December 01, 2004

■ゾーイ・サルダナ&クマー・パラナ

04120112月の美女は、『ターミナル』公開を記念して、ゾーイ・サルダナに。

78年ニュージャージーのドミニカ系の家庭に生まれた彼女は、演劇学校に在籍していた90年に『センターステージ』のオーディションに合格し出演。その演技とダンスのスキルが評価され、『Get Over It!』ではキルスティン・ダンストの、『ノット・ア・ガール』ではブリトニーの友だちにピックアップ。『ドラムライン』ではニック・キャノンの相手役に抜擢されるなど、瞬く間にティーンムービーになくてはならない人材になったのだった。

これらの作品をステップとして出演した大作『パイレーツ・オブ・カリビアン』ではジョニー・デップ率いる海賊軍団の紅一点役。出番は少なかったものの、会ったとたんにデップを殴る美味しい役だった(何故殴ったのかは最後まで説明されないのが・・・)。

で、『ターミナル』ではディエゴ・ルナに想いを寄せられる空港の受付嬢役。これまた出番は少ないんだけど、来年は公開予定作が5本も控えていることで明らかなように、業界がこぞって彼女をプッシュに入ってる様子。まあ、このルックスは今ど真ん中って感じがするしね。というわけでチェックするなら今のうちということで。

041201bで、不美男はやはり『ターミナル』に出演しているクマー・パラナに。

19年にインドに生まれた彼が、いつアメリカにやってきたかは全くの謎に包まれている。ただ一つハッキリしているのは、テキサスのダラスに流れ着き、そこでヒッピーライクな喫茶店”Cosmic Coffe Shop”をオープンしたことだけだ。店は、テキサス大のそばにあったため、いつしか物好きな大学生の溜まり場になっていった。

70歳を超えて随分たった年のある日、パラナに常連客が話しかけて来た。「オヤッさん、ぼく今、映画撮ってるんすけど、出演してくれないかなあ」もちろん演技経験など無かったが、パラナは喜んでその映画『Bottle Roclket』に出演した。どうせ学生の遊びに決まっているからだ。だがこれが彼の人生を決定的に変えることになった。『Bottle Roclket』は映画祭で絶賛され、常連客は新進気鋭の映画監督としてメジャー進出することになったからだ。そう、彼の名はウェス・アンダーソン!

そんなわけでパラナは続く『天才マックスの世界』や『ロイヤル・テネンバウムズ』にも出演。特に後者で扮した召使役のイイ味出しっぷりは絶賛を博したのだった。しかしアンダーソンの新作『The Life Aquatic With Steve Zissou』に残念ながらパラナは出演していない。というのも、彼は同時期に巨匠スティーブン・スピルバーグの新作『ターミナル』の撮影に入っていたのである。ここでも空港で働く爺さん役でイイ味を出しまくってる彼は、続いてジョン・タトゥーロの監督作『ロマンス&シガレッツ』に出演するらしい。

ちなみにジェームズ・ガンドルフィーニ、スティーブ・ブシェミ、クリストファー・ウォーケン、スーザン・サランドン、ケイト・ウィンスレット、そしてマンデイ・ムーアという訳の分からないキャストの同作は何とミュージカルコメディとのこと。もしかしてパラナも歌って踊るのか?てなわけで今、何故かハリウッドで85歳のインド人が熱い!



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November 01, 2004

■ハル・ベリー&ジム・ブロードベント

041101a11月の美女は、『キャットウーマン』公開を記念してハル・ベリーに。

66年オハイオ生まれ。黒人の父と白人の母の間に生まれた彼女は、彼女以外は全員純粋白人の田舎町に育ったものの、「絶対弱みを見せるな」との母の熱血指導によって、学校では部活はチアリーダー、プロムではクイーンに選ばれるなど王道を歩み続けた。女優になったのもミス・オハイオに選ばれたのが、きっかけだ。

