アン・バランス・ダイアリー

読んだ本やドラマの感想を中心に書いています。気軽にコメントいただけると嬉しいです。

「麦海」に引き続き。
理瀬が学園を出てからのお話。長崎にある祖母の家に叔母と一緒に暮らしています。
「麦海」とはちょっとテイストが違い、頭がフラフラになるほどの幻想性はなくてがっつりミステリという感じ。初読時はそのあたりが少々物足らなかったような記憶があります。とはいえ、じゅうぶんに不穏なんですけど。
そっか、稔と亘との関係ってこういうことだったのか(内容ほとんど覚えてなかった)。自分の生きる道をしっかり自覚し、いっさい迷いのない理瀬の強さに当時はとてつもないオーラを感じたものでしたが、今読んでみると人を信じすぎて脇が甘くなっていたり、雅雪にほんのり恋心のようなものを抱いたりしてるのが、やっぱり10代の可愛らしさがあるなぁと、少しほっこり。
20年ぶりに読んでもとても面白かったです。

初読時の感想です↓


「夜明けの花園」の解像度をあげたくて再読。前回読んだのは2002年10月なのでなんと21年以上前!
そりゃ忘れてるはずだ…
もちろん主要キャラやストーリーの骨となる部分は覚えていますが、細かな部分は見事に記憶の彼方。なので新鮮な気持ちで読み進めるも、次第に物語世界に深く深く没入陶酔、沼地に足を取られ身も心も身動きできない感覚に。これこれ、こうでなくっちゃぁ。やっぱり良い。そしてやっぱり黎二に心を持っていかれる。
でも今読んでみるとこの学園やばすぎませんか。設定も運営も登場人物も起こる出来事も全てやばいしクレイジーすぎる…だからこそ得られる恍惚感ではあるのだけれども。
「夜明けの花園」のなかの「丘をゆく船」での黎二の過去に胸が潰れる思いでしたが、本編でも語られていたんですね。さらに切なさが増してしまいます。しかしこんなに人が死ぬお話でしたっけ?黎二と理瀬が好きすぎてミステリという印象は少なかったけど、極上のゴシックミステリなんですね。

さぁ「黄昏の百合の骨」にいきますよ〜




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BSテレ東にて全30話完走です
いやぁ面白かった〜
タイムスリップ&魂入れ変わり(正しくは入れ替わってない、共存)ものって、よくあるパターンではあるけれど、やっぱり楽しいですね。鉄板。
なんといってもソヨン役のジン・ヘソンさんの演技が圧巻。ビジュアルは美人なのに中身は自信過剰な軽薄おじさんなものだから、もう何をしても面白い。しかも自分が嫁ぐ予定の相手は史実では完全に存在感のない負け組王様だということがわかっているという設定も巧妙。
脚本も練られていて、権力抗争の渦の中にいる人たちがいろいろと誤解しあったり、王后に振り回されたり、敵も味方も錯綜し複雑に絡み合っていくので、全く先が読めなくて飽きない。毎日のオンエアが楽しみでした。
王后が次第に王と心を通わせ、彼の計画を支持し協力体制をとっていく流れも痛快。
脇キャラもみんな愛おしくて、それぞれの成長がきちんと描かれていたのも良かった。チェ尚宮カップルは癒しでした。
主人公がシェフだから料理を振る舞う場面もたくさんあって、まさかのマクドナルドは大受けしてしまいました。

さすが韓ドラは安定感ありますね〜
おすすめです!

理瀬シリーズのスピンオフ短編集。
既読のものもいくつかありましたが、こうして一つにまとめられ通して読むのはまた格別。
どれも最高!でも何より興奮したのは、黎二の再登場!恩田さん、やっと、やっと書いてくださったんですね。もうどれだけ待ったことかーー。喜び勇んで読んでみたら想像以上にヘビーで心折れそうになりましたが…あ〜黎二…
本編の記憶も薄らいでいて細かなネタが拾えなかったのがちょっと残念。「麦海」から再読してもういちど世界観にどっぷりハマってみたくなりました。

