2008年10月07日

[アニメ感想]

機動戦士ガンダム00 第26話(二期第1話)天使再臨

機動戦士ガンダム00セカンドシーズン 4years after いよいよ始まりましたガンダム00後半戦。
過ぎてしまえばあっという間の半年間でした。半年前は「この休止期間の間に積んでるガンプラ全部組んで、書けなかった分の感想も書くんだい!」とか張り切っていたんですけれど、何一つ果たせていません。その代わり後半の3ヶ月はまさかの二次創作サイトに全力投球していたからまあいいか。いいのか?
今回久々で感想の書き方忘れている上に内容は盛り沢山、しかも興奮しているので全くまとまっていません。すみません。
監督が「二期はガラっと変わる、変える為に大変な思いをした」と一期のうちからおっしゃっていたように、二期の幕開けである今回は、宇宙空間での量産機同士の戦闘というこれまでになく「ガンダム」らしいシーンで始まり、BGMも殆どが新曲、メイン使用曲(おそらくはアロウズのテーマ?)は不気味で耳に残る女性コーラス、という一期とは何かが変わったのだという事がはっきり判る造りになっていました。

メカはどれもこれも素晴らしく動いていましたねぇ。設定画ではピンと来なかったアヘッドの、動いてみればなんとカッコ良く凶悪に見えることか。カタロンカラーの青に統一された旧型量産機もいい感じです。
勿論人物作画も初回だけあって整っていました。序盤のロッカールーム内での人物の動きとか、高重力下の表現とか、面白い絵も多かったです。
そしてなんと言っても今回の主役沙慈くんの表情作画の気合いの入っていた事といったら!伊達に監督がもう一人の主人公なんだと言い続けてきた訳じゃ無いんだ、と嬉しくなってしまいました。
入野くんの演技も素晴らしかったです。「鉄腕バーディー」のつとむも良かったし、いま演技力の成長期なんじゃないかなあ。
刹那に連れられて通路を逃げて、ハッチに出て一息付いた所の表情の対比がなんか好きです。あくまで冷静な刹那に対し、いっぱいいっぱいな表情のまま(一息付けた事が判断出来ていない)沙慈があくまで普通の人なんだという事がよく判るシーンでした。
その直後、エクシアが視界に入って来た時の沙慈の心境を想像するとたまらないものがあります。刹那は内心ちょっとホッとしたでしょうし、我々視聴者にとっても「待ってました!」というその姿が彼にとっては絶望の象徴なのですから。地獄を抜けたらそこにまた新たな地獄がぱっくりと口を開けて待っていたような。

沙慈が刹那に銃を向けるシーンは19話との対比である事は、予告などで公開された映像から推察出来ることでしたが、まさかわざわざその場にティエリアを同席させてまで対比である事を強調するとは思わなかったので驚きました。
ニールは当てなかったけれど撃ってしまった。沙慈は撃たなかった。この対比が今後どのように効いてくるのか楽しみです。

刹那に関しては、ただただひたすら、「せっちゃん大きくなったねぇ……(ホロリ」と遠縁のおばちゃんのような心持ちです。
ひげ生やしてターバンぐるぐる巻きでティエレンに乗って再登場してくれ、という私のやけに具体的な妄想は叶わなかったけれど、ノリ的には期待していた感じわりとまんまだったんで満足です。
銃を向けた沙慈に対して彼は何も答えませんでした。答えなかったのか、答えられなかったのか。おそらくこの答えはこれから25話かけて探していくのではないかと私は思っています。
あと、彼の成長に合わせて宮野くんの演技が更に大人っぽい方向に行くのではなく、寧ろ若干柔らかなものに変化しているのが面白いなと思いました。
ボレロへのお着替えのシーンが、まあぶっちゃけサービスシーンではあるんですけれど、同時に刹那の成長が視覚的にものすごく判り易く伝わるシーンになっていて感無量でした。

ティエリアはなんかすっかり元気になっちゃって、上から目線も微妙に空気読めてない所も健在ですっごく嬉しかったですw沙慈に説教するところ、ひとこと文句言いたいティエリアの気持ちも判らないでもないけど、あのタイミングであんな言い方したら駄目でしょうwでも多分その辺が彼のチャームポイント。

チャームポイントと言えば、セラヴィーたんの背中のガンダム顔のインパクトは凄かったです。あれ、多分後で何かギミックが明らかになるんでしょうけれど、実は何か仕掛けがありそうで何もなくて、単なるGN粒子放出装置だったとしてもネタとして美味しいと思ってしまいました。
エクシアに対してはもう、お疲れ様、としか掛ける言葉がありません。ボロボロになりながらの最後の雄姿、本当にカッコ良かったです。