実質デビュー作の『ジャングルフィーバー』では出番が少ないながら儲け役(ジョン・タトゥーロの相手役)で早くも注目され、『ブーメラン』ではエディ・マーフィの相手役に出世、ブラックシネマには欠かせない女優となる。『Xメン』や『ソードフィッシュ』で白人層にもブレイクし、『チョコレート』で、彼女が心酔するドロシー・ダンドリッジ(やはり白人と黒人の混血の美人女優)がノミネートされて以来、黒人俳優たちの悲願となっていたアカデミー主演女優賞をゲットした初の女優となった。ただし黒人コミュニティで育っておらず、いわゆる黒人的な目鼻立ちもしていない彼女のことを”実質白人だから良い仕事がもらえる”と思っている同業者は結構多いらしい。授賞式でベリーが何故か当日出席していたウーピー・ゴールドバーグに感謝を捧げなかったのは、そこらへんの緊張関係が作用してるらしい。難しいね、人種問題って。

それでもベリーがエラいのはお高くとまらず、『007/ダイ・アナザー・デイ』ではボンドガールに、『キャットウーマン』ではアメコミヒロインに扮しているところ。まあ、後者の”イケてないOL”役は全然そうは見えないんだけどな。最初からモテ感振りまきすぎ!
来年にはパム・グリアの『フォクシー・ブラウン』リメイク作公開予定と、仕事は順調そのものの彼女だけど、今後はプライベートも充実させて欲しいもの。何しろ歴代夫が、DV男の野球選手デヴィッド・ジャスティス(奴に殴られてベリーは鼓膜が破裂!)にセックス中毒のエリック・ベネイだからね。

041101bで、不美男は『80デイズ』公開を記念してジム・ブロードベントに。

1949年英国生まれの彼こそは、今ぼくが最も上手いと思っている俳優だ。えっ、デ・ニーロはって?どの役をやってもせいぜい”今回のデ・ニーロ凄いなあ”としか思わせない彼など、本当に上手い俳優とは言えないんだよね。真の俳優とは、役そのものになりきって自分固有の癖を完全に消し去れる俳優に他ならない。ブロードベントはそれを完璧にやってのけるスキルがあるのだ。

何しろ、『ムーラン・ルージュ!』の座長と、『ブリジット・ジョーンズの日記』のパパは両方とも彼なのだから!まるで別人じゃん。『アイリス』のアイリス・マードックの旦那役も『ギャング・オブ・ニューヨーク』の食えない大物政治家役も彼。しかもルックスはそれほど変えてないのだから凄い。『80デイズ』の悪い貴族役も意識してみないと彼と気付かないので注意を!来年早々には『ブリジット・ジョーンズの日記』続編が公開予定。

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October 01, 2004

■アリシア・シルヴァ−ストーン&アンソニー・アンダーソン

041001a今月の美女は『スクービー・ドゥ2 モンスターパニック』の公開を記念してアリシア・シルヴァ−ストーンに。

76年サンフランシスコ生まれ。6歳のころからCMモデル業を始めた彼女は、幾つかの作品で端役を経たあと、93年に『ダリアン』で初主演。ここで彼女が演じたのは金持ちのワガママなコギャル役でMTVムービーアワードではベスト悪役賞を受賞。続いてエアロスミスが彼女を「ゲット・ア・グリップ」からのシングルカット曲「Cryin'」の”主演”に起用。彼女は一躍男子の間で人気爆発のアイドルになったのだった。続くエアロのビデオと「Crazy」でアリシアはある女優と共演しているのだが、それがヴォーカルのスティーブン・タイラーの娘リブ(実質デビュー作)だったりする。今をときめくエルフの王女は、アリシアの人気のおこぼれで世に出たのだ。

とはいえ、アリシアが真にスターになったのは95年の『クルーレス』だ。ここで彼女が演じたのも、お得意の金持ちのワガママ娘役だったのだけど、でも可愛いという奇跡的なキャラ。ここらへんの絶妙のバランスは『初体験リッジモンドハイ』も手掛けた名匠エイミー・ヘッカリングの手腕大なのだけど、ともかく同性ウケもゲットした彼女は一躍ティーンでありながら一躍セレブになったのだった。こんな女優、彼女以前にはいなかった。そう、ブリトニー・スピアーズもヒラリー・ダフもリンゼイ・ローハンも、アリシア無しには存在しえなかったのである。

