまして,へーそうなんだと思って,それでこの辺はちょっと勉強したことがあります。

600万円を支払ったということは,もう実質的に全面勝訴といえますね。

うちの近所にもコナカがありますけど,元店長,相談に来てくれませんかね(笑)。喜んで引き受けますよ(笑)。

ところで,この事件では労働審判制度が利用されています。労働審判制度については,弁護修習(夏の選択型修習におけるホームグラウンド修習)で1度お目にかかりました(相手方として)。何しろ,指導担当の先生も初めてだったので,

弁:「おい,○○君,これってどうなるの?」

私:「さあ,私は労働法は勉強してないんですよお。」

弁:「私も労働審判なんて初めてだなあ。一応,反論の書面を提出してみたんだけど,ちょっと読んでみて。(事案が取締役報酬請求だったことから)取締役の報酬の請求って,そもそも労働審判で扱っていいのかな。通常は訴訟案件なんだけど。」

私:「さあ,どうなんですかねぇ。ちょっと調べてみます。事務所に参考になる本とかありますか?」

弁:「あるわけないでしょー。ハハハ。」

私:「ですよねー。ちょっと調べてみます。」

(翌日)

私:「先生すいません,明確には良く分からないです。問題ないとは思うのですが。」

弁:「ああ,いいよいいよ。せっかくだし,一緒に審判入ってよ。」

私:「はい,是非お願いします。あっ,これ,民事○部ですね。しかも担当書記官が○○さんだ。この書記官さん,修習生の間ですげー人気あったんですよ。めっちゃ可愛くて。」

弁:「おいそれを最初にいえよ。もっと詳しく・・・・」

という感じだったので,全然勉強になっていませんw