2月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:536
ナイス数:36

『源氏物語の時代』一条天皇と后たちのものがたり (朝日選書)『源氏物語の時代』一条天皇と后たちのものがたり (朝日選書)感想
源氏物語が生まれた一条天皇在位時代を、現存する歴史資料と文学作品、研究成果にもとづきものがたりとして書き起こしています。とても濃密でドラマチックで、ゆっくり噛み締めるように読みました。
中宮定子と一条帝の「純愛」の物語、藤原道長が栄華を極めるまでの道すじ、政界に渦巻く権謀術数、全てが目に浮かぶようでワクワクしながら読みました。
中宮定子の一生はまるでメロドラマだし、地味な印象だった中宮彰子が意外に強くスケールの大きい女性だったのが特に心に残りました。
大河ドラマの予習復習にぴったりです。

読了日:02月21日 著者:山本 淳子

おばちゃんに言うてみ?おばちゃんに言うてみ?感想
まぁ私もそうなんですけど、正直言って「大阪のおばちゃん」は少し苦手。賑やかでやかましいし、おせっかいで空気を読んでいるのやらそうでないやら。
この本の主人公とし子さんも生粋の「大阪のおばちゃん」。しかも実在の方をモデルにしているとか。生きづらさや悩みを抱える人たちが、とし子さんに出会うことで心がほどけていく。とし子さんの明るさの奥に隠されている悲しみと根底にある優しさにほろっとさせられました。決して「いい人」過ぎないのがまた良い。私も話を聞いてほしい!
地元あるある年代あるあるが盛りだくさんで楽しかった。
読了日:02月07日 著者:泉 ゆたか


読書メーター


「光る君へ」面白いですね。毎回ゾクゾクしながら見ています。
平安貴族関連本はまだまだ読んでいきたいです。

2月は宝塚RRRライブビューイング、花組公演に行きました。
あと、京都冬の特別公開も(仁和寺など)。
お友達と会う機会もあり、楽しい時間を過ごしました。
同時に、両親の通院介助もなかなか忙しくなってきました・・・

国内ドラマは、光る君へ、正直不動産、不適切にもほどがある、おっさんずラブ
海外ドラマは、哲仁王后、有翡、天地に問う、玉骨遥、となかなか忙しいけどどれも楽しんでます(特に有翡の王一博の麗しさに毎回ときめいてる♪)

源氏物語が生まれた一条天皇在位時代を、現存する歴史資料と文学作品、研究成果にもとづきものがたりとして書き起こしています。分厚い本という訳ではないけれど、とても濃密でドラマチックで、ゆっくり噛み締めるように読みました。ちなみに源氏物語の内容に関する解説はほとんどありません。
中宮定子と一条帝の「純愛」の物語、藤原道長が栄華を極めるまでの道すじ、政界に渦巻く権謀術数、全てが目に浮かぶようでワクワクしながら読みました。
中宮定子の一生はまるでメロドラマだし、地味な印象だった中宮彰子が意外に強くスケールの大きい女性だったのが特に心に残りました。
優雅で風流なイメージとは程遠い平安貴族の暮らし。男性も女性もなんて生きづらいこと。世をはかなみ出家する男性も多かったのですね。
先日読んだ「平安貴族とは何か」でも思いましたが、道長さん、行成さん、実資さん、よくぞ日記をつけてくれていたものですね。ありがたや…(ちょっと行成推しになりました)
それにしても花山天皇は…とんでもないですね。

大河ドラマの予習復習にぴったり。借りて読んだけど購入しようと思っています。
あと、枕草子も気になる…ちゃんと読んだことないのでまずは関連本を調べてみよう。

まぁ私もそうなんですけど、正直言って「大阪のおばちゃん」は少し苦手。賑やかでやかましいし、おせっかいで空気を読んでいるのやらそうでないやら。でも嫌いではないんですね。
この本の主人公とし子さんも生粋の「大阪のおばちゃん」。しかも実在の方をモデルにしているとか。生きづらさや悩みを抱える人たちが、とし子さんに出会うことで心がほどけていく。とし子さんの明るさの奥に隠されている悲しみと根底にある優しさにほろっとさせられました。決して「いい人」過ぎないのがまた良い。私も話を聞いてほしい!
それにしてもとにかく地元すぎて(笑)知ってる場所やお店がこれでもかと出てくるし、地元あるある、年代あるあるが盛りだくさんで(南街劇場とか懐かしすぎ)、ほっこりニヤニヤしながら読みました。そして読み終えて…やっぱり苦手かな〜大阪のおばちゃん笑(でも好きよ)

