2010年09月12日
原文見たことありますか?
9月10日、「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」が閣議決定されました。
政府が新たな経済対策を発表、ってことでニュースなんかで大まかな内容を見聞きした方は多い(と信じたい)かと思うのですが、閣議決定された経済対策の全文をご覧になった方はどれほどいるのでしょうか。別に、私は“全文を見ればこの経済対策の本当の良さがわかる”、などと言うつもりはありません。ただ、省内の対策担当部署に配属された新人として、考える間もなく雑用に追われ、国会の閉会中審査も重なって文字通り寝食の間も削って策定に作業に取り組んできたこの対策について、お恥ずかしながら、私自身には考える余力がありませんでした。(正直、閉会中審査は経済対策策定作業への妨害でしかありません。対策の策定作業だけでも深夜に及ぶのに、そこに大量の国会質問を放り込まれるわけですから…)
閣議決定の日には4-6月期のGDP2次速報が発表され、1次速報から大幅に上方改定(前期比年率で0.4%→1.5%)。そもそも対策が必要だったのかという議論すらあって良い状況だというのは承知しているつもりです。ぜひ、以下のリンクから対策の全文をご覧になって、率直な意見・議論をお聞かせください。
「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」(首相官邸HP)
http://www.kantei.go.jp/jp/keizaitaisaku2010/
もう一つ。総理指示のもと、経済産業省が中心となって策定作業を進めている、「国内投資促進プログラム」の骨子。(経産省HP)
http://www.meti.go.jp/press/20100909001/20100909001.html
…ここまで決めておいて、代表選のせいで総理やら大臣やらが交代するかもしれないと言うのだから、やっていられないというのが本音ではあるのですが。。
政府が新たな経済対策を発表、ってことでニュースなんかで大まかな内容を見聞きした方は多い(と信じたい)かと思うのですが、閣議決定された経済対策の全文をご覧になった方はどれほどいるのでしょうか。別に、私は“全文を見ればこの経済対策の本当の良さがわかる”、などと言うつもりはありません。ただ、省内の対策担当部署に配属された新人として、考える間もなく雑用に追われ、国会の閉会中審査も重なって文字通り寝食の間も削って策定に作業に取り組んできたこの対策について、お恥ずかしながら、私自身には考える余力がありませんでした。(正直、閉会中審査は経済対策策定作業への妨害でしかありません。対策の策定作業だけでも深夜に及ぶのに、そこに大量の国会質問を放り込まれるわけですから…)
閣議決定の日には4-6月期のGDP2次速報が発表され、1次速報から大幅に上方改定(前期比年率で0.4%→1.5%)。そもそも対策が必要だったのかという議論すらあって良い状況だというのは承知しているつもりです。ぜひ、以下のリンクから対策の全文をご覧になって、率直な意見・議論をお聞かせください。
「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」(首相官邸HP)
http://www.kantei.go.jp/jp/keizaitaisaku2010/
もう一つ。総理指示のもと、経済産業省が中心となって策定作業を進めている、「国内投資促進プログラム」の骨子。(経産省HP)
http://www.meti.go.jp/press/20100909001/20100909001.html
…ここまで決めておいて、代表選のせいで総理やら大臣やらが交代するかもしれないと言うのだから、やっていられないというのが本音ではあるのですが。。
2010年06月10日
介護保険は誰のためのものか?