だが急激な成功とそれにまつわるパーティーとストレス三昧の日々は、ベジタリアンであるはずの彼女をも激太りさせてしまった。オーディションに参加した『ロミオ+ジュリエット』と『エニイ・ギブン・サンデー』は体型が理由で落選。唯一受かった出演作『バットマン&ロビン』では見るも無惨な深キョンライクな彼女の姿が映っている。97年には「人が使ってくれないのなら自分で映画作るわ」とばかり、自身のプロダクション会社「ファーストキスプロダクションで『エクセス・バゲッジ/シュガーな気持ち』を製作するも失敗。ブレンダン・フレイザー共演の『タイムトラベラー』は良かったけど時既に遅し。そこでの彼女は何だか旬が過ぎてしまった感が漂っていた。

このあと、彼女はロサンゼルスを去り、故郷のサンフランシスコに帰ったようだ。しばらくは仕事を減らし、02年にキャサリン・ターナーとジェイソン・ビッグスとの共演でブロードウェイの舞台「卒業」に出演し、そこそこの評価を得て、03年にはテレビシリーズ『Miss Match』で久々の主演。この作品で彼女は金持ちのワガママ女性弁護士という”『クルーレス』その後”みたいな役を演じた。もちろん番組スタッフの意図は、往年のファンをニヤリとさせることにあったわけだが、結果は異なった。「あの素敵な彼女は何者?」そう、往年どころかティーン女子のファンを新しく発生させる結果になったのだ。今年のYoung Hollywood Awardsでは"Hottest Coolest Young Veteran"なる賞をゲットして完全復活。たまたま体型が元に戻っていたのが功を奏したようで。

で、ケネス・ブラナーの『恋の骨折り損』で共演したマシュー・リラードに誘われ(?)『スクビー・ドゥー2』で念願のスクリーン復帰。意地悪なテレビレポーターとして、ミステリー社をいたぶっているようだ。次作はクイーン・ラティファが下町の美容院の店長に扮する『Beauty Shop』。どうやらラティファの店に対抗するセレブな美容院のマネージャーに扮してるようだけど、何とタッグを組むのは同じくエイミー・ヘッカリング組出身のミーナ・スバーリらしい。これは今から見るのが楽しみだ(って、日本公開されるのか?)

041001bで、不美男は『最狂絶叫計画』の公開を記念してアンソニー・アンダーソンに決定。70年カリフォルニア生まれ。彼がファーストブレイクしたのは00年のこと。『ロミオ・マスト・ダイ』に『ビッグママズハウス』そして『ふたりの男とひとりの女』に立て続けに助演。出番は少ないながらその体型に留まらないファットな存在感を観客に強く印象づけたのだった。続く『DENGEKI』や『バーバーショップ』で、”黒いボンクラ”キャラを確立。全米ナンバーワンヒット『カンガルージャック』ではジェリー・オコネルとダブル主演し、ジェット・リーとDMXのダブル主演のはずの『ブラックダイアモンド』でも、何故か主役級の大活躍だった(何しろファーストシーンとラストシーンにスクリーンに映っているのは彼なのだから)。

この勢いを買って03年からテレビでファミリー向けシットコム『All About Andersons』がスタート。同番組で共演している弟分カル・ペン(期待のインド系コメディアン)とは『Malibu's Most Wanted』でも共演。またカルの主演作『Harold & KUMAR GO TO WHITECASTLE 』にも友情出演と、早くも軍団結成に着手している。『最狂絶叫計画』では、ラップバトルの司会として客演しているのだけど、テスト試写で彼のシーンがあまりにウケたため、出番が追加撮影されたとのこと。まあ、たしかにデブならではの愛らしさとどことなくナードな雰囲気を併せ持ったキャラは得難いもんなあ。そしてそんなキャラこそ、時代が求めているモノに違いないのだろうし。

なのに、おいおい!待望の初主演作『Hustle & Flow』の撮影現場でレイプ容疑で逮捕。続いて『All About Andersons』でも同様の罪で訴えられたんだって?急激な成功を妬む誰かにハメられたのか?それとも単にバカなだけ?何となく後者のような気もするけれど、どっちにしろ猛省して芸オンリーに精進して欲しいもの。だってアンタには天下を取れるポテンシャルがあるんだからさ。

everythingcool at 09:31|Permalink 表紙美女&不美男2004