1月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:748
ナイス数:72

平安貴族とは何か 三つの日記で読む実像 (NHK出版新書 707)平安貴族とは何か 三つの日記で読む実像 (NHK出版新書 707)感想
「御堂関白記」(藤原道長)、「権記」(藤原行成)、「小右記」(藤原実資)の3つの日記を解読しながら平安貴族の実像をわかりすく伝えてくれています。
宮中行事の記録や中宮や東宮選定の過程に関する記述も面白いし、墨の濃淡や余白の使い方、書き損じの訂正方法など、細かな検証から人柄や仕事ぶりが浮き上がってくるのがとても興味深く、ワクワクしながら読みました。意外におおらか(大雑把?)な道長、信心深く書の達者な行成、仕事ができて人格者でもあった実資、3人は大河にも登場しているので、今後のドラマの理解も深まりそうです。
読了日:01月24日 著者:倉本 一宏

ミライの源氏物語ミライの源氏物語感想
源氏物語を現代の価値観で読むとかなりしんどい。不倫、レイプ、誘拐、パワハラ…そう感じるのはナンセンスだとわかっていてもモヤモヤしてしまう。この本は山崎さん(卒論のテーマが浮舟だったとか)が現代の社会規範に照らし合わせながら源氏を読むという斬新な趣向です。ルッキズム、ロリコン、マザコン、マウンティングなど、現代の視点で解説してくれて、ここまではっきり言ってくれるとかえってすっきりするし、時代背景への理解も深まります。何より源氏物語への愛はきちんと伝わってくるのが心地よい。とにかく面白くて一気読みでした。
読了日:01月15日 著者:山崎ナオコーラ

私本・源氏物語 (文春文庫)私本・源氏物語 (文春文庫)感想
2024年1冊目は久々に源氏本を。
田辺聖子さんの源氏物語パロディ。源氏の家来目線の物語。夕顔、紫の上、末摘花、源内侍、朧月夜、花散里、六条御息所、明石の上が登場。みんな関西弁を喋っていて全体にとぼけた雰囲気なので「あはれ」感はほとんどないけど、これはこれで面白かった。田辺さんも楽しんで書いておられるよね。しかしこうして見ると光源氏ってかなーりとんでもないなぁ(知ってたけど笑)
大河ドラマも楽しみだし今年は源氏関連本をまた読んでいきたい。
読了日:01月10日 著者:田辺 聖子


読書メーター


ナオコーラさんの源氏本、面白かったです。考え方も興味深かった。他の本も読んでみたいな。
あと、宝塚RRRがやばかったです。劇場でみてあまりの素晴らしさに千秋楽ライビビューイングも行っちゃった。東京公演のライビュも行っちゃうかもー

大河ドラマ「光る君へ」の時代考証を担当されている方の著書です。
「御堂関白記」(藤原道長)、「権記」(藤原行成)、「小右記」(藤原実資)の3つの日記を解読しながら平安貴族の実像をわかりすく伝えてくれています。
宮中行事の記録や中宮や東宮選定の過程に関する記述などはもちろん面白いし、墨の濃淡や余白の使い方、書き損じの訂正方法など、細かな検証から人柄や仕事ぶりが浮き上がってくるのがとても興味深く、ワクワクしながら読みました。意外におおらか(大雑把?)な道長、信心深く書の達者な行成、仕事ができて人格者でもあった実資、3人は大河にも登場しているので、今後のドラマの理解も深まりそうです。
遠い遠い将来、今の時代の有名人のSNSやブログをこんなふうに研究する学者さんが登場するのかも、なんてことも思いました笑

最近また源氏物語に触れることが増えて感じることなのですが、源氏物語を現代の価値観で読むとかなりしんどい。不倫、レイプ、誘拐、パワハラ…そう感じるのはナンセンスだとわかっていてもモヤモヤしてしまう。この本は山崎さん(卒論のテーマが浮舟だったとか)が現代の社会規範に照らし合わせながら源氏を読むという斬新な趣向です。ルッキズム、ロリコン、マザコン、マウンティング、トロフィーワイフなど、新しい視点で解説してくれて、ここまではっきり言ってくれるとかえってすっきりするし、時代背景への理解も深まる。何より源氏物語への愛はきちんと伝わってくるのが心地よい。山崎さんの現代語訳もとてもわかりやすくて良かったです。とにかく面白くて一気読みでした。
私の源氏ブームはまだまだ続く…!

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