今週は合同研修で、都内の特別養護老人ホーム(特養)に行っています。今日で4日目。学生時代に介護レセプトデータの分析なんかをやっていたものの、現場を見るのは初めて。当然のことながら直接的な介助は出来ないので、見学と利用者とのコミュニケーションが中心の実習とです。
お世話になっている特養は、介護保険導入以前からの施設。すべて4人部屋で、廊下や食堂も狭い。利用者が1人になれる時間は、寝るときくらいでしょう。それでも、いくつかの先進的な取り組みが評価されているようで、実習生や他の施設からの見学者の姿をよく目にします。
学生時代から考えていたことではあるのですが、現場に出てみて改めて考えたのは、「介護保険は誰のためのものなのか」ということ。特養での生活は、多くの方々が認知症であることを差し引いても、幸せだとは思えません。リハビリを兼ねた簡単なレクレーションや、書道教室などで生き生きとしている利用者を見ると、逆に普段いかに退屈な生活を送っているのかと思ってしまうのです。自分が年老いた時に特養で生活したいとは、とても思えません。
やはり特養の存在意義は、利用者の家族が介護から解放されることにあるのでしょう。施設に限らず、訪問介護でもそうした側面が大きいのだと思います。家族が介護から解放されることによって、家族の自由度が向上する。そして、例えば労働参加が促される。これは、介護保険導入の明確なメリットの1つです。
一方で、介護を受けている高齢者本人は幸せなのでしょうか。もちろん、現場では懸命な、献身的な介護が続けられています。しかし、施設に入るような段階になってしまえば、生活の自由度をほとんど奪われてしまう。やはり、自宅で、自由な生活を送りたいというのが本音でしょう。
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お世話になっている特養は、介護保険導入以前からの施設。すべて4人部屋で、廊下や食堂も狭い。利用者が1人になれる時間は、寝るときくらいでしょう。それでも、いくつかの先進的な取り組みが評価されているようで、実習生や他の施設からの見学者の姿をよく目にします。
学生時代から考えていたことではあるのですが、現場に出てみて改めて考えたのは、「介護保険は誰のためのものなのか」ということ。特養での生活は、多くの方々が認知症であることを差し引いても、幸せだとは思えません。リハビリを兼ねた簡単なレクレーションや、書道教室などで生き生きとしている利用者を見ると、逆に普段いかに退屈な生活を送っているのかと思ってしまうのです。自分が年老いた時に特養で生活したいとは、とても思えません。
やはり特養の存在意義は、利用者の家族が介護から解放されることにあるのでしょう。施設に限らず、訪問介護でもそうした側面が大きいのだと思います。家族が介護から解放されることによって、家族の自由度が向上する。そして、例えば労働参加が促される。これは、介護保険導入の明確なメリットの1つです。
一方で、介護を受けている高齢者本人は幸せなのでしょうか。もちろん、現場では懸命な、献身的な介護が続けられています。しかし、施設に入るような段階になってしまえば、生活の自由度をほとんど奪われてしまう。やはり、自宅で、自由な生活を送りたいというのが本音でしょう。
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2010年05月03日
日本のメーカーは過当競争なのか?
少し古い話題ですが、未だに話題にのぼる経産省の「日本の産業を巡る現状と課題」。分析一流、政策二流なんて批判もよく聞くわけですが…。今回は、p.19-22あたりに注目して。
この部分の趣旨としては、①「日本は同じ分野に多数のプレイヤーがいて、過当競争になっているから低収益体質である」、②「韓国を見習って、(政府主導で)プレイヤーの集約化を図るべきだ」と読めます。それぞれについて、分析というか感想を。
①は、分析としてはその通りなのでしょう。家電量販店なんかを歩いていてもそれは感じます。ただ、そもそもそれは問題なのでしょうか?完全競争市場では、企業の利潤はゼロになる。経済学の基礎の基礎ですね。消費者としては、競争によってより良い製品をより安く入手できることはメリットなわけです。なぜ、これを問題視する必要があるのでしょうか??続きを読む
この部分の趣旨としては、①「日本は同じ分野に多数のプレイヤーがいて、過当競争になっているから低収益体質である」、②「韓国を見習って、(政府主導で)プレイヤーの集約化を図るべきだ」と読めます。それぞれについて、分析というか感想を。
①は、分析としてはその通りなのでしょう。家電量販店なんかを歩いていてもそれは感じます。ただ、そもそもそれは問題なのでしょうか?完全競争市場では、企業の利潤はゼロになる。経済学の基礎の基礎ですね。消費者としては、競争によってより良い製品をより安く入手できることはメリットなわけです。なぜ、これを問題視する必要があるのでしょうか??続きを読む