いろいろメモ

今読んでいる本や論文のメモとして使用したいと思います。

英語等,自信がありませんので 誤訳等ありましたらご指摘くださると幸いです。

メモ:certainty equivalent approach

確実性等価とは、不確実な見込みの期待効用と同等の効用をもたらす確実な見込みの経済価値のこと。不確実な見込みを選択するようになるには、確実な見込みの経済価値がどれくらい減価されなければならないかを決定しなければならない。以下の算式で計算される。
計算式:
ln(C) = ln(F) * p + ln(U) * (1 - p) 
C = e[ ln(F) * p + ln(U) * (1 - p)]
(ln:自然対数、C:確実なペイオフ、F:好ましい結果のときの価値、U:Fの逆、p:好ましい結果の起こる確率)

ZLBが重要である2つの議論 by mainly macro


Friday, 12 July 2013

The two arguments why the Zero Lower Bound matters

(以下拙訳)

なぜ名目利子率の非負制約(ZLB)が重要なのかという2つの議論を区別するのは重要である。

私はこれらを1番目と2番目と呼ぶことにし、経済学者と統計学者ならすぐにこの呼び方が重要な意味があることが分かることだろう。1番目の理由は論争の余地があるものだが、2番目の理由に反対するのは非常に難しいと思う。

ZLBが重要である1番目の議論は、非伝統的金融政策が効かない、もしくは限界がに到達し、これらの制約が効果を示すということである。端的に言えば、ZLBの下での金融政策は、完全に金融政策目標を達成することはできないということである。

ZLBが重要である2番目の議論は、金融政策の影響がより不確実になる、というものである。2つ目の理由のもとでは、、非伝統的な金融政策の幾つかの服用だと、普通の状況下での利子率政策で達成可能なことを再現する事ができるが、そこには何が適切な服用量かどうかという不確実性が増える。そのため、いずれの非伝統的な金融政策のアクションの影響も、伝統的な金融政策よりも予想出来ないものになっている。

非伝統的な金融政策の議論の多くは、1番目の議論に関するものである。量的緩和政策(QE)の重要な特徴は、その規模が潜在的に際限を持たないことである―つまり中央銀行は好きなだけ預金を増やすことができる.そのため、もしQEのそれぞれがの経済に対する影響が一定ならば、たとえこの一定値が小さかったり、この一定値を知っていたとしても、我々は、このプログラムを増やすことで、望む効果を生み出すことが出来る。でも、政策のリターンは減少すると考えるのがもっともらしいように思われる。だからといって、このことが現在行うことができる政策に際限があるということを意味しているかどうか私にはわからないというのが本当のところだ。非伝統的な金融政策が大規模過ぎたなら、金融安定化に対して危険な効果を与えるということを心配している人たちもいる。先に述べたように、最初の議論は論争の余地があるものである。

私が明らかだと思える事は、QE、もしくは他の非伝統的な金融政策の影響に関して伝統的な金融政策に関する事よりも、あまり(much less)知らないということである。このほとんどは定義により従う。我々は伝統的な政策に対する良いモデルを確立し、これらのモデルを検証するためのデータを多数得てきた。非伝統的な金融政策の影響がより不確実であると主張するデータは何か。(これは、その影響に関する多数の業績を持つJohn Williamsによって導き出された結論であり、この見解に反対する人の議論は聞いたことがない。)このため、私がZLBでの金融政策の影響がZLBがない時の金融政策の効果と比べて、非常に不確実であるということを否定するのは難しいと思う。[2]

何故、このような分類をするのか?良い政策とは、経済に対して最良の結果をもたらそうとするものだけではなく、その結果に対する不確実性を減らそうとするものでもあるからである。事実、我々は後者のために前者を犠牲にする準備をするのがもっともだ(つまり不確実性は一般的に望ましくないものである。)例えば、マクロ経済政策に対する特定のルールのメリットを判断する標準的な方法は、それが経済が標準的なショックを受けた時に産出量、もしくはインフレの分散を減少させるかどうか、を尋ねることである。

元の話題にもどそう。あなたが医者であり、病気を治癒する2つの薬を持っているとしよう。一つは信頼できるものであるが、もう一つのほうは、正しい服用量を得るためには試行錯誤を必要とし、時には危険な効果を与えることがある。こういった状況で、あなたは信頼できる薬が切らすことを嫌うであろう。実際、わざわざあなたは信頼できる薬を服用しなくなる事を避けようとするだろう。

この考え方から見ると、ZLBやその付近での財政緊縮政策が危険な政策であるということは、殆ど否定できない事になる。非伝統的な金融政策に対する依存性が増すと、マクロ経済的な不確実性は増加する。 それにより、もっと我々は信頼できない薬に頼らなければならなくなるかもしれない。金融政策が必要かどうかの非常に多数の議論が、ZLBが重要であろう1番目の議論に焦点を当てており、2番目を無視しているように思う。[3]


[1]私は"すぐに"というよりもむしろ、"瞬間的に"という風に書こうとしていた。しかし、本論から逸れるかもしれない悪い語呂だとして止めた。

[2] Williamsの論文は政策手段の影響に関する不確実性が、政策立案者に対してこういった手段を用いることに対する注意をする有名な考えを詳しく論じたものである。これは私が此処で指摘している点をより強固にする補足的な考えである。私はまた、良い政策とは、経済から生じる不確実性の特徴について考慮すべきだと思うし、ZLBでGDPギャップの大きさを過小評価するというより、過大評価するべきであるという議論をするためにこれを用いるべきであると思う。

[3] これは財政刺激策が金融政策よりもより信頼できる、できないを論じているわけではないが、この疑問は面白い。私が求めている事とは、財政緊縮政策が短期的な総需要を減らすということ(これは明らかだ)だけである。また、ZLBやその周辺で財政緊縮を約束すべきだという状況でないということも言ってない。ー理論的には、危険な状態にあるコストを重視するために、財政緊縮策の便益はかなり大きい。ただ負債に対して有意で増加するデフォルトプレミアムがない状況では、これらの便益は存在しないと思う。でもそれはまた別の議論だ。

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ましおさんは現在経済学研究科の修士2年生ということで、ご自身の大学院入試(特に関西方面)の経験や試験対策について詳しく書かれています。経済学研究科の大学院に御進学を考えていらっしゃる方は、とても参考になるんじゃないかと思います。自分も参考にさせてもらっています!

ましおさん、今後とも宜しくお願いします。

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