えー、ルイスの状態が想像以上に悪くてショックが抑えられません。
左手だけじゃなくて、なんかリボンズさまとリンク出来るように改造されてしまっている??
私、それこそ00が始まった頃から、沙慈が銃を取る展開だけは嫌だとずっと思ってきたんですけれど、今でもすごく嫌なんですけれど、ルイスがあまりにあんまりな状態なんで、彼女をどうにかする為には沙慈が一般人のままでは駄目だというのを否応なしに納得させられてしまいました。
でももし沙慈がこのままCBに身を寄せるとしても、出来ればボレロは着ないで欲しいなあ。それは彼の立ち位置として何か違うと思うのです。
まだ彼らのハッピーエンドは諦めていません!

気を取り直して新キャラのミレイナちゃん可愛いです。ティエリアに対する「アーデさん」って呼び方が新鮮で可愛い!
新キャラと言えばリジェネの声が私の好きな朴さんの柔らかい方のお芝居で嬉しい〜〜!!しかし彼が招き入れた人には驚愕しました。まさか王留美が1話でリボンズさまの所に顔を出すなんて!!
全てリボンズさまの掌の上なのか、それとも留美は留美で何か期する所があるのか、どちらにしても新CBの前途はのっけから厳しいものになりそうです。

とにかく、まずはアレルヤを助けてやって下さい。

長くなったので、今回はEDに使われた新OPとCパートの感想など残りは追記にて。

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Posted by HS at 04:30Comments(0)TrackBack(0)

[アニメ感想]

機動戦記ガンダム00 第25話 刹那

機動戦士ガンダム00 7 面白かった!
初見時、見終わった瞬間この言葉しか頭に残っていなかったのを半年経った今でもはっきり覚えています。24話を見てから一週間、尺が足りないんじゃないかとかあのキャラはどうなるんだとか不安で不安でしょうがなく、頭の後ろにもやもやが立ち込めているような感じだったのがスカーッと晴れていったあの爽快感!
初見ではとにかく作画の素晴らしさに圧倒されていたので、内心ちょっと絵の勢いで誤魔化されちゃったかな?みたいに思っているところもあったのですけれど、見返すといやいやどうしてどうして、脚本も実に練られてますよ。何度見返しても飽きません。非常に良く出来た最終回であり二期への橋渡し回でした。

まずなんと言ってもアレルヤのオールバックがカッコ良かったです。
オールバックそのものもカッコ良いんだけど、前髪を掻き揚げるカットのあの匂い立つような色気!なんと夫も同じシーンで同じ感想を口にしたのにびっくりw
吉野さんの演技もすんばらしかったですねえ。
対峙したセルゲイさんもこれまたカッコ良かった。ピーリス!て叫ぶ所が。
と言うか本当に今更なんですけれど、荒熊親子生存バンザーイ!バンザーイ!!
私が21話以降の感想で、アレルヤに関して色々ナーバスな事を書いていたのは、要するに彼の描写が彼&荒熊親子の三者の死亡フラグなんじゃないかと怯えていたからなんだという事が、生存確定してからようやく判りました。特に23話の後は、冗談抜きで三者同時退場とかも有り得るとまで思い詰めてたんです。上に書いた爽快感の七割くらいはこの3人の生存に安堵したお陰だと思っています。
問題のマリー発言。これはネタバレ読んでなくて良かった!小説買ってるけどまだ読んでなくて良かった!と心底思いました。おかげでメチャクチャ驚きました。二期では果たしてこの二人の関係はどこに行き着くのでしょうか。あまり悲しいことにはなって欲しくないのですが。ソーマたんの描き方はいわゆる強化人間のテンプレに拘っているようには見えないので、行き着く先も定番から外してくる事を期待しています。
ハレルヤ退場に関しては、私はアレルヤとハレルヤはあくまで同一の存在だと解釈していますので、楽観的に捉えています。アレルヤが健在である限り、彼が必要だと思ったら出てくるでしょう、多分。

