暮らしのノートITO

伊藤昭一ジャーナル★運営「文芸同志会」「文芸同志会通信」＆「詩人回廊」運営。　　

　能登地震で、日本国内に原発を持つ地域はないということが、明白になったのにかかわらず、東京電力は15日、停止中の柏崎刈羽原発7号機（新潟県）について、原子炉内への核燃料搬入作業を開始したと発表した。
　しかし、これは実にリスクの大きい手段である。考えて見て欲しい。福島原発事故の後始末に何兆円かかり、さらに今後も何兆円かかるか、先が見えない。その費用は、何十年分のその他のエネルギー代に相当するか。また核兵器生産のために必要なプルトニウムは、最大量になっている。
　今回の再稼働に向けて必要な検査の一環で、原子力規制委員会が同日に計画を承認した。しかし、そのことを地域の地層や断層は、考慮してくるのであろうか。
　また、実際の再稼働には地元自治体の同意が必要となるため、具体的な時期の見通しは立っていない。
　東電によると、まず制御棒などを原子炉内に入れた後で、敷地内のプールに保管中の核燃料872体を順次搬入する。その後、燃料が正しく配置されているかや、非常用炉心冷却系機能などの検査を1カ月半程度かけて行う。安全対策のため、宿直の所員を8人から51人に増員したという。
　災害を交通事故と同じに考えているようだ。いや、そう考えるようにしているのであろう。事故のない工業プラント装置はない。
　原発には、過酷事故で、格納容器の爆発を防ぐために、圧力を外に逃がすベントという装置があるが、福島の事故でわかったのは、その装置が働くかどうかは、事前に試すことができないということだ。原発装置は、その時点で欠陥プラントなのである。さらに、装置の完成後あらゆる部位を修理しているため、設計変更が幾度もなされ、装置の全容を知る者がいないということである。
　原子力村の権益と米国からの従属政策のために、取り返しできないリスクを取る意味が、あるのだろうか。それこそ最新技術を駆使して、脱原発をすべきであろう。この世界には、ゴジラは存在するのだ。
■関連情報＝東京新聞《運転60年超の原発、世界で実例なし　設計時の耐用年数は40年　配管破れ、腐食で穴...トラブル続発　》

