いつの時代でも嫉妬は間違いなく存在し、誰しも嫉妬したりされたりという経験はあるもの。嫉妬と階級の渦巻く宮仕え生活のなかで紫式部が達した境地は何だったのか、そういった視点で「源氏物語」に込められたメッセージを読み解いていくという趣向で、とても面白かったです。
一番びっくりしたのは、女三の宮を正妻に迎えた際、明石の君と花散里が紫の上に嫌味な手紙を送っていたというエピソード。二人は聡明で上品な人柄のイメージだったのですが、これくらいの嫉妬の描写は日常茶飯的に描かれているということのでしょうか。
巻末に「源氏物語嫉妬年表」なるものまで掲載されていて、これがなんとも圧巻で苦笑い。
あと、浮舟の生き方についての解釈がとても濃密で著者の思い入れの強さが伺えました。出家した浮舟が最後に薫を拒否した時に感じる読者の爽快感のありかが腑に落ちる解説だったとおもいます。
それにしても多くの登場人物が自分のことを「数ならぬ身」と表現するの、つくづく辛いですね…
一番びっくりしたのは、女三の宮を正妻に迎えた際、明石の君と花散里が紫の上に嫌味な手紙を送っていたというエピソード。二人は聡明で上品な人柄のイメージだったのですが、これくらいの嫉妬の描写は日常茶飯的に描かれているということのでしょうか。
巻末に「源氏物語嫉妬年表」なるものまで掲載されていて、これがなんとも圧巻で苦笑い。
あと、浮舟の生き方についての解釈がとても濃密で著者の思い入れの強さが伺えました。出家した浮舟が最後に薫を拒否した時に感じる読者の爽快感のありかが腑に落ちる解説だったとおもいます。
それにしても多くの登場人物が自分のことを「数ならぬ身」と表現するの、つくづく辛いですね…