刹那の「狙い撃つ!」でちょっと泣きました。

改めて、ロックオンについて。
親しい人の死によって成長する主人公、というのはフィクションの定番シチュエーションであり、特に「人死にの出るロボットアニメ」では欠かせない要素と言っても過言では無いほど定番中の定番な訳ですが、同時に、定番であるからこそ、扱いがとても難しいシチュエーションだと思います。
ただ美しく描いただけでは死を美化しただけになってしまうし、主人公の踏み台になりました!というのが見え見えでも興醒めしてしまいますし。
もう一つ、ここ数年色々なアニメを見て考えてきた事なんですけれど、今はいわゆる主人公の人生の先輩キャラ、兄貴キャラを描くのが難しい時代になってきているのかな、と思うんです。
少子化と個人主義化が進んで、実際には兄貴分、というものに会ったがある人は減っているのに、我々オタクはこれまでの漫画やアニメから理想の兄貴分のイメージを作り上げてしまっていて、求める兄貴キャラのハードルが無駄に上がってしまっているように思います。
で、00の場合、一期キービジュアルのセンターがロックオンだった事から見ても、ロックオンをどう退場させるか、というのが明らかに一期の最大の課題だったと思うんですよ。水島監督は兄弟関係、擬似兄弟関係の描写に非常にこだわりのある方ですし。
23話のロックオンの退場そのものは、自分自身の復讐の為、しかも目的が果たせていない言わば犬死にとしてかなり突き放されて描かれています。しかもそれを24話の刹那の「死の向こうに神はいない」で駄目押しまでしています。(刹那はロックオンの死に様を悲しみ悼んではいますが美化も肯定もしていません。否定もしていませんが)
だけどその一方で刹那はCBに入った時真っ先に自分をマイスターと認めてくれたロックオンを思い出し、自分を切り札だと言ってくれたロックオンを思い出している。
フェルトはロックオンとの会話を思い出し改めて生きることを誓う。
つまりロックオンの死そのものを美化するのではなく、それまで刹那達と過ごした時間に、ロックオンが生きていた時間にこそ価値があるのだという事を、24、25話のギュウギュウ詰の中であれだけの尺を取って描いた訳で、私はそれはとても真摯な送り出し方だと思いました。
不謹慎な言い方かも知れませんが、ロックオンは近年稀に見るほど、丁寧に、心を込めて作り手に葬られたアニメキャラだと私は思っています。
そして二期では彼の実弟ライルが登場します。彼が兄ニールからどんなバトンを受け取るのか、また受け取らないのか、しかと見届けたいと思います。

元々ジムが好きなので、金ジムことアルヴァトロンが登場した時には爆笑とともに狂喜しました。何度見返してもほんと可愛らしいデザイン。プラモ化されないかなあ。
そのデザインセンスと言い、アレハンドロさまは実に美味しいキャラでした。「この私!」て言って胸に手を当てる所の手の形が面白くて何度見ても笑ってしまいます。最後にリボンズが通信してくる所の通信窓まで唐草模様で装飾されてるのも凄い。
でもそのキンキラ趣味と彼自身の欲によって目立たないけれど、彼がイオリアの計画に対して抱く嫌悪感そのものはごく自然なものだと思うんですよねー。これは二期で誰かが別の形で引き継いでくれる事を期待しています。

上で書いた「初見では絵の勢いで誤魔化されたように感じた」シーンと言うのはつまり刹那とグラハムの問答なのですが、見返したら台詞もしっかり一期総括になっていてたまげました。愛だの赤い糸だの言っているのにも関わらず!ですよw
しかも、刹那がグラハムに返している言葉というのは全部刹那自身に撥ね返って来る言葉になってるんですよね。「貴様だって世界の一部だろうに!」とか。
折角、一応のボスキャラを倒して爽快感を与えた所で、息もつかせずライバルキャラを現地急行させて主人公の横っ面を張っ倒させるんだから、なんて情け容赦の無いアニメだと思いました。
この問答は一期総括であると同時に、そのまませっちゃんへの二期の宿題なのだと思います。

フェルトには手紙出す相手なんていないって言ってたくせに、ちゃっかりマリナさまにメール出してたせっちゃんに萌え。
その内容に、宮野くんの演技もあいまって、このメール朗読のシーンは何度見返しても切々と胸に迫ります。
そしてここの瀕死の刹那の一枚絵がなんともインパクトのある絵で。二期があるとは言え、ここまで「主人公は負けたのだ」という事をバンッと前面に出してくるアニメはあまり見た覚えがありません。特に最近は。

沙慈が独りで頑張って夢を叶えていたのには本当に感動しました。君ならやれるとおばちゃん信じてたよ!また4年後という事ではっきり顔立ちを大人のものに変えてきたのも(対象年齢層などを考えると結構英断だったと思うのですが)その感動を引き立ててくれました。
ここで蒼いGN粒子の光と共にDAYBREAK'S BELLが流れてくる演出はそれこそ鳥肌ものでした。水島監督は最終回作らせたらピカイチ!だと思います。鋼、大江戸、ときて更にこれなのでもう断言しちゃう。気が早いですが00の本当の最終回にも勿論期待しています。