P5140005_1_1＜木村 喜由・日本個人投資家協会理事。＞
　　「日本個人投資家協会理事・木村喜由氏は会員向け情報「木村喜由のマーケットインサイト 2024年4月号」を発信した。
ーー前段では半導体関連株のピークアウトを指摘。その後の同社株と米SOX指数の動きは頭打ちから急落に移行するパターンを示唆している。チャートの形状、バリュエーションとも天井打ちを示唆しており、最近の半導体関連にあらずんば株にあらずのような空気は今後一変しよう。その結果、その他のセクターへの資金配分が増え、相対パフォーマンスの逆転が起きるであろう、とし、これが世界的なIT機器の回復を示唆しているものではない、とする。
【米国プラットフォーム各社は重い償却負担に苦しむ】
　現在独占的シェアを持つNVIDIA製の生成AI向けGPUだが、作動させるにはCUDAという専用の開発環境ソフトが必要で、消費電力が非常に大きいという弱点がある。
　筆者も生成AIが人類にとって非常に大きな貢献をするものと見ているが、高価で資源を浪費するような機器に依存するのはまずいと誰もが考えるだろう。それは今の株式市場が夢見ている世界とは相容れない。現在は、マイクロソフト、グーグル、メタなどの巨大企業が早くシェアを取るため投資競争を急いだ結果として、「生成AI祭り」的な相場環境となっているが、2年後にはずっと運用・利用コストの低下、言い換えれば市場の推定規模が大きく下がっているだろう。数年前のメタバース騒ぎと同様、現在のIT大手の巨額投資が実を結ぶか疑問だ。一方で、これらの企業が莫大な償却負担に苦しむことになることは確実である。
　前回、３月の日銀会合を通過すればドル円は152円を突破すると書いたがその通りになった。152円付近ではきっと為替介入があるとの見方に対し、筆者は多方面から悲鳴が上がらない限り、市場原則に反する介入は出来ないと否定した。
　ドル円は年末160円に接近、ペースが速ければ利上げ前倒しデフレ脱却は国家的悲願であり、日銀にとって最優先課題だったはずである。
　黒田総裁が就任する直前、ドル円は75円に達した。黒田氏は「賃上げもインフレもゼロ」という日本社会に浸み込んだノルム(社会通念)を砕こうとして、バズーカと呼ばれる超金融緩和策を打ち出したが、氏の在任中にはその効果は実現しなかった。150円付近で円安が定着したことで、やっと展望が開けてきた。
　植田新総裁は黒田氏の高校の後輩であり、黒田時代の政策をつぶさに研究していた。もし為替介入すれば「政府が希望する為替水準は大幅に円高寄り」というメッセージを市場に伝えることになり、折角努力してきたデフレマインドの払拭という目標に自ら冷水を浴びせることになる。過度の変動、あるいは経済活動に全体に対しネガティブという条件が整わない限り、植田氏は介入を容認しまい。
　各種経済指標で世界の常識から一番かけ離れた動きであるのは賃金であり、これがはっきり上がらないと物価、金利その他の体系は正常化しない。150円に乗り、原料高を売値に転嫁するのが当たり前になった。インバウンド客が法外に高い料金でも喜んで支払うのを見て、賃上げしてもよい労働者を集めた方がトクという常識が一気に広がった。総論的に円安は歓迎なのだ。条件が整わない生煮えの為替介入は、一利はあるが大目標に対してはネガティブに作用する。
　金融正常化に向け、植田総裁の次の希望は今春の賃上げの結果、実質賃金がプラス圏内に浮上すること。遅くとも7月の物価展望レポートと日銀会合で、データが確認され、追加利上げが議論されるはずだ。筆者の予想は7月会合で「今回は変更を見送るが順調なら10月に0.25%利上げと予告、ただしドル円が155円以上で定着するなら前倒し」というものである。年末為替は160円付近と見る。
　国内マネーは徐々にリスクテイクに向かっている。夏のボーナスは近年では一番消費性向が高く、また貯蓄もリスク性が高い商品に配分されるだろう。内外金利差は大きく預金は年率2%以上の勢いで目減りする。国内勢の買い意欲は強い。
　逆に米国は消費が若干失速しそうだ。ISM非製造業指数、製造業受注などの勢いが落ち、オフィス需給や不動産貸付、小型株指数ラッセル2000に弱さが見える。人手は不足し金利負担は重く、中小企業の倒産が増えている。実質マネーサプライも低下している。米国株は久しぶりに下落基調に転じるだろうが、日本株は好需給に支えられ、下値は浅いと見ている。 (了)
　★ このレポートは経済環境および投資判断の参考となる情報の提供を目的したもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。投資の最終決定はご自身の判断でなさるようにお願いいたします。※特定非営利活動法人　日本個人投資家協会　（Japan Association for Individual Investors）

暇つぶし横浜中華街にぶらぶら
つぼみがありまだためらう　咲くか咲かない桜の木
山下公園のもう航海することない　氷川丸日本郵艦は白い波打ち浮き揺れる　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
鮮芋仙の店　大好物の豆花を久しぶり頬張る　母の追憶と故郷の味
定番コースは九分という店の粽　手間取らない美味しさの常備食であり　贈答品にもなる　
途中でガラケー携帯にメールが届いた
昨日送ったメールの返事が
一日半でどこかへ回って来たか
相手は携帯電話を床に落とし　ばらばらになったとある
蓋や電池を自力で組立　いまは動いたという
そうだったのか　無事であれば……

半日外出でも結構な体力消耗
家に帰ってぱったんと5時間も寝た　
家の年季の電話機が鳴って　目が覚めた
そこからの電話は大体勧誘が多い　取らなくていい
わが旦那が断固拒否だ
眠った5時間　携帯とＬＡＩＮに弟の隆から何通もの連絡もあった
大変心配を掛けただろう　夢の中の私にあちこち連絡した
地震被害の少なかった台湾の地域に住む弟と19：00にネット囲碁対局の約束を忘れてしまったのだ
（2024・3・15・）
　　☆関連サイト〜〜「詩人回廊」＝江素瑛の庭〜〜☆