  
Posted by HS at 04:28Comments(0)TrackBack(0)

2008年09月13日

[アニメ感想]

頑張れアニメージュ

アニメージュオリジナルvol.1(08.AUG) こんにちは、アニメ誌は毎月12日発売地域在住の管理人です。
先月はCLAMPを擁したNEWTYPEが13日には売り切れていて困ったので、今月は12日のうちに書店に行きました。
今月のアニメ誌の表紙はコードギアス一色。それはまあ時期的にこんなもんかな、という感じだったのですが、アニメージュの表紙のC.C.が全裸だったのには呆れました……。(注:筆者はTPOに合った場でやってくれるならおにゃのこの裸体絵は寧ろ大好物な人です)お尻は表紙では見えてないってどこかで読んだんですがあれは寧ろ丸出しに近いと思います。
M崎事件の時に普通のアニメ誌まで成人漫画誌と一緒くたにされてテレビのニュースでバンバン晒されて、書店でも普通のアニメ誌まで大人のコーナーに置くところとか出て、大変な目に合ったことを覚えている人がもう編集現場にいらっしゃらないのかな。
まあかつての苦い思い出は置いておいても、あの表紙はちょっと有り得ないと思うんですよ。メージュはここ数年時々女子向けのちょっとあざとすぎる表紙を載せるのは有名な話ですけれど、今回はなんぼなんでも度を越していると思いました。

表紙の件に象徴されるように、近年のアニメージュは売上げが苦しいんだろうな、というのを露骨に感じさせてかつての愛読者としては辛いです。エウレカで結局ムックらしいムックが出なかったことに懲りて、妖奇士やDTB、そして00の記事を切り抜く為ここ2年ほど久々にアニメ誌を購入するようになりましたが、アニメージュだけ買わない、という月も多いです。
ネットの普及で雑誌全体の売上げが落ちている事、アニメ誌を買うような世代の支持するアニメが角川書店が出資しているものに偏っている事の影響も大きいんでしょうが、それだけでなく記事の質も落ちていると思います。昔から、アニメ誌は記事内容と広告主が密接な関係にある為に批判記事を載せにくいという欠点を抱えていましたが、それにしても近年は露骨な提灯記事が明らかに増えました。これは売れているNewtypeも一緒だと思ってますが私は昔からメージュが一番好きだっただけにその凋落振りが一番堪えるのです。
私が中学生の頃から全く、本当に全くカラーが変わっていない、色物という名の独自路線を歩み続けるアニメディアが逆に凄すぎるのかもしれませんがw
最近のアニメージュでも例えば銀魂の記事なんか、すごく楽しそうに書かれていて内容も充実していて、あれは角川関係無いし、ジャンプアニメで漫画が売れるのが一番大事なことなだけにDVD販売会社からの縛りが緩いのかな、などとついつい邪推してしまいます。

そんな中、先月「大人の為のアニメージュ」と銘打った「アニメージュオリジナル」というムックが発行されました。
これが内容が充実していて実に素晴らしかった!
2大特集のガンダム00とマクロスFの記事は勿論の事、先述の銀魂の記事は新八がアニメの作り方を解説してくれた回がいかに真面目に手間ひま掛けて悪ふざけをやっていたかの詳細な解説。更にコードギアスはライトノベル作家上遠野浩平による、誉めているのかけなしているのか一読しただけではさっぱり判らない独特の視点による解説。紅の松尾監督のプレスコ形式への拘りとかソウルイーターのOP解説とか鉄腕バーディーのりょーちもさんのキャラデザ原案とか、当前、藤津亮太、氷川竜介、小黒祐一郎のコラムもあるよ!みたいなてんこ盛りぶり。老舗の意地を見ました。
……読み終わっての正直な感想は、「これだけやれるなら普段からもっと頑張れ!」でした。アニメージュオリジナルは一応続刊予定があるみたいでそれは勿論楽しみなんですけれど、それはそれとして普通のアニメージュももうちょっと頑張って欲しいです。昔は提灯記事の合い間に宇宙船サジタリウス巻頭大特集みたいな無茶やってたじゃないですか。もうそんな無茶は出来ないにしても、お色気ばかりに頼るのではあまりにも悲しい。オリジナルの創刊を期に、なんとかちょこっとだけでも老舗のプライドを取り戻して頂きたいです。

  
Posted by HS at 14:45Comments(0)TrackBack(0)