　横浜〈市電の架線用ポールに空襲の痕跡。鉄管の根元近くの穴は、焼夷弾が直撃した跡とされる。2023/6/20、盛丘由樹年。〉
�� 横浜大空襲の被弾鉄柱（2023/6/20）横浜市磯子区。
　５月２９日になると、横浜大空襲が話題になる。地域のマスメディアなどが、歴史的な出来事として取り上げるからだ。県民の一人として私の耳にも入る。
　１９４５年のその日に横浜市は空襲で壊滅的な被害にあった。Ｂ２９爆撃機による焼夷弾攻撃で、地上は火の海になった。そして翌日、市街は見渡す限り焼け野原になったとされる。
　その横浜大空襲の痕跡は、今では意外に少ない。その一例として、７〜８年前に、保土ヶ谷区の古い街並みを見学するツァーで聞いた話では、ある住宅に、焼夷弾が屋根を突き破って落ちてきた跡があるという。それは不発で火災にはならなかったが、屋根は修繕したけれど、室内にその跡を（記念に？）残しているという。
　今般、横浜市電保存館に残っているものがあるという情報を得て、私はさっそくその地に、磯子区滝頭(たきがしら)に行ってみた。６月２０日、ちょうどその日の午後に横浜みなとみらい地区に行く用事があったから、午前中に見て回ろうと思った。横浜駅から地下鉄に乗り、吉野町駅で降りた。ここからはバスで行くのが便利だが、例によって私は歩いた。掘割川に沿った道路には信号が多く、たびたび立ち止まらなければならなかったことで、歩きづらいと感じた（バスに乗らなかったことを後悔する）。しばらくして滝頭地区に着いた。
　横浜市電保存館は、横浜市営パス営業所の敷地の一角に、細長いビルの一階部分を占有している（２階以上は市営住宅）。この一帯は以前、市電の車両工場だったという。
　入口のアーチをくぐり、保存館の建屋へ行く通路わき、左側に一本の鉄柱が立っている。市電の架線を支えるため支柱だったという。直径２０センチほど、高さが５メートルほどの鉄管だ。その根元付近に直径５センチほどの穴が開いている。焼夷弾が当たった跡という説明がないと、見落としてしまうかもしれない。
　１９４５年（昭和２０）５月２９日、この市電用架線ポールに直撃したものと言われている。でも、直撃した瞬間を見た人はいなかったらしい。あるいは、いたとしても、まもなく焼け死んだことだろう。
　専門家ではないが、私が見たところでも、それがある角度で空から落ちてと考えれば、こうなるだろう。なお、厳密にいえば、焼夷弾が直撃したのはこの地ではない。これはもともと、横浜市電生麦(なまむぎ)線の、国道１５号線の歩道上にあった。このポールは、２００７年に道路整備にともない撤去され、その後この市電保存館に移されたという。
　補足すると、当時落とされた焼夷弾はＭ６９タイプのもので、空中にばらまかれる単体では、六角形の筒状で約２キロの重さがある。
　焼夷弾とは、クラスター爆弾の一種で、親爆弾の中に、多くの筒型の子爆弾が組み込まれる。筒は六角形で、ハチの巣のように親爆弾に隙間なく組み込まれる。落下に伴い、ばらばらに落ちてくる。中に油脂が詰められており、地上でその油に火が付き、炎上する仕掛けだ。今では悪名高いクラスター爆弾の一種だ。ベトナム戦争で盛んに使われたナパーム弾と同じ原理だ。ナパーム弾でやけどを負い、逃げ惑うベトナム少女の写真が世界的によく知られている。
　その日の空襲は、３月１０日の東京大空襲に匹敵する大規模なものだった。約５００機のＢ２９爆撃機により約２５００トンの焼夷弾が落とされた。空襲は夜間が多いものだが、このときは白昼堂々と、午前９時２０分から１０時３０まで爆撃が続いたと記録されている。アメリカ軍は上空から眺めながら、住民たちが逃げる先（風向きなどでわかるのだろう）を予測し、タイミングを合わせて一網打尽に市街や市民を焼き払ったとされる。
　多数のＰ５１戦闘機（大戦中の傑作戦闘機として評価が高いし、飛行士たちはよく訓練されていた）に護衛されていたから、日本軍のやわな戦闘機などは、手も足も出せなかったとみえる。
燃え盛る炎は、多数のＰ５１戦闘機（大戦中の傑作戦闘機として評価が高いし、飛行士たちはよく訓練されていた）に護衛されていたから、日本軍のやわな戦闘機などは、手も足も出せなかったとみえる。
　燃え盛る炎は、ほとんど消し止めることはできず、火災はその一日中続いたと思われる。横浜市街の大半が被災した。死傷者多数、家を失った者大多数。数え切れず。
　軍からの通達〈空襲があれば、成年男子は逃げるな、火を消せ〉に従い、火を消そうとした住民たちの多くが逃げ遅れて死んだという話を伝え聞く。軍部は住民を守ろうともせず、住民の危険を顧みない通達を出していた。
　私はそのポールを見ただけで帰ってよかったのだが、保存館の開館時間（１０時）になっていたので、中を見学することにした。受付で入場料（２００円）を取られたが、市電の実物がズラリと並び、奥に進むと、当時の歴史的な説明のコーナー、精巧な鉄道模型の展示、模型が走り回る鉄道ジオラマなどがあるのだから、意外と充実している。休憩スペースも広い。観客は私一人だけだったから、ゆったりと見て回れた。見張っているような人もいない。（代わりに監視カメラが不審者を見張っているはず）　ただし、私が帰るときには、園児たちの団体が入り口に並んでいた。今の園児たちには、横浜市内を市電が走り回っていたことを想像できるだろうか。
　 文芸誌「みなせ」99号「雑事記・戦争遺跡探訪」より抜粋。盛丘由樹年：秦野市在住、フリーライター》

　４月はじめの週末、お昼の話し。桜は満開を迎え見頃となっている。最高気温２２度、風もない。もうそれはお花見日よりであった。午前中、ヨガ教室を終え帰宅の途にあったが・・・このまま帰るのは勿体ない。近所のコンビニでアイスカフェラテとコロッケを買い、土手沿いの公園に自転車を走らせる。
　ここには千本桜と言う有名な巨大公園があり、この時期内外から多くの花見客が押寄せる。私は自転車を押しながら公園内に入っていく。
　公園にはテントを張りお弁当持参ではしゃぐ子供の声あり、犬の散歩あり、若いカップルあり、２人でベンチに座り持参したバナナを食す老夫婦あり。
　物書きにとって、これだけの人間ドラマが繰り広げられている場所はないと思う。あ、ふーん、へー、そうか・・・と独り私はこの描写をどう書こうか先ほど買ったアイスカフェラテを飲みながらベンチに腰掛け,妄想にふけっていた。
　気付くとお隣には、８０代らしき老婦人が独り座っていた。何気に声をかけてみる。
「お近くなんですか・」「気持ちいいお天気ですね・・」すると、そのご婦人はセキを切った様にあれこれとお話ししてくれた。
「近所に住んでいて、息子がここまで車で送ってくれた・・一緒にお花見誘ったけど・・疲れているからと息子は帰りました。で、私独りですよ・・」「昔、まだ孫が小さかった頃は家族５人で良くこの公園に遊びにきていたけど・・もう、孫も大きくなり来なくなりましたね」「８２才、段々寂しくなりますよ。２才年上の兄も遠くの老人施設に入って２年、私の事は分かるけど最近の話しは全然お覚えていなくてね」と、身の上話である。
　私は趣味でなないが、どうもこのての話しが好きである。「人生の最期に向けて」なタイトルとでも言えよう。人生の最期、自分はどこでどうしていたいか・・・ある程度の年齢の人ならば、誰しも考える事はあるだろう。
　息子家族と自分５人暮らし。お嫁さはとても良い人である。朝５時には起きて家族の洗濯物、お弁当作り、そして仕事と一日中あくせく働き文句のつけようの無い、現代では珍しい素敵なお嫁さんと
の事。ーー私、おばあちゃんの仕事はこの後の洗濯物の取り込み、夕飯のおかずのお買い物。ーーこれがこの家族内のルーチンらしい。
　そうかそうか。。。と話を聞いていた。
「せっかくなら、一緒に散歩してくれれば良いのにね・・」「皆各々忙しいのよ。こうやってお日様にあたっているだけで幸せ」とよっぽどこの会話が楽しいのか、先程の表情から一転して笑みがこぼれている。
　そんな話をしながら、２０分程経過しただろうか。
「それでは・・」と私から席を立った。「帰りは息子の迎えは無く、バスで帰るの」とぽそっと話してくれた。
　別れて帰り際、自分の過去を振り返っていた。私が高校生の頃、７０代祖母がパーキンソンで寝たきりになる、そのまま私を含めた４人暮らしの家族に突如として祖父母が入り、６人の同居生活が始まった。
　今の自分だったら、寝たきりの祖母を外に出してお花見をしただろう。だけど当時は高校生の私。正直「年寄りは邪魔者」と感じていた。生前ベット上での祖母と一緒にお花見をした事は無い。
　今思えばとっても罰当たりと感じる。先ほどのご婦人も、息子家族との同居生活・心根はどう感じているのだろうか・・
「最期の病院はここで、今の年金なら何とか払える、自分の親はぽっくり旅立った・・だから自分も・・」とその最期をやけに話していた。
　その心根は「これ以上、誰にも迷惑をかけたくない」ではなかろうか。少なからず、今のその同居生活に疎外感を感じているのではなかろうか・・そんな事が頭の中でグルグルこだまする。
　いつか年月が流れ、さらに大きくなったそのお孫さんも「もう少し、祖母と一緒にお花見をしてもよかったかも」と後悔する日が来ない無い様にと祈りながら。ーーふと、頭上に咲き乱れる桜を見上げた。（2024/04/07 ）
　☆〜〜関連サイト：「詩人回廊」〈やまや白丸の庭〉〜〜☆

IMG_20240405_0002〈左は「澪」に連載のひとつ、22号に掲載の石渡均氏の「クラシック日本映画選ー17ー『雁の寺』の一頁。ここが良い、ということでなく、レイアウトとして視覚と解説と組み合わせざるを得ない表現意識を示すものとして、カット化したもの。〉
　　文芸同人誌というより、「リトルマガジン」と称するのがふさわしいところがあるのが、文芸同人誌「澪」のblog《文芸同人誌「澪」MIO》である。
　　異色の文芸誌として興味の出た方は、上記ＨＰがあるので、それで概要を見て欲しい。
　今回の表現意識のあり方の紹介は、プロの写真家の視点から論じている連載もの「クラシック日本映画世選」（石渡均）で、目下、第23号の最新号で18回目『紅い殺意』（今村昌平監督）になる。さらに連載がつづくようだ。日本映画の名作とその監督達をカメラマンの視点から紹介している。
　現在はネットメディアの発達で、かつての映画の論評に興味が失われているだろうと、思こんでいた。しかし、そうではなくなった。まさにネットのYouTubeで、運が良ければ、本誌連載の著者の論じる映画作品や監督についての情報が無料で得られるのである。そこで、この雑誌を紹介したくなった。23号の「紅い殺意」の原作は藤原審爾である。普通の名作解説でなく、カメラマンの視点から、このような評論がなされることは珍しいのではないか。なかに､監督の手法論、人格論､俳優論など解説的なものもあるが、カメラマンからの視点であることを忘れると、誤解される部分もあるかも知れない。その視点の側面に資料的貴重さがあるように思う。
　また、ネット時代の映像世界では、「ネットフリス」で映画配信（有料）があって、米国では、映像にテロップがついているという。米国の作品でも英語テロップがあるという。そのため、映画は読み物としての意識が生まれているという。ーーこれを書いている「北一郎」は､加齢による諸病のため、意欲が長続きしないので、本編はこの辺でーー疲れた。次には、第22号で連載が終了している「羽田低空飛行路の悪夢」（柏山隆基）と、「フォト・エッセー　PEOPLE I MET IN INDIA 」（んねんぞう）の表現法と自意識について評したいが、体調の関係でいつになるか、わかりません。
■関連記事＝石渡均の黒澤明とつげ義春の芸術比較論＝「澪」誌（横浜）
■関連記事＝2016年「澪　MIO」の同人展を1/6−9日まで開催＝横浜市

　去年、２度も転んでしまった話である。前は、人に押されてそのまま勢いでダイビングしてしまったのである。だが今回（2023年10月31日の出来事）は、自分で転んでしまった。
　それも狭いダイニングで、朝届いた生協の品物を家計簿に付けてから、いつものところへ仕舞おうと立ち上がったところで、何かつまずき、そのまま頭から戸棚のとってに激突してまった。
　痛ったーと頭に手をやると血が吹きあげている。そばに居た孫が、ティッシュで押さえながら携帯で１１９番に電話する。その間も血は吹き出てまるで殺人現場だ、ドラマ「相棒」の右京でもびっくりするだろう。
　救急車の人もこれじゃ転んだどころじゃないと言い、応急手当をしてまた、NTTの病院に運ばれる。処置に当たったのは以前も私を診た先生だった。痛い痛いと言う私の血だらけの頭を水で丁寧に洗い流しながら「髪は女の命だから」などと言う。結局八針も縫って顔を包帯でぐるぐる巻きにされ、眼も下しか見えず車椅子に乗せられ孫とタクシーで帰る。その日は余り痛みもなく右を下にして寝たが、どうも寝にくい。
　次の朝すいと起きたらなんとグルグルまきの包帯がスポンと取れてしまった。頭を触ったが糸がつんつんと出ているだけで何ともない。次の日また救急センターに包帯を持って行く。昨日の先生が来て、「ああ、取れちゃった？いいんだよ」と言う。傷を見て孫に、おばちゃんの頭洗ってあげて、と言う。ええ！？もう洗っちゃっていいの？　と思ったがそう言うのだからいいのだろう。
　でも、怖いので夜、洗面所で片側だけ洗う、なんかスッキリしないが少しだけ汚れが落ちたようだ。そのとき次の抜糸の日どりを孫と決めていた。私は蚊帳の外。
　孫も仕事をしている。土曜、日曜は出勤だが普段はリモートで家で仕事をしている。それも私のため、私が何時何で倒れるかわからないからだ。朝だったり夜中だったりと、在宅の時はいいが昼間だと呼び出されて飛んで帰ってこなければならない。担当の彼はそれでよい日を聞いている。彼は良いお孫さんだねと何回もほめる。私が育てたとは言わない。
　女性の看護師も私の顔を見てもっとひどくなるわよ、と言う。息子の時も倒れて目の周りが内出血でしばらくひどい色だったから、その様な感じになるのだろう。
　困ったことにその週の土曜日に品川主催の映画の予約を入れていた。傷は痛くないがこの顔では外に出られない、下の孫に、この顔で出られるか聞いたが、だめだと言う。
　仕方がないからサングラスをかけマスク、それに帽子をかぶりタクシーで行く。映画を見るだけだからわからないだろう。
　さらにまだ予定がある。息子の図工の先生で時々画廊で何人かで展覧会をやるのだが、今回は上野東京都美術館で一階のフロア全体を使っての大きな企画でふたり分の招待状が来ている。それが抜糸して二日目。例の扮装をしてキャリーカーを押して外出。上野の広場は砂利道が多くて歩きにくい。幸い会場は広く人も少なかったのでゆっくりと観られた。
　彼女の御主人の栄木正敏さんの、帝国ホテルでやる個展には行けそうもない。そのことを書いてお礼状をだしておいた。
　去年の６月からこっちろくなことがない。私の体はこれで頭から足まで全部メスがはいった。救急の彼に、また来てね、と言われた。もうおしまいにしたい。（2023/11/12）
　☆参照：〜詩人回廊＝菊間順子の庭〜

IMG_6361〈川のある下町の一本桜。近隣の誰かがライトアップしたあるが、眺める人は誰もいなかった。2024年4月4日〉
　夕暮れに、用事もなく町散歩をしていたら、立派な桜が咲いていた。きちんと見れば、見事なものだが、夕暮れのためか、満開になったばかりのせいか、周囲に眺める人は誰もいなかった。
　どこの街角や郊外にも、多くの一本桜が、孤独に咲いているのだろうと思う。
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P4060027〜■関連記事＝2019年4月1日頃＝平成時代の花見記録（4）目黒川花筏と自由が丘セザンジュ〜
■関連記事＝2016年4月7日頃＝街中の一本桜と電車の風景＝花筏（目黒川）＆多摩川河川敷

【海江田万里の政経ダイアリー】2024年4月1日号より＝ 機能性表示食品の問題、過剰CMの在り方を考える
　小林製薬の「紅こうじコレステヘルプ」による死亡事故や健康被害の医学的な原因究明は調査中で、今後の報告が待たれています。もちろん、すべてのサプリに問題があるとは思いませんが、はっきりしているのは、私も含めて現在、多くの人々が一抹の不安を抱えながらこの種の「機能性表示食品」を摂取し続けているということです。
　「機能性表示食品」とは、効果や効能を明記することが可能な食品を指します。例えば「紅麹コレステヘルプ」のパッケージには「悪玉コレステロールを下げる」と、同じ小林製薬の「ナイシヘルプ」には「内臓脂肪を減らす」と書かれています。
　同じような健康食品で「特定保健用食品（トクホ）」も効果、効能を明記することができますが、両者の違いは、「トクホ」は国（消費者庁庁長官）の許可を得なければならないのに対し、機能性表示食品は、国への届け出で済むということです。国が許可するためには当然、その食品の効果、効能の審査を国が行なうことが必要で、届け出は、申請者が一定の資料（ヒト試験、文献評価）を提出するのみです。「コレステヘルプ」の場合のヒト試験はたった６７人でした。
　「トクホ」は１９９１年に制度がスタートし、すでに３０年以上の歴史があります。この間に、国の審査をパスしても問題が全くなかったわけではありません。２００９年には食用油「エコナ」に含まれていた成分が問題になり、製造元が「トクホ」表示を自主返納することになりました。
　そうした事例がある中で、２０１５年、安倍内閣の規制緩和策の一環として新たに「機能性表示食品」が誕生しました。届け出だけで効果、効能を表示できるとあって、事業者は当然、「機能性表示食品」の開発に力を注ぎ、現在の「機能性表示食品」の届け出件数は７０００余りにものぼり、一方の「トクホ」の許可件数はおよそ１０００件となっています。
　小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」問題を受けて、消費者庁は７０００件の「機能性表示食品」に対して緊急点検を始めましたが、私は、この際、「機能性表示食品」の広告の在り方についてもメスを入れるべきだと考えています。
　最近、テレビを見ていると、この種の「機能性表示食品」のＣＭの多さに驚かされます。テレビの視聴者が高齢者であることから、「機能性表示食品」のＣＭが多くなるのは当然のことかも知れませんが、「今なら●●●円」、「これから３０分以内なら●●●円」と消費者を煽る表現が気になります。さらに画面をよく見ると、小さな文字で「この放送は一日に何度も行っています」との断わりが書かれています。
　ということは割引価格がいつでも適用になり、正規価格で購入する人はほとんどいないでしょうから、「正規価格の何割引」の表示は、消費者の判断を誤らせるものといえなくもありません。また、画面で経験談を説明する人も、果たして本当にその商品を長年愛用している人かと思うと、「登場人物はエキストラ派遣会社から派遣された人物です」と、これまた小さな文字で表示しているケースもあります。
　一番多いのは「個人の感想です」と表示するケースですが、これらの表示は画面にごくごく小さな文字で表示され、一瞬映るだけですから、これを読んで理解する高齢者はほとんどいません。
　現在、若者のテレビ離れも手伝って、広告収入が減少している中、この種の機能性食品のＣＭは放送局の貴重な収入だと思われます。
　それと関係しているのか、マスコミの報道も通り一遍です。広告の不当表示の管轄は消費者庁ですから、機能性食品の緊急点検を行うと同時に、これらＣＭに問題はないかチェックすべきです。
（衆議院議員 海江田万里の国会日記）＝事務所サイト

　横浜の動くガンダムが3月で終わりになると新聞に出ていた。大変、早く見にいかなくてはと言うと下の孫が入場券を買って、車で迎えにきてくれ16日に行ってきた。
　お天気もよく大勢の人でにぎわっていた。横浜にきたのは何年振りか、亡くなった叔父が、もともと横浜にいて私も一緒に暮らしていたから横浜は中二の時だった。そのころは櫻木町までしか電車はなく,　市電で本牧から今は中華街の入り口にあった中学に通っていた。
　だから横浜は言わば故郷だ。昔の中華街は中華店が１、２件あるくらいで、とてもさびれた所だった。
　丘のホテルや外人墓地はあったが、とにかく丘の多いところであった。いまでは考えられないほど様変わりしてしまった。今住んでいる大崎と同じだ。お台場から横浜に行ったガンダムはどこにあるのだろうか？　と考えていたら孫があらかじめ携帯で写真を撮って来てくれた。
　公園の中からでも見えるのだが、改めて見ると大迫力だった。足の痛いのも、腕の痛いのも忘れて見とれてしまった。
　その腕だが転んでからずっと痛みが取れなくMRIを撮ったら肩が反対になっていて５月にまた手術をしなければならないのだ。足も人工関節で、頭を八針縫って、もう手術などしないと思っていたがまたやることになった。
　全身人工で、そのうち脳みそをとりかえます、などと言われないだろうか？また３週間ベッドだ、それからまた３週間腕をサポーターでしっかり支えリハビリをやるのだそうだ。２か月間何にもできない。また６月に東京キューバンボーイズの公演があるのだが今回は無理か？
　☆参照：〜詩人回廊＝菊間順子の